更新日:2025年04月06日
一流ブランドが一同に集結する世界最大級の時計見本市「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ(Watches&Wonders、略称W&W) 2025」が4月1日~7日に開催。グランドセイコー(GRAND SEIKO)より、計6モデルが発表されています。
発表直後の一番人気はSLGB001/SLGB003“樹氷”、話題性・完成度はピカイチ
今年の注目モデルは、“異次元の高精度”年差±20秒を実現した新型スプリングドライブムーブメント「キャリバー9RB2」を搭載したSLGB001/SLGB003“樹氷”。鑑識眼に優れた世界中の腕時計愛好家達から、続々と賞賛の嵐が送られ始めています。その他にも、薄紫色の岩手山パターンが美しいSBGW323“桐”、高精度メカニカルクロノグラフ“TENTAGRAPH(テンタグラフ)”の新作SLGC007&SLGC009、高品位な作り込みが光るSBGD223、と錚々たるラインナップはどれも力作揃いです!
本ブログでは、Watches&Wonders 2025にて展示されたグランドセイコーの2025年新作モデルを、概要や見どころ、スペックを少しでも分かりやすく簡潔に一挙まとめてご紹介します。
≪ Watches&Wonders 2025 グランドセイコー新作の見どころ ≫
筆者個人の感想ではエボリューション9コレクションの3作が特にカッコ良く見えましたが、皆様いかがでしょうか?
SLGB001/SLGB003は「精度・ダイヤル・サイズ・ブレスレットの調整機能」と四拍子揃っており、完成度が頭一つ抜けています。さらに非限定のSLGB003はこれだけの技術革新が詰め込まれているのに、値段は1,518,000円(税込み)とお手頃価格。キャリバー9R現行モデルと価格差が少なく、これでもかと購買意欲を刺激してきます。“最高の普通”をブランドコンセプトに掲げるグランドセイコーらしい、実用性の高さがピカリと輝き、トータルバランスの良さは随一でしょう。
スプリングドライブの新品レギュラーを一度は購入してみたかった、ステンレス素材ではない普段使いしやすい高級ウォッチが欲しい、そんな時計ファンの方達に“樹氷”SLGB003はひいき目なしでお勧め出来ます。地味な訴求点ですが、微調整機能付きクラスプは普段使いする際に大いに役立ちそうですね。
昨年のWatches and Wonders Geneva 2024 では、エボリューション9&スポーツコレクションから3ずつ、ヘリテージは1、計7モデルを展示していました。
昨年は全体的に白系統(次点で緑、赤)やクロノグラフが多めだったのに対し、2025年新作はクリアブルー系をプッシュしているように見えますね。
昨年は新技法「光学多層コーティング」を施した “夏の穂高連峰の朝焼け”SBGC275を筆頭に、赤系統が多い傾向がありましたが、最近になって「空・湖・雪」などの自然をテーマにした水色系がまた増えつつある状況です。2024年新作“氷瀑”SBGH347&SBGH349 、2025年新作“岩手山の尾根筋”SLGH027といい、スッキリした水色がGSの推し色のようです。
「青」はグランドセイコーを象徴する特別な色です。少し早計かもしれませんが、今後も様々な青系統の派生色が誕生していくかもしれません。紫系も徐々に増えており、青系統の変化球が今年は大量発生する可能性もあり得ます。青だけでも200種類以上あり、色だけで勝負できる“和色”の多様性には目を瞠るものがあります。
各モデルにつきましては、個別記事にてリサーチ情報を元に追々解説していきますので、そちらもお楽しみに!!
