更新日:2025年02月26日

【グランドセイコー2025年新作】1200本限定“岩手山の尾根筋”SLGH027

大自然の美しさに由来した、多種多様の有機的な型打ち模様を編み出し続けるグランドセイコー(GrandSeiko)。“雪白”のSBGA211 SBGA011、“白樺”のSLGH005 SLGA009、岩手山パターンのSLGH019 SBGH301など、数々の芸術的な文字盤は枚挙に暇がありません。
2025年新作SLGH027では、「鳥瞰で臨む岩手山の尾根筋」をイメージした、放射状に広がる勇壮なダイヤルパターンを新開発しています。

GS世界限定1200本モデル2025年新作SLGH027について

グランドセイコー SLGH027/横38.6mm×横 40.0mm×縦 47.0mm×厚さ 11.7mm、エバーブリリアントスチール製ケース、メカニカル 手巻き キャリバー9SA5搭載。希望小売価格:1,463,000円(税込)、2025年5月10日(土)予定、世界限定1,200本(うち国内700本)

活火山の溶岩流の跡を彷彿とさせる荒々しい隆起と、その模様に似つかわしくない清涼感溢れるクリアブルーのアンバランスさが乙な新解釈ですね。
GSファンにはお馴染みの岩手山パターン、有機的な雲模様の“雲海”SBGH311、中国限定62GS現代デザインSBGH305 SBGH307 SBGH309、など多数の岩手山をモチーフにした文字盤をレビューしてきましたが、そのどれとも違います。くっきりした筋模様が形容しがたい感情を呼び起こしますね。公式では明言されていませんが、便宜上“岩手山の尾根筋”パターンと呼んでいきます。

鳥瞰、の表現通り岩手山を真上から眺めた絶景、山頂の透き通った空気を「アイスブルー×岩手山の尾根筋パターン」で表現したSLGH027。鷹の眼よりも鋭く、その美しさとカッコ良さを余すことなく解説していきます。

 グランドセイコー公式サイト

SLGH027の文字盤は岩手山を見下ろす尾根筋を模した新しい型打ち模様

GSメカニカルウォッチの製造を担う「グランドセイコースタジオ 雫石」は、名峰岩手山を臨む地にあり、クラフトマン達は四季折々の移ろいゆく季節に“美”を見出します。窓から見える、岩手山に日々励まされながら、泰然自若の精神で時計づくりの本質に向き合っているのです。
“岩手山の尾根筋”SLGH027の眺望は以下の通りです。

≪SLGH027のセールスポイント≫

  • 鳥瞰で臨む岩手山の尾根筋から着想を得た新しい型打ち模様(岩手山の尾根筋パターン)を採用
  • 岩手山山頂の透き通った空気を「クリアブルー×岩手山の尾根筋パターン」で表現
  • エバーブリリアントスチールケース&キャリバー9SA5

岩手山パターンは細い稜線でなだらかな山肌の様子を再現していましたが、本作SLGH027では荒々しい岩稜を再現しています。岩手山の成り立ち、歴史にも関連しているため、かいつまんでその特徴をご説明します。

標高2038mの岩手山は、東西でその表情が全く異なります。東側は「片富士」と呼ばれるほど、すそ野が滑らかなラインをしていますが、西側はゴツゴツした複雑な山肌をしています。岩手山は活火山として約1万年の歴史を持ちますが、西側は水蒸気爆発の堆積物(※水蒸気噴火)オンリーで、東側はマグマ性の噴火(※マグマ噴火)が沢山起きた結果、山肌の違いとなってその差が顕れたそうです。マグマ噴火の方が、ゴツゴツした山肌をしていそうな先入観がありましたが、逆だったとは意外でした。

岩手山の歴史を元に、グランドセイコーのダイヤル模様へ当てはめて考えると、岩手山パターンは東側の斜面「南部片富士」の美しいすそ野の端正な形状、岩手山の尾根筋パターンは西側のゴツゴツした稜線を再現している、のかも?

