更新日:2024年03月06日
グランドセイコーのレギュラーモデルに、またも魅力的な新作が追加されました! まだまだ寒い日が続いていますが、ほんのりと春の気配を感じるこの時節に相応しい、“桜隠し”SBGH341&“桜若葉”SBGH343、二つの「桜」で、春到来を祝います。
海外限定モデルはメカニカルハイビート(SBGH)ラッシュ続きでしたが、ようやくといった心境です。しかも非限定ですからね、GSファンとしては、「待ってました!」と思わんばかりの、嬉しいトピックスでしょう!
グランドセイコー SBGH341&SBGH343/横38.0mm× 縦44.7mm×厚さ12.9mm、ブライトチタン製ケース、メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー9S85搭載。希望小売価格:1,012,000 円(税込)、2024年3月発売予定
軽やかなピンクのSBGH341は、桜が雪に覆い隠される“桜隠し”を表現。爽やかなグリーンのSBGH343は、葉桜が増え始める4月上旬の瑞々しい“桜若葉”をチョイスしてきました。
どちら(桜隠し・桜若葉)も俳句の季語で風流ですね。春らしさを感じさせる風合いで、人気が出そうです。
日本らしさを存分に感じさせる、SBGH341&SBGH343。本作は38mmの小型サイズ、ケースとブレスレットにブライトチタン素材を採用し、軽快な装着感にもこだわっています。
“桜隠し”と“桜若葉”、異なる桜の魅力に迫ります。
春の代名詞でもあり、日本の象徴としても知られる「サクラ」。桜開花予想のニュースやお花見の話題が出ると、「春」を実感しますよね。一説では、紀元前の弥生時代から、“穀物の神が宿る”神聖な樹木として、サクラは大切にされてきたとも伝えられています。
豊作祈願の意味を込めて、稲作の開始前にサクラの木に神酒を供えたことからお花見の習慣も始まった、という説も。
SBGH341は滅多に見られない雪で覆われる桜の「桜隠し」、SBGH343は桜が散った後の「桜若葉」。
美しさど真ん中の満開の桜とはまた違う、繊細な季節の移り変わりを文字盤に再現した“ハズシの美学”が粋ですね。
SBGH341&SBGH343の見どころもまとめてみました。
≪SBGH341&SBGH343のセールスポイント≫
海外限定モデルのSBGH系は、「62GS」現代デザインが続いていた(※“穀雨”SBGH321や“レッドドラゴン”SBGH323、“定山渓”SBGH325等)のですが、本作はさらに「小ぶりな38mmサイズ&ブライトチタン素材」。2024年GS新作の二つの桜、まずは文字盤からその美しさをご紹介します。
“桜隠し”SBGH341は、グレイッシュピンクで落ち着きのある可愛さ
『このモデルのダイヤルに表現されたのは、桜の花を雪が覆い隠す情景。桜と雪が共存する「桜隠し」と呼ばれる珍しいその現象は、グランドセイコーの機械式モデルの製造元「グランドセイコースタジオ 雫石」が位置する東北地方で春のはじまりに見られる美しい風景です。』
薄桃色のSBGH341は、「春分(※二十四節気の4番目の季節、3/20~4/3頃)」をイメージしたもの。GSメカニカルの聖地、「グランドセイコースタジオ 雫石」が位置する東北地方で見られる「桜隠し」をテーマに、雪(冬)と桜(春)という時ならぬ幻想的な風景をダイヤルに落とし込んでいます。
桜の花びらに雪が降り積もる、儚げな上品さと強かな生命力のバランスが見事です。
桜と雪のコラボ
— Hiroki.Nose (@hirokingraphy) March 22, 2021
滅多に見れない自然の奇跡です pic.twitter.com/nR9TPrkTjZ
銀世界に咲き誇る、隠し切れない桜の魅惑的な情景。
2022年に発売された44GS 55周年記念限定モデルのSBGW289も「桜隠し」を表現したピンク文字盤でした。本作SBGH341と比べると、パッと見ではSBGW289のテクスチャーは細かく、本作はくすんだ感じが目立つ印象です。
公式サイトではSBGH341を『グレイッシュで柔らかなピンク色』と明記しているので、色合いもどれくらい違うのか、実機レビューで要確認ですね。
