更新日:2025年10月15日

【2025年10月新作】グランドセイコー“白樺ネイビーブルー” SLGW007

夜空に月が輝くこの季節、グランドセイコーから悩ましい新作が登場しました。2025年新作SLGW007では、白樺の樹皮(バーチバーク)を想起させる水平模様の型打ち文字盤に、秋の静けさを彷彿させる深みのあるネイビーブルーを掛け合わせ、中秋の名月にも勝る艶麗な薄型ドレスウォッチを具現化。しかも王道のステンレススティール製&最新の手巻きキャリバー9SA4、これは目の肥えた時計愛好家達にヒットしそうです。

ネイビーブルー文字盤の手巻き白樺SLGW007

グランドセイコー SLGW007/横38.6mm× 縦45.0mm×厚さ10.0mm、ステンレススチール製ケース、メカニカル 手巻き キャリバー9SA4搭載。希望小売価格:1,342,000 円(税込)、2025年10月10日発売

月明かりで仄暗く輝く白樺のダークトーンがたまりませんね。とかく海外の反応がよく、SLGW007を賞賛する記述が目立ちます、海外のペットネームでは“ムーンライトバーチ”“ブルーバーチ”などと呼ばれていますね。色味・質感・ファーストインプレッション、ほぼフルマークで褒めちぎられており、売れ行きの面でも期待できそうです。

個人的な見解として、「横白樺模様+ネイビーブルー文字盤+手巻き薄型ドレスウォッチ」というセールスポイントを、テーマの良さで更にワンランク上へ引き上げている印象です。月明かりに照らされた白樺、の響きがムーディーで、手に入れた方は格別な時間に浸れそうです。巻き心地が自慢の最新手巻きキャリバー9SA4を搭載していますし、時計愛好家の方にこそお勧めしたい一本ですね。

グランドセイコーのイメージカラーである「グランドセイコーブルー(紺色)」を、厚さわずか9.95mmのステンレススチールケースで薄型に仕上げたSLGW007。秋の夜空に輝く月のように、“特別な美しさ”を放つ新作を楽しむべく、しっとりと情感込めて解説していきます。

SLGW007のダイヤルは横白樺模様とヴィンテージジーンズのような色合いが魅力

去年の「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ(Watches & Wonders、略称W&WG)」で時計通を唸らせた限定SLGW002&レギュラーSLGW003に続き、またも魅惑的なキャリバー 9SA4搭載モデルが発表されましたね!

手巻き白樺のネイビー文字盤、という発想としてはありきたりかもしれない新作ですが、テーマのセンスが良く抒情的です。同時発表されたSLGC006同様、派手なプロモーションをせずに、ひっそりとウェブサイトに掲載している点も、本作のテーマに合っていて好感が持てます。
SLGH017が“黒樺”、SLGH011が“緑樺”と呼ばれることもあるので、SLGW007は“紺樺”でしょうか。コンサバ、のような音の響きもあり、本作にはちょっとしっくりこないため、以降は便宜上“白樺ネイビー”と呼んでいきます。

前置きはこのくらいにして、SLGW007の眺め方をまとめましょう。

≪SLGW007のセールスポイント≫
  • 白樺の樹皮(バーチバーク)を思わせる水平模様の型打ち文字盤を採用
  • ケース厚9.95mmの薄型ドレスウォッチ
  • エボリューション9スタイル&38.6mmステンレススチールチタンケースの融合
    ※SLGW003は同サイズ、ブリリアントハードチタン製

手巻き白樺×グランドセイコーブルー、の最強コンビネーションは、総合力も最高クラスです。ケース径38.6mm×ケース厚9.95mmの薄型フォルム、重量74グラムの軽量感、SS製&ネイビートーンの王道スタイル……更に価格もSLGW003より約20万円安い1,342,000円(税込)。海外のGS愛好家達が絶賛するのも納得の訴求点が満載です。

