更新日:2024年11月26日

【グランドセイコー2024年新作】アジア・パシフィック限定 180本“藤(Fuji)”SBGJ285

国民的人気アニメ『鬼滅の刃』で鬼の弱点として描かれ、古くは『古事記』の頃から親しまれてきた藤の花。
グランドセイコー(GRAND SEIKO)から 、「Grand Seiko Asia-Pacific Pte. Ltd. (グランドセイコー アジア・パシフィック)」の設立2周年を祝し、藤の花の魅力満開な“藤(Fuji)”SBGJ285が2024年12月1日より発売されます。マリーナ ベイ サンズのグランドセイコー ブティック、アジア太平洋地域(シンガポール、ベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシアなど)の一部正規販売店でのみ、180本の販売です。

“藤(Fuji)”SBGJ285はグランドセイコーでは珍しい紫文字盤

グランドセイコー SBGJ285/直径40.0mm×厚さ14.04mm、エバーブリリアントスチール製ケース、メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー 9S86搭載。希望小売価格:11,000シンガポールドル(税込)、180個限定

紫色のシャワーが降り注ぐように美しいですね。
やんわりとしたキラズリ風の繊細な型打ち模様と、これぞ藤紫色と言わんばかりの絶妙な色加減が美麗です。日本ではまずお目にかかれないモデルでしょうが、ひと目その美しさを拝んでみたいものです。

桜が散った春の終わりから初夏にかけて、滝が流れ落ちるように咲き乱れる藤の花。垂れ下がるように下向きに咲く花は、お辞儀をしている人に形容され、「歓迎」という花言葉を持ちます。そんな謙虚な気持ちと温かい“おもてなし”が込められた本作SBGJ285の魅力、日本らしさを探っていきましょう。

 SBGJ285の特徴

日本固有種でもある藤(※ノダフジ、ヤマフジ)。英語ではWisteriaですが、ドイツ語ではJapanische Wisteria(日本の藤)、フィンランド語ではJapaninsinisade(※直訳すると日本の藍色の雨)と呼ばれ、その“降り注ぐ美”は世界中の人々を魅了します。

日本が誇る魅惑の花、“藤(Fuji)”SBGJ285の愛で方もまとめてみました。

≪SBGJ285のセールスポイント≫

  • 高貴さと優雅さの象徴として古来より大切にされてきた日本の伝統的な色(Fuji)の儚さを表現した藤紫ダイヤル
  • 「紫のGMT×44GS 現代デザイン」を組み合わせた物珍しさ
  • 毎秒10振動のメカニカルハイビート36000 GMT「キャリバー9S86」を搭載
  • 生産本数限定モデル(180本)

少し控えめな藤紫色で、高貴な佇まいと柔らかな物腰を見事に演出しています。優雅さを必要以上に強調せず、44GS現代デザインでリリースされているという点もポイント高めです。白緑のツートンベゼルが瀟洒な“雪渓”SBGJ277のように、「紫黒or紫白ツートンベゼルあり」のデザインでも面白かった気もしますが、色使いが少々下品になってしまう恐れもありますからね。

マリーナベイ・サンズ1周年オープン記念モデルSBGW315はエレガンスコレクションでしたが、本作SBGJ285は王道スタイルのヘリテージコレクションを選択、淡い紫色が44GS現代デザインにベストマッチしていますね。濃すぎず薄すぎない、ちょうどいい塩梅です。
⇒「薄紫ダイヤル×44GS 現代デザイン」の融合

海外では桜を凌ぐ人気ぶりの藤の花。その妖艶な魅力を「基本知識→歴史・文化」の順に、ダイヤルの個性を分析していきましょう。

SBGJ285のダイヤルは藤の花の絶景で、時と人生の儚さを再現
『新しい文字盤の紫色は「藤色」と呼ばれ、高貴さと優雅さの象徴として古来より大切にされてきた日本の伝統的な色です。その繊細な模様は、そよ風に優雅に揺れる藤の花の光景を模しており、時間のはかない性質を捉え、人生のはかない美しさを静かに思い出させてくれます。』