新しい型打ち模様は、伝統的なサンバースト加工(サンレイ仕上げ)を更に筋目を強調させた形状。既存の岩手山パターンに「白樺」の質感をミックスしたような、くっきりした模様ですね。ラグスポブームで脚光を浴びた、ショパールのアルパインイーグル っぽさも少しあるような。

クリアブルー(水色)をメインカラーに選んでいるのも興味深い点。「勇壮な岩手山」をテーマに据えていますし、そのミスマッチ感もグランドセイコーらしい面白さが溢れています。「勇壮」という言葉は、勇ましく元気な様子、意気盛ん、などの意味があり、クールな水色系とは真逆ですから。

グランドセイコーは2つの工房で3つのムーブメントを育みます。「信州 時の匠工房(長野県)」でスプリングドライブ&クオーツを、「スタジオ雫石(岩手県)」で機械式時計を製造。ダイヤル模様にも若干傾向があり、信州 時の匠工房は諏訪湖の水面をモチーフにした「ミナモパターン」、スタジオ雫石は岩手山の山肌を題材にした「岩手山パターン」を開発。最近では、スプリングドライブが穂高連峰シリーズを春夏秋とリリースするなど一部例外もありますが、大雑把なスプリングドライブは“水”系、メカニカルは“山”系が多い特徴があります。
それらの傾向を元に一つの仮説を導き出すと、“山”系に相性が悪そうな水色を基本色に据えた点が、本作の妙味ではないか?と筆者は分析しています。あえて「上空から見下ろした岩手山の尾根筋」をクリアブルーで表現したのがオツですよね。

GSの魅力である文字盤談義は尽きないところですが、予備知識はこのくらいにして、本題であるSLGH027のダイヤルについて解説していきます。

SLGH027の文字盤は岩手山を見下ろす尾根筋を模した新しい型打ち模様
『本モデルのダイヤルは、匠たちが敬意を抱く岩手山に刻まれた悠久の時の流れにインスピレーションを得て誕生しました。新たに開発された放射状に広がる勇壮なダイヤルパターンは、鳥瞰で臨む岩手山の尾根筋から着想を得ています。岩手山を包み込む静澄な空気や水のようなクリアブルーのカラーリングによって、ダイナミックな稜線が、冴え冴えと浮かび上がります。』

鳥瞰視点(バードビュー)で、上空から見渡した絶景をダイヤルに凝縮させた“岩手山の尾根筋 ”SLGH027。活火山の荒々しさを模様に、澄み渡った空気を色に、余すことなく岩手山の魅力を表現しているかのようですね。

秒針、「Grand Seiko」表記含め、差し色は“青 ”一色で、色味自体ではもはや見慣れたアイスブルー系というのがマイナス要素かもしれません。模様はくっきりしていますが、色合いは地味め。3時位置のデイト窓表示も白窓+黒文字で、ダイヤルの繊細なクリアブルーと馴染んでいないように見えるのが少々気掛かりです。
ここ最近のリリースがアイスブルー系にやや偏り気味なので、黒樺SLGH017のようなカラーリング(※差し色は青)で本作SLGH027を見てみたかった気もします。

・・・多分に漏れず、本作も気合の入った型打ち模様だったため、熱弁を振るってしまいましたが、「模様→色→テーマ(岩手山)」の順に、尾根筋の美しさを見渡していきましょう。

GSの看板モデルSLGH005&SLGA009は海外でも大人気

定番中の定番、超人気モデルの“白樺 ”SLGH005は比較対象として外せません。通常の2倍の塗料、倍の手間暇をかけて、白樺林の“力強さと静けさ”を反映した白樺パターンは、木肌のようにリアルな質感を完成させています。

白樺の型打ち模様は、縦方向に筋張っていましたが、本作SLGH027は斜め方向に不規則な隆起を設定しており、サンバースト加工を荒々しくしたような模様です。

Green Birch、緑樺のペットネームを持つSLGH011

海外では“Green Birch(グリーンバーチ)”、一部ネット上では“緑樺”と呼ばれる緑文字盤のSLGH011。白樺のザラリとした質感、繊細な緑色の組み合わせは、こんな素敵な白樺グリーンがレギュラーモデルでいいの、と興奮したGS愛好家も多いのでは?
本作SLGH027に採用された岩手山の尾根筋パターンとどんなコントラストを描くのか、兄弟機の登場が待ち遠しいですね。