100万円オーバーの最先端手巻きモデル、という属性ですし、腕時計ビギナーの方より、熱心な腕時計好きに刺さりそうです。グランドセイコーブルーの一種ではありますが、これまでになかったニュアンスカラーが巧みで、ヴィンテージデニムのようにじわじわと人気が高まっていきそうです。

SLGW007のダイヤルは横白樺模様とヴィンテージジーンズのような色合いが魅力
『本作のダイヤルは、凹凸が不規則に連なる樹皮の美しさを精緻な型打模様で表現。ダイヤルカラーは、月あかりに照らされた白樺の樹皮をイメージした、わずかに褪せた明るめのネイビーカラーに仕上げています。』

褪せた(意味:色艶が薄くなる、勢いが衰える)、の言い回し通り、グレーがかったブルーカラーがなんとも絶妙です。きめ細かい凹凸で独特なシボを付けた牛革製シュリンクストラップもダイヤルにマッチしており、全体的に樹皮のようなザラっとした質感でまとまっています。写真でも既にイイですが、実物は相当良さそうです。
別売りのオプションストラップにも似合うダイヤルカラーで、紺クロコダイルバンドRG01W20NY、柳茶色のXGL00920などとカスタイマイズしてもお洒落です。

既に発売済みのGSウォッチと、SLGW007を見比べていきましょう。

入手困難で買えない状況が続く、人気GSドレスウォッチSLGW003

W&WG2024の目玉、キャリバー9SA4搭載の“白樺”レギュラーSLGW003。10振動手巻きメカニカル、の属性がニッチすぎるかなと発表当時は危惧していたのですが、海外GS愛好家を中心に評価は上々です。一説では、「SLGW003 買えない」という意見もあり、在庫状況次第では売り切れの可能性も生じています。
過信は禁物ですが、兄弟機SLGW003の高評価に続き、SLGW007も良い意味で同じ流れが続いていきそうです!

ネイビー文字盤とゴールドのワンポイントが美しい2025年新作SBGH353

秋&ネイビーダイヤル繋がりで、2025年2月新作“秋分”SBGH353も比較対象にもってこいでしょう。夜空と月の対比を連想させる、濃紺の文字盤とゴールドのGSロゴ&秒針のコントラストが美しく、ダイヤルは上品な輝きが満ちていました。SBGH353はエバーブリリアントスチール製で、普通のSS製ケースより白く輝きやすいのも魅力です。

SLGW007はステンレススチールケース&シルバー秒針を組み合わせているため、あえて“最高の普通”の差し色に抑えている点も妙味です。今までのパターンでよく見かける金色のワンポイントを用いなかったところが、月明かりの白樺林っぽい、しっぽりとした夜の落ち着きが出ていますよね。

エボリューション9コレクションの人気レギュラー“ミナモネイビー”SLGA021

続いて、本作と同じエボリューション9コレクションの“夜明け前の諏訪湖”SLGA021、こちらはデイト表示ありのスプリングドライブです。その名に相応しい、夜明け前の水面のように暗いダークネイビーカラーが幻想的な味わいでした。遠目で見ると真っ黒に見えるダイヤルは、近づくとネイビーカラーが濃くなり、乙な仕上がりでした。

夜の闇で美しさを増す“秋分”SBGH273

テーマ・色調に近いものがある“秋分”SBGH273。静かな夜に煌々と輝く「月夜」から着想を得たダークブルーは、粛々とした雰囲気を文字盤へ凝縮させていました。身に着けると身も心も引き締まりそうな、程よい空気感が魅力です。
この写真も妙妙たる出来栄えですよね、SLGW007も暗闇で荘厳な佇まいを覗かせそうです。

44GS現代デザインのネイビー文字盤“月天心” SBGY009

ネイビー文字盤&ステンレススチールケース&秋の月、で過去の名作を思い出すと、44GS 55周年記念限定モデル “月天心(つきてんしん)” SBGY009も風流な一本でした。
与謝蕪村の名句にちなんだ“月天心”は、秋の夜の静寂と月光の美しさを、スリムな44GS現代デザインとサンレイダイヤルで表現。ネイビーブルーと差し色のゴールドが優雅でした。
同じネイビー文字盤でも、ダイヤル模様と差し色が違うだけで、だいぶ印象が変わりますね。

