更新日:2023年10月02日
美味しい食べ物が増える、涼しい風が気持ちの良い季節“秋”。観光のトップシーズンとしても知られ、特に今年は9月10月11月全ての月に3連休があるため、アフターコロナの旅行にもうってつけです!カップルや家族で、食べ歩きやドライブ、紅葉見物を予定している方もいらっしゃることでしょう。
そして、グランドセイコー(Grand Seiko)からも、趣深い秋の風情を感じさせる「SBGJ273」がリリースされました!映し鏡を想起させる「床紅葉(ゆかもみじ)」と幾重にも織りなされた、深みのある赤色のダイヤル&金色のGMT針のハーモニーは、“錦の織物”のような豊かさです。
2019年10月発売のSBGH269(※900本限定)は、「床もみじ(英語:floor maples)」デザインが人気を博し、現在は中古市場でプレミア価格を記録。2023年4月にも、床一面に白く輝く情景をモチーフにした「雪化床(ゆきげしょう)」のSBGJ271を発売……他にも、様々な“床パターン”の文字盤がリリースされています。
今記事では、エレガンスコレクション2023年新作 メカニカルハイビート36000 GMT 「床もみじ」SBGJ273の基本情報(※スペックや値段、発売日等)、類似モデル(※雪化床、床もみじ、床みどり)との比較、GSが掲げる「THE NATURE OF TIME」と「床」にまつわる“日本人の精神性の礎” に関する考察などをお届けします。
「床もみじ」の有名観光スポットの自然美が、「どのようにSBGJ273の文字盤に反映されているか?」にも注目。“実りの秋”に相応しい、書きたてホカホカの豊潤な新作速報をどうぞ!
かねてより秋は、「錦秋(意味:木々の紅葉が錦のように美しいさま)」と呼ばれ、多くの文化人達を魅了し、和歌や俳句、茶の湯や日本画など、文化・芸術にも幅広く題材として扱われてきた歴史背景があります。
中でも、紅色・橙色、黄金色などのグラデーションが美しい紅葉は、二度と同じ色の組み合わせがないと言われ、“秋の代名詞”的存在です。日本語の妙、で言うと秋だけが「深まる」という表現が使われます。「春(※夏or冬)が深まる」とは言いませんからね……豊穣の恵みや草木の変化に“美”を見出し、“秋の深まり”を感じてきたのかもしれません。
では、前置きはこのくらいにして、公式サイトの紹介文を見てみましょう。
『日本の伝統的な家や寺院にみられる、磨き込まれた漆塗りの床に映り込む自然の移ろい。色とりどりの鮮やかな紅葉が床に映り、まるで映し鏡のような景色が広がる「床もみじ」をモ チーフに、深みのある赤色のダイヤルと金色に輝く GMT 針で、日本ならではの錦秋の華やかな情景を表現しています。』 ----引用: https://www.grand-seiko.com/jp-ja/collections/sbgj273
磨き抜かれた漆塗りの床に反射した色とりどりの紅葉……その儚くも豊かな秋の美しさ「錦秋」をSBGH269同様、文字盤に表現しているのでしょう。2023年新作SBGJ273の見どころもまとめてみました!
≪SBGJ273の見どころ≫
下記リンクでは、ダイヤルの美しさ、ディテールの良さを踏み込んで説明済み。なので、今回はグランドセイコー(GS)らしい“和の心”についても、推察してみました!
SBGH273で二十四節気の一つ「秋分」。2022年発売のSBGW287では「暮秋(ぼしゅう)」の美をワインレッドのダイヤルに宿し、“秋の深まり”を具現化してきたグランドセイコー。本作はSBGH269のダイヤルパターンによく似た「床もみじ」模様を採用しているのが最大の特徴です。
ではまず、「床もみじとは何か?」についてご説明します。自然現象の床紅葉は、床に映りこんだ幻想的な四季折々の自然美を指します。床紅葉は秋の呼び名で、夏には「床みどり」、冬には「雪化床」と称されます。どの季節も異なる景観と風情を楽しめますが、床紅葉は“花浄土”“紅葉浄土”とも賛美されるほど、優雅さを満喫できるのがポイントです!
