更新日:2024年03月14日

【データで見る時計業界・2023年最新版】モルガン・スタンレー発表の2022年スイス時計売上ランキングトップ20

モルガン・スタンレー発表の2022年スイス時計売上ランキングトップ20

時計の資産価値に興味があるなら、世界で人気の高級腕時計ブランドランキングはぜひとも押さえておきたいところ。というわけで、昨年に引き続き、ニューヨークに本拠地を置く金融機関グループ「モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)」とスイスのコンサルティング会社「LuxeConsult」が、2023年3月に共同で発表した、スイス時計業界の最新調査レポートと推定販売収益によるランキングをご紹介します。

Morgan Stanley

毎年発表される、スイス時計産業に関する年次調査報告書を紐解けば、世界的な高級時計ブランドのトレンドが丸わかり。高級時計に資産価値を求める方にとって、人気ブランドの現状や動向は気になるところなのではないでしょうか。

Swiss clock tower

世界的なパンデミックにより、ほかの業界と同様、大きな打撃を受けたスイス時計業界。しかし、2021年はそんな業界にとって記録的な年となりました。そして驚くべきことに、2022年にはさらに記録を更新し、スイス時計業界にとって過去最高となる記録を打ち出したといいます。

モルガン・スタンレーの調査レポートによると、2022年のスイス時計の年間輸出額は、237億スイスフランでした。2021年の年間輸出額が223億スイスフランなので、前年比11.6%増となり、パンデミック以前の年間輸出額と比べても、大きな増加が見られたことが明らかになっています。

コロナ前、過去最高の年間輸出額を叩き出したのが、2014年のことでした。2014年の年間輸出額は222億5000スイスフランで、昨年には0.2%増とわずかな増加ながらも、以前の記録を塗り替えます。リーマンショック以来の落ち込みを見せた2020年は、お先真っ暗に思えたスイス時計業界。しかしながら、2022年の年間輸出額を見る限りでは、来年以降も明るい見通しが待っていると予測できるのではないでしょうか。

Buying Watches

2022年に入って間もなく、世界銀行は、世界全体の経済成長率が著しく減速することを予測しました。アメリカにおいては、インフレ率が40年ぶりの高水準に達し、消費に対して消極的な人が増えているといわれています。もちろん、インフレに振り回されたのはアメリカだけではなく、世界各国が程度の差こそあれ同様の状況でした。経済成長が鈍化する中において、なぜスイス時計の輸出額は過去最高を記録できたのでしょうか?

モルガン・スタンレーの調査レポートを調べると、答えが見えてきます。モルガン・スタンレーによると、2022年のスイス時計輸出量は、わずか1,580万個でした。輸出量の内訳を見るとクォーツ時計980万個、機械式時計600万個で、クォーツ時計のほうが多く輸出されたことがわかります。

過去20年を振り返ってみると、スイス時計の輸出量は減少する一方でした。2000年のスイス高級腕時計の年間輸出量は3,000万個でしたから、スイスの時計の輸出量はこの23年間でおよそ50%も減少してることに。しかも、年間輸出量1,580万個の中には、2022年にオメガとスウォッチがコラボレーションして話題を集めた「ムーンスウォッチ」も含まれています。

2021年の輸出量が1,570万個でしたから、前年比0.2%増ではあります。しかし、2022年が過去最高の輸出額となったことを鑑みると、あまりにも少なすぎる輸出量であることは明らかです。このような結果になったのは、世界中で広がるインフレが影響しています。

インフレの影響で物価の上昇が続いていますが、そのあおりを受けて、各高級時計ブランドでも時計の値上げが行われました。すなわち、「輸出量は少ないのに輸出額は大きい」という状況は、スイス時計が値上げされたことが原因だと考えらえます。

Oyster Perpetual Cosmograph Daytona

2022年には、小売価格が10万スイスフラン(2023年5月時点、日本円で約1,514万円)以上の超高級時計2万5千個が輸出されました。これは、2022年の年間輸出量1,580万個の時計の0.2%に過ぎませんが、輸出額は30億スイスフランとなっており、全体の12.5%を占めています。

また、2022年のスイス時計の輸出先に関しては、アメリカへの輸出が全体の15.7%を占めていました。 記録的なインフレに見舞われたアメリカですが、昨年に引き続き、スイス時計の世界最大の市場であることが明らかになっています。