伊勢丹新宿店限定SBGN017は大樹の木肌パターンのクォーツGMTモデル

「大樹の木肌」をイメージした、独特な質感の白文字盤「伊勢丹新宿店2020年限定」SBGN017の模様も、割と似ていますね。実機レビューをした際には、雪白(スノーフレーク)パターンを連想しましたが、岩手山パターンを少しハッキリさせた模様、にも見えなくはないですね。

伊勢丹新宿店限定SBGN025のダイヤル、実機レビュー写真

前年2020モデルに引き続き、大樹の木肌模様にグレーカラーをマッチさせた「伊勢丹新宿店2021年限定」SBGN025。職人の丁寧な手作業で生み出さる有機的な木肌模様は、グレー色を纏うとクールにシックなデザインへ生まれ変わりますね。
SBGN025の出来栄えを見る限り、本作SLGH027の岩手山の尾根筋パターンも黒系統と相性が良い可能性が高そうです。こういったスーツに似合う“最高に普通”なデザインも、レギュラー化して欲しいですね。

ラグスポブームの有名モデル アルパインイーグルのダイヤルパターン

サンバースト装飾にガルバニック加工を掛け合わせ、ワシの目の虹彩「イーグルアイ(※eagle=鷲、iris=虹彩)」を文字盤に完成させたショパールのアルパインイーグル。中心から外側へ複雑に広がる荒々しい凹凸模様は、ラグスポブームを牽引する飢餓感を生み出しました。ショパールのコンセプトは、前身のサンモリッツ誕生の頃から“自然の美しさ”に照準を絞っていますし、その辺もグランドセイコーと似通っています。
アルパインイーグルを見た時のような「威厳や力強さ」が、SLGH027のダイヤルから伝わってきますね。

初代グランドセイコー デザイン復刻モデル×岩手山パターンのSBGW315

岩手山パターン、水色系…と連想したのは、マリーナベイ・サンズ1周年を祝したシンガポール ブティック限定 SBGW315。
同モデルは、「初代グランドセイコー デザイン復刻モデル」に岩手山パターンを初めて採用した珍しさを持ち、ケースフォルムはまるで違うものの、配色やテーマ(岩手県の冬の雄大な自然美)はSLGH027に近いものがあります。岩手山の尾根筋パターンが初代グランドセイコー 復刻デザインに採用された際は、どんな色をチョイスしてくるのでしょうか?

細かい縦の筋目で「氷瀑」を再現したSBGH347

岩手県八幡平市「七滝」の厳冬期にのみ目撃できる、巨大な氷柱を再現した“氷瀑”SBGH347&349。最近発売されたモデルですが、氷の青白い表情を描き出したダイヤルは、季節を問わずCOOLです。縦方向へ不規則に凹凸を繰り返す、凍った滝の筋目がアイスブルーに見目好く馴染んでいますね。
SBGH347&349は、秒針が青ではなくシルバーを採用。ゼンマイ切れで止まった後も、“氷の芸術”を描き出すのも魅力です。絶対零度の“氷の世界”のように、動き出さない秒針までお洒落です。

水色の雪白パターンSBGA407

模様では白樺を中心に解説しましたし、雪白を紹介しないわけにはいかない、ということで“ブルースノーフレーク”SBGA407。ザラザラした雪面をモチーフにした雪白パターンは、淡い風合いを醸し出す水色とも溶け込み、楽しみ尽くすことのない満足感を持ち主に提供します。

本作にまつわる面白い見解を見かけたのですが、歴史的に見ると、岩手山パターンはスノーフレークやバーチテクスチャーに後塵を拝して来たので、新しい岩手山の尾根筋パターンに頑張って欲しい、という意見がありました。王道過ぎる雪白や白樺より、他のダイヤルパターンを推したい、というGS愛好家にも本作は良さそうですね。

シーマスター サマーブルー 220.12.41.21.03.008は青いスーツに似合う

視点を変えて、価格帯が近い有名ブランドのライトブルー系では、2023年に75周年を迎えたシーマスターシリーズのAQUA TERRA 150Mコーアクシャル マスター クロノメーター 41MM 220.10.41.21.03.005(SSブレスレット)/220.12.41.21.03.008(ラバーベルト)も。オメガ独自の“サマーブルー(Summer Blue)”をライトブルー~ディープブルーで、防水性能が上がるたびに青色が濃くなる遊び心も披露していました。
記事後半では、「SLGH027に近い価格帯の有名ブランドその他モデル」をご紹介しています。

