更新日:2024年05月22日

【グランドセイコー マスターピースコレクション 2024年新作】メカニカルキャリバー9ST1搭載「Kodo コンスタンスフォース・トゥールビヨン」SLGT005

「Watches and Wonders Geneva(略称W&WG) 2022」で、ブランド初のコンプリケーションウォッチ「Kodo コンスタンスフォース・トゥールビヨン」SLGT003を生み出し、スイス現地を驚嘆の渦に巻き込んだグランドセイコー。世界で初めて「コンスタントフォース」と「トゥールビヨン」という二つの複雑機構を同軸に配置し一体化することで、コンプリケーションウォッチに相応しい“安定した高精度&独創的な動きと音”を実現しています。

W&WG2024では、「薄明」をイメージした二作目の「Kodo」SLGT005を発表し、前作SLGT003の「宵闇」と対を成す“光と影のドラマ”を遂に完結させました。

W&WG2024で発表された複雑時計のKodo コンスタンスフォース・トゥールビヨン SLGT005について

グランドセイコー SLGT005 /横43.8mm×縦50.6mm×厚さ12.9mm、ブリリアントハードチタン&プラチナ製ケース、メカニカル 手巻 キャリバー9ST1搭載。希望小売価格:49,500,000 円(税込)、世界限定:20本(うち国内:7本)2024年、12月発売予定

高精度を追求する中でたどり着いたメカニズムは、心臓の鼓動を意味する「Kodo」とネーミングされ、感性を刺激する16ビートの刻音を奏でます。

2020年に試作機の「T0(ティーゼロ) コンスタントフォース・トゥールビヨン」を作り出し、わずか2年足らずでムーブメントの90%余りを再設計、外装も完璧性を追求したKodo コンスタントフォース・トゥールビヨン。2022年度ジュネーブ時計グランプリでは、Kodo SLGT003が「クロノメトリー賞」を受賞し、グランドセイコーの複雑時計技術のレベルが世界最高峰であることも証明しています。

その栄誉から2年、ブランドの前途を表すような“明るさ”を纏ったKodo SLGT005。コンプリケーション(※複雑機構)分野でも機械式時計の可能性を究めるグランドセイコー、その華麗なる時計史の1ページに着目してみましょう。

グランドセイコーは“最高の普通”や“実用時計の最高峰”をコンセプトに、「初代グランドセイコー」誕生時(※1960年)から、「精度とデザイン」の両立を目指し、数多の困難を乗り越え、着実に歩を進めてきました。日本らしい華美でない美しさは、目の肥えた海外腕時計愛好家達も魅了します。

そんな国産高級腕時計の最高峰と名高いグランドセイコーが、いよいよブランド初のメカニカルコンプリケーション(※複雑時計)分野にも果敢にチャレンジし、Kodo コンスタンスフォース・トゥールビヨンという、唯一無二のハイコンプリケーションウォッチが創作されました。
超絶技巧の限りを尽くしたKodo SLGT005のエッセンスは、以下の3つに凝縮されています。

≪SLGT005のセールスポイント≫

  • “光と影のドラマ”を生み出す無限の奥行き
  • 精度と美しさを両立した動きと音
  • 白漆を重ねた「姫路 黒桟革」ストラップ

由緒正しい“伝統”と圧倒的難易度の“技法”を要する、複雑時計という「夢とロマン」が溢れる世界。複雑さゆえに量産化が難しく、数百万円~数千万円と超高価格帯のモデルが多数存在します。

世界三大複雑機構のトゥールビヨン(機構)で言えば、時計でありながら高級外車一台分、家一軒にも匹敵する価格をつけ、古くから時計愛好家や富裕層から支持されてきました。
そんな“狭き門”である複雑時計の世界に、グランドセイコーはKodo SLGT003という、とっておきの切り札を用意して、世界最大の時計展であるW&WG2022へ初出展。初参加にもかかわらず、複雑精緻なトゥールビヨンをコンスタントフォースと同軸に一体化させてしまう、世界初の“離れ業”をお披露目します。SLGT003発表後には、オーデマ・ピゲやリシャール・ミルのVIP達からの問い合わせも殺到したそうです。

