更新日:2024年09月24日
9月とも思えぬ全国的に暑い日が続きますが、グランドセイコー(GRAND SEIKO)からひと足早く秋到来のお知らせです。
スプリングドライブ「キャリバー9R」誕生20周年を祝した限定モデル2種が今秋リリースされます。キャリバー9R31を搭載したSBGY035は、全世界700本限定、希望小売価格は1,166,000円(税込)、11月9日(土)発売予定。キャリバー9R65搭載のSBGA499は、全世界1,300本限定、希望小売価格は792,000円(税込)、9月7日(土)発売です。
グランドセイコー SBGY035/横 38.5mm×縦 43.7mm×厚さ 10.2mm、ステンレススチールケース、スプリングドライブ 手巻 キャリバー9R31搭載。希望小売価格:1,166,000円(税込)、2024年11月9日(土)発売予定、世界限定:700本 (※国内300本)
2024年3月発売SBGE305(ピンク雪白)、6月発売SBGA497(赤黒GMT)、7月発売SBGC275(光学多層コーティング)に引き続き、穂高連峰シリーズの新作が登場です。
本作SBGY035&SBGA499は、日本アルプス・穂高連峰の秋の情景をダイヤルに落とし込み、“2つの豊かな秋”を色づかせています。
海外ローカル限定モデル含め、多数の赤文字盤を手掛けるグランドセイコー。“秋の穂高連峰”SBGY035&SBGA499では、どのような“赤の芸術”が繰り広げられているのか?各特徴ごとに魅力を分析し、値段の近いモデル(“御神渡り”SBGY007、“雪白ブルー”SBGA407)と比較してみました。
美しいレッドカラーのダイヤルが鮮やかな限定モデル!早速実機をレビューしていきましょう!
グランドセイコー SBGA499/横 40.2mm×縦 48.5mm×厚さ 12.8mm、ステンレススチールケース、スプリングドライブ 自動巻(手巻つき) キャリバー9R65搭載。希望小売価格:792,000円(税込)、2024年9月7日(土)発売予定、世界限定:1,300本(※国内600本)
グランドセイコー初のスプリングドライブモデル(SBGA001、SBGA003)を2004年に発表し、腕時計業界の度肝を抜いたグランドセイコー。今年開催された「Watches & Wonders 2024」では、光学多層コーティング(※文字盤が光の角度で色彩が変化するGSの新技法)を施した「スポーツコレクション キャリバー9R 20周年記念限定モデル “夏の穂高連峰の朝焼け”SBGC275」を発表し、スイス・ジュネーブで衝撃を与えました。
穂高連峰シリーズは、定期的に新作が追加されており、第一弾ではピンクの雪白ダイヤルSBGA497&赤×黒のGMTウォッチSBGE305を発表。SBGA497は朝焼けに美しく染まる雪原、SBGE305は鮮やかな夏の朝焼けの情景を表現し、移り変わる穂高連峰の自然美を創出していました。
本作では“秋の穂高連峰を朝日が照らす様”にインスピレーションを得た新作を発表しています。その魅力を大まかに選りすぐってみました。
≪“秋の穂高連峰”SBGY035&SBGA499のセールスポイント≫
グランドセイコーお得意の繊細な色使い、ダイヤルパターンの有無を巧みに使い分け、秋らしい穂高連峰の美しさを完成させています。
グラデーションがかった暗めの赤褐色に、ライオンのたてがみパターン(※不規則な「#」模様)を組み合わせ、凛々しい山肌を再現したSBGY035。対してSBGA499は、くっきりしたシャンパンレッドカラーをつるっとした文字盤を用い、赤く色づくモミジのように明るい秋を完成させています。それぞれ、別の秋の訪れを告げているのが風流ですね。
2024年2月でも「キャリバー9R」誕生20周年限定モデル2種を同時発表(※ピンクのSBGA497と赤×黒のSBGE305)していましたが、今回は「赤」のみに絞り、実りの秋を表現しています。
まずは文字盤から、“二つの秋”を交互に見比べていきましょう。
