更新日:2025年03月05日

【グランドセイコー2025年新作】“桜隠し”SBGH368

グランドセイコー(GrandSeiko)の春遠からじ!早咲きの桜を雪が覆い隠す情景にインスピレーションを得た“桜隠し”SBGH368が2025年4月に発売されます。同時期に、30mmの小型メカニカル“桜隠し”STGK031&“桜月夜”STGK033もリリースされ、ミニマムな個性で大輪の花を咲かせそうです。

18KPG製62GS現代デザイン“桜隠し”SBGH368について

グランドセイコー SBGH368/横38.0mm× 縦44.7mm×厚さ12.9mm、18Kピンクゴールド製ケース、メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー9S85搭載。希望小売価格:4,400,000 円(税込)、2025年4月発売予定

シルバーがかったピンクダイヤルが、雪に美しさを覆われた桜のように、絶妙な輝きを放っていますね。

Seikoブランドの歴史を紐解くと、第二精工舎(亀戸)の「44GS」、諏訪精工舎の「62GS」が1967年に誕生。62GSはグランドセイコー初の自動巻きモデルで、手巻きの必要がないことを強調するように、リューズを4時位置に配していました。そんな斬新さを失わないように、本作も興味深い傾向を見せています。

多種多様のサイズ・素材で、「桜隠し」の美しさを表現してきたグランドセイコー。
2022年発売の「44GS」55周年記念モデルSBGW289を36.5mm&ステンレススティール素材、2024年3月発売SBGH341&SBGH343を38mm&ブライトチタン素材でリリースしています。SBGH368では、62GS現代デザイン初の18Kピンクゴールドを採用しました。
2015年発売の62GS現代デザイン復刻モデルSBGR091、SBGR092、SBGR094以来、貴金属製62GSケースは発売されていませんでしたが、本作の登場で潮目が変わるかもしれませんね。

本記事では、桜隠しシリーズの2025年最新作SBGH368の見事な咲き具合を、多角的な視点でつぶさに観察していきます。

 SBGH368 | グランドセイコー公式サイト

2025年新作SBGH368は上品なコッパーピンクダイヤルがお洒落

雪が桜を覆い隠す「桜隠し」の情景をダイヤルに閉じ込めたSBGH368。グランドセイコーは様々な方法で、その詩的な光景を再現してきましたが、いずれもピンク系ダイヤルをチョイス。44GSケースや62GSケースそれぞれの良さを活かして、雪と桜が共存する儚くも美しい自然の芸術を文字盤に描き出していました。
“桜隠し”SBGH368の秘めた美しさは以下の通りです。

≪SBGH368のセールスポイント≫

  • 朝日を浴びる「桜隠し」を表現したピンクダイヤル×18Kピンクゴールドケースの融合
  • 「62GS現代デザイン」レギュラーでは最小クラスのケースサイズ38mm
  • キャリバー9S85採用

本作SBGH368は、ヘリテージコレクション「62GS」レギュラー初の18Kピンクゴールドのケースを採用。じんわりと温かいピンク文字盤に、桜の幹色を彷彿とさせるブラウンレザーの革バンドで静謐な美しさを完成させています。くどくない高級感がありますよね。

桜隠しシリーズは44GS現代デザインの55周年記念限定モデルSBGW289、2024年発売のSBGH341など、軽やかな和ピンクカラーが多かったのですが、本作は銅を混ぜたような、白みがかった落ち着いたピンク文字盤へアレンジしてきました。ゴールド製ウォッチにありがちな、けばけばしさがないのが素敵ですね。

ザラツ研磨で歪みなく磨き抜かれたケースサイドの緩やかなカーブラインも、見逃せない醍醐味の一つです。GSウォッチが「メカニカル=スタジオ雫石」、「スプリングドライブ&クオーツ=信州 時の匠工房」と、2ヶ所の工房で製作されているのは、時計好きの方にとって周知の事実だと思いますが、それぞれの工房独自の特徴が62GS現代デザインに秘められているのをご存知でしょうか?後ほど実機レビュー写真を混ぜつつ、詳しく説明しますのでお楽しみに!
「62GSケースデザインのバリエーション」へ。

44GSは現代まで継承されるデザイン理念「グランドセイコースタイル」を確立、そちらのデザインコードの方がメジャーかもしれませんが、62GSもデザイン的に負けていません。62GSはベゼルレスの広々としたケース形状で、シャープな多面体で構成されたそのフォルムは、ダイヤルに一体感のある流れを生み出します。
“桜隠し”SBGH368では、どのような一体感が繰り広げられているのでしょうか?