それでは足早に、W&W2025の有望株SLGB001/SLGB003の概要に迫りましょう。
2023年にはブランド初のメカニカルクロノグラフムーブメント“TENTAGRAPH”SLGC001、2024年は約50年ぶりの10振動手巻きメカニカルムーブメント「キャリバー 9SA4」搭載の“白樺”SLGW003/SLGW002でスイス現地を賑わせたグランドセイコー。今年はスプリングドライブ キャリバー9RB2で新たな驚きを創り出しています。
ムーブメントの回転錘に刻まれた「SPRING DRIVE ULTRA FINE ACCURACY」の文字が頼もしいですね。往年のセイコーファンの方は、「U.F.A.」の略称で心が弾むのではないでしょうか。
1969年に月差±1分以内の超高精度モデル「V.F.A.(Very Fine Adjusted)」で、最高精度&最上級を成し遂げたグランドセイコー。「高精度の追求」という歴史を継承し、ベリーからウルトラ精度(ULTRA FINE ACCURACY)へとパワーアップしました!クォーツ制御のスプリングドライブU.F.A.だからなし得る年差±20秒の数字は、ぜんまい駆動式の腕時計としては世界最高を誇ります。もう、ウルトラビックリです( ゚Д゚)
それだけでも凄いのに、キャリバー9R搭載モデルで最小サイズ(37mm)、精緻な型打模様の樹氷パターン、レギュラーSLGB003にはGS初の2mm×3段階の微調整クラスプを採用するなど、ハイレベルな個性を纏わせています。“最高峰の当たり前”を携えたU.F.A.に、死角は見当たりません。
SLGB001 /横 37.0mm 縦 44.3mm 厚さ 11.4mm、プラチナ製ケース、クロコダイルバンド・プラチナ950(中留の一部は18Kホワイトゴールド)、シースルースクリューバック、ボックス型サファイアガラス(内面無反射コーティング)。スプリングドライブ 自動巻(手巻つき) キャリバー 9RB2搭載、年差±20秒(月差±3秒相当)、最大巻上時約72時間(約3日間)持続、日常生活用強化防水(10気圧防水)。希望小売価格:5,500,000円(税込)、2025年6月6日(金)発売予定 (グランドセイコーブティック専用モデル)、世界限定:80本(うち国内40本)
SLGB003 /横 37.0mm 縦 44.3mm 厚さ 11.4mm、ブライトチタン製ケース、ブライトチタンブレスレット(微調整機構つき中留)、シースルースクリューバック、ボックス型サファイアガラス(内面無反射コーティング)。スプリングドライブ 自動巻(手巻つき) キャリバー 9RB2搭載、年差±20秒(月差±3秒相当)、最大巻上時約72時間(約3日間)持続、日常生活用強化防水(10気圧防水)。希望小売価格:1,518,000円(税込)、2025年6月6日(金)発売予定 (グランドセイコーブティックおよびグランドセイコーサロン)
SBGW323 /横 36.5mm 縦 42.7mm 厚さ 11.6mm、ステンレススチール製ケース、ステンレススチールブレスレット、スクリューバック、ボックス型サファイアガラス(内面無反射コーティング)。メカニカル 手巻 キャリバー 9S64搭載、平均日差+5秒~-3秒、最大巻上時約72時間(約3日間)持続、日常生活用強化防水(10気圧防水)。希望小売価格:770,000 円(税込)、2025年5月発売予定(グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ)
「44GS現代デザイン+岩手山パターン」の王道コンビに、岩手県の県花「桐」の上品な味わいをブレンドしたSBGW323。淡く柔らかい紫のダイヤルが、36.5mm径の小ぶりなケースを可憐に引き立たせています。桐の花は鳳凰が止まる木、500円硬貨のモチーフ、農家の女児が生まれると庭に桐の木を植える、など歴史的エピソードも多く、後日別記事にて、岩手県花の成り立ち(※足利時代に盛岡藩主・南部家が苗を移したとのこと)、SBGW323の魅力を掘り下げたいものです。SBGW323 /横 43.2mm 縦 51.5mm 厚さ 15.3mm、ブライトチタン製ケース(一部セラミックス)、ブライトチタンブレスレット、シースルースクリューバック(ブライトチタンとサファイアガラス)、ボックス型サファイアガラス(内面無反射コーティング)。メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー 9SC5搭載、平均日差+5秒~-3秒、最大巻上時約72時間(約3日間)持続、日常生活用強化防水(10気圧防水)。希望小売価格:1,980,000 円(税込)、2025年5月発売予定(グランドセイコーブティック、およびグランドセイコーサロン)
GS独自のデザイン文法「エボリューション9スタイル」をベースに、スノーブルーダイヤルで深々と降り積もる冬の岩手山を表現したSLGC007。厳冬期の澄んだ青空、新雪が降り積もる岩手山をテーマにしており、ほんのり青が滲むシルバー色が絶妙です。岩手山の尾根をイメージしたザラリとした型打ち模様、ブラックのタキメータースケール&サブダイヤルの差し色、双方が溶け込み合うことで、どこか儚い繊細なジャパニーズクロノグラフを完成させています。
搭載するのは次世代のグランドセイコーを象徴する、毎秒 10 振動のハイビートクロノグラフムーブメント「キャリバー9SC5」です。2023年に誕生した、グランドセイコー初の機械式クロノグラフムーブメントです。毎秒10振動(TEN beat)、約3日間パワーリザーブ(Three days)、自動巻き(Automatic)、クロノグラフ(ChronoGRAPH)、を表した「テンタグラフ(TENTAGRAPH)」の名を持つこの「キャリバー9SC5」に、時計業界は大いに沸きました。