1969年に世界初の「クォーツ革命」を巻き起こし、1999年には独自の駆動機構「スプリングドライブ」を開発、幾度も世界を驚愕させてきたグランドセイコー。2022年には、(満を持して)メカニカルコンプリケーション分野でも、複雑時計の歴史に残る大発明を成し遂げたのです。

「グランドセイコー」というブランドイメージを、また別次元の地位へ引き上げた記念碑的モデルのKodo。その凄さと存在価値について、まずは“見た目”からご説明致します。

2022年発売のKodo SLGT003は「影」、2024年発表のKodo SLGT005は「光」がテーマ

光が強ければ影もまた濃い、相反する美を宿す瓜二つのKodo SLGT005&SLGT003

2022年発表の前作SLGT003は、“影”をコンセプトにした艶やかな黒一色のムーブメントでしたが、本作SLGT005は夜明け前の淡い薄明かりを表現したシルバー色に仕上げ、“光”をテーマにしています。

ムーブメントを形作る340個を超えるパーツは、細部に至るまで同じ色彩に仕上げられており、光が透過するための十分なスペースが設けられています。

外装部分のケースには、プラチナ950とグランドセイコー独自素材ブリリアントハードチタンを採用。ザラツ研磨による仕上げ分け(※鏡面&ヘアライン仕上げ)が施されており、どの角度から見ても調和のとれた美しさを創り出しています。
内装から外装に至るまで、一貫して“光と影の豊かな表情”を引き立たせる工夫が凝らされており、筆舌に尽くしがたい芸術美です。

(筆者の主観も混じりますが)40mm弱の限られたスペースを最大限活かすように、繊細な光のグラデーションを添えることで、文字盤に“和の空間”を宿しているようにも見えますね。2023年新作記事の“床もみじ”SBGJ273で、「侘び寂び」を重んじた千利休の“精神性という無限の広がり”を創り出した功績について述べましたが、相通ずるものがありますね。

二つの複雑機構を載せているのに、空間と遊ぶゆとりすら感じさせ、ライトな仕上がりに見えるのも、まさにテーマ通りといったところでしょう。前作では随所にルビーが散りばめられていましたが、本作はブルーサファイアを使用しており、主張し過ぎない淑やかさと麗しさを秘めています。

・・・色々書きましたが、文面だけだと凄さがちょっとわかりづらいですよね!?
プレス写真を元に、前作SLGT003と本作SLGT005を見比べてみましょう。

Kodo SLGT003とSLGT005の色合い、見た目を比較

(左)渦巻き模様が白光りした「薄明」SLGT005(右)同じ模様でも陰影の黒が目立つ「宵闇」SLGT003

前作SLGT003は“影”の陰影が色濃く反映されたような黒っぽい渦に見えるのに対し、本作SLGT005は“光”の透き通るような明るさが際立って見えますね。
表側・裏側もスケルトン仕様の両作ですが、惚れ惚れするムーブメントの仕上げの美しさ、精緻な構造をシースルーバックからも楽しむことができますよ。まるで、歴史に残る名画のように、どちらも至高の色加減をしています。

複雑時計という分野は、長きにわたる伝統や高度な技法をアピールできる“美術工芸品”としての側面も強いのが特徴です。有名ブランドはこぞって、「時計芸術の極みと高み」を目指し続け、濃密な時間を熟成させてきました。

パテック・フィリップやオーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンやランゲ&ゾーネ、ブレゲやジャガー・ルクルト……世界七大時計に名を連ねる名門は、いずれもコンプリケーション分野に並々ならぬこだわりと矜持を持っており、毎年のように“時計美術品”を発表しているのも、高級腕時計という世界の面白いところです。

「他有名ブランドのW&WG2024の複雑時計は?」へ

Kodoシリーズ第二弾のSLGT005は、コンセプト・正確性・構造・審美性の全てが綿密に作りこまれており、コンプリケーション分野においても“スイスに追いつき追い越せ”を具現化し始めた、最初の鼓動、息吹きなのかもしれませんね。

ピアゾの腕時計豆知識 
<セイコー初のトゥールビヨン時計「FUGAKU」>

セイコーグループの「クレドール」ブランドからも、2016年にセイコー初のトゥールビヨン彫金限定モデル「FUGAKU」を発売しています。
世界的に評価の高い葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」から着想を得た、立体彫金と漆芸の絶景を堪能できる“究極の工芸時計”です。
高級時計路線を牽引するクレドール&グランドセイコーは、コンプリケーションウォッチでも、今後大躍進を遂げていきそうですね!