類似モデルのSBGH269でもご説明していますが、秋の紅葉が床に映りこんだ情景は、逆さ富士にも匹敵する日本を代表する絶景の一つ。「床もみじ」モチーフの特徴は、以下の通りです。
≪「床もみじ」モチーフの文字盤の特徴≫
『磨き込まれた漆塗りの床に映り込む自然の移ろい』というコンセプトを表現した、床板を彷彿とさせる太めの縦ストライプがいい味を出しています!ややもすると、コーディネートに悩みそうなクッキリしたレッドダイヤル。太めの縦ストライプを基調とすることで、“野山の錦”を連想させる、色とりどりの床紅葉が美しい紋様を描いているようですね。雅ですね~~~!!
深紅のダイヤルを味わい深くさせるために、色合いが濃いめなのもポイント!漆塗りの床に反射した渋めのレッドダイヤルは、屋内や屋外で異なる“赤色と紅色の輝き”で持ち主を楽しませてくれることでしょう。
初夏の季節は、「青もみじ」とも呼ばれるモミジ達。緑から赤や黄色に変化するメカニズムをご存知でしょうか? 米農務省森林局(USFS)の研究によると、紅葉の主な要因は「気温と湿度」が原因で、葉の色を変化させているとのことです。晴れて乾燥した日、涼しい夜が多いと鮮やかな色に。天気の悪い日が続くと、葉は色づきにくいそうです。
グランドセイコーが提唱する「THE NATURE OF TIME(※意味:時の本質)」。SBGJ273でも、随所に日本独自の精神性、光と影の調和……といった“和の心”を貴ぶ美意識を感じさせます。
SBGJ273の公式ページにも記載がある『日本の伝統的な家や寺院にみられる、磨き込まれた漆塗りの床』。「じゃあ、それはどこなのだろう?」と、床紅葉の有名観光スポットも、関連してリサーチしてみました!GSが今までにリリースしたラインナップ(※床もみじや雪化床、床みどり)に結びつきがありそうな、観光名所も3か所ご紹介致します!
*注*この項目は、床もみじのトリビア。床にまつわる雑学中心の項目です。SBGJ273の腕時計情報を手っ取り早く知りたい方は、こちらへどうぞ。
≪奇跡の絶景!床紅葉の名所≫
まずは、京都の実相院から。室内撮影禁止(※「滝の間」の床)ですが、客殿(本堂) の床は黒漆が塗られており、リフレクションした四季折々の絶景は全国屈指として知られています!秋の床紅葉は勿論、新緑の床みどり、冬の雪化床も有名ですよ!
「雪化床」は実際に、グランドセイコーのコレクションに名を連ねているダイヤルパターンです。
ちなみに!実相院では、毎朝の乾拭きを欠かさず、定期的に米ぬかを入れた布袋で拭き、漆黒の床板に艶を出すようにしているそうです。磨き抜かれた実相院の床板は、“鏡面”のよう。この辺の文言は、SBGJ273の公式説明に似通っているところが多いですね!SBGJ273も『赤色のストライプパターンにツヤのある仕上げ』と書かれていますし。
根っからのGSファンの方は、読んでいてピンと来ると思いますが、“鏡面”というワードは、グランドセイコー十八番の鏡面仕上げ、ザラツ研磨にも相通ずるものがあります。実相院の黒漆の床板&SBGJ273どちらも、磨き抜かれた鏡のようにピカピカにしているのです。その心根は、丹念に丁寧に磨き続けることで、雑念を取り除いていき、“無の境地”に至るほどでしょう!