SBGH368はHeritage Collection「62GS」レギュラー初の18KPG製
『グランドセイコー初の自動巻メカニカルモデル「62GS」を現代的解釈によってアレンジし、日本特有の季節の移ろいをダイヤルに宿したモデルが登場。Heritage Collection「62GS」レギュラーモデルでは初となる18Kピンクゴールドのケースを採用。その輝きに映えるあたたかみのあるピンクのダイヤルは、朝日を浴びる「桜隠し」と呼ばれる桜の花を雪が覆い隠す情景を表現。桜の幹色をイメージしたブラウンレザーのバンドと共に、美しく静謐な佇まいを見せるモデルです。』  ---公式サイトより引用

静謐な佇まい、とは巧い表現で、優しく落ち着いた色味のピンクダイヤルが、可愛らしく華やかな18KPGケースに見目麗しく馴染んでいます。差し色を使用しない、同系色でまとめたトーンが、ナチュラルな統一感を演出していますね。SS&ブライトチタン製の桜隠しは、ふわっとした軽めなピンクがキュートでしたが、SBGH368はどっしりとした存在感が魅力で、色味の違いが方向性の違いにも影響しています。
4,400,000円(税込)のお値段はさておき、デザインだけで見れば、往年の金張りの名機「62GS キャップゴールド(6245-9000など)」のように、主張し過ぎない実用的なカラーリングも魅力の一つでしょう。

オリジナル62GS同様、SBGH368も控えめな高級感を醸しつつ、グランドセイコーらしい生真面目さがにじみ出ていて、眺めていると心が揺さぶられます。目立つことを好まないお金持ちの方も多くいますし、そういった層にも受けが良さそうです。

今回は桜隠しシリーズを中心に、その違いについて類似モデルをご紹介していきます。

2024年新作62GS“桜隠し”SBGH341のダイヤル特徴

“桜隠し”SBGH341

40mmサイズが中心だった62GSコレクションに、38mmのちょうどいい大きさで2024年に発売された62GS“桜隠し”SBGH341。ダイヤルパターンはほぼ同一のものに見えますが、SBGH368は文字盤の色がピンク要素少なめ。雪の帽子を被ったように、白寄りのピンク色へアレンジしてきています。
SBGH341は隠しきれない桜の鮮やかさ、SBGH368は隠しても漂う桜の色気、が表現されているようにも捉えられますね。
桜隠しシリーズは、36.5mm、38mm、40mm、同時ローンチの新作STGK031の30mm、と色々な選択肢がありますが、ほんのりドレッシーな38mmサイズは、ジェンダーレスに活躍しそうです。

2022年発売“桜隠し”SBGW289は44GS現代デザイン最小サイズ

“桜隠し”SBGW289

比較対象として外せないのは、2022年発売の55周年記念限定モデル44GS“桜隠し”SBGW289。44GS現代デザイン最小のケース径36.5mm×ケース厚11.6mmの薄型モデルは、凛としたキュートさが溢れていました。
デザインの良さもさることながら、桜隠しシリーズは何かと最小サイズと縁があるのが面白い傾向ですね。逆にもしグランドセイコーにアップサイジングブームが起きたら、44mmサイズで樹齢1000~2000年超えの日本三大桜を表現したりするんですかね?