『古事記』『万葉集』にも登場する日本古来の花木、藤の花。日本文化にも馴染みが深く、紫式部は『源氏物語』の主要キャラクターに藤壺の女御(※光源氏の義母であり初恋相手)を登場させ、松尾芭蕉は『草臥て宿かる比や藤の花』と詠む、などその美しさは古くから讃えられています。

藤は海外人気も高く、日本の花としてはサクラを凌ぐ人気だそうです。栃木県足利市の「あしかがフラワーパーク」の藤棚は、SF映画『アバター』の“魂の木(母なるエイワ)”によく似ていると米国CNNに評され、同ニュース番組の「世界の夢の旅行先10カ所」に選出されています。2015年には、「日本の最も美しい場所31選」に河内藤園の藤のトンネルが選ばれていますし(※同CNN)、海外では“フジフィーバー”が起きつつあります。
海外では「地球上でもっとも美しい場所」と称される藤の絶景。藤の花の特徴と文化を少しだけ掘り下げて、本作SBGJ285の予備知識を蓄えていきましょう。

垂れ下がる花が見ものな藤棚は海外を中心にSNSでも人気

淡い光に包まれ、幻想的な世界を創り出す夜の藤

古代から植物の藤を有効活用してきた日本。一説では、縄文・弥生時代の頃から、藤の繊維で衣服(藤布)を織ったり、花と葉を食用、根や種子を薬に用いたりしていたそうです。『古事記』には、頑なに求愛を拒む女神のイズシオトメをハルヤマノカスミオトコがプロポーズすると、藤の花が一斉に咲き、結婚できた、という描写も。しかも藤衣を着ていたそうです。現代でいう“モテ服”だったんでしょうね。
603年には、歴史の授業で必ず習う「冠位十二階(※最上位は紫)」を聖徳太子が定め、「紫=高貴」のイメージが定着していきます。

平安時代には藤原氏の台頭も影響し、藤色は「色の中の色」と称され数多くの紫色が誕生、“色の黄金時代”を迎えます。竜胆色や桔梗色、杜若や菫色など、濃淡や色味の違いで、細かな紫の風合いを生み出していくのです。

ピアゾの雑学コーナー 
<紫式部の本当の名前は?>

大河ドラマ「光る君へ」でも話題になった平安時代。紫式部の本名をご存知でしょうか? 正確な名前は不明、とされていますが、一説では『源氏物語』の「紫の上」にちなんで呼ばれるようになったもので、藤原彰子(※藤原道長の娘)に使えていた頃には、藤式部と名乗っていたそうです。
光源氏の初恋相手は「藤壺の女御」、最愛の妻は「紫の上」ですし、平安貴族にとって“藤と紫”は水魚の交わりのように親密ですね。

高貴さと優雅さの象徴である藤色。本作SBGJ285でも、謙虚な藤の花に敬意を示すように、淡く柔らかい装いで妖艶なダイヤルを完成させています。

SBGJ285の文字盤は淡い藤紫色と雲母刷風テクスチャーの組み合わせが美しい

キラズリっぽい繊細な模様は、そよ風に揺れる藤の花の絶景をイメージしているそうです。文字盤から甘く爽やかな芳香がふわっと漂ってきそうな出来栄えですね。

藤の花姿は垂れ下がって咲く控えめな美しさから、振り袖姿の女性にも例えられますが、SBGJ285も優美さと艶やかさのバランスが絶妙です。そこはかとない色気が文字盤から漂っていますよね。

実機を拝んでみないと何とも言えませんが、直線と平面を組み合わせ、多様な表情を生み出す44GS現代デザインだからなし得る“光と影が織り成す芸術”も気になるところです。
GSのアジア限定モデルはなかなか日本へ入って来ませんが、SBGJ285には“色味的なレアさ”という、かなりのストロングポイントがあり、なんとかひと目見られれば、いった気持ちです。藤棚と同じように、直射日光が強い場所や夜間の薄明りでどのような色の変化を楽しめるのか、想像は膨らみますね。

後ろ髪を引かれつつ、グランドセイコーから既に発売された薄紫ダイヤル、注目のアジア限定モデルと見比べていきましょう。

岩手山パターンと薄紫色がゴージャスな和光限定モデルSBGM249

情緒たっぷりに、青みが濃い江戸紫ダイヤルを堪能できる和光限定モデル SBGM249。歌舞伎の有名演目「助六由縁江戸桜」では、花の吉原で大モテの男伊達「助六」が、紫の鉢巻きを額に大立ち回りを繰り広げますが、SBGM249でも39.5mmの文字盤に粋なカッコ良さをギュッと凝縮させています。
岩手県の県花である桐の花をイメージしているため、シルバーがかった明るめの薄紫色がお洒落ですね。