続いて、京都の中心より離れた、比叡山の麓・瑠璃光院について。春から夏の「床みどり(青もみじ)」や「床もみじ」は、紅葉名所としてSNSを中心に人気沸騰中!!直接目でモミジを見る楽しみ方以外にも、最近では「反射(リフレクション)したモミジ」を愉しむのも風流と話題です。瑠璃光院は床以外にも絶景が潜んでおり、黒漆の磨き抜かれた写経机(※書院2階「瑠璃の庭」)に、紅葉(新緑)が反射して見える景色「机もみじ」も、独特な迫力と美しさで人気を博しています。
最後に、関東の紅葉名所「宝徳寺」も。毎年11月中旬頃に、100本以上のモミジが見頃をむかえる宝徳寺。“関東百名山”の鳴神山の紅葉も境内より見ることが可能です。床に映し出された。全国有数の“紅葉浄土”の美しさは、まさに圧巻!!瑠璃光院同様、その絶景をSNSに自由にアップ可能なのも魅力です!
おまけ話も一つ。宝徳寺は見ているだけで優しい気持ちになれる境内の「ほほえみ地蔵」「よろこび地蔵」なども有名ですが、出口近くには仮面ライダーの石像(※交通安全祈願)が鎮座しています。ユニークで面白いですね!
余談ですが、「床」という文字は、「ゆか」以外にも「とこ」とも読みますよね。日本では古くから、床の間(とこのま)を四季に応じて飾り付けることで、季節感を楽しみながら“自然と共生する”生活を大事にしてきました。“日本人の精神性の礎”とも呼べる、神聖な場所としての役割も持っていたのです。
面白いのが、「ゆか(floor)」は、廊下などの歩き回る“動的な場所”の意味を持つのに対し、「とこ(guestroom)」は寝所(※平安時代の「寝殿造」)。来客をもてなすスペース(※室町時代の「書院造」)。と、身体や心を落ち着かせる“静的な場所”の意味合いが強く、正反対なニュアンスを持ちます。
「一期一会」の名言を残し、素朴な“侘び寂び”を重んじた千利休は、今日につながる床の間の形態や飾り方(床飾り)を確立しました。茶室・床の間という小さなスペースに、“精神性という無限の広がり”を創り出した功績は、あまりにも偉大です。
腕時計という限られたスペースを最大限活かすムーブメントを生み出し続けるグランドセイコー。その歴史にも通ずるところがありますね。奇想天外な発想、コロンブスの卵的なアイディア(例:ステップモーターはバラバラに配置することで解決)で、難題を切り抜けてきたグランドセイコーの偉業も、「そう言えば!?」と思い出しました。もっと掘り下げて、グランドセイコーの“光と影の哲学”を知りたい方は、公式ページ(※GS Story)の茶の湯、生け花の特集記事も目を通すと、新たな学びがあるでしょう。
グランドセイコー公式サイト|【第七章】いけ花にみる、「光」と「影」
グランドセイコー公式サイト|【第九章】茶の湯にみる、「光」と「影」
閑話休題。SBGJ273は、SBGH269の公式説明にあったように、『縦のダイヤルパターンは、床紅葉に見られる日本建築の板張りの床から着想』なので、「床(ゆか)板の模様」をモチーフにしています。次項目でご説明するカラフルな“床シリーズ”達の根幹には。「雪化床&床もみじ&床みどり」の自然現象、床板の模様。だけでなく、(もしかしたら)床(とこ)のおもてなしの心……などなども個性的な型打ち文字盤に宿し、奥深い漢字「床」という一字に纏め上げているのかも?