『夜の静けさに包まれていた穂高連峰が朝日に照らされ、その輪郭がはっきりと浮かび上がり、美しい紅葉が現れる様子をグラデーションダイヤルで表現しました。穂高連峰は削り取られたような岩肌を持ち、その凛々しい山肌のような有機的な型打模様をダイヤルに施しています。』
手巻きスプリングドライブモデルのSBGY035は、夜(黒)から朝(赤)へと変わりゆく、徐々に輝きを増す“秋の穂高連峰のひととき(美しい紅葉が現れる様子)”を表現しているようですね。公式ページには明記されていませんが、モミジの葉が太陽の光を受けて一層輝く様子を「照紅葉(てりもみじ)」とも呼ぶそうです。
ダイヤルの質感や色使いも見事で、グラデーションの暗さが外側に向けて濃くなっており、「秋深し」といったところでしょうか。奥深い“赤の芸術”をデイト窓なしの3針モデルで堪能できるのは、なかなか贅沢ですね。
『夜が明け、昇る太陽の光に照らされた穂高連峰がより一層輝く様子を表現。ピンクゴールド色のGSロゴと、サーモンピンクに彩られた立体感のあるパワーリザーブ表示、そしてダイヤルの印象的な赤色は、穂高連峰に秋の訪れを告げる紅葉の彩りのようです。』
上品なクラシックスタイルを目指したSBGA499は、朝日で鮮やかに輝く“穂高連峰の秋の訪れ(紅葉の彩り)”をサンレイ仕上げの明るい赤色で再現。ダイヤルは燃えるように真っ赤で、まさに秋真っ盛りの美しさです。眩しいほどに輝いています。
ただ、文字盤の色が目立つ分、3時位置のデイト窓はやや色が浮いているように見え、「ありorなし」の好みが分かれそうですね。
筆者個人の感想としては、SBGY035が「じんわり(※緩やかな時の進み)」、SBGA499は「一気に(※あっという間に過ぎた様)」という、早かったり遅かったり感じる“相対的な時間の経過”を赤色のトーン具合で表現しているようにも見えました。読者の皆様は、どちらの“穂高連峰の秋”がお好きですか?
両モデルに似ているGSウォッチも幾つかご紹介しつつ、ダイヤルの違いを見比べていきましょう。
(革ベルトの色合い含め)ファーストインプレッションでSBGY035に一番似ていると感じたのは、“レッドドラゴン”SBGH323でした。SBGH323はダイヤルパターンが直線的な放射模様ですが、少し暗い紅色&エレガンスな金色のワンポイント(※ロゴと秒針)など、色使いが本作SBGY035に近いものがあります。龍を連想させる、赤黒い革ベルトも雰囲気出ていますよね。
レギュラーの類似モデルを一つ選ぶなら、「暮秋(※ぼしゅう、10月初旬~11月頭くらい)」をテーマにしたエレガンスコレクションのSBGW287も全体的なテイストがSBGY035に似ていますね。
濃いワインレッドカラー、飾り気のないシンプルなルックスで、秋の深まる様子を表現。SBGW287は定価638,000円(税込)とリーズナブルな価格ですし、SBGY035を購入しようか迷っている方の検討候補にもよさそうです。
角度次第でオレンジ系~レッド系に色彩が変化するクロノグラフGMTウォッチSBGC275。特許取得済みの光学多層コーティングを施した赤文字盤&ライオンのたてがみパターンを組み合わせ、日の出30分前後の“夏の穂高連峰の朝焼け”を再現しています。
本作SBGY035と同じ型打ち模様&同系色の色使いにも関わらず、“ほぼ別物な”見た目へ差別化出来ていますよね。インデックスや針の形状も功を奏し、SBGY035より荒々しさが強調され、ギラッと照りつける夏の日差しを連想させます。
散った桜の花びらが川を流れる春の情景“花筏(はないかだ)”SBGA443。こちらもライオンのたてがみパターンでしたが、薄いピンク色の文字盤で桜の季節の儚さを表現しているため、本作とはまるで外見が異なります。モコモコした型打ち模様は、春らしいカラーリングも映えますね。
「穂高連峰の険しい岩肌」を(あえて?)つるっとしたシンプルな赤文字盤で表現したキャリバー9R 20周年記念限定モデル“夏の穂高連峰の朝焼け”SBGE305。SBGE305紹介記事では、もう少しインパクトのあるアニバーサリーイヤー向けのダイヤルパターンだとよかった、という内容を記載しましたが、(9月現在までに)計5モデル出揃うと、味わい深く思えますね。型打ち模様がないのも、色合いが強調され、素敵です!!