機能的な凄さについては、「KODO コンスタントフォース・トゥールビヨン」の特別モデルSLGT001(限定1本)記事などで概要を述べているので、当項目は“動きと音”に絞ってご説明してまいります。

Kodo SLGT005は16ビートのムーブメント音が心地よい

本作SLGT005に搭載された「キャリバー9ST1」は、キャリッジ内のテンプが毎秒8振動を繰り返し、内側部分のトゥールビヨンキャリッジが滑らかに回転。(同軸上にある)外側部分のコンスタントフォースキャリッジは、その回転を追いかけるように1秒に1回の間隔でシンクロし、目にも耳にも心地よい鼓動音を伝えます。

公式のデモムービーを参考に、目と耳で(※約0:40秒頃~2:00秒目安)楽しんでみましょう。
コンスタントフォースキャリッジが刻む“1秒に1回のリズム音”とトゥールビヨンキャリッジが奏でる“1秒間に8回の刻音”が聴こえてきたでしょうか?

川内谷卓磨氏が設計した「コンスタントフォース・トゥールビヨン」は、「姿勢差」と「エネルギー供給のばらつき」を改善した芸術的な複雑時計で、完成にこぎつけるまで約10年の歳月を要しています。

例えばトゥールビヨンの場合、部品を磨くだけでも職人が1ヶ月がかりの時間を費やし、100前後のパーツを組み立てるのにも熟練した技術を必要とします。KODOに至っては、100を越える部品から構成される二つの複雑機構が、完璧に連動し常に規則正しいリズムを刻むのですから、その苦労は想像を絶するものだったでしょう。

プロトタイプムーブメントの「T0(ティーゼロ)」を2020年に発表後、市販化に向けて設計を見直した際に、ムーブメントの小型化を推進する結論が出たため、パーツの90%以上を変更。しかも、わずか1年半の短期間でT0(ティーゼロ)の進化版「キャリバー9ST1」を完成させてしまうのですから、頭の下がる仕事ぶりですね。

また、理論上は1秒に1回作動するよう設計されたコンスタントフォースですが、実際にはごく稀にズレるケースが生じたため、(原因であった)パーツの偏心を抑えるように改良を重ね、数ミクロンレベルまで動作性能を高める必要性があったそうです。そして、困難の連続を乗り越えた末に、世界に類を見ない視覚・聴覚に訴えるハイコンプリケーションウォッチ「KODO コンスタントフォース・トゥールビヨン」が誕生に至るのです。

Kodo SLGT003は姫路黒桟革ストラップを採用

SLGT003の革バンドは黒いダイヤを纏うが如し

本作SLGT005のストラップは、前作同様“革の黒ダイヤ”の異名を持つ「姫路黒桟革(くろざんがわ)」を採用しています。戦国時代には大将クラスの甲冑にも使われた伝統素材で、ダイヤモンドの粒をちりばめたような輝きを放ちます。

姫路黒桟革は素材に国産黒毛和牛を使用、革の下地作りに約3ヶ月、漆塗り作業に約1ヶ月の期間を費やし、職人が手作業で独特の風合いを帯びた色へ仕上げます。手間暇かけて作り上げるため、専門の職人でも月に20枚程度しか製造できないそうです。

Kodo SLGT005は姫路黒桟革ストラップに白漆を使用

白と黒の好対照なストラップが、“光と影のドラマ”にそっと彩りを添えていますね。
まさに“革の黒ダイヤ”であった前作SLGT003の黒いストラップは、白漆を塗り重ねることでホワイトダイヤモンドさながらの奥深い光沢と艶に包まれています。その色合いは、経年変化によって徐々に白さを増していくとのことで、数十年後の成熟した白みが待ち遠しいですね。

パテック・フィリップの2024年新作の複雑時計 ワールドタイム Ref.5330

ブルーグレーオパーリン文字盤&デニム柄のブルーグレー・カーフスキン・バンドの組み合わせが、カジュアルな装いを保つ複雑時計「ワールドタイム」5330G-001

今年の「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2024」でも、機械式時計の醍醐味が詰まった、多彩なコンプリケーションウォッチの数々が発表されています。
ピアゾ編集部厳選の複雑時計6選をセレクトしてみました。