それでは、本作SBGJ273に似た“床シリーズ”も列挙致します。「雪化床」SBGJ271でも、関連ダイヤルパターンはご説明しているので、興味のある方はそちらもどうぞ。これだけのモデルを洗いだしていても、リサーチ漏れがありそうなのが、「GSの凄いところ」なんですよね、まだまだ“床シリーズ”出そうです。
三越の“紺の暖簾(のれん)”にインスパイアされた縦ストライプパターンです。実機はかなり明るい「青」だったのも印象的でした。姉妹サイト「ブランド時計販売のクエリ」でも、美品(未使用)を「早い者勝ち」でご用意しています。
グランドセイコー2023年新作ヘリテージコレクション 日本橋三越限定 SBGH319の仕様・価格など
「18Kイエローゴールド×深い紺色のストライプパターン」のSLGH020。岩手山の“魔法のように美しい空”をイメージした、「マジックアワー」がテーマだそうです。雑談ですが、岩手山も岩手山パターン含め、色々な種類が出ていますねぇ(遠い目)。
18Kイエローゴールド製ケースに紺色のダイヤルが風格を漂わせるグランドセイコー SLGH020
同じく、「岩手山&縦ストライプパターン」と言えば、 SBGH305も。こちらは“晴れた日の岩手山”をテーマに、見る角度で様々な「緑」の表情を見せてくれています!それにしても、兄弟機のSBGH307はSBGH319に似ていますねぇ、うーむ。
40.0mmのステンレス製ケースに手巻き付き自動巻き Cal.9S85を搭載。力強いグリーンカラーに、太さが不規則なストライプパターン!
絶賛人気投票開催中の「GS9 Club オリジナルモデル」製作プロジェクト。もし最終選考を通過すれば、世にも珍しい“紫色の床もみじ”が、2024年秋ごろに爆誕します!第1回の結果投票では、27%の2位をキープしています。このまま逃げ切れるといいですね!
「GS9 Club オリジナルモデル」製作プロジェクトの候補モデルの1つ。
以上がSBGJ273によく似たダイヤルでしょうか。「雪化床」SBGJ271、元祖「床もみじ」SBGH269に関しては、後ほど詳細比較もしていますので、お楽しみに!
床もみじパターンの緑文字盤(SBGJ241やSBGJ259)は、今のところは海外限定モデルのみのリリースなので、割と高い確率で、床シリーズに「床みどり」文字盤が、新たなグリーンカラーで仲間入りする可能性も?
グランドセイコーでも比較的珍しいカラーリングのレッドダイヤル。2023年9月に、日本刀をハンマーで叩いた時に“飛び散る火花”を模した“カタナ”SBGA493も発売(※500本限定。オンラインショップ完売済み)されました。独特な放射状の火花模様も床シリーズとは違う、スタイリッシュさは要注目です!
本作SBGJ273には、「メカニカルハイビート36000 GMT キャリバー 9S86」が搭載されています。「9S66 VS 9S86」を比較すると、ひと言でまとめれば、「王道の9S86 VS コスパの9S66」の対決です。
「キャリバー9S8系とキャリバー9S6系の違い」について、「もっと知りたい!」という方は、こちらでもまとめています。改めて考えると、パーツ負担が大きいはずの10振動が主力モデルとして据えられているのですから、グランドセイコーって「やっぱり、凄い!」ですよね。
ただ、別の視点で言えば、現行モデルの価格も徐々に差が開きつつあるのも事実……もう少し安く、GMT現行モデルを購入したい方は、「Cal.9S66搭載モデルの方が、安く購入しやすい」という点も、頭の片隅に留めておくとよいでしょう。中古なら30~40万円目安で購入できるのは、GMTウォッチ入門機としても魅力的です。
「雪化床」SBGJ271と同じく、裏スケルトンからハイビートの針の動きを愉しめます。SBGH269は青緑色(※陽極酸化処理)のチタン製回転錘でしたが、SBGJ273はレギュラーモデルなので、通常仕様のローターが採用されています。SBGJ271のような特別仕様のローターでないのは残念ですが、考えようによっては、「最高の普通」は飽きが来ない、とも言えます。
“精神的付加価値”は十二分にお伝え出来たと思うので、“物質的価値”について、後半は語らせて頂きます!