夏(SBGE305)より秋(SBGA499)の方が、トーンが明るいのも乙ですね。
(左)メカニカルハイビート36000 GMTのSBGJ273(右)900本限定モデルのSBGH269
同じ秋をテーマにした2019年限定モデルSBGH269(ヘリテージ)、レギュラーモデルSBGJ273(エレガンス)は、漆塗りの床に映るモミジの絶景“床紅葉”を表現しています。床板をイメージさせる縦の幅広ストライプと赤色のリフレクションは、まさに“紅葉浄土”の美しさです。どのモデルにも言えますが、(同じ赤色でも)型打ち模様の有無、凹凸の加減でだいぶ印象が変化しますよね。
GSらしいメリハリの効いたケース形状のSBGY035。SBGY系お馴染みのケースフォルムは、革ベルトがよく似合いますね。本作は赤みがかった茶色のクロコダイルストラップを採用しています。
ケースサイズは横 38.5mm×縦 43.7mm×厚さ 10.2mmです。
デザイン&サイズが一番近いモデルも合わせてご紹介します。
基本デザイン、サイズ、素材がレギュラーモデルの“御神渡り”SBGY007と同じです。
デザインコードはほぼ同じですが、本作SBGY035=秋、SBGY007=冬をイメージしているので、色味がほぼ正反対に近いですね。
初代グランドセイコーの意匠である「クラシックスタイル」を融合したSBGA499。SBGA系でも割と珍しいケース形状(※ぽってりと丸みを残すケースフォルム)をしており、シュッとした三角形型のかん足が特徴です。ケースのかん足はザラツ研磨のコンビネーション(※鏡面と筋目仕上げ)を施すことで、程よい緊張感のある稜線へ仕上がっています。
ケースサイズは横 40.2mm×縦 48.5mm×厚さ 12.8mmで、インデックスにダイヤカットも施されています。
基本デザイン、サイズ、素材(※ブレスレットorベルト以外)が、レギュラーモデルの“雪白ブルー”SBGA407と同じです。
先程と同じく、SBGA499=秋、SBGA407=冬をテーマにしているのも影響し、色味の対比が奇しくも(?)ほぼ真逆ですね。もし穂高連峰シリーズの冬新作が出る場合は、(安直に予想すると)SBGA407やSBGY007のように青っぽい色合いへ変化してくるかもしれませんね!?
SBGY035はキャリバー9R31を搭載。デュアル・スプリング・バレル機構は、1つの香箱に2つの動力ぜんまいを収納しているため、スリム設計を維持しつつ、約72時間のパワーリザーブを備えています。
SBGY035は限定モデルですが、裏ぶたのデザインは比較的シンプルで、ムーブメントの動きを眺めやすいのもポイントです。銀色のプレートと赤いルビーの穴石、青いネジの取り合わせが実に麗しいですね!
SBGA499もシースルーバック仕様です。
こちらも余計な装飾や印字が控えめですので、波目模様をしっかり眺められます。SBGA499は裏側から見ても、丸っこい形状をしていて可愛らしいディテールですね。
SBGA501の裏ぶたには銀座限定モデルの証である「GINZA LIMITED EDITION」の文字表記
2024年7月新作の銀座限定モデル SBGA501もキャリバー9R65を搭載していました。セイコー・創業の地「銀座」の光景をテーマとしているので、裏ぶたには特別感たっぷりな「GINZA」の青い文字が刻印されています。
写真の角度の影響もあるでしょうが、(印字がある分)ムーブメントの動きは少しだけ見づらいかもしれません。さじ加減が難しいですね。
SBGY035はステンレススチールケース&クロコダイルストラップ、1,166,000円(税込)です。
SBGA499はステンレススチールケース&ブレスレット、792,000円(税込)です。
キャリバー9R31搭載モデルの現行コレクションは計5種類。ほぼ同スペックのSBGY007が1,100,000円(税込)に対し、“御神渡り”SBGY035は1,166,000円(税込)です。
もしかして高い?と思った読者の皆様ご安心ください。
キャリバー9R65搭載モデルのラインアップを見てみましょう。
キャリバー9R65搭載モデルの一部
SBGA499と“雪白ブルー”SBGA407が792,000円(税込)、と同価格でした。本作SBGA499はSSブレスレットですが、レギュラーのSBGA407はクロコダイル革ベルトを使用しています。定価が同じですし、なんならリーズナブルと言い換えても差し支えないでしょう。
穂高連峰シリーズのSBGE305記事でも申しましたが、「(アニバーサリーイヤーモデルだが)値段設定自体はプレミアムではない」の傾向が、本作にも当てはまりましたね。
本作SBGY035&SBGA499を類似モデルと見比べてみましょう。既に発売されている穂高連峰シリーズとの比較、も一案として浮かびましたが、スペック・価格帯が近い“御神渡り”SBGY007、“雪白ブルー”SBGA407をチョイスしました。
大まかな見た目の違いは以下の通りです。(左)SBGY035(右)SBGY007
≪SBGY035と“御神渡り”SBGY007の違い≫
(左)SBGA499(右)SBGA407
≪SBGA499と“雪白ブルー”SBGA407の違い≫
期せずして、「秋(赤色の限定モデル)VS冬(青色のレギュラーモデル)」の比較となりましたね。
どちらを最終的に選ぶか、決定打となる差もないので、「赤が好き」「冬にゆかりがある」など、価値観・人生観を反映して選ぶのも面白いですよ!
