更新日:2023年04月12日

【どっちの“白樺”がいいの?】資産価値・機能・評判・違いで徹底比較!!SLGH005とSLGA009大特集&黒樺・緑樺も!

SLGH005(メカニカル)とSLGA009(スプリングドライブ)比較概要

雪白と人気を二分するグランドセイコー(GS)の人気モデル「白樺」。海外では“ホワイトバーチ(white birch)”の愛称で親しまれており、白樺の樹皮のような独特の質感は、世界中に多くのファンを生み出しています。先陣を切ったメカニカルハイビートモデル「SLGH005」は、「GPHG2021」の“メンズウォッチ賞”や「レッドドット・デザイン賞2022」の“Best of the Best”を受賞するなど、世界的に権威あるデザイン賞を次々と獲得……国内外で抜群の人気を誇り、SLGH005は品薄状態が続いています。

そして、2022年2月に、スプリングドライブモデル「SLGA009」が堂々デビュー。文字盤のディテールの違いも合わさり、「SLGH005とSLGA009どっちの白樺にすればいいのか?」多くの時計通も決め兼ねる“究極の二択”を購入予定者は迫られていることでしょう……それだけ、両者の実力は拮抗しています。

今回はSLGH005とSLGA009の比較を中心に、機能性の違いや口コミ評価&海外の評判。資産価値や価格推移も含めて、“どちらの白樺がお勧めか”実機レビューも込みでお届け致します!黒文字盤「SLGH017」と人気カラーの緑文字盤「SLGH011」も合わせて紹介!白樺の樹皮のように、使い込むほど味わいが増す、GS白樺の魅力をたっぷりとご紹介致します。

白樺は雪白と人気を二分するGSの看板モデル

1967年に確立した「44GS」のデザイン文法をブランド60周年(※2020年)の節目に「エボリューション9 コレクション」として進化させたグランドセイコー。新たな“日本の美意識”は、「光と陰」の美しさを文字盤上に巧みに表現し、私達時計ファンの心を捉えてやみません。

エボリューション9コレクション(※GMTやクロノグラフ含めると11モデル)のうち、3針モデルタイプは全体で6モデル。限定モデル3種類以外、白樺モデル(SLGH005、SLGA009、SLGH017)ですから、今のところグランドセイコーとしては、白樺モデルをシンプルな3針タイプの主力としているようですね。
※エボリューション9スタイルの詳細は関連記事をご参照ください。

人気をけん引するのは、2021年のSLGH005(メカニカル)でしょう。同年12月には、広告出演契約を提携したエンゼルスの大谷翔平選手に、MLBア・リーグ™MVP受賞記念としてSLGH005を贈呈したエピソードもあり、“伝説級”の活躍を続けています。ちなみにこの白樺「SLGH005」、大谷選手がWBCでともに活躍し、二人合わせて”ヌータニ”などと呼ばれて大人気となったヌートバー選手にプレゼントした時計はこれでは?!と話題になっていますね!!

『光が多いところでは影も強くなる』
ドイツの大文豪ゲーテの名言のように、SLGH005の「光」が強くなればなるほど、“似て非なる”SLGA009(スプリングドライブ)の存在も色濃くなるから不思議です。

SLGH005が「グランドセイコースタジオ 雫石」近くの“力強い”凹凸がハッキリした白樺林をモチーフにしているのに対し、「信州 時の匠工房」製作のSLGA009は、スプリングドライブ特有のスイープ運針と調和する、凹凸が少ない“静かな”型打ち模様が特徴です。「ダイヤルの質感の違い」は、“そっくり”な見た目でありながら、光と陰の繊細な移ろいを両者の“違い”として、見事に表現しています。

果たして、スプリングドライブのSLGA009とメカニカルのSLGH005どちらがお勧めモデルなのでしょうか!?ピアゾ編集部が実機レビューを行った上で、結論を後ほどお伝え致します!