SLGC007のライバルは現行デイトナ126509 &126519LN?本作はうっすらと青ずんでいるダイヤルが風雅
ホワイトゴールド製126529LNシルバー文字盤、“アイスブルー”126506デイトナなどにも似ていますし、どことなく気品が漂っているのも好印象です。レーシーでカッコいいクロノグラフですよね。
SLGC009 /横 43.0mm 縦 50.0mm 厚さ 15.6mm、ブリリアントハードチタン製ケース、ラバーストラップ、シースルーバック(4本ねじ固定裏ぶた)、ボックス型サファイアガラス(内面無反射コーティング)。メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー 9SC5搭載、平均日差+5秒~-3秒、最大巻上時約72時間(約3日間)持続、日常生活用強化防水(20気圧防水)。希望小売価格:2,310,000 円(税込)、2025年8月発売予定(グランドセイコーブティック、およびグランドセイコーサロン)
グランドセイコーのW&W2025新作は、全体的に青&シルバー系が多い中、一つだけベクトルがまるで違う風変わりな新作SLGC009。デザインコードに「Tokyo Lion」を選び、「獅子」の持つ威厳や旺盛な挑戦心をダイヤルに宿します。獅子が爪で引っ搔いたような、文字盤を切り裂くアトランダムな横線模様は、「風靡(ふうび)」の言葉がよく似合います。
前項の「SLGC007」と同じ「キャリバー 9SC5“テンタグラフ”」を搭載しています。
ファーストインプレッションでは、ダサカッコ良いデザインがどうかな、とワードチョイスに頭を悩ませたのですが、ビジネス・プライベート問わず、新しいことにチャレンジしたい“挑戦者”にしっくりきますね。イメージを膨らませるとブラウン系のミリタリージャケットと相性が良さそうです。タフさを連想させるマッシブなケースは、クリエイティブなデザインでも馴染み、“面白い男”を演出するのにひと役買うことでしょう。
余談ですが、いつの間にやらTokyo Lionシリーズの専用ページも出来上がっています。他のシリーズとは毛色の異なる大胆な造形、見た者をアッと驚かせるデザイン性、は今後の動向が楽しみです。
Tokyo Lionシリーズは、目盛入りのブラックベゼルを好んで使用してきましたが、今年になって違う方向性の作風が誕生しましたね。獅子の力強い爪をモチーフにした、エッジの効いたケースフォルムがTokyo Lionの持ち味ですし、表記無しのシンプルなベゼルも逞しく見応えがあっていい感じです!
SBGD223 /横 44.5mm 縦 52.0mm 厚さ 14.4mm、ダイヤモンド・ブラックスピネル入りダイヤル(ブラックスピネル26個0.88カラット、ダイヤモンド649個8.04カラット)、プラチナ製ケース、クロコダイルバンド・プラチナ950(中留の一部は18Kホワイトゴールド)、シースルースクリューバック、デュアルカーブサファイアガラス(内面無反射コーティング)。スプリングドライブ 手巻 キャリバー 9R01搭載、平均月差±10秒(日差±0.5秒相当)、最大巻上時約192時間(約8日間)持続、日常生活用強化防水(10気圧防水)。希望小売価格:38,500,000 円(税込)、2025年5月発売予定(グランドセイコーブティック)
獅子の気高さや力強さをブランドシンボルに掲げるグランドセイコー。1960年の「初代グランドセイコー」誕生以来、最高峰の腕時計を目指し続け、脈々と“揺るぎない精神”を継承してきました。
SBGD223では、「漆黒の闇×孤高の獅子」をテーマに選び、モノトーンカラーで傑出した存在感を創製。隣り合わせに配置されたダイヤモンドとブラックスピネルのコンビネーションは、「光と影」のコンセプトを大胆に実体化。GS初のパヴェセッティングを施した600オーバーのダイヤモンドは、神々しい美しさに満ち溢れています。
ムーブメントにはGSご自慢の名工が所属する「マイクロアーティスト工房」お手製のスプリングドライブ8Days「キャリバー9R01」を搭載。時を惜しまず、丁寧に仕立てられた珠玉のジュエリーウォッチは、洗練された野性味が醸し出されています。
「U.F.A.のスプリングドライブ??素晴らしすぎる!」
「小型サイズのスプリングドライブ登場にワクワクが止まらない!」
「IWCとGSのお陰で、今年のウォッチズ・アンド・ワンダーズはエキサイティングだ」
あちらこちらから、感動の声が多数寄せられています。レギュラー“樹氷”SLGB003の口コミ評価が高く、サイズや微調整機能付きブレスレットを中心に、手放しで喜んでいる意見を多く見かけました。
今年のW&W2025新作6モデル、皆様いかがだったでしょうか?青系統が多いせいか、全体的にクールビューティーな作風が多く、気品を感じさせる“媚びないカッコ良さ”が溢れていましたね。
「The Evolution of Precision(精度の進化)」をウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2025の表題に掲げたグランドセイコー。“時の自然な流れ”をよりスムーズに再現してきた歴史は、世代を超えるごとに革新と洗練を積み重ねてきました。
スプリングドライブムーブメントのように、美しく機能的な進化を続けるGSブランド。飽くなき精度の追求は、絶え間ない進化を促していくことでしょう。
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