「グラデーションのあるSBGY035の方が好き」
「(SBGY035の)文字盤が美しい」
国内SNSの感想は、型打ち模様のあるSBGY035がやや優勢ですかね。ダイヤルパターンについての意見が少し目立ちました。
続いて、海外のコメントをご紹介します。
「SBGY035G(※海外名)の赤い文字盤&クロコダイル革ベルトは宝石のようだ」
「SBGY035Gは赤色にインパクトがあって気に入っている」
SBGY035の色味について、公開数日で褒め称えるコメントが多数寄せられていました。海外のGS通もSBGY035推しでしたね。
スプリングドライブ誕生の節目である20周年を春夏秋の順に、穂高連峰シリーズで盛大に祝うグランドセイコー。いずれも“穂高連峰の朝”を(SBGA497は薄ピンクでしたが)赤系統で統一して、四季折々の自然美を再現しています。
恐らく、冬の時節にも「キャリバー9R 20周年記念限定モデル」が発売されると予想していますが、赤系統を依然として続けるのか、今まで通りテーマを“穂高連峰の朝”シリーズのみに絞るのか……それとも、全く違う色系統で“穂高連峰の夜”を手掛けるのか?山の天候のように見通しが難しいですね。
雪白や白樺、御神渡りや雪化床など、GSは冬にまつわるダイヤルパターンも得意としているので、次はどんな穂高連峰が生み出されるのか、一日千秋の思いでその発表を待ちわびましょう。
モデル | エレガンスコレクション キャリバー9R 20周年記念限定モデル
Elegance Collection Caliber 9R 20th Anniversary Limited Edition |
---|---|
型番(Ref.) | SBGY035 |
ケースサイズ | 横 38.5mm 縦 43.7mm 厚さ 10.2mm |
ケース素材 | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス |
ムーブメント | スプリングドライブ 手巻 キャリバー9R31 |
精度 | 平均月差±10秒(日差±0.5秒相当) |
駆動期間 | 約72時間(約3日間) |
防水性 | 日常生活用防水 |
耐磁性 | あり |
その他 | 裏ぶた「LIMITED EDITION」表記 |
生産本数 | 数量限定700本(うち国内300本) |
取扱店舗 | グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ |
発売日 | 2024年11月9日発売予定 |
価格 | 1,166,000 円(税込) |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。
モデル | エレガンスコレクション キャリバー9R 20周年記念限定モデル
Elegance Collection Caliber 9R 20th Anniversary Limited Edition |
---|---|
型番(Ref.) | SBGA499 |
ケースサイズ | 横 40.2mm 縦 48.5mm 厚さ 12.8mm |
ケース素材 | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス |
ムーブメント | スプリングドライブ 自動巻(手巻つき) キャリバー9R65 |
精度 | 平均月差±10秒(日差±0.5秒相当) |
駆動期間 | 約72時間(約3日間) |
防水性 | 日常生活用強化防水(10気圧) |
耐磁性 | あり |
その他 | 裏ぶた「LIMITED EDITION」表記 |
生産本数 | 数量限定1,300本(うち国内600本) |
取扱店舗 | グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ、グランドセイコーショップ |
発売日 | 2024年9月7日(土)発売 |
価格 | 792,000 円(税込) |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。
グランドセイコー買取 時計買取ピアゾでは腕時計買取を専門とする9社無料一括査定が受けられます!買取実績掲載中!
グランドセイコーはもちろん、ロレックス、オメガ、タグホイヤー、オーデマ・ピゲなどの高級ブランド時計を独自ルートで激安価格にて販売中です!