多くのアメリカ人が今後も予測される物価高の悪化に備えているのに対して、同じ国で高級なスイス時計が売れているのは不思議な現象に思えるかもしれません。ですが、スイス時計に資産価値を見出している層がいることを考えれば、納得の結果です。富裕層やコレクターのほか、投資目的の購入者も少なくないアメリカは、常にスイス時計業界のお得意様だといえます。

このように、スイス時計の高額モデルは値上げに関係なく購入者が存在するようですが、高級時計ブランドのエントリーモデルの売上ははかばかしくありません。このことも、スイス時計の年間輸出量の減少に繋がっているようです。ムーンスウォッチの大成功を除き、リーズナブルな価格帯のスイス時計は、Apple Watchを代表するスマートウォッチ勢に完敗しているといえるでしょう。

ranking

ここ数年、売上高ランキングトップ10に入るブランドの顔ぶれには、それほど大きな変動はありません。2022年の売上高を見ると、10億スイスフランを超えたのは、7ブランドだけでした。以下に、2022年スイス時計業界の推定売上高ランキングの上位10ブランドをご紹介します。

ロレックス

スイス高級時計業界の王者ロレックスが、2022年推定売上高ランキング堂々の第1位でした。2022年におけるロレックスの推定売上高は、93億スイスフラン。2位との差は約65億スイスフランで、圧倒的大差をつけました。

驚くべきことに、2022年推定売上高ランキング2位~5位にランクインした4つのブランドの売上高をすべて足しても、ロレックスの売上高には届きません。日本円にすると、1兆円を軽く超える売り上げを叩き出し、ロレックスはスイス高級時計業界において不動の地位を築き上げています。

2021年推定売上高は80億5,000万スイスフランでしたから、前年比21%増の収益です。売上高のうち13%はいわゆるオーガニック・グロース(有機的成長)で、残りの8%は値上げによるものでした。(ロレックスは2回価格改定を実施。)

ロレックスは、いよいよ年間売上100億スイスフランも射程圏内に。もしそれを達成できれば、世界的に有名な高級ブランドのグッチと肩を並べることになります。ただし、グッチは服、宝飾品、時計、香水などを幅広く手がけていますが、ロレックスは時計の製造・販売のみ。時計だけで勝負するロレックスは、手駒が多いグッチよりも不利に思えますが、2022年の推定売上高を見ると果たせない数字ではないかもしれません。

さらに、2022年のロレックスの生産本数は120万本で、2021年と比べると約15万本増産しており、前年比14%増となりました。2022年の平均小売価格は、約1万スイスフラン(消費税別)となっており、日本円にすると約150万円は軽く超します。アジアで発売されるロレックスのモデルにはゴールドやダイヤモンドのセットが多いため、平均小売価格においては、アメリカやヨーロッパよりもはるかに高い結果になっています。

新工場の設立・増産も待たれるロレックス。認定中古制度を始めるなど、新たな動きにも注目が集まっています。

Tank Chinoise

モルガン・スタンレー発表による2022年の推定売上高ランキング第2位は、カルティエでした。カルティエの売上高は27億5,000万スイスフランで、2年連続して2位です。2021年の売上高が23億9,000万スイスフランでしたから、約3億スイスフラン以上も売上を伸ばしたことになります。

ジュエリー部門同様、時計メーカー部門が大きく成長したカルティエ。2022年には 、オールブラックダ の「タンク マスト」や「カルティエ プリヴェ タンク シノワーズ」、「カルティエ パシャ グリッド」など、たくさんの新作モデルを発表して人々を魅了しました。人気のタンクフランセーズもリニューアルし、さらに価格改定(値上げ)の影響もあるでしょう。1位のロレックスには大きく引き離されているものの、大健闘していることがわかります。

Speedmaster

2022年のスイス時計業界の中でも、大注目を集めたオメガ。「オリンピック 1932 クロノチャイム」や「ムーンスウォッチ」などの新作を発表したオメガの推定売上高は、24億7000万スイスフランでした。

オリンピックのオフィシャルタイムキーパーであり、映画「007」シリーズのオフィシャルパートナーでもあるオメガ。これまでも、あらゆる人を魅了してきたブランドですが、スウォッチとのコラボレーションにより、新たな顧客獲得に成功しました。

オメガの名作「ムーンウォッチ」とスウォッチのコラボレーションが発売されるや否や、なんとかしてムーンスウォッチを手に入れようとする人々が押し寄せたことにより、世界中の店舗で大混乱が生じます。

