更新日:2025年03月14日
グランドセイコーから2025年2月に「SBGH351 立夏」と「SBGH353秋分」が発売されました。二十四節気をイメージして2021年にリリースされた「SBGH271 立夏」、「SBGH273 秋分」の後継機モデル。先行モデルはまだカタログ落ちしていませんが、同じ流れを汲んでいます。 素材がステンレススティールからエバーブリリアントスチールに変更され、文字盤のデザインやインデックスカラーも先行モデルから変わっています。
今回の記事では、新作のデザインやケース、スペックなどを詳しく紹介。「SBGH271 立夏」、「SBGH273 秋分」との比較や「62GS」についても解説いたします。
グランドセイコー SBGH351/横 40.0mm×縦 47.0mm×厚さ 12.9mm、エバーブリリアントスチール製ケース、メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー 9S85搭載。990,000 円(税込)
グランドセイコーSBGH353/横 40.0mm×縦 47.0mm×厚さ 12.9mm、エバーブリリアントスチール製ケース、メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー 9S85搭載。990,000 円(税込)
公式リンク(立夏/SBGH351) 公式リンク(秋分/SBGH353)早速新作モデルを紹介したいところですが、先に「62GS」について解説します。62GSとは、1967年にグランドセイコーとして初めて自動巻機械式ムーブメントを搭載したモデルです。ベゼルのない構造を採用し、広々と見えるダイヤルや「ザラツ研磨」によってケースを多面体にしており、シャープなケースが実現しています。 ザラツ研磨とはケースを磨く技術の一つです。ザラツとはスイスのザラツ社が製造していた研磨機に由来しています。ザラツ研磨機についている板に研磨剤をつけ、板を回転させながらケースを当てて研磨していきます。
金属の下地を整える場合、通常ではバフを使用しますが研磨剤をつけた布を当てるとケースの角が丸くなってしまうことがあります。 そのため、シャープなケースを作るためにザラツ研磨を利用して角を落とさず面を整えていきます。回転する板の面に対して正しい角度で研磨を行う必要があるため職人技が必要な技術です。 現代の「62GS」はデザインをさらにアレンジした作品になっており、シャープで洗練された見た目が特徴です。
62GS現代デザインのテーマは一年を24に区切った二十四節気です。ダイヤルの色やテクスチャー、インデックスのカラーなどで美しく表現しています。 日本ならではの四季の移ろいを手元で感じることができる作品の数々が揃っているシリーズです。 身につけることで日本人としての誇らしさを感じ、心のゆとりももつことができそうですね。 では、早速今回新作である「立夏」と「秋分」をご紹介します。
初夏の爽やかな青々とした香りが漂ってきそうな深いグリーンのダイヤルが特徴の本モデル。 初夏の季語でもある「薫風」から着想を得ました。ダイヤルの表面には細かなテクスチャーが入っており、光の加減で表情を変えてくれます。 秒針と12時の位置にあるGSのロゴはゴールドカラーで優しい印象を与えてくれます。
秋分の頃は美しく渡った空と夜空に輝く月がひときわ美しい時期です。 その情景から着想を得たモデルです。濃紺のダイヤルとゴールドのGSロゴと秒針から夜空と月が連想されます。 こちらも立夏同様、細かなテクスチャーがダイヤルに入っており光の当たり方で表情が変わります。 立夏がキラキラとした夏の輝きのように感じるのに対して、上品で落ち着いた印象を与えます。
SBGA443、SBGH271、SBGH273、SBGA445の4つのモデルを紹介しています。春夏秋冬を感じられる美しい作品です。
ケースには、グランドセイコーが独自に開発したエバーブリリアントスチールが使用されています。 エバーブリリアントスチールは耐食性に極めて優れた金属で、ベースとなった素材は化学・食品系ブランドで使用されるスーパーステンレスに分類されます。 世界最レベルの耐食性もありながら、ステンレススティールよりも白く輝き美しさも兼ね備えているという特徴があります。 腕時計のような装身具にするための品質にすることは難しい素材でしたが、従来の製造工程を見直し、ケースとブレスレット、両方への商品化に成功しました。 従来のステンレススティールも錆びにくく、加工性にも優れていますが、時計のアフターサービスの現場では、ステンレススティールの製品は人の汗などによって裏蓋がさびて腐食してしまった物を見かけることがあったと言います。 腐食が免れない現状はまだ改善の余地があることだと考え、3年以上の年月をかけてエバーブリリアントスチールを開発しました。 世界最高峰の腕時計を作り出す、という初代から変わらない情熱を持つグランドセイコーだからこそ開発し、商品化できたといっても過言ではないでしょう。 導入を決めたポイントは、磨き上げた際にステンレススティールよりも美しい輝きを担保できたからと語られています。 グランドセイコーは長く使える時計を目指しているため、修理可能期間を限定していません。(2025年3月現在) エバーブリリアントステンレスは、正確で見やすく、美しい時計を末永く使える時計を作り続けるというブランドの願いを叶える金属ですね。