“桜若葉”SBGH343も、グレーがかったライトグリーンで渋カワ(渋くて可愛い)なルックスに
『ライトグリーンのダイヤルは、二十四節気の一つである春の「清明」の頃に芽吹く、桜の若葉をイメージ。薄桃色の桜の花びらの合間で陽の光を透かして光る若葉の瑞々しさを表現しました。』
散る頃も美しいのがサクラ。
薄緑色のSBGH343は、「清明(※二十四節気の5番目の季節、4/4~4/19頃)」の頃の散りかけた花、青々とした若葉の移ろいを文字盤に描き出します。
清明は「清浄明潔(清らかで生き生きとした様子)」を略した言葉で、爽やかな春風の清らかさ、ポカポカとした日差しの明るさ、など晩春の生命力に満ち溢れた時節です。
桜(春)と若葉(夏)を照らす陽光の柔らかさ、優しさをやんわりしたライトグリーンで表現しているのが、趣きがありますね。
SBGH341と違い、公式的に『グレイッシュ』とは書かれていませんが、くすみがかったライトグリーンの色味は、シブさと可愛さのバランスが、実にちょうどいい心象です。
葉桜になりつつあるサクラの美しさも、また格別です。
“桜若葉”SBGH343はブライトチタン製の薄緑色、“穀雨”SBGH321はステンレススティール製の青緑色、ちょっと違うこだわりのラインナップがGSらしさ
台湾限定モデル“穀雨”SBGH321は、二十四節気の6番目「穀雨」を表現したティファニーブルー風 の青緑色(パステルグリーン)がいい色合いでしたが、本作SBGH343も絶妙な色加減です。
これまでのレギュラーモデルとはまた違う、独特の色味は名状しがたい美しさを感じさせます。
「グレイッシュ風グリーンとブライトチタンケース」の組み合わせは、どんな輝きを纏うでしょう。
SBGW273・SBGW275・SBGW277は、和紙のような独特の質感に雲母摺(きらずり)で光沢を付与している
本作のダイヤルパターンに関しては、ザラザラ感強めの和紙風テクスチャーに、公式記載はないもののキラズリっぽい要素をブレンドしているように見えます。
北米限定トリオ(SBGW273・SBGW275・SBGW277)にテクスチャーは近そうです。
SBGH341&SBGH343のケースサイズは、横38.0mm× 縦44.7mm×厚さ12.9mm、素材はブライトチタンです。“穀雨”SBGH321(緑)の40.0mmと“桜隠し”SBGW289(桃)の36.5mmの中間ですね。
色味といい、サイズ感も人気が出そうなエリアをドンピシャで射貫いてきました。
『ケース径38mmのサイズ感に加え、ケースとブレスレットには通常のチタンよりも傷つきにくく、白く美しいブライトチタンを採用し、心地よい装着感を創出しました。』
ケース径38mm×ケース厚12.9mmのスリムなフォルムに、磨き抜いたブライトチタンを融合させ、快適なフィット感を楽しめます。
重量は100グラムに満たない98グラム。ブライトチタンならではの色味も、淡いライトカラーとマッチしています。
見た目も着け心地も軽やかで、春っぽくて素敵です。
既存の62GSラインナップが40mm中心だったのに対し、2mmダウンサイズした38mm、差別化という意味でも好印象です。先代“桜隠し”SBGW28も、36.5mmの小ぶりなケースと上品な桜ピンク文字盤で好評を博していましたね。
二十四節気シリーズの“季春”SBGW283(37.3mm)や44GS現代デザイン最小レギュラーモデルのSBGW291(36.5mm)、最新作のクォーツ“雪白”SBGX355(37.0mm)などもそうですが、最近のトレンド傾向やユーザーの要望を考慮してか、コレクション全体の小型化も順調に進んでいますね。
ベゼルレスな62GS現代デザインケースは、40mmも素敵ですが、38mmだとドレッシーさが強調されて、また別の魅力と輝きを放っています。
38mmのサイズは、海外GS通も大喜び!
「やっと(38mmが出た)」や「ラブリー」など、サイズに関してもべた褒めな傾向で、上々のスタートを切りそうです。
本作SBGH341&SBGH343は「小さくて軽い+可愛い文字盤の色」で、人気を博しそうな気配です。タフで軽い、ちいかわ路線、今後のGSコレクションも期待大ですね!!!