白樺の口コミや評価

まずは、白樺のネット上のイメージや評判をまとめてみました。

【白樺の悪い評判とイメージ】

  • 精度、悪い、重い
  • 品薄、入手困難
  • 買えない、売り切れ

【白樺の良い評判とイメージ】

  • 美しい
  • 光の加減で表情が変わり、満足感がある
  • 「わかる人にはわかる」隠れたステータス性がある

【白樺の注目関連キーワード】

  • 違い、知恵袋、評判、評価
  • 受賞、
  • どっち(スプリングドライブ、メカニカル)

インターネット上では概ね良い評判が目立ちます。面白いキーワードが、「白樺違い、どっち」など、スプリングドライブとメカニカルのどちらを選ぼうか真剣に迷っているのが垣間見えます。

白樺は独特な型打ち文字盤が人気の理由

まず、白樺モデル特有の魅力を解説致します。

【GS白樺のポイント】

  1. 白樺ダイヤルの美しさと力強さ
  2. ケースの低重心化
  3. 「光と闇を明確に描き、その中間にある美を浮き彫りにする」という理念を体現
  4. 自分へのご褒美に最適!100万円を超える“国産最高級”のレギュラーモデル

①②③④の肝の部分を掘り下げて、以下項目でご説明致します!

白樺は高級腕時計で流行りの魅せる文字盤である

近年、時計業界のトレンドの一つとして、人目を惹く「魅せる文字盤」があります。例えば実用性&機能性を常に追い求め続けるロレックスも、「シードゥエラー ディープシー(Ref.12660)」など、鮮やかな“グラデーション文字盤”は、時計好きの瞳をいつの間にか奪ってしまう美しさを放っています。H.モーザーのフュメ文字盤も同様でしょう。

同じく、トレンドワードの「ラグスポ(ラグジュアリースポーツ)」で見ても、“元祖ラグスポ”のロイヤルオーク(オーデマ・ピゲ)のタペストリー文字盤や、品薄&高騰で快進撃を続ける“2022年ラグスポの台風の目”ロレアート(ジラールペルゴ)のクル・ド・パリ(ピラミッド)模様も大きなセールスポイントの一つとして、時計好きには知られています。
最近では、ノーチラス(Ref.5711/1A-010)やCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ(Ref.15210OR.OO.A002KB.03等)も前述のグラデーション文字盤をリリースしていましたね。

そして、「文字盤で魅せる」デザインの流行は、国産ブランドからも発信されています。日本独自の懇切丁寧な“職人芸”を駆使した、雪白(Snow flake, Sky flake)と白樺(White birch)の型打ち文字盤は、冒頭で述べた通り世界中の時計ファンを魅了し、世界的に高く評価されています。2021年グッドデザイン賞(※SLGH005が受賞)の審査委員のコメントを一部抜粋します。

『よほど時計に精通していない限り、一見してこの時計の凄さは理解できないであろう。審査においても資料の読み込みと、現物をしっかり見てやっと納得したというのが実情である』

ピアゾ編集部も同意見です。白樺オーナーの方は特に同意してもらえると思いますが、しっかりと白樺の凄さを理解した上で、“実物”をぼんやり眺めると、より“輝きや深み”が感じとれるから不思議です。

白樺ダイヤルは大ヒット作の雪白同様、GSならではの「熟練のクラフトマン達の手作業&最先端技術」を融合させ、繊細かつダイナミックな型打ち模様を完成させています。SLGH005の誕生秘話には、「10振動ムーブメントと80時間連続駆動を実現したメカニカルの鼓動に相応しい、“白樺の力強さと静けさ”を文字盤上に」というGSの“理想”が詰まっています。白樺の模様を施すための「金型製造」に約半年の年月……制限のある「凹凸の高さ」の中、絶妙なメリハリにたどりつくまで、デザイナーと連携をしながら、何度も試行錯誤と改良を重ねた“濃密な半年”の末に、GSの製品に適した「金型製造」を完成させているのです。

ピアゾの腕時計豆知識 
<2倍の苦労を重ねてこその美しさ>

白樺ダイヤルの型打ち模様は、「凹凸感の深さ」が肝心。従来の塗料の量や工程では、凹凸の深さが原因で、凸表面が削れてしまいます。そこで、通常の2倍の塗料を使い、塗り重ねては粗磨きを施す工程を2回繰り返し……通常6~7回の塗料塗り工程を14~15回。倍の作業を行い、塗膜を厚くすることで、深みのある仕上がりを実現しています。

多くの手間暇をかけた末に白樺林の“力強さと静けさ”を反映し、木肌のようにリアルな質感を実現しているのです。SLGH005が機械式グランドセイコーの製造拠点、平庭高原の白樺林(岩手県)の“力強さ”を表現しているのに対し、SLGA009は信州・厳寒期の「深い雪に包まれた天高く伸びる白樺林」の“静けさ”にこだわっているのが、両者の面白い違いでしょう!

