更新日:2022年09月01日
グランドセイコーより 1967年に発表された「44GS」55周年を記念した特別な数量限定モデルがまたまた登場!深いネイビーカラーのダイヤルが美しい新作 SBGY009を詳しくご紹介します!7/20から予約解禁となりましたが、一部では既に予約分完売の店舗もあるとか。グランドセイコーも人気が過熱気味?!
グランドセイコー SBGY009は、横40.0mmのSS製ケースに手巻きスプリングドライブ キャリバー9R31を搭載。希望小売価格は 935,000円(税込)、2022年8月19日(金)よりグランドセイコーフラッグシップブティック、グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップにて発売予定です。
44GSの55周年アニバーサリーイヤーということで、続々と記念モデル新作が投入されているグランドセイコー。
メカニカルハイビートGMT 44GS 55周年記念限定モデル SBGJ255、44GS 55周年記念限定モデル メカニカルハイビート SLGH009、スプリングドライブ SLGA013、そしてメカニカル手巻き 44GS 55周年記念限定モデル 「桜隠し」 SBGW289
に続いて登場した44GS 55周年記念限定モデルSBGY009「月天心」。まずはその命名の由来も気になる美しい文字盤からチェックしていきましょう。
日本の美意識に基づき、美しい日本の情景を表現した独創的な文字盤を次々と発表しているグランドセイコー。今回の新作SBGY009は 「月天心(つきてんしん)」を表現した、とのこと。日本人でもあまり聞きなれないこの「月天心」とは一体どんなものなのでしょうか?
「月天心」とは、月が天の中心にこうこうと輝く秋の夜更けのさまを表わし、与謝蕪村が俳句に読んだことでも知られています。
放射状の繊細な型打ち模様がほのかに浮かび上がる深いネイビーカラーのダイヤルが、澄んだ夜空を彷彿します。ゴールドカラーのGSロゴは中天の満月のように輝き、音もなく流れる秒針は満月から零れる光のように煌めき、静謐な月の佇まいを一層際立たせます。スプリングドライブムーブメントならではの、美しく印象的な「月天心」の情景に思いを馳せることができる特別なデザインです。
長野盆地から望む北信五岳のさらに空高く、夜空に煌々と輝く満月の光を思わせる美しいサンレイダイヤル。
分針と秒針は、先端がダイヤルに向かって緩やかなカーブを描くよう手作業で曲げられており、ダイヤルに近づけることで時刻の判読性を高めています。搭載するキャリバー9R31は、パワーリザーブ表示が文字盤ではなく時計の裏側に配置されているため、機能性は確保しつつ、文字盤に対称美をもたらしています。
いっそパワーリザーブがゴールドカラーで文字盤側にあったとしたら、それはそれで夜空に浮かぶ「月」っぽかったのでは、と思わなくもないですが、「月天心」という名にふさわしく、夜空の中心から放つ輝きをこの放射状の型打ち模様が表現しているわけですから、蛇足というものでしょう。すっきりシンプルな仕上がりは、これぞグランドセイコーの真骨頂、と思わせますよね。
革ベルトモデルとはいえ、スリムな44GSケースで重量わずか77gと軽量さも魅力的なSBGY009。44GSのさらにベースにある”セイコースタイル”というデザイン文法について、公式リリースでは以下のように説明されています。
時計の本質を追求する“セイコースタイル”
“セイコースタイル”とは、精度の最高峰を目指して誕生したグランドセイコーに、高級腕時計に相応しい外観を与えるべく考案されたデザイン文法です。燦然と輝く腕時計を生み出すセイコースタイルは、1967年に発表した「44GS」にて確立されました。
その根底にあるのは日本の美意識です。鏡面が放つ光と、立体的な造形が落とす影を操作して、美を創出するスタイルは、歪みのない平滑で美しい面に磨き上げる「ザラツ研磨」をはじめとする高度な匠の技により実現しています。
服部時計店のチーフデザイナーによって確立された「セイコースタイル」で定義されたデザイン文法は以下の通りです。
これらの条件を見事に成立させているは、グランドセイコーが世界に誇る「ザラツ研磨」をはじめとした非常に高度な匠の技術です。
そしてこの”セイコースタイル”を最初に具現化したのが”44GS”です。44GSで創造した9つのデザイン要素は以下の通りです。
-----グランドセイコー公式サイトより引用
グランドセイコーは2013年にセイコー腕時計100周年を記念して、この44GSを新たに現代的に再解釈した「44GS 現代デザイン」を発表しました。防水性や耐久性の向上を図り、ケースサイドの造形などが進化しました。
さらに翌2014年には、44GSデザインにCal.9S86を搭載し誕生した「メカニカルハイビートGMT限定モデル SBGJ005」 が、ジュネーブグランプリ(GPHG)で「Prix de la Petite Aiguille(小さな針賞)」を受賞、広く世界に知れ渡るようになりました。
新作SBGY009でもこの最新の44GSデザインが採用され、さらに搭載する手巻きのスプリングドライブ9R31キャリバーが非常に薄いため、厚さわずか10.5mmと、”スリムな44GS”に仕上がっています。ちなみに自動巻きスプリングドライブキャリバー9R65搭載の44GSよりも2mm薄くなっていますたった2mm、と思われるかもしれませんが、実際装着してみると”2mm”というのは思いのほか大きな違いを感じるものです。
ガラスは、オリジナルの44GSと同様にボックス型のサファイアガラスを採用しています。このガラスによってクラシカルな雰囲気を味わえるだけでなく、ガラス縁の厚みを抑えることで時計全体の重心を下げ、心地よい装着感につなげています。