岩手山の朝焼けを想起させる緋色文字盤のSBGH345

青系統以外にも積極的に赤文字盤を手掛けるグランドセイコー。2024年発売の“岩手山の朝焼け”SBGH345では、スカーレットカラー&岩手山パターンで、緋色に染まる岩手山を表現していました。岩手山の尾根筋パターン+赤系統だと、どんな芸術を繰り広げるのか、想像が膨らみます。
穂高連峰シリーズ(SBGE305、SBGC275、SBGY035、SBGA499)は赤系統に偏っていたので、岩手山の尾根筋パターンはどんな色が中心になるのか予測を立てるのも一興ですね。

2023年発売の北米限定SBGW309&SBGW311&SBG313はカラフルな岩手山パターン

色とりどりの岩手山パターン、の切り口で“樹氷”SBGW309、“梅雨”SBGW311、“花見”SBG313。US(北米)限定、44GS現代デザイン、36.5mmのミドルサイズ、売れそうな個性がてんこ盛りでした。

“樹氷”SBGW309くらいパキッとした色味で、岩手山山頂の冷え切った空気の綺麗さを表現した方が、デザイン全体のまとまりは良かったかもしれません。3時位置のデイト表示の「白窓+黒文字」以外にも、角度次第でGrand Seiko表記の青文字が滲んで見えてしまう写真を幾つか見かけたので、そこが少し気掛かりです。本作は1200本限定モデルですし、実機レビューで実際にどのように見えるのか、後々の楽しみとして取っておくとします。

岩手山パターン×レーシンググリーンの“峠”SBGM221

少しマニアックなモデルも。
英国のレーシンググリーンに岩手山パターンをブレンドし、“峠”と名付けた「ウォッチ・オブ・スイスグループ スペシャルエディション」SBGM241。デザインのマシンフォルムも小気味よく、シルバー秒針とゴールドのGMT針のカーレースを文字盤で味わえます。
発売当時の価格$5,200、2024年9月時点の日本円定価638,000円(税込)と、コスト面でも優れているのがお見事です!

岩手山山頂から見上げた中天の快晴を再現したSBGR325

「キャリバー9S」25周年の節目に発売された“中天の空”SBGR325。白文字盤のSBGH311は、岩手山に広がる幾重にも連なる雲海を再現していましたが、SBGR325は山頂から見上げる中天の絶景をスカイブルーで描き出しています。SLGH027が鳥瞰視点で見下ろす景色だったので、この当たりの対比もロマンがありますね。

SLGH027のサイズは横 40.0mm×縦 47.0mm×厚さ 11.7mm、同条件(※エバーブリリアントスチール、キャリバー9SA5)で絞り込むと 現行品では“厳美渓”SLGH021のみでした。

2025年1月現在、エバーブリリアントスチール製キャリバー9SA5搭載3モデルについて

パッと見では、“雪解け”SLGH013の方がよく似ていますが、若干ケースデザインが違います。SLGH013も同素材・同ムーブメント搭載ですが、こちらはヘリテージコレクション。サイズも横 40.0mm ×縦 47.2mm×厚さ 11.7mm、と微妙に異なります。

“厳美渓”SLGH021は全世界1000本限定の新しい型打ち模様でリリース

SLGH021に採用された型打ち模様は、当時初披露のダイヤルパターンで、「限定」という割にはかなり本数の多い全世界1000本(うち国内:430本)で発売されました。100万円&1000本オーバーという属性は限定感がなかったものの、定価ではきっちり完売。プレミアがつかずじまいなため、長期的・ブランディング的に見れば懸念材料を残した反面、短期的・マーケティング的視点では大成功(?)しているのです。
本作SLGH027は似た手法を取っていますが、更に本数を増やしていますので、今回も売り切れるかどうかは疑問ですね。少なくとも2025年2月下旬時点ではまだオンラインブティックでも予約可能です。