黒文字盤の白樺ダイヤルSLGH017

夏の白樺をイメージしたグリーン文字盤SLGH011でファンの度肝を抜いた白樺シリーズ。2022年発売のブラックバージョン“夜の白樺” SLGH017は、ブライトチタン製ケースで「夜の闇に浮かぶ白樺林」を再現。一部ファンに“黒樺”とも呼ばれる“白樺ブラック”は、 スタイリッシュな魅力に溢れていました。

ちなみに、白樺シリーズはほぼステンレススティール製ケースを採用、SLGH017がブライトチタン製、手巻き白樺のSLGW003がブリリアントハードチタン製ケースなため、SSに戻した形となります。最新の先鋭素材は、それはそれでテーマに相応しい輝きを加味することができますが、SS製ケースはやはり超王道!グランドセイコーの十八番である“光と影の芸術”に、正当派素材は欠かせません。

GSの看板モデル“ホワイトバーチ”SLGH005&SLGA009

白樺シリーズの基本にして至高、のメカニカルハイビートモデルSLGH005&スプリングドライブSLGA009。木肌のようにザラリとした質感の独特な風合いの白樺模様は、数ある型打ち文字盤の中でも“雪白”に並ぶ完成度を誇り、“ホワイトバーチ(white birch)”の愛称で世界中に親しまれます。

不規則な縦方向の凹凸は、白樺林の“力強さと静けさ”を反映しており、異なる銀世界を生み出します。2021白樺のSLGH005はシルバーの光沢が強く、2022白樺のSLGA009は白みを目立たせたマットホワイトなカラーリングでした。
両作ともステンレススチールケースとダイヤルのコントラストが実に味わい深く、さてSLGW007ではどんな白樺の情景をダイヤルに生み出すのか、期待が膨らみますね!

SLGW007のサイズは横38.6mm×縦45.0mm×厚さ10.0mm。スラリと伸びる白樺の木立を彷彿とさせるケース厚9.95mmの薄型ボディーは、ステンレススチール製で約74グラム。エボリューション9コレクションの低重心も相まって、極上のフィット感を期待できます。

2025年10月現在、キャリバー9SA4搭載モデルについて

SLGW007はステンレススチール製で1,342,000円(税込)、SLGW003はブリリアントハードチタン製で1,529,000 円(税込)。価格の差は素材の差、ではありますが、入手困難なSLGW003より約20万円も安いのは、消費者目線で見ると本当にありがたい限りです。カスタマイズ用のストラップを数本購入しても、まだお釣りが出ます。

2025年版エボリューション9コレクションの現行ラインナップ

エボリューション9コレクションの現行モデル一覧です。同コレクションの新作は、トレンドである「薄型・小型化」に力を入れた作品が多く、例えばW&WG2025の新作「スプリングドライブ U.F.A.」のSLGB003(ブライトチタン製)、2025年11月新作の“樹氷パープル”SLGB005(エバーブリリアントスチール製)は同サイズで横 37.0mm×縦 44.3mm×厚さ 11.4mmでした。
多種多様な色味&素材のスプリングドライブ U.F.A.や手巻き白樺ドレスウォッチ達が、華やかなエボリューション9コレクションを盛り上げていきそうです。
→「SLGW007の値段」へ。

SLGW007の裏ぶたはシースルーバック仕様、プリントは薄め

SLGW003の裏ぶた、プリントあり

SLGW007の裏ぶたの参考画像として、SLGW003の写真をご用意しました。写真の角度の問題だとは思いますが、海外実機レビュー写真ではプリントが殆ど目立たない写真が多く、SLGW003よりもプリントが薄い可能性も存在します。
この当たりの細かい差は、実物を見た際に詳細をお届けできればと。