グランドセイコーはメカニカルとスプリングドライブ、クォーツ全ての分野で世界トップクラスの実力がある

SLGH005(※キャリバー9SA5)&SLGA009(※キャリバー9RA2)両者に共通しているのが、「薄さを追求」している点でしょう。それだけだと、GSの凄さが伝わりにくいと思うので、ポイントと付随する関連記事をご紹介致します!

まず、2020年発表後、多くのメディアにも注目された“グランドセイコー最先端ムーブメント”キャリバー9SA5の特徴を挙げてみましょう。

≪キャリバー9SA5のポイント≫

  • 世界トップクラスの高水準「巻き上げヒゲ+10振動(※ロレックスとゼニス(エルプリメロ)の良いとこどり)」
  • ハイビートムーブメントでありながら約80時間のパワーリザーブ
  • セイコー独自の「デュアルインパルス脱進機」
  • 量産型ムーブメントなのに、15%薄くなっている

詳細や「グランドセイコーとムーブメントの歴史」については、関連記事でご理解を深めて頂いた前提で話を進めますと、“SLGH005にはキャリバー9SA5が搭載されている”というのは、大きなセールスポイントの一つです。高精度(10振動)で頑丈なGSメカニカルシリーズ……口コミでも、「SD(スプリングドライブ)は故障の噂をたまに見かけるが、ハイビートが壊れたという話はほとんど見ない」というコメントは、いかにGSメカニカルが優れているかの証明でしょう!10振動だから実現できたダイナミックな針の動き。凹凸がくっきりした“白樺ダイヤル”の組み合わせは、購入後も持ち主のハートを“満足感”というビートで刻み続けることでしょう!

「実用性+高精度」を両立させながら、「より薄く(※キャリバー9S85と比較して約0. 8mmの薄型化)」しているのは驚異的な事実です。イメージでお伝えすると、F1カーがスピードと頑丈性を維持したまま、エンジン&ボディーの軽量化に成功したようなもの……これは凄いことなのです!

≪キャリバー9RA2のポイント≫

  • 2020年誕生の「キャリバー9RA5」と同等の性能
  • パワーリザーブインジケーターを裏側に配置
  • キャリバー9SA5同様、約0.8mmの薄型化に成功。低重心化することで装着感を高めている

セイコー独自のスプリングドライブの凄さは、GSファンには説明不要だと思いますが、“あれだけ”の性能を維持したまま、こちらも「薄さを追求」しているのは驚異的です!リューズの位置を裏ぶたに近づけ(※ムーブメントの底面からリューズの中心距離を4.2mmから3.4mmへ短縮)、腕に着けた時の重心位置を下げることで、より良い装着感を実現しているのです。しかも!ユーザーの声を反映するかのような、パワーリザーブインジケーター位置を表側から裏側へ移動……スイープ運針の薄氷を滑る流麗な動き。凹凸を控えめにした“白樺ダイヤル”の組み合わせは、所有者に静かな“達成感”を与えてくれます。「白樺どっち」の口コミで見ても、購入者の方達は「SLGA009がお勧め」という声も多数ありますからね。“薄型化”を軸に、メカニカル・スプリング双方の「どう凄くなっていったか?」を掘り下げて調べると面白いですよ!

SLGH017(※黒文字盤)SLGH011(※緑文字盤)含めた白樺の魅力は、エボリューション9が追求する“光と陰の繊細な移ろい”や“中間の美しさ”を奥深い輝きで、それぞれの白樺で巧みに表現している点でしょう。GS共通の御家芸、「ザラツ研磨」の仕上げ磨きもいい仕事をしています。