今年の売れ行きにもよるでしょうが、 「1000本(以上)世界限定+新しい型打ち模様」という、新しい限定商法を編み出したグランドセイコー。2024年は1000本、2025年は1200本ときたので、2026年は1400本(145周年にかけた1450本?)限定+違う型打ち模様がリリースされるかもしれません。
マーケティングについては、更に深掘りリサーチしていますので、一足早く知りたい方はこちらへ⇒→「SLGH027に近い値段の有名ブランドのモデルは?」

SLGH027のムーブメントはメカニカルハイビート 自動巻9SA5搭載。平均日差+5秒~-3秒、パワリザ約80時間、2020年誕生のGSが誇る薄型設計です。

SLGH027はキャリバー9SA5搭載シースルーバック仕様、プリントあり

SLGH027の裏ぶたは、プリントありのスケルトン仕様。Grand Seiko表記のプリントが大きい、見づらいなどのGS愛好家の声も多々見かけますが、今回はプリントありのバージョンを選択したようです。こちらの裏ぶたも、獅子マークが勇ましく、勇壮な岩手山のテーマにはマッチしていていいですね!

キャリバー9SA5搭載エボリューション9コレクション 2025年1月の値段

SLGH027の値段は1,463,000円(税込み)、条件の近いチタン製レギュラーのSLGH017やSLGH019と同じ値段です。ちなみに、同条件の“厳美渓”SLGH021が若干安い1,386,000 円(税込)となっていますが、2024年11月の価格対象外だったためです。
*注*2024年11月にSLGH017&SLGH019は¥1,386,000→¥1,463,000へ値上がり

超人気モデル白樺の後釜になるダイヤルパターンを模索しているようにも見えます。白樺(森林)の縦方向が大当たり→諏訪湖(水・湖)の不規則な横方向がそこそこ→岩手山(山)は斜め、と消費者に響くブラッシュアップを遂げています。

細部の細部まで、匠の技術と創意工夫でこだわり抜かれたエボリューション9コレクション。究(9)極のダイヤルパターンを完成させる、というGSの“終わりのない旅”は続きます。

岩手山の尾根筋パターンを新たに生み出したグランドセイコー。“厳美渓”SLGH021同様、かなり気合が感じられますが、立ち位置は未知数。
というわけでSLGH027に近い他ブランド有名モデルを幾つかご紹介致します。
腕時計ビギナーの方にも楽しんでもらえるように、「三針、自動巻き、日付表示つき」と条件を広めに設定しましたので、GSの対抗馬を予算で選ぶ際にお役立てください。

≪その他有名ブランドの候補≫

  • ロレックス・・・デイトジャスト41 126300、¥1,244,100(税込)
  • カルティエ・・・サントス LM WSSA0018、¥1,227,600
  • オメガ・・・シーマスターアクアテラ 220.10.41.21.03.005、¥1,023,000
  • タグ・ホイヤー・・・カレラ デイデイト WBN2012.BA0640、¥511,500
SS製デイトジャスト41 2025年1月価格改定前後の定価一覧

初期コストを抑えるならオメガやタグ・ホイヤー、資産価値も考慮するとロレックスが無双状態です。デイトジャスト41 126300は、イージーリンク(エクステンションリンク)までついていますし、色々ホクホクですね。

とは言え、グランドセイコーの腕時計は、一生モノの価値があると世界中の腕時計愛好家に人気です。他ブランドでは得られない、代えがたい価値と喜びがあると評判で、嗜好品として国内外問わず不動の地位を築き上げています。
腕時計選びには色々な基準、選択肢がありますが、グランドセイコーのブランドコンセプトである“最高の普通”は、普段使いしてこそ、その魅力が分かります。是非一度ご堪能あれ!

SLGH027とSLGH021をデザイン比較

≪SLGH027とSLGH021の違い≫

  • SLGH027は鳥瞰で臨む岩手山の尾根筋、SLGH021は厳美渓の神秘的な景観がテーマ
  • 本作は荒々しい隆起の放射状模様、SLGH021は紙吹雪を散りばめたようなザラザラしたテクスチャー
  • 本作はGSロゴがシルバー、SLGH021はゴールド
  • 2025年発売SLGH027は1200本 VS 2024年発売SLGH021は1000本