ブライトチタンは、グランドセイコーが独自に開発した素材です。
≪ブライトチタンとステンレススティールの違い≫「装着感、総合力では ブライトチタンが少し上」「価格、研磨の手軽さは断然SS!」と評価は様々です。
SBGH341&SBGH343搭載のムーブメントは「キャリバー9S85」で、二十四節気シリーズレギュラーのSBGH271(緑ダイヤル)とSBGH273(紺ダイヤル)と同じです。
冒頭で述べましたように、海外限定モデルはハイビートムーブメントの「SBGH系」が多くリリースされており、台湾限定“穀雨”SBGH321、香港・マカオ限定“定山渓”SBGH325、オセアニア限定“鳴門の渦潮”SBGH331などもキャリバー9S85搭載でした。
高輝度のブライトチタン製ケースの裏側はシースルーバック仕様です。当然ですが「Limited Edition」「XX OF XXX」の印字もなく 、じっくりとムーブメントを眺めるのにはむしろこちらの方が好都合?
非限定モデルならではの「味」も、風情がありますね。
SBGH341&SBGH343は、ブライトチタン素材を使用していることもあり、100万円オーバーの1,012,000円(税込)に。読者の皆さまはどうお感じですか? 「安い、高い」の結論付けは難しいところですが、比較基準となる参考情報を記載していきます。
「キャリバー9S85+ステンレススティール」のSBGH271(立夏)、SBGH273(秋分)は770,000円(税込)です。国内限定の「銀座限定 2024モデル SBGH317」、「日本橋三越創業350周年モデル SBGH319」は、どちらも847,000円(税込)でした。
本作は「SS→ブライトチタン」の違いで、20万円前後価格が上昇した状況です。どのブランドもチタンモデルは高いので仕方ないとは言え、個人的には(どちらか片方のみでも)SS素材で70~80万円台のリリースなら理想形だったなと。
ちなみに中古であれば、20万円弱から良品・美品の9Fクォーツを一本購入できますからね。
“赤富士”SBGH327はS$ 9,500(シンガポールドル)、SS素材だが、当時(2023年11月8日)のレートだと約1,055,000円、SBGH341&SBGH343よりも少し高め
9S85搭載の海外限定モデルに目を向けてみましょう。
発売当時価格のレートを基準にすると、“穀雨”SBGH321の価格は約924,300円、“鳴門の渦潮”SBGH331は約897,000円、アジア・パシフィック限定“赤富士”SBGH327が、100万円オーバーの約1,055,000円目安です。
いずれも魅力的なルックスをしていますが、いずれもステンレススティール製モデル。本作 はレギュラーながらも顔面偏差値は高めですし、チタン製という点を鑑みれば、あくまで海外との比較ですが国内価格はお得感すらあります。
本作のUS定価は7,300ドルで、執筆時点の1ドル150円というレートでは約109万円となります。
37mmの小ぶりなブライトチタン素材の2024年新作、雪白クォーツのSBGX355は517,000円(税込)でした。
同じ9F62ムーブメントのSS製レギュラーモデル、SBGX263やSBGX265は286,000円(税込)だったので、こちらもチタンケースに変わり、20万円弱価格が上がりましたね。
それらを鑑みるに、「絶対チタンがいい!」というこだわり派を除けば、SSでいいから価格をもっと抑えれば本作は“ほぼ完璧だった”と見る方も多いのではないでしょうか。
多種多彩な型打ち文字盤模様、極上の色使いを駆使し、多様性の極みを尽くすグランドセイコー。“似て非なる”芸術性で、細かな違いを探すだけでも無限大の楽しみを見つけられるほどです。
ピンク文字盤、グリーン文字盤それぞれの近しいモデルを見比べてみましょう!
