更新日:2024年04月01日
さて気づけば早12月ですが、先月拾い切れなかったグランドセイコー海外限定モデル情報をぼちぼちと徒然なるままにアップして参りたいと思います。今回はUS(北米)限定で36.5mmのミドルサイズの44GSモデル、SBGW309「樹氷」、SBGW311「梅雨」、SBG313「花見」と名付けられた全3種をご紹介します。そのうちブルーのSBGW309「樹氷」はアメリカのGS9 Club限定。くぅ・・また入手難易度が高そうなモデルですね!
SBGW309、SBGW311、SBGW313はいずれもヘリテージコレクションに属し、36.5mmのステンレススティール製ケースに、手巻きムーブメントCal.9S64を搭載。グランドセイコー スタジオ雫石の窓から見える岩手山の山肌を表現した、「岩手山のパターン」が文字盤に施されています。
売れ行きがいいのでしょうか、この「36.5mmサイズの44GS」というのが最近GSのイチ押しのようですね。
グランドセイコーにはさまざまな独特のケース形状がありますが、長年親しまれたアイコンの1つが「44GS」です。1967年にグランドセイコーデザイナー小杉修弘氏によって誕生したこのケースは、「グランドセイコースタイル」を定義づける9つの要素を確立し、「光」と「影」のニュアンスをミックスすることで普遍的な美しさを表現。現在のグランドセイコーデザインの礎を築いた、エポックメイキング的な存在です。
現代も「ヘリテージコレクション」の基幹デザインに採用されている「44GS」のデザインは、1967年のオリジナル44GS から微妙に進化しています。その進化の過程で、現代的なサイズ感として、ケースの直径が 40mm に拡大されましたが、2022年4月、グランドセイコーは、オリジナルの寸法(37.9mm)に近い、よりヴィンテージな44GSの雰囲気を提供する新しい「36.5mm」サイズの「44GS 55周年記念限定モデル ”桜隠し” SBGW289」をデビューさせました。
40mmの44GS ケースは決して大きすぎるわけではありませんが、36.5mm のミッドサイズは、クラシックなサイズを好む人にとって、よりベターな選択肢となり、すでにいくつかのバリエーションが登場しています。そして今回カリフォルニアで開催された GS9 Club USA イベントで、3つの新しい米国限定リファレンス、SBGW309、SBGW311、SBGW313が発表されたのです。
鮮やかな青文字盤のSBGW309「樹氷」がGS9 Club限定ということですが、一番の注目モデルはピンク文字盤のSBGW313 「花見」ではないでしょうか。
本ブログでは US限定グランドセイコー SBGW309「樹氷」、SBGW311「樹氷」、SBG313「花見」の基本仕様・価格・販売店舗のほか、海外での評判などをお伝えしてまいります。
11月発売のグランドセイコー海外モデルをご紹介しています!
このアメリカ限定グランドセイコーに関する公式サイトによる説明は以下の通り。
2023年、グランドセイコーは44GSの偉大な遺産を引き継ぎ、昨年デビューした中型ケースを採用した米国市場限定の3つの新作を発表します。いずれもグランドセイコースタジオ雫石の窓から見える山頂にちなんで名付けられた、グランドセイコーのシグネチャーである岩手山パターンを文字盤に採用しています。
SNSでは「また岩手山パターンだよ!」というちょっと呆れ気味のコメントも見受けられましたが、それぐらいお馴染みになってきた岩手山パターンですね。
早速1本ずつ詳細をチェックして参りましょう。
まずは特に”限定感”の強いSBGW309。US限定なだけでなく、グランドセイコーのオーナーズクラブであるGS9 Clubメンバーのみが購入できるモデルです。
SBGW309のクールなブルーの文字盤は、風に吹かれて氷に覆われた木々を連想させます。樹氷は、岩手山から八幡平の山々にかけて見ることができ、岩手県の冬の風物詩となっています。
樹氷。皆さんはご覧になられたことがありますか?雪に覆われた針葉樹のその姿は「スノーモンスター」とも呼ばれていて、特に“蔵王の樹氷”は有名ですね。雪山に無数に並ぶ樹氷は圧巻です。個人的には「霧氷」の方が綺麗だなーと思いますが。
そんな「樹氷」を表現したというSBGW309のブルーダイヤル。目の覚めるようなロイヤルブルーとでも言いましょうか、数多くあるグランドセイコーの「青」の中でも、岩手山パターンのテクスチャと相まって、美しさが際立っていますね。雪を表現するのに「白」じゃなく「青」、という感性が素敵ですね。冴え渡る青空の下では、確かに樹氷は青みがかって見えます。