どれも共通しているのは、高級感ある控えめな「ちょっとした個性」とダイヤルの美しさです!値段設定も100万円オーバーとハイクラスなので、「国産最高峰の高級腕時計をどうしても欲しい!」という方に、強くお勧めできるモデルです。関連記事の海外口コミの通り、GSウォッチを購入することは『私の成功の証』という表現がピッタリで、“自分が頑張った証”を購入するなら……やはり、看板機の「雪白or白樺」の二択にまで絞っても間違いは少ないでしょう!
ロレックスやオメガを既に持っている方、ファーストウォッチにハイクラスを選びたい方……どちらの方にとっても、「国産ナンバーワン(ブランド性)+GSの看板モデル(ステータス性)」は、後悔しないための腕時計選びの決め手となり得ます。

SLGH005とSLGA009の比較。違いや類似点

以前に関連記事でもご紹介しておりますが、こちらでも簡潔に、2021白樺(SLGH005)と2022白樺(SLGA009)の違いをご説明していますが、せっかくなのでより詳細に違いや魅力を解説致します。まず、大雑把にスペックや機能性で比較してみました!!表をご覧ください。

SLGH005とSLGA009の比較
SLGH005 項目 SLGA009
ステンレスとサファイアガラス 素材 ステンレスとサファイアガラス
ボックス型サファイア ガラス材質 デュアルカーブサファイア
内面無反射コーティング コーティング 内面無反射コーティング
横40mm×縦47mm×ケース厚11.7mm ケースサイズ 横40mm×縦47.6mm×ケース厚11.8mm
グランドセイコー スタジオ 雫石 工房 信州 時の匠工房
1,045,000円 値段 1,045,000円
100m 防水性 100m
9SA5(※メカニカル自動巻き) ムーブメント 9RA2(※スプリングドライブ)
平均日差+5秒~-3秒 精度 平均月差±10秒(※平均日差±0.5秒)
約80時間 パワーリザーブ 約120時間
約178グラム 重量 約176グラム
- 特筆事項 パワーリザーブ表示機能あり

ご覧の通り、スペックだけでも“似て非なる白樺”なのがお分かりだと思います。価格が同じなのも大きなポイントでしょう!では、実機レビューと共に、掘り下げてご説明致します。
*注*以下、この項目はわかりやすさを重視し、SLGH005を「2021白樺」。SLGA009を「2022白樺」と呼んでいきます。

SLGH005とSLGA009のデザインの違い

「グランドセイコースタジオ 雫石」のGSメカニカルと、「信州 時の匠工房」のGSスプリングドライブをデザイン面から比較してみましょう。

<デザイン面の注目ポイント>

  • 2021白樺は立体感のある型打ち模様VS2022白樺は彫りが浅めな型打ち模様
  • 凹凸の深さが映えるギラリとしたシルバーカラーVS凹凸の浅さを活かした落ち着いたマットなホワイトカラー
  • 荒々しい“力強さ”VS情緒ある“静かさ”

“動と静”この異なる素晴らしさが、2021白樺と2022白樺を比較すると、より浮き彫りになります。デザイン面の違いは、「型打ち模様の彫りの深さと光沢」でしょう!2021白樺はシルバーの光沢が強めで、陰影がくっきりしている印象。一方、2022白樺はマットなホワイトに近い風合いで、柔らかい印象を抱きます。

SLGA009はリューズ付近に艶消しがある

リューズ付近も微細な違いがハッキリしていて面白いですね……2021白樺はポリッシュ(鏡面)仕上げの銀世界を表現しているのに対し、2022白樺は艶消し部分を入れることで、『GS』のロゴを微妙に目立たせています。この細かさが、“職人気質”なグランドセイコーっぽくていいですよね!

SLGA009のリューズは流行りのくすみカラー

違う角度で比べてみましょう!2021白樺が鏡のようにピカピカと輝くリューズに対し、2022白樺は落ち着いた艶消しのくすみ色がいいですね……近年、オシャレ界隈では自然に近いくすみカラーはブームの兆し。スモーキーなくすみカラーは、“落ち着きと華やかさ”の演出にもってこいで、2022白樺も「光と闇の中間にある美」を見事に体現しています。どちらも違ったベクトルの良さがありますね!