立夏、秋分共にキャリバー9S85を搭載しています。 キャリバー9S85はハイビート36000の呼称がつけられた「メカニカルハイビート360000 キャリバー9S85」は10振動ムーブメントです。 10連振動とは機械式時計の精度を司る「てんぷ」が1秒間に10回振動し、1時間に換算すると36,000回になるためハイビート36000と 呼ばれています。一般的なムーブメントは6振動か8振動のため、10振動はとても振動数が多いムーブメントです。 てんぷは振動数が多いほど外乱の影響を受けにくい性質があるため、10振動のムーブメントはより安定した精度を保つことができます。 巻き上げ方式は自動巻(手巻つき)で、平均日差は+5~-3秒です。 グランドセイコー独自の規格に基づいて厳しい検査を行っています。実際に使用する際は条件によっては記載の精度範囲を超えることがあるそうです。 ただ、パワーリザーブ55時間はやや物足りないと感じるので、そろそろアップデートをしたシリーズを見たいですね。
グランドセイコーSBGH271/横 40.0mm×縦 47.0mm×厚さ 12.9mm、ステンレススティール製ケース、メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー 9S85搭載。880,000 円(税込)※2025年3月現在の価格
先行モデルの「SBGH271立夏」は今回のモデルと比べると、見た目も大きく変わっています。 より深いグリーンのダイヤルに、時計の針やバーインデックス、カレンダー機能の縁取りも色の濃いゴールドカラーが施されており、より重厚感のあるデザインです。 ケースやブレスレットに使用されている素材もステンレススティールとなっています。
グランドセイコーSBGH273/横 40.0mm×縦 47.0mm×厚さ 12.9mm、ステンレススティール製ケース、メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー 9S85搭載。880,000 円(税込)※2025年3月現在の価格
秋分の先行モデルである「SBGH273」は立夏ほどイメージの違いは感じませんが、こちらもより深い紺色のダイヤルで 秋の夜空を表現しています。こちらもケースやブレスレットはステンレススティール製です。 今回の新作はエバーブリリアントスチールを使用しているため販売価格が先行モデルよりも高くなっています。
リリース当初はUS限定だった二十四節気コレクション。四季の美しさを改めて実感できるコレクションです!
モデル | ヘリテージコレクション 立夏 |
---|---|
型番(Ref.) | SBGH351 |
ケースサイズ | 横 40.0mm 縦 47.0mm 厚さ 12.9mm |
ケース素材 | エバーブリリアントステンレス |
ムーブメント | メカニカルハイビート36000 キャリバー 9S85 自動巻(手巻つき) |
精度 | 静的精度:平均日差+5秒~-3秒 携帯精度:日差+8~-1秒 |
駆動期間 | 最大巻上時約55時間持続 |
防水性 | 日常生活用強化防水(10気圧) |
その他仕様 | シースルースクリューバック ガラス素材:ボックス型サファイア ねじロック式りゅうず ガラス材質:ボックス型サファイア コーティング:内面無反射コーティング バンド幅:21mm 中留:ワンプッシュ三つ折れ方式 腕周り長さ(最長):197mm カレンダー(日付)機能つき 石数 37石 |
価格 | ¥990,000(税込) |
モデル | ヘリテージコレクション 秋分 |
---|---|
型番(Ref.) | SBGH273 |
ケースサイズ | 横 40.0mm 縦 47.0mm 厚さ 12.9mm |
ケース素材 | エバーブリリアントステンレス |
ムーブメント | メカニカルハイビート36000 キャリバー 9S85 自動巻(手巻つき) |
精度 | 静的精度:平均日差+5秒~-3秒 携帯精度:日差+8~-1秒 |
駆動期間 | 最大巻上時約55時間持続 |
防水性 | 日常生活用強化防水(10気圧) |
その他仕様 | シースルースクリューバック ガラス素材:ボックス型サファイア ねじロック式りゅうず ガラス材質:ボックス型サファイア コーティング:内面無反射コーティング バンド幅:21mm 中留:ワンプッシュ三つ折れ方式 腕周り長さ(最長):190mm カレンダー(日付)機能つき 石数 37石 |
価格 | ¥990,000(税込) |
エバーブリリアントスチールを備え、より美しく日本の四季を表現した新作モデルでした。 代々受け継いでいく時に作品に込められた思いや物語も一緒に受け継いでいけたらより素敵ですね。 今回紹介した「立夏」と「秋分」は2025年2月より発売しています。
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