新作SBGY009には、2019年にスプリングドライブ20周年を記念して9R02とともに誕生した「手巻きスプリングドライブキャリバー9R31」を搭載しています。
本作に搭載された手巻のスプリングドライブムーブメント キャリバー9R31は、「信州 時の匠工房」製で、ひとつの香箱のなかに2つの動力ぜんまいを用いたデュアル・スプリング・バレル機構により、72時間のパワーリザーブを備えています。また、特別なモデルの証として、裏ぶたにLIMITED EDITIONの文字とシリアルナンバーが刻まれます。
セイコーエプソン株式会社塩尻にある「信州 時の匠工房」が製作する9R31は、2つの動力ぜんまいを並列に並べたデュアルスプリングバレル機構を備えており、ムーブメントをコンパクトに保ちつつ、ムーブメントと針に動力を供給するために必要な高トルクを維持し、従来の手巻スプリングドライブムーブメントの持続時間より約50%向上した、72時間のパワーリザーブを実現しています。
ルビー、青焼きのネジなどで美しく装飾された9R31は、輪列の耐衝撃性と効率を維持するために、ヘアライン仕上げの単一のブリッジを備えています。キャリバー9R31には200を超えるコンポーネントがあり、2022年7月現在、キャリバー9R02に次ぐ2番目に薄いグランドセイコースプリングドライブキャリバーです。他に9R31搭載モデルには、グランドセイコー エレガンスコレクション 限定モデル 「垂り雪(しずりゆき)」SBGY008、グランドセイコー エレガンスコレクション 御神渡り(おみわたり) SBGY007などエレガンスコレクションが多くラインナップされていて、(筆者の知る限りではありますが)9R31がエレガンスコレクション以外に搭載されたのは、本作が初めてかと思います。
モデル | ヘリテージコレクション 44GS 55周年記念限定モデル 「月天心(つきてんしん)」
Heritage Collection 44GS 55th Anniversary Limited Edition Tsuki Tenshin |
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型番(Ref.) | SBGY009 |
ケースサイズ | 横 40.0mm 縦 46.2mm 厚さ 10.5mm |
ケース素材 | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス |
ムーブメント | 手巻き スプリングドライブ キャリバー9R31 |
精度 | 平均月差±15秒(日差±1秒相当) |
駆動期間 | 最大巻上時約72時間(約3日間)持続 |
防水性 | 日常生活用強化防水(10気圧) |
ベルト | クロコダイル |
生産本数 | 数量限定1,500本 国内限定500本 |
取扱店舗 | グランドセイコーフラッグシップブティック、グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ |
発売日 | 2022年8月19日(金)発売予定 |
価格 | ¥935,000(税込) |
「SBGY009」を購入する、と考えたときに、比較対象となりそうなモデルをいくつかピックアップしてみましょう。
まず同じヘリテージコレクション「44GS 現代デザイン」のケース&ブルーなどダーク系ダイヤルのモデル、という観点で比較となるのは、SBGA375(スプリングドライブ9R65搭載)やSBGJ235(自動巻きメカニカルGMT 9S86搭載)などもありますが、やはり同じく44GS 55周年記念モデルとして今年発表されたメカニカルハイビート SLGH009、スプリングドライブ SLGA013あたりが本命でしょうか。
グランドセイコー SLGH009は、40mmのエバーブリリアントスチール製ケースにメカニカル 自動巻(手巻つき)キャリバー 9SA5を搭載。希望小売価格は 1,155,000円(税込)。グランドセイコー SLGA013は、同じく40mmのエバーブリリアントスチール製ケースにスプリングドライブ キャリバー 9RA2を搭載。希望小売価格は 1,045,000円(税込)、いずれも全世界で各550本の数量限定モデルです。
グランドセイコー自動巻きキャリバー9SA5を搭載した550本限定モデル SLGH009の実機をレビューします。
また、同じ「手巻きスプリングドライブキャリバー9R31」を搭載したモデル、という観点では、同じステンレススティール製ケースを採用し、価格も同じ「グランドセイコー エレガンスコレクション 御神渡り(おみわたり) SBGY007」でしょうか。
「グランドセイコー エレガンスコレクション 御神渡り(おみわたり) SBGY007」は税込定価935,000円、グランドセイコーブティックフラッグシップ、グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびマスターショップ限定で、2021年7月に発売されました。
数量限定モデルではなくレギュラーモデルとして生産されており、すでに中古腕時計市場にも流通していますので、正規店での購入やダイヤルカラー、デザインに拘りがなければ、少し安く購入することも可能です。
世界1,500本限定、国内は500本限定で発売される「グランドセイコー2022年新作 ヘリテージコレクション 44GS 55周年記念限定モデル ”月天心(つきてんしん” Ref. SBGY009」をご紹介して参りましたが、いかがでしたでしょうか。
SBGY009は2022年7月20日より予約解禁となっています。また、グランドセイコーでは8月31日まで「グランドセイコーブティックサマーフェア」を実施中で、購入者には先着でノベルティなどが用意されていますので、ご購入希望の方は早めに予約されておくと安心ですね。