SLGW007は1,342,000円(税込)、本作と価格帯が近い120万~150万円のGSウォッチをリサーチしてみました。

予算120~150万円のGSウォッチ一覧

検索条件【120万~150万円】で結果15件。
手巻きで130万円と考えると高い、ですが……どこのメーカーも値上げラッシュ、という状況で、「最新スペック+人気の型打ち模様+薄型ドレスウォッチ」で130万円なら、及第点どころかお得な気さえしますよね。価格のみで単純比較すると、エボリューション9コレクションの不動の人気作“白樺”SLGH005&SLGA009が1,276,000円(税込)で、ケース・ベルトの素材差を考慮しても、本作は値段の面で大健闘していると言えます。

新作“白樺ネイビー”SLGW007と、いつもの如く、何かしらの共通点を持つ類似モデルと比較していきましょう。比較基準を何にするか、少し頭を悩めましたが、本作は価格バランスが優秀なため、エボリューション9コレクションの価格が近いモデルと軽く比べてみました。

“白樺ネイビー”SLGW007と予算が近い、エボリューション9コレクション類似モデル

価格がやや安い、スプリングドライブ 9RA2搭載&紺系ダイヤルのSLGA021、自動巻ハイビート9SA5搭載の“白樺”SLGH005は、実際に購入する際の有力候補となりそうです。自動巻きのロングセラーSLGH005 VS ミナモパターンのネイビー文字盤スプドラSLGA021 VS 最先端手巻き“白樺ネイビー”SLGW007、それぞれ異なる持ち味で購買意欲を刺激しますね。

3機種いずれもステンレススチール製ケース&シースルーバック仕様、本作はケース径約38.5mm前後×ケース厚約10mm前後の約60グラムに対し、SLGH005&SLGA021は、ケース径約40mm前後×ケース厚約12mm前後の約180グラム近く、と「小型化・軽量化」に成功しているのも特徴です。

日々忙殺されそうな時は、手巻き腕時計のゼンマイを巻く作業は煩わしくも感じますが、慣れてしまえば歯磨きや洗顔よりも簡単です。手巻きの動作を生活習慣の一部に出来れば、ちょっとした気分転換にもなりますし、これを機に手巻きデビューを飾るのも良い機会でしょう。“手巻きの味”で時計玄人を唸らせるキャリバー9SA4の最新作、手巻き愛好家の方に限らず、その「贅沢なひと時」を一度はご賞味あれ!

「ネイビーブルーのレザーストラップがマッチしている」
「GSの中でも最高クラスで質感と色彩がいい」
「理想のブルーダイヤル」

デザイン・スペックに関して、海外の時計通達からは高い評価を得ています。SLGW003の記事を書いた時にも思いましたが、手巻き白樺は海外ウケが良く、国内外問わず青文字盤系GSウォッチの定番モデルとなっていきそうな勢いを感じます。

夜の静寂に包まれた白樺林を月明かりがそっと照らすように、さりげないお洒落が行き届いたSLGW007。定番カラーのネイビーブルーを褪せた色合いへ風化させることで、心に響く“日本の自然美”を新たに生み出しています。
「名月を 取ってくれろと 泣く子かな」小林一茶の名句ではありませんが、大人の男でも泣いて欲しくなるほど、完成度の高いGS流ドレスウォッチでしたね。

グランドセイコー SLGW007の仕様・価格
SLGW007の仕様とスペック
モデル エボリューション9 コレクション 白樺ネイビー
Evolution 9 Collection
型番(Ref.) SLGW007
ケースサイズ 横 38.6mm 縦 45.0mm 厚さ 9.95mm
ケース素材 ステンレススチール 裏ぶた:ステンレススチールとサファイアガラス
ムーブメント メカニカル 手巻 キャリバー9SA4
精度 静的精度:平均日差+5秒~-3秒
携帯精度:日差+8~-1秒
駆動期間 最大巻上時約80時間持続
防水性 日常生活用防水
その他 パワーリザーブ表示機能
重量 74 g
取扱店舗 グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ
発売日 2025年10月10日発売
価格 1,342,000 円(税込)

※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。

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