ボックス型サファイアとデュアルカーブサファイアの違い

ガラス部分もよーく目を凝らせば、違いがお分かりだと思います。2021白樺はボックス型サファイアガラスなため、ガラスの端が“飛び出ている”ガラス。2022白樺はデュアルカーブサファイアガラスらしい、凹むような緩やかな柔らかいカーブを描いています。時計を傾けたり、横から見たりすれば“ちょっとした違い”が浮き彫りになるので、様々な角度で見ると楽しめますよ!それにしても、“動と静”や“光と影”を随所で効かせていて、そっくりなはずの2021白樺&2022白樺が、こうも違く見えるのですから……どちらが上か甲乙つけがたいですね!?

ムーブメントの違いと特徴

<機能面の注目ポイント>

  • ムーブメント・・・9SA5 VS 9RA2
  • パワーリザーブ・・・約80時間VS約120時間
  • 平均日差・・・±3~5秒VS±0.5秒(※平均月差±10秒の高精度ぶり)
  • 針の動き・・・10振動の力強い秒針VSスプリングドライブの滑らかな秒針
  • 裏面・・・雫石川仕上げVS信州霧氷仕上げ

まずは裏面に注目してみましょう!

9SA5はムーブメントも美しい

他者にあまり見せることのない、ケース裏ぶた。2021白樺は繊細なストライプ模様の雫石川仕上げ。雄大な岩手山と緩流&急流の流れを彷彿させる雫石川の“自然美”をも再現……10振動のハイビートの“時の流れ”との融合は、世界的に9SA5が絶賛されるのも納得です!

9RA2は青針もカッコいい

2022白樺は信州霧氷仕上げ&裏側にパワーリザーブ計(※残量を表示する目盛り)という違いがあります。2022白樺は手の込んだブルースチール青焼き針が、絶妙なアクセントになっていていいですね!
パワーリザーブ計が文字盤側にある方が、機能的には優れていると思いますが、“白樺ダイヤル”の美しさを最大限に引き出すために、インジケーターをあえて裏側に配置しているのが“粋”でいいですね!

※動画30秒~55秒頃の秒針の動きにご注目ください。
機能面のスペックでは、2022白樺に軍配が上がると思いますが……2021白樺の「故障の(ほぼ)ない10振動のダイナミックな針の動き」と2022白樺の「氷を滑るような静かな針の動き」どちらが好きかに絞って、選ぶのも手でしょう!

「機械式にはメカニカルの良さ(※10振動でパワーリザーブ約80時間は驚異的!)」
「スプリングドライブにはSDの良さ(※セイコー独自の“第三のムーブメント”はそれだけで価値がある)」

どっちも世界トップクラス(&オリジナル要素)の水準を保っているのが、グランドセイコーの凄さなのでしょう。

SLGH005の価格推移について SLGA009の価格推移について

<価格・価値の注目ポイント>
税込定価・・・どちらも1,045,000円
中古市場・・・どっちも90万円台が相場(※Chrono24の海外出品は100万円オーバーが目立つ)

白樺の人気モデル両者を選ぶ際に、双方“価格・価値”の実力面でも、がっぷり四つの肉薄した状況なのが悩ましいですよね!?元々、グランドセイコー全般が資産価値でも根強い傾向を見せるので、人気を二分する雪白&白樺の代表モデルというだけで、「損をしづらい」のは大きなメリットです。
何かのきっかけで、ブレイクした結果“高騰”の流れはあっても、ズルズルと“下落”はちょっと考えづらいですね……Chrono24の海外出品が、110万円~130万円(※新品未使用品)と強気なスタンスなのが、白樺人気の証明でしょう!

GSウォッチが角度によって、見え方や印象が変わるように……視点を変えて、海外の比較動画と要約コメントをご紹介致します。

「9SA5のデュアルインパルス脱進機は、オメガのコーアクシャルと同じく、スイスレバー脱進機を使用しない『数少ない大量生産の純粋な機械式時計』という意味合いがあって、貴重です」
「スプリングドライブは時間の経過と共に価格が上昇していきそう。文字盤と秒針の比較を見れて素晴らしい!」
「SLGA009は傑作!グランドセイコーほど貴方の時計のために一生懸命働く企業はない!」
「私はSLGH005派。どちらを選んでも間違いないでしょうが。GSは全ての人に向けて、『痒い所に手が届く』ように両方のモデルをリリースしているのだと思います」

……海外のコメントも良い意味で真っ二つですね。最後のコメントは、ピアゾ編集部としても「まさにその通り!」と同意見です!