2025年新作“桜隠し”STGK031は現行GS自動巻きメカニカル最薄10.5mm

“桜隠し”STGK031

SBGH368と同時期に発売されたもう一つの“桜隠し”STGK031。小型自動巻きメカニカルムーブメント「キャリバー9S27」だからなし得たケース径30mm×ケース厚10.5mmは、現行グランドセイコー自動巻きメカニカルの中で最薄サイズです。桜一輪のように、ひっそりとした可憐さがたまりませんね。
朧げな月明かりが桜をしっとりと照らす“桜月夜”STGK033のシルバーカラーも趣深い新作ですし、GSの新作にひと足早い桜吹雪が巻き起こっています。

“花筏”SBGY026はピンクゴールド×ブラウンストラップが優雅

“花筏”SBGY026

桜隠しシリーズから一旦離れ、色合いが似ているモデルも幾つか。
ピンク文字盤、18Kピンクゴールド、ブラウンレザーストラップの共通点を持つ“花筏”SBGY026が、SBGH368に一番似ていますかね。SBGH368もそうですが、18Kピンクゴールドのゴージャスな華やかさがありつつも、茶色のクロコダイル革バンドと組み合わせることで、全体が締まって見えます。
SBGY026は62GS現代デザインではないのでケースフォルムがSBGH368とはかなり違いますが、色味の完成度はよく似ていますね。

色のコンビネーションを変えるなら、ロレックスのチョコレートダイヤル(例:コスモグラフ デイトナ 116515LN ブラックラバーベルト)のような茶×黒系の色合いで、桜隠しを表現しても面白そうです。桜の花びらはピンクで可愛らしいですが、樹木はどっしりと逞しいですからね。

GS北米限定SBGA384G&SBGA385G&SBGA387Gはキラズリダイヤル採用

GS北米限定SBGA384G、SBGA385G、SBGA387G

2018年に発売された、アメリカ市場の販路開拓の記念すべき第一弾US限定モデルSBGA384GもSBGH368に色合いが似ています。こちらの3モデル、今となってはGSファンにはお馴染みの「キラズリダイヤル」を採用した草分け的な存在でもあります。
18KピンクゴールドのGSウォッチは先駆者的な立ち位置のモデルが多く、SBGH368は「桜隠し」という優雅なテーマですが、パイオニアプランツのようなチャレンジ精神も宿しているのが興味深いですね。

SBGH368のケースサイズは横 38.0mm×縦 44.7mm×厚さ 12.9mm、18KPG製62GSケースを採用、発表時点で同スペックはなしという状況です。

2025年2月現在の62GSコレクション一覧

62GSコレクション全体では、ブライトチタン製の“桜隠し”SBGH341&“桜若葉”SBGH343がSBGH368と同サイズです。
62GS現代デザインは二十四節気シリーズをラインナップの柱に据えていますが、“春分”SBGA443 “秋分”SBGH353 “大雪”SBGA445などを筆頭に、40.0mmサイズが大半でした。2025年桜隠しシリーズの発売でレパートリーが増えつつありますね。

先述の通り、62GS現代デザインケースは各工房ならではの仕上げが施されているため、本記事では少し掘り下げて実例を幾つかご紹介致します。一部例外を見逃している可能性もあるので、ピアゾスタッフが実際にこの目で見たモデルのみ厳選してみました。

工房によって62GSケースの仕上げに違いが見られ、「メカニカル=鏡面、スプリングドライブ=ブラシ仕上げ」が施されています。

SBGA457とSBGH341、仕上げの違い

上)SBGA457 下)SBGH341

ラグ前面を比較すると、SBGA457は艶消しのサテン仕上げ、SBGH341はポリッシュ仕上げだと分かります。

なお、昨年リリースされた62GSケースメカニカルモデル(“定山渓”SBGH325、和光限定 SBGH357、横浜高島屋限定2024 限定モデル SBGH361、銀座限定2024年モデル SBGH317など)を見てみるとリューズは鏡面仕上げでぷっくりとしていました。
一方、SBGH368と同じ38mmで、昨年春にリリースされた“桜隠し”SBGH341&“桜若葉”SBGH343は”GS”の文字の周りが一段窪み、艶消しされています。SBGH368も同様の仕上げとなっています。

左からSBGH317、SBGH343、SBGH368。リューズの違い

左からSBGA457、SBGH341、SBGH368

62GS現代デザインのメカニカルを入手予定(既にお持ち)の方は、ケースやリューズの仕上げにもご注目ください。

SBGH368のムーブメントは自動巻きメカニカルハイビート「キャリバー9S85」搭載。優美さと実用性の双方を追求して設計されているのも特徴です。100m防水&4,800A/mの耐磁性を併せ持ち、洗練された外見を堅牢な作りで支えます。