(左)“桜隠し”SBGW289(右)“花見”SBGW313
テーマや方向性も近い“桜隠し”SBGW289、“花見”SBGW313あたりが類似モデルの筆頭候補でしょう。“花見”SBGW313は濃いめのピンク色で桃色に近く、本作SBGH341は先代“桜隠し”SBGW289に色は近いですね。
本作SBGH341はグレイッシュな味付けが小気味よく、桜の花を雪で覆い隠す雰囲気が強まって、何とも言えない「和」の情緒を残します。
サクラの花びらが水の上で踊っている情景「花筏(はないかだ)」を表現した“春分”SBGA443。花筏はピンク色の絨毯とも称されており、一度はじっくりと堪能したい桜の絶景です。
散った後の花びらも美しいのがサクラだと、再認識できますね。
≪GSモデルのピンク系文字盤≫
2024年ホカホカの新作のキャリバー9R 20周年記念限定モデル、SBGA497はピンクの雪白ダイヤルが艶やかでした。プレスリリース画像ベースでは、本作SBGH341より“桜隠し”SBGW289の方が色味は近そうです。
他にも、あんずの花にインスピレーションを受けた和光限定モデルSBGA485、超大物プロデューサー秋元康さん企画のAJHH限定モデルSBGA371など、変わり種のピンク文字盤も上品で華やかです。
ちらっと名前を出した北米限定トリオ(SBGW273・SBGW275・SBGW277)は、本作SBGH343に風合いが似ていますね。ライトグリーン文字盤(※サンバースト仕上げ)の横浜髙島屋限定2023モデルのSBGE303は、色味が近い印象です。
本作SBGH343は、まだらに残った雪模様のような、白い斑点とライトグリーンのさじ加減が絶妙で、実物だとどう見えるんでしょうね?実機レビューが待ち遠しいです。
“宮古湾”SBGH335は秒針も緑色
同じ緑でもかなり違うぞ、というチョイスで、「明るめのグリーン&放射状モザイク模様」の“宮古湾”SBGH335も見逃せませんね。
ちょっと派手な、濃いめのトーンの緑色でも、スーツに馴染んで見えるのがいいですね。
左から“穀雨”SBGH321、“鳴門の渦潮”SBGH331、“定山渓”SBGH325
SBGH系繋がりの「ライトグリーン~ライトブルー」の3モデルです。二十四節気「穀雨」をイメージしたSBGH321は、青とも緑ともつかない、淡い青緑色(パステルグリーン)でした。
こうやって見比べると、ブルー寄りの“鳴門の渦潮”SBGH331ぐらいから、(本作とは)似ていない領域に差し掛かりますね、色って不思議です。
有名SNSの感想も順調な滑り出しです。
「素敵な色と質感が38mmケースで嬉しい」
「両方欲しい」
「価格は残念」
ピンクもグリーンも大絶賛な書き込みが目立ちました。大雑把に言えば、「色・文字盤・サイズは〇、値段は△~×寄り」な傾向です。
公式サイトへの「いいね!」数を発表すると、グリーンが3800弱、ピンクが3100弱と若干グリーン優勢の状況でした。腕時計のトレンドカラーとして2021年前後から大流行中の緑文字盤……まだまだ世界的に、高い人気を維持していそうです。
*注*投稿後1週間の数字目安です。
日本人の精神性にも深く結びついている桜。SBGH341&SBGH343は、「ピンクorグリーン」二つのカラーで異なる桜の魅力を再現していましたね。
サクラは春の訪れを知らせると共に満開へと色づき、一週間程度で徐々に花は散り始め、青々とした若葉を芽吹かせ、初夏の季節へと早変わりしていきます。
春の陽気のように心地よい暖かさの薄ピンク、夏の爽やかさも連想する薄グリーン。“桜の自然美”を余すことなく、SBGH341&SBGH343へ凝縮させていました。
春のドライブやお花見にもピッタリなSBGH341&SBGH343。
皆さまはどちらの桜がお好きですか?
モデル | ヘリテージコレクション メカニカルハイビート 36000 ”桜隠し”
Heritage Collection 62GS Mechanial Hi-Beat 36000 |
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型番(Ref.) | SBGH341-SBGH343 |
ケースサイズ | 横 38.0mm 縦 44.7mm 厚さ 12.9mm |
ケース素材 | ブライトチタン 裏ぶた:ブライトチタンとサファイアガラス |
ムーブメント | メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー 9S85 |
精度 | 静的精度:平均日差+5秒~-3秒 携帯精度:日差+8~-1秒 |
駆動期間 | 最大巻上時約55時間持続 |
防水性 | 日常生活用強化防水(10気圧) |
耐磁性 | あり |
取扱店舗 | グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ |
価格 | 1,012,000円(税込) |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。
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