SLGH021の色使いの方がダイヤルに馴染んでいるように見えますが、実機だとまた違う感想を抱きそうです。

ピアゾスタッフ内でも話し合ったのですが、デザインの変化よりもマーケティング視点の方が、掘り下げて比較すると面白そうな状況です。「2025 年 3 月期 第 2 四半期決算説明会 主な質疑応答」の一部を抜粋しますので、GSのマーケティング戦略を分析していきましょう。

『高級品市場の低迷が続いており、回復が遅れている影響をGSも受けている。しかしながらGSの店頭のセルスルーは回復してきているので、もう一段の成長軌道に乗せていけるよう、マーケティングの強化が重要になる』
(中略)
『どちらかというとグローバルにGSのポジショニングを上げていくための活動をしていきたい。即効性だけを期待するのではなく中期的な観点も含めて取り組んでいく』

核心となりそうなキーワードは、「中期的な観点」という言葉です。一部意見では、限定を乱発し過ぎ、限定商法と揶揄されることもあるグランドセイコー。“厳美渓”SLGH021が分かりやすい例で、本数が多すぎるためリセールはイマイチと、長期的視点ではブランドの価値を高めることには繋がっていません。
しかし、短期的な視点で見れば、1000本全てが定価で完売、売り上げ増に貢献しているので、即効性のある戦略として効果を発揮しています。
スイス高級腕時計が苦戦続きの中、セイコーグループ全体で見ると、国内外問わず売り上げは好調。国内ではセイコープロスペックスやGSが売り上げを伸ばし、北中南米はセイコープレザージュが流れを牽引、欧州はオランダやドイツ、その他地域はインドや豪州が堅調を維持しています。

セイコーグループの中期経営計画「SMILE145(SEIKO Milestone 145)」

 中期経営計画 | IR | セイコーグループ

SEIKOブランドについて情報収集をしていると、よく「中期的」というワードが登場します。創業150周年の節目である2031年のために、セイコーグループ全体でまずは創業145周年(2026年)に向けた5か年計画「Smile145(創業145周年)」を推し進めています。
5年後、10年後の中期的な視点を軸に、2024年に1000本限定の“厳美渓”SLGH021、今年に1200本限定“岩手山の尾根筋”SLGH027と本数を増やし、更なる発展のステップアップを図っている段階なのでしょうね。
来年は「Smile145(創業145周年)」の本丸となるメモリアルイヤー、GSのことですからとっておきの新しい型打ち模様を準備していそうです。

「GSの全盛期に生きられて幸せ!」
「水色のミナモパターン(諏訪湖)は、マイフェイバリットウォッチです」
「1970年代のワイルドなテイストをGSに作って欲しい。自然ばかりではなく、渋谷などの都会に目を向けて欲しい」

面白い見方ですね。海外の目の肥えたGSファンは、自然に特化したグランドセイコーらしさもいいけど、そろそろセイコーっぽいグランドセイコーの腕時計をご所望のようです。

日本を代表する名峰岩手山の尾根筋をバードビュー視点で手掛けた“岩手山の尾根筋 ”SLGH027。
「子曰。知者楽水。仁者楽山。知者動。仁者静。知者楽。仁者寿。(「論語」雍也第六)」
知者は水を好み、活動的に変化を楽しむのに対し、仁者は泰然自若として山の静けさを嗜みます。利益という短期的視点を疎かにせず、どっしりとブランドイメージを構築するグランドセイコー。2025年、2026年のGSから目が離せませんね。

グランドセイコー SLGH027の仕様・価格
SLGH027の仕様とスペック
モデル エボリューション9 コレクション メカニカルハイビート 36000 80 Hours
Evolution 9 Collection Hi-Beat 36000 80 Hours Mount Iwate
型番(Ref.) SLGH027
ケースサイズ 横 40.0mm 縦 47.0mm 厚さ 11.7mm
ケース素材 エバーブリリアントスチール 裏ぶた:エバーブリリアントスチールとサファイアガラス
ムーブメント メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー9SA5
精度 平均月差±10秒(日差±0.5秒相当)
駆動期間 約72時間(約3日間)
防水性 日常生活用強化防水(10気圧)
耐磁性 あり
生産本数 世界限定:1,200本(うち国内:700本)
取扱店舗 グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ
発売日 2025年5月10日(土)発売予定
価格 1,463,000 円(税込)

※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。

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