USとUK一部店舗のみ発売の紫ダイヤルSBGH337

日本の宮古湾にインスパイアされたウォッチ・オブ・スイスグループ限定モデルSBGH337。やや派手な紫色に放射状のモザイク模様パターンを組み合わせ、リアス式海岸の雄大な海岸美を完成させています。明るいトーンですが、のんびりとした落ち着きも醸し出ていて素敵です。写真を見る限り、意外(?)とスーツにも似合いそうです。

亀戸天神社の藤波を再現したキングセイコー “KSK”デザインSDKS011

少し視点を変えて、キングセイコー(KS)の藤の花モチーフSDKS011も。
KS生誕の地である亀戸は、江戸時代の浮世絵にも描き残される藤の花の名所として有名で、SDKS011では藤波(※風で揺れ動く藤の花)を再現しています。
後ほど、本作SBGJ285とSDKS011を比較しますので、お楽しみに!
⇒ 「グランドセイコーの“藤(Fuji)”SBGJ285とキングセイコーの“藤波”SDKS011を比較」

ピアゾの雑学コーナー 
<不吉or幸運?藤の花にまつわる逸話>

花の美しさ以外にも樹齢の長さで知られる藤の花。その生命力の強さや特徴が災いし、一部地域・文化では“不吉の象徴”とされることもあります。下向きに垂れ下がる様子は、「家運が下がる」と解釈され、他の植物に巻き付いて育つ姿は、締め付ける蛇とも形容されます。狭い場所でガーデニングをすると、壁や水道管に実害を与える事例もあるそうです。

フジの響きは「不治の病」を連想させる一方、「不死」の意味合いもあり、「家運隆盛」「延命長寿」の縁起が良いイメージも。また、「藤」という漢字は、「上へと登る植物」という意味もあるため、諸説混在しています

初代グランドセイコー デザイン復刻モデルの海外限定 SBGW315

紫色からは少し離れますが、シンガポール初のグランドセイコーブティック「マリーナベイ・サンズ」1周年記念モデルSBGW315のライトブルーも比較対象としては外せません。海外限定モデルでは比較的レアな「初代グランドセイコー デザイン復刻モデル」ですし、アジア限定モデル達も粒揃いですからね。
2022年にはアジア・パシフィック地域の販売強化目的で「Grand Seiko Asia-Pacific Pte. Ltd. (グランドセイコー アジア・パシフィック)」がシンガポールに設立されましたが、SBGJ285に続けと、その勢いを加速させる色とりどりな“和の花”が今後も咲き誇っていきそうです。

SBGJ285のサイズはケース径40.0mm×厚さ14.4mm、エバーブリリアントスチール製で、基本デザイン、サイズ、素材がレギュラーモデルのSBGJ263、SBGJ265、SBGJ267と同じです。

2024年11月末現在、ヘリテージコレクションのキャリバー9S86搭載モデルは3ウォッチ

ヘリテージコレクションのキャリバー9S86、というコンセプトもSBGJ263、SBGJ265、SBGJ267と同一ですね。本作SBGJ285は11,000シンガポールドルで約1,263,900円(※1シンガポールドル=114.9円です。SBGJ285は滅多に手に入るモデルではありませんが、デザイン的レア度を考えると許容範囲内の価格の差、かもしれませんね。
⇒ 「SBGJ285の値段」

キャリバー9S86搭載モデル一覧

SBGJ285はキャリバー9S86を搭載。デザイン&値段のおさらいも兼ねて、2024年11月現在の国内現行モデルをリストアップしてみました。
白シルバー、黒青、緑系統が多めです。各モデルの値段の開きも少ないですし、そういう意味でもキャリバー9S86は安定していていいですね。