爽やかで誠実そうなイメージを湧き起こす清廉な青ですね。公式インスタグラムには動画も。
果たしてこれを安易に「グリーン」と呼んでよいものか。グレーのようにも、苔色のようにも見える、なんとも言えない”くすみカラー”のSBGW311。
日本の初夏に始まる梅雨からインスピレーションを得たSBGW311の文字盤のグリーンは、岩手山を囲む緑豊かで肥沃な風景を連想させます。
渋い。「欧州限定モデル“岩手山 秋の夕暮れ”SBGW303」もだいぶ渋いな、という印象でしたが、こちらはやや明度が上がるものの、やっぱり渋め。
くすみカラーを着こなしてこそお洒落上級者。今年のトレンドカラー・グレーのスーツに合わせれば、めちゃくちゃシックに決まると思います。
超正統派の“岩手山パターン”と、夕暮れ前の秋の澄んだ空気を彷彿させるオリーブグリーンカラーの組み合わせ。
最後はピンクカラーがインパクト抜群の、SBGW313。
SBGW313のピンクの文字盤は、お花見からインスピレーションを得ています。日本の北に位置する岩手では、桜の季節の後半にその美しさを見ることができます。冠雪した岩手山を背景に、桜の鮮やかなピンクの花が咲き誇る様子は圧巻です。
緑の針がまた印象的。ピンクと言えば「グランドセイコー ヘリテージコレクション 44GS 55周年記念限定モデル ”桜隠し” SBGW289」が真っ先に思い浮かびます。しかも今回は同じ「36.5mmサイズの44GS」というわけで、否が応でも比較対象となるでしょうね。
左)SBGW289「桜隠し」 右)SBGW313「花見」
並べてみると、SBGW313「花見」の方がより濃いめで、「桃色」とも呼べそうな色合いですね。
岩手山パターンにより光沢感もあるピンク。スーツの袖口からチラっと覗けば、注目を集めること請け合いですね。
今回の新作3本はいずれも定価が $5,900、2023年11月上旬のレート(1ドル=約150円)で換算すると 日本円で約885,000円前後。
ケースサイズ、搭載ムーブメントが同じレギュラーモデルの「SBGW299」の国内定価が693,000 円(税込)であることを鑑みると、ちょっと割高に感じますね。これは円安の影響でしょうから、他の海外モデルもほぼ同様の傾向で、致し方ないところ。国内定価と同等価格換算となるためには、1ドル=117円ぐらいになる必要があり、ちなみにそれは2022年の3月頃のレートです。
「US GS9 Club会員限定 ”樹氷”SBGW309」はグランドセイコーブティックオンライン、もしくはグランドセイコーが開催する会員限定イベントなどで販売され、デリバリーは12月となるようです。
「”梅雨”SBGW311」と「”花見”SBGW313」は北米のグランドセイコーブティック、グランドセイコーブティックオンライン、グランドセイコー正規販売店にて販売されました。
グランドセイコー SBGW309「樹氷」、SBGW311「梅雨」、SBGW313「花見」 US限定モデルをご紹介いたしました。欲しいモデルはありましたか??筆者個人的にはやはりちょっとピンクが気になりますよね。「桜隠し」は「春桜が咲く中、 雪がその姿を覆う様子」を表現したグレイッシュなピンク色でしたが、今回は「花見」と桜にフォーカスしている分、気分も華やぐような濃いめのピンク色。
その違いに日本の”美意識”が現れている、といったところでしょうか。
他のグランドセイコーのピンクダイヤルモデルは、と言うと、当初US限定モデルとして登場した「”春分”SBGA443(USリリース当初の型番は SBGA413)」は、桜の花びらが川の水面を覆う「花筏(はないかだ)」を表現していましたが、こちらももっと淡いトーンでしたね。
2019年新作 Grand Seiko ヘリテージコレクション ジャパン シーズンズ スペシャル・エディション「春分」 REF.SBGA413の価格やスペックについて詳細をご紹介します!
投票で発売モデル決まる「GS9 Clubオリジナルモデル」の候補にもピンクの”銀座”ダイヤルがありましたね。これは実現したら面白かったですが、残念ながら投票で脱落。マットなピンクはちょっと男性には扱いづらい印象でしょうか。
発足から9周年を迎える「GS9 Club」のオリジナルモデル製作企画が進行中!
USモデル、果たしていつかはお目にかかれる機会があるでしょうか。また同じようなトーンのダイヤルが国内モデルでも出ることはあるかも?今後も楽しみですね!