≪有名ブランドのW&WG2024の複雑時計6選≫

  • ジャガー・ルクルト「デュオメトル・ヘリオトゥールビヨン・パーペチュアル」
  • ピアジェ「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」
  • A.ランゲ&ゾーネ「ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”」
  • パテック・フィリップ「ワールドタイム」5330G-001
  • IWC「ポルトギーゼ・エターナル・カレンダー」
  • シャネル「J12 クチュール ワークショップ オートマタ キャリバー6」

丁寧な仕上げと奇想天外な仕掛けの数々で、W&WG2024を盛り上げています。
時計技師達の栄光と挫折、職人のたゆまぬ研鑽と情熱が詰まった複雑時計は、まさに“小宇宙”という形容が相応しいですね、どれも傑作ばかりです!!

W&WG2024で発表された魅力的なGSの新作群。イベントの総括も兼ねて、グランドセイコー公式(UK)動画に寄せられた声を幾つか抜粋します。

「KODOは間違いなく素晴らしい」
「新しいスノーバレー(※“雪渓”SBGJ277)は、ロレックスGMTマスター IIへの答えだ」
「ゲンビバレー(※“厳美渓”SLGH021)に夢中です」

どの時計も満遍なく高評価を得ていますね。

セイコー創業の地・銀座で、最高の時計職人と設計者、デザイナー達が集い、比類なきハイコンプリケーションウォッチ KODOを生み出したグランドセイコー。
1960年代に“時計界のF1”と称された天文台コンクールを制したセイコーは、その技術をグランドセイコーに惜しみなく投じ、「精度とデザイン」を追い求める終わりなき挑戦の旅を続けます。60年余りの間、磨き抜いた非凡な技術力は、時計芸術へと昇華。“闇”のSLGT003を経て、“光”のSLGT005という未来を紡ぎます。

KODOという複雑時計は、グランドセイコーに来たるべき未来と希望を指し示し、「(廉価な)クォーツ時計ブランド」というイメージの払拭にも貢献していく、一縷の光明にもなり得るマイルストーンウォッチ的存在として、後世にも語り継がれていくことでしょう。

グランドセイコー SLGT005の仕様・価格
モデル マスターピースコレクション Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン
Masterpiece Collection Kodo Constant-force Tourbillon
型番(Ref.) SLGT005
ケースサイズ 横 43.8mm 縦 50.6mm 厚さ 12.9mm
ケース素材 ブリリアントハードチタンとプラチナ 裏ぶた:プラチナとサファイアガラス
裏ぶた仕様:シースルーバック、6本ねじ固定裏ぶた
ムーブメント メカニカル 手巻 キャリバー9ST1
精度 平均日差+5秒~-3秒
駆動期間 最大巻上時約72時間(約3日間)持続(コンスタントフォース機構の作動時間 50時間確保)
防水性 日常生活用強化防水(10気圧)
耐磁性 あり
生産本数 世界限定:20本(うち国内:7本)
取扱店舗 グランドセイコーブティック
発売日 2024年12月6日(金)発売予定
価格 49,500,000 円(税込)
★こちらもおすすめ★

【速報】グランドセイコー2024年新作新作モデル一覧

「SLGW002、SLGW003”白樺”」「SLGH021”厳美渓”」「SBGJ277”雪渓”」など、W&Wで発表されたグランドセイコー(GRAND SEIKO)の2024年新作をご紹介します!

グランドセイコー買取について

グランドセイコー買取 時計買取ピアゾでは腕時計買取を専門とする9社無料一括査定が受けられます!買取実績掲載中!

姉妹サイト時計販売QUERIにて、高級ブランド腕時計を好評発売中!

グランドセイコーはもちろん、ロレックス、オメガ、タグホイヤー、オーデマ・ピゲなどの高級ブランド時計を独自ルートで激安価格にて販売中です!




最大9社に一括査定!最高額で賢く時計を売却しましょう

業者も利用するピアゾの時計一括査定サービスをぜひお試しください!

カンタン無料一括査定に申込む