海外公式ページで、ヘリテージコレクション&エバーブリリアントスチール製に絞ってみました。

2024年11月現在、海外GSコレクションの定価

2024年10月新作のキャリバー9S85搭載“氷瀑”SBGH347が29,000マレーシアリンギットで約1,000,500円(※1マレーシアリンギット=34.5円計算)、SBGJ263、SBGJ265、SBGJ267は31,600マレーシアリンギットで約1,090,200円、国内定価とあまり変わらない結果に。
同じモデルでも国ごとの価格差が開きつつあるのが、如何ともし難いですね・・・

“藤(Fuji)”SBGJ285と類似モデルを比較していきましょう。マリーナベイ・サンズ繋がり、のシンガポール ブティック限定SBGW315、“宮古湾”SBGH337との比較もよぎりましたが、今回はコンセプトの近いキングセイコーの“藤波”SDKS011をチョイスしてみました。
2つの藤の絶景の違いは下記の通りです。

GS SBGJ285とKS SDKS011の比較

(左)SBGJ285(右)SDKS011

≪“藤(Fuji)”SBGJ285と“藤波”SDKS011の違い≫

  • SBGJ285はそよ風に優雅に揺れる光景、SDKS011は風で波のように揺れ動く藤の花がテーマ
  • SBGJ285は和紙のような繊細なテクスチャー、SDKS011は淡いグラデーション模様
  • SBGJ285は若干赤みを残す藤紫色、SDKS011は青みがかった青藤色寄り
  • SBGJ285は濃紫のGMT針&「GMT」表記

同じ紫、藤をテーマにしていますが、色・デザイン共にかなり違うものに仕上がっていますね。
歌川広重の『名所江戸百景 亀戸天神境内』にも描かれ、江戸っ子達に愛された亀戸天神社の藤波を表現したSDKS011。江戸庶民の行楽地として賑わう、亀戸天神社の藤をモチーフにしたSDKS011も見頃を迎えていますが、やはり“藤(Fuji)”SBGJ285の高級感は格別ですね。メリハリの効いたバランスの44GS現代デザインに、妖艶な藤紫色を組み合わせ、洗練された美しさを完成させています。GMT針のワンポイントもさりげない主張があって、良い出来栄えです。
入手難易度MAXクラスのSBGJ285、236,500円と入手しやすいSDKS011。人それぞれ好みはあるでしょうが、どちらも素晴らしいベクトルの違う“藤の花々”でしたね!

「フジ・ウィステリアの文字盤はいつものGSのように美しい」
「スプリングドライブで似たデザインを作って欲しい!」

知る人ぞ知る限定モデルですので、海外の感想もぽつぽつとしか見かけませんが、評判は上々した。

色が濃すぎると奇抜さや派手さが残る紫色を、情感豊かに繊細な装いで仕上げたSBGJ285。ディテールで時間の無常さを捉え、人生そのものが儚くも美しいことを静かに思い出させてくれるようでした。

日本古来の花である藤は、凛とした佇まいの中に物悲しさやミステリアスさもあり、どこか幻想的な美しさも秘めています。静寂の中に灯り照らし出された藤棚は特に格別で、“幽玄の世界”そのものと形容されるほどです。

『月に遠くおぼゆる藤の色香かな』与謝蕪村の俳句ではありませんが、藤の花々とSBGJ285を秋の夜長にいつまでもずっと眺めていたいですね。

グランドセイコー SBGJ285の仕様・価格
SBGJ285の仕様とスペック
モデル ヘリテージコレクション アジア・パシフィック限定 「藤(Fuji)」
Heritage Collection Asia-Pacific Limited Edition Fuji
型番(Ref.) SBGJ285
ケースサイズ 横 40.0mm 厚さ: 14.04mm
ケース素材 エバーブリリアントスチール
ムーブメント メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー9S86
精度 平均月差±10秒(日差±0.5秒相当)
駆動期間 約72時間(約3日間)
防水性 日常生活用強化防水(10気圧)
その他 ステンレススチールブレスレットと追加のパープルカーフスキンストラップ付属
生産本数 限定180本
取扱店舗 シンガポールのマリーナベイ・サンズのグランドセイコーブティックおよびアジア太平洋地域の正規販売店
発売日 2024年12月1日発売予定
価格 11,000シンガポールドル(GST込み) 約1,263,900円(※1シンガポールドル=114.9円で換算)

※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。

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