「どっちも同じ価格なのに、メカニカルとスプリングドライブ」なのが焦点でしょう。“究極の選択”を後悔しないためには、機械式&スプリングドライブのメリット&デメリットを事前に理解しておくのが重要です。

“家宝”として安定した資産価値を望める寿命の長いSLGH005。“独自性(スプリングドライブ&スイープ運針)”という大きな武器を控えめに主張するSLGA009。論点によって、優劣の結論が変化してしまうので、現時点(※2022年12月現在)では、「引き分け」が妥当でしょう!総合的には、SLGH005が少し上(※上記、関連記事でも述べているように、スプリングドライブはメンテナンス面や維持費が弱点)な気がしますが、それらの問題を帳消しにするほど、「白樺ダイヤル&スイープ運針」は、代えがたい美しさを誇っています。

きっと“正解”は読者様一人ひとりで違うと思います。心苦しいですが、実機レビューを行ったピアゾ編集部としては「SLGH005とSLGA009、どっちも実力伯仲の傑作機」という結論を改めてお伝え致します。しっかりデメリットを理解しているなら、主観や好みで選んで問題ないでしょう。調べれば調べるほど、迷ってしまうと思うので、“初めて見た時の感動”を大事にしてする、というスタンスが一番よいのかもしれませんね。

白樺モデルはSNSでも緑樺や黒樺と呼ばれ人気

Twitterのハッシュタグで「#緑樺(SLGH011)」や「#黒樺(SLGH017)」の俗称で親しまれている白樺モデル達。GSらしいプラスアルファのそれぞれの個性があるので、簡潔にその魅力をお伝え致します!
*注*以下、SLGH011を「緑樺」。SLGH017を「黒樺」と呼んでいきます。

SLGH017はチタン製なので軽い

<SLGH017みどころ>

  • ブラックダイヤルで“夜の白樺林”を想起
  • 白樺178グラムを黒樺114グラムのチタン製で軽量化
  • 白樺1,045,000 円(税込)に対し、黒樺は1,210,000 円(税込)と少し高め

海外では“Night Birch(ナイトバーチ)”と呼ばれるSLGH017。黒樺よりカッコいい呼び名で、モノトーンなSLGH017のシックさが伝わりますよね!
低重心化で装着感を向上させ、腕馴染みの良い白樺ですが、一部口コミでは「白樺は重い」という声もあるのは事実。その声に応えるように、黒樺はブライトチタン製の薄型軽量モデルとして、白樺コレクションの彩りを充実させています。チタン製なので、金属アレルギー体質の方もファーストウォッチとして有力な候補でしょう!

有益なセールスポイントを一つお伝えしますが、価格改定の多い高級腕時計業界において、2022年4月のチタンモデル価格改定(※8機種)の際に、“お値段据え置き”だったのは大きいでしょう!円安の流れを受けて、“国内定価は相対的に安い状況”はしばらく続くと思うので、総合的に判断すれば、“お得感(ブライトチタン+黒の白樺+メカニカル)”があるのが、黒樺の強みと言えます。

<SLGH017の資産価値や価格推移について>

SLGH017の価格動向

110万円オーバーの出品が目立ちますね……面白い傾向が、日本からの出品が多く見られる点でしょうか。2021白樺や2022白樺とは異なる状況です。とは言え、こちらも根強いリセールバリューが望めそうですね!

<SLGH017の海外の声>

「ノックアウトされました。世界で最高の仕事を施されたSLGH017を思わず購入してしまいました。叡智Ⅱの動画も見たいです」
「プロスペックスの“セーブザオーシャン”も低価格帯で白樺風ですよね」

言われてみれば「確かに!」と言った口コミも多数見かけます。その他、詳細な黒樺の魅力は関連記事をご覧ください。

【ピアゾ編集部の推薦コメント】
  • 「ブリリアントハードチタンモデルの『KODOコンスタントフォース・トゥールビヨン』がフィリップス・ニューヨークのオークションで過去最高の47万8800ドル(約6600万円)で落札されましたよね……複雑機構なのでベクトルは異なりますが、GSのチタンモデルの動向に注意を払って、損はないと思います」
SLGH011は緑文字盤で資産価値も注目