焦点になるのは、9月発売の新作「SBGJ273」の913,000円(税込)という価格でしょう。「SBGH269は700,000円+税だったので、新作のSBGJ273はどうしても割高に感じてしまう」
「SBGJ271よりも値上げにならなかった(※同価格)だけ、頑張っている」
巷の意見も様々。比較対象によって「高い?安い?」は相対的に変化しますので、元祖「床紅葉」のSBGH269、3月発売の「雪化床」SBGJ271を中心に、SBGJ273のポテンシャルや相対的価値を分析してみました!その他“床シリーズ”の資産価値も、合わせてご説明します。
始めに、「元祖限定モデルVS新進気鋭のレギュラー」で比較してみましょう!端的に言えば、SBGH269の良かった点(価格、厚さ)が、変わってしまったのが残念なところ。その辺が、購入予定者の方達にどう響くか?が、SBGJ273の価格推移に影響を及ぼす恐れも。スペック表を眺めつつ、細かな変更点も順を追って解説致します。
SBGH269 | 項目 | SBGJ273 |
---|---|---|
自動巻(手巻つき) Cal.9S85 | ムーブメント | 自動巻(手巻つき) Cal.9S86 |
平均日差+5秒~-3秒 | 精度 | 平均日差+5秒~-3秒 |
最大巻上時約55時間持続 | パワーリザーブ | 最大巻上時約55時間持続 |
36,000振動/時(10振動/秒) | 機能 | 36,000振動/時(10振動/秒) |
ケース怪 39.5mm × ケース厚 13mm | ケースサイズ | ケース怪 39.5mm × ケース厚 14.1mm |
ボックス型サファイア | ガラス材質 | ボックス型サファイア |
ステンレススチール 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス | ケース | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス |
770,000円(税込、国内参考定価) | 価格 | 913,000円(税込) |
<SBGH269とSBGJ273の違い>
艶やかな深紅のグラデーションは、見入ってしまうほどの美しさ。物価上昇が続く昨今、早めに買えた人は本当にラッキーですね。
SBGJ273はHP写真を見る限り、(若干?)色彩を暗めにしているような、縦線の陰影が濃いようにも見えますが、実際はどうなのでしょう。
“GMT針&GMT表記”のゴールドのワンポイントと、縦ストライプパターンの赤色文字盤の対比は、どのようなハーモニーを奏でるのか……実機レビューで、追加報告できる時が今から楽しみです!
SBGH269は資産価値の面でも、“実りの秋”を迎えています。税込み770,000円だった参考定価は、国内相場では130万円前後、海外相場では140~150万円前後の出品と、“ほぼ倍”のリセールバリューに成長中です!SBGJ273の登場が追い風となり、更に実を結んでいくのか……それとも、そろそろ収穫時期(売り時)なのかは未知数です。
デザイン面では、両者“ほぼそっくり”なので、SBGH269を買い損ねた方々が、「どこまでSBGJ273を欲しがるか?」も気になるところですね。
ちなみに、「ブランド時計販売のクエリ」でも一本だけご用意しております。売り切れの際はご容赦くださいませ。
SBGJ271とSBGJ273はダイヤルパターン以外同じ仕様ですので、スペック比較は割愛し、それ以外の必須情報、細かな外観の違いを大まかにまとめてみました。
<SBGJ271とSBGJ273の共通点と違い>
双方居並ぶと、紅白のようにおめでたい感じですね!他にも、デイト表示窓が「黒数字&白背景」で共通しているなど、“小粋な違い”が随所にちりばめられているので、ご自身でも探してみてください!