“桜隠し”SBGH368はプリントなしの裏スケルトン仕様

平均日差 -3/+5 秒の精度、パワーリザーブ約55時間のキャリバー9S85。何を隠そう、9S85は41年ぶりに10振動を復活させた記念すべきムーブメントでもあります。オリジナル62GSは初の自動巻きムーブメント「Cal.6245A」を搭載していましたし、セイコーの叡智が詰まった9S85を62GS現代デザインに搭載する、という選択肢は、歴史好きには刺さるロマンが凝縮されていますよ。

悪目立ちしない高級感、さりげないリッチさ、と言いますか、相反しやすい要素をちょうど真ん中くらいの味付けに上手にまとめています。プリントなしのサファイアクリスタルバックからムーブメントの動きをじっくり鑑賞できるのも乙ですね。充実したひとり時間を過ごせそうです。

2025年2月現在、予算400~500万のGSウォッチ8モデル一覧

同価格帯でグランドセイコー購入を検討している方向けに、全体から「価格(400万円~500万円)」で条件を絞ってみました。エレガンスコレクションが4、ヘリテージコレクションが4と半々でした。
貴金属系の腕時計が欲しいけど、派手なデザインはちょっと……というGSウォッチファンの方には、SBGA289やSBGY002の対抗馬として、本作SBGH368をお勧めします。

2025桜隠しSBGH368と2024桜隠しSBGH341を比較してみました、素材の差に伴う値段の影響は大きいため、ザックリと見た目の違いで比較してみましょう。

SBGH368とSBGH341のデザイン違い

≪“桜隠し”SBGH368と“桜隠し”SBGH341の違い≫

  • SBGH341は18KPG製ケース×ブラウンのクロコダイルバンド、SBGH341はブライトチタン製
  • SBGH368はインデックス&GSロゴ&針がピンクゴールド色、SBGH341はシルバー色で統一
  • SBGH368は白寄りのピンク文字盤、SBGH341は若干明るいピンクダイヤル

並べるとさすがに風格が違いますね。
サイズ、ムーブメントのスペックは同じなのですが、色彩がまるで異なります。グランドセイコーらしい業前は流石の一言に尽きます。

現行の金無垢62GSはこのSBGH368のピンクゴールドのみですが、18Kホワイトゴールドorイエローゴールド製の62GSケースがリリースされる可能性もありますね。
ヒストリカルコレクション“62GS”復刻デザインSBGR091(18KWG)、SBGR092(18KYG)の完成度も圧巻でしたし、SBGH368の兄弟機も期待が持てそうですね。

「40mmではなく38mmサイズで出したのが嬉しい」
「デイト機能なしだともっと良かった」
「ヴァシュロンのトラディショナル 38mm ローズゴールドより遥かに高価だ」

デザインに関してはべた褒めの意見が目立ちましたが、値段・厚さについては否定的な見解も散見されました。

東北地方の季語「桜隠し」の贅沢な瞬間を18Kピンクゴールド製62GSケースで、ダイヤルに切り取ったSBGH368。季節外れの雪が演出する奇跡のひと時は、心を溶かさんばかりの美しさでしたね。
約2年足らずでハイビート仕様の61GSへモデルチェンジしてしまったため、短命だったオリジナル62GS。その系譜は50数年の月日を経て、ひと花咲かせそうな勢いです。

グランドセイコー SBGH368の仕様・価格
SBGH368の仕様とスペック
モデル ヘリテージコレクション メカニカルハイビート 36000 「桜隠し」
Heritage Collection Mechanial Hi-Beat 36000 Sakura Kakushi
型番(Ref.) SBGH368
ケースサイズ 横 38.0mm 縦 44.7mm 厚さ 12.9mm
ケース素材 18Kピンクゴールドケース 裏ぶた:18Kピンクゴールドとサファイアガラス
ムーブメント メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー9S85
精度 平均月差±10秒(日差±0.5秒相当)
駆動期間 約72時間(約3日間)
防水性 日常生活用強化防水(10気圧)
耐磁性 あり
取扱店舗 グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ
発売日 2025年4月発売予定
価格 4,400,000 円(税込)

※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。

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