<SLGH011みどころ>

  • 世界的な人気カラー、グリーンダイヤル(緑文字盤)の白樺
  • 数多くの賞を受賞した2021白樺の色違い兄弟機
  • 2021白樺と同価格の1,045,000 円(税込)

“Green Birch(グリーンバーチ)”と海外で呼ばれるSLGH011。白樺の筋張った模様と深みのあるグリーンダイヤルが絶妙!基本スペック&価格は2021白樺と同等なのも、魅力を引き立てているように感じます。レギュラーモデルでリリースしているのも、たまらない“存在感”を放っています。

<SLGH011の資産価値や価格推移について>

出品数が少なく、相場を掴みづらい緑樺。持ち主が「手放したくない!」裏返しかもしれません。まだ約110万円の資産価値が、今後どうなっていくのか……データが出そろった来年以降に、結論を出す方が賢明でしょう!

<SLGH011の海外の声>

「グリーンバーチの文字盤は、色と質感の両方を楽しめます!ファンタスティックなレビューでした!」
「グリーンバーチを手に入れた日……説明できない『あまりにも緑さ』に大きなショックを受けました。室内でも屋外でも素晴らしい輝き!!」
「ナイトバーチのスプリングドライブが出て欲しいなぁ!」

コメントから言語化出来ない感動が伝わってきますね!緑樺の実機レビューなのに、黒樺についての感想もあるのが、白樺コレクションの総合力の高さを物語っていると思います。
おまけとして、「白樺シリーズ(SLGH005、 SLGA009。 SLGH017、SLGH011)」を比較した海外の動画もご紹介致します!

【ピアゾ編集部の推薦コメント】
  • 「“緑色の白樺モデル”というだけで、大きなポテンシャルがあると思います。“立夏” SBGH271や中国限定SBGA453。北米限定SBGW273、SBGW275、SBGW277など、同じ“緑色”でもこれだけのバリエーションと違いがあるのかとグランドセイコーの凄さを痛感させられました!」

≪2021年&2022年で見た白樺モデルの傾向≫

  • 新作&限定モデルラッシュ、GSにしては白樺モデルは意外と少ない(※メカニカル合計3、スプリングドライブ1)
  • 「どっち」のキーワードが象徴するほど、SLGH005とSLGA009は甲乙つけがたい
  • やはり、「白」文字盤が人気!でも、資産価値で見ればほぼ“横一線”な状況

先程、推薦コメントでお伝えした通り、“緑色”だけでも多数リリースしているグランドセイコー。業界関係者でも全てをマークしきれないほど、良作に溢れています。そんなGSの傾向と反するように、“ゆっくりと着実に”白樺コレクションを充実させているのが特徴的でしょう!GSとしては、雪白に並ぶ看板モデルとして、白樺シリーズを慎重に扱っているのかもしれません。

≪2023年白樺新作を大胆予想!!≫

  • クォーツ製(レディースクォーツ?)の白樺モデル
  • 手堅く定番カラーの「青文字盤」追加!?
  • 白樺の秋の黄葉(紅葉)の美しさを表現した「黄葉(紅葉)カラー」
  • 秋~初冬の幻想的なドラゴン(龍)模様「蒸気霧」の美しさを文字盤で表現するかも
  • 白い粒の「雪化粧(きらずり?)」を纏った「純白模様」がGSファンとしては出て欲しい!

雪白の傾向を分析すると、初代雪白(※SBGA011)が2005年にリリース(※後に2017年誕生のSBGA211にリファレンスチェンジ)されているのに、雪白クォーツが生み出されたのは、2021年のSTGF359と遅め。雪白同様、エボリューション9(高級路線)の白樺コレクションも、白樺クォーツを出すのに慎重な流れが続くと思います。その他の“色予想”はこちらもご参考までに……どれかしらの予想が当たっているといいなぁ。

GS白樺モデルの「2022年版まとめ」記事、いかがだったでしょうか?海外評価も絶賛の嵐の白樺コレクション。手間暇をかけて生み出されるGS自慢の型打ち文字盤は、圧巻の美しさでしたね!来年の新作に、クォーツ白樺が追加されるのか……青樺や赤樺が仲間入りするのか今から楽しみですね。
購入予定者の方も、記事を読んで白樺に興味が出た方も、実際に一度実物をご覧になってみてはいかがでしょうか?

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