※2023年9月調査時点
縦ストライプパターンにこだわらず、「レギュラーモデル+同価格帯+キャリバー9S86搭載+型打ち文字盤」の類似性が高いモデルをピックアップしてみました。恐らくですが、流通数が安定した頃から、上記モデルの「リセールバリュー+α」程度の価格帯に落ち着いていくと予想されます。好材料で言えば、「SBGH269に瓜二つ(※レッドダイヤル&縦ストライプ)」「赤文字盤は比較的珍しいカラーリング」という長所が市場にウケれば、タイミング次第で少し“色がつく”可能性もあります。
SNSの投稿に寄せられたコメントも速報してみた…かったのですが、国内ファンよりも海外の方達の方が反応が良かったため、海外動画のコメントを中心に抜粋してみました。
「赤い文字盤のファンではないが、SBGJ273はハンサムだ!」
「SBGA493(※カタナ)と比べた、色の違いを知りたい」
「SBGJ273もいいけど、SBGH269が一番、赤い色が似合っている」
リリース直後でも、レッドダイヤルは概ね好感触な反応でした。全体的に、色の完成度の高さがウケていたような印象ですね!ディテールや値段に関するコメントはあまり見当たりませんが、今後の投稿やレスポンスに期待、といったところでしょう。
「今後あり得る床シリーズ」についても予想してみました。 “反射(リフレクション)”や“光と影”というテーマに比重を置くと、以下2パターン(+おまけ予想)が妥当かもしれません。
①床シリーズの続編として「床みどり」が出るか、②もみじシリーズの派生版をリリースしていくか。③は言葉そのものが美しいので、「もみじシリーズ」次点モデル候補名としてノミネートしてみました。
近年、上下逆さまの世界を収めたリフレクションの絶景写真は、SNSでも話題の的です。“逆さもみじ”が有名なリフレクションスポットは、蔦沼(青森県)・木戸池(長野県)・長谷寺(神奈川県)・曽木公園(岐阜県)……etc。まだまだ、沢山の“秋の絶景”がこれから見頃を迎えます。SBGJ273と一緒に、“床もみじ(逆さもみじ)”を探しに行くのも楽しそうですね!
源義経(幼名:牛若丸)が幼少時代を過ごし、天狗が住む場所と知られる鞍馬寺。金堂前の石床「金剛床」は、“関西一のパワースポット”と呼ばれ、若者達に人気です。鞍馬寺もモミジの名所として有名なので、「石床模様+青もみじ柄」の床シリーズ「金剛床」がもしかしたらリリースされるかも!?
綾錦をまとった秋の山々を想起させるSBGJ273。燃えるような赤い紅葉色&黄金色のGMT針の調和も美しいですね!小粋なセンスが問われる派手めなGMTウォッチですが、海外に雄飛する個性派ジャパニーズビジネスマンの“頼れる相棒”にいかがでしょうか?
モデル | エレガンスコレクション メカニカルハイビート36000 GMT 「床もみじ」
Elegance Collection |
---|---|
型番(Ref.) | SBGJ273 |
ケースサイズ | 横 39.5mm 縦 46.9mm 厚さ 14.1mm |
ケース素材 | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス |
ムーブメント | メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー 9S86 |
精度 | 平均日差+5秒~-3秒 |
駆動期間 | 最大巻上時約55時間持続 |
防水性 | 日常生活用防水 |
その他 | 24時針(デュアルタイム表示機能) カレンダー連動時差修正機能 |
取扱店舗 | グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ |
発売日 | 2023年9月8日発売 |
価格 | 913,000 円(税込) |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。詳細はグランドセイコー公式サイトへ。
縦ストライプパターンの文字盤も近頃、豊作なグランドセイコー。床もみじのレギュラーモデル登場が待ち遠しかった方にも、いささか食傷気味なファンの立場でも、一定以上の高評価を本作も得られそうな完成度でした。
古くから、赤や黄色に染まるモミジの風景に「侘び寂び」を感じてきた日本人。命を燃やしつくすような真っ赤さは、散り行く瞬間にも最後の輝きを放ちます。「夏が過ぎ(緑)、秋が深まり(赤)、冬がいずれ訪れる(白)」。そんな四季折々の変化を感じ、日本的な色合いを味わう。秋ならば“豊かさと儚さ”の自然美を古来から愉しむのが、風情なのでしょう。
あるがままの自然を慈しみ、人が丁寧にしつらえ整えた美しさにも、「侘び寂び」を見い出し、“心の豊かさ”を育んできた日本の歴史。愛機(もしくは、大切な日用品)をお手入れしながら、“見えないものを見よう”とするように、作り手(グランドセイコー)の心や想いを巡らすのも、秋の風流かも。
『このもより かのも色こき 紅葉かな(※意味:次々と目移りしながら紅葉を楽しんでいる様子)』 与謝蕪村の名句のように、美しいモデルが次から次へとリリースされるから、グランドセイコーのファンはやめられませんね!