売上高では、カルティエに負けているように見えるオメガ。しかし実際のところ、小売金額と市場シェアにおいては、オメガのほうがカルティエを上回っています。これは、両ブランドの小売・卸売の流通経路の管理の違いから生じているようです。

Royal Oak

2021年同様、4位を死守したオーデマ・ ピゲ。2022年のオーデマ・ピゲの推定売上高は、20億スイスフランでした。2021年は同ブランドにとって史上最高の売上高(15億8,000万スイスフラン)を記録した年でしたが、2022年は なんと売上高が 27% も増加し、記録を更新する結果に。

オーデマ・ピゲの売上の90%以上を占める「ロイヤルオーク」は、誕生50周年を迎えた2022年に最高の売上高を出し、10年間で売上を3倍に増やすことに成功しました。

Annual Calendar

2023年に発表されたモルガン・スタンレーの推定売上高ランキングの順位では、第1位から第4位までは、2022年版とまったく同じ結果となりました。ところが、今回は順位を落としたロンジンに変わって、パテック・フィリップが第5位に登場。

2021年は第6位だったパテック・フィリップ。そんな2021年の推定売上高が15億3,000万スイスフランだったのに対し、2022年には18億スイスフランを記録しました。パテック・フィリップは販売戦略をほぼ完全に第三者の小売業者に依存していますが、やはり商品とブランド自体のパワーが他とは比べ物にならないのでしょうね。
人気のラグスポ、ノーチラスは数年待ち、というかウェイティングリストに入ることすら困難な状況ですし、そのロレックスをも凌ぐ圧倒的な資産性から、投資目的で購入する層も増える一方です。

RM 47 トゥールビヨン

推定売上高ランキング第6位は、リシャール・ミルです。2021年のランキングでは第7位にランクインしていましたが、今回は順調に売上を伸ばし、13億スイスフランの売上高を記録しました。2021年に引き続き、年商10億スイスフラン以上の名門に名を連ねることができました。

リシャール・ミルは2001年に誕生した比較的新しいブランドですが、最高品質が保証された超高価格帯の時計を製造していることで知られています。主にアメリカで人気ですが、日本での販売数も着々と伸ばしているようです。リシャール・ミルが今回の優れた業績を上げることができたのは、独自の小売ネットワークを強化した結果だと考えられています 。正反対の戦略をとるパテック・フィリップとリシャールミルがいずれも優れた業績を残している点は興味深いですね。

最近では、2023年の第95回アカデミー賞授賞式で、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』にて主演女優賞を受賞したミシェル・ヨー(Michelle Yeoh)さんが、リシャール・ミル Ref. RM07-02を着用されていたことも記憶に新しいリシャール・ミル。ステータス性の高さから、日本のセレブの間でも人気上昇中の注目ブランドです。

LONGINES

2022年推定売上高ランキング第7位は、ロンジンです。2021年の推定売上高ランキングでは第5位にランクインしていたため、2つも順位を落とす結果になりました。モルガン・スタンレーの調査リポートによると、ロンジンは12億スイスフランの売上高を記録。売上高10億スイスフランを達成した最後のブランドに顔を連ねることはできたものの、2022年の売上高は2021年から約3億スイスフラン以上も減少しました。

売上高減少の理由として、ロンジンが中国市場に依存し過ぎている点が挙げられます。残念ながら、中国市場はパンデミック後の回復が遅れており、これまでのように好調に売上を伸ばすことができませんでしたが、今年持ち直せるかどうか注目ですね。

Pilot's Watch Chronograph TOP GUN Edition 'Lake Tahoe'

2021年売上高ランキングで第9位だったIWCですが、今回のランキングでは順位をひとつ上げることに成功し、2017年以来5年ぶりに第8位に返り咲きました。

2022年の推定売上高は、9億スイスフラン。売上高10億スイスフラン以上のブランドの仲間入りを果たすのに、あと一歩足りない結果となりましたが、2023年新作としてジェラルド・ジェンタによる「インヂュニア SL」復刻版ともいえる新しい「インヂュニア・オートマティック 40」を発表し、ラグスポ分野でどれだけ伸ばしていけるのか、期待したいポイントです。

また、IWCはSDGsについて積極的な姿勢を見せているブランドの1つ。若い世代への訴求効果は高く、将来性に期待も高まりますね。

Superocean

前回のランキングで第11位だったブライトリングが、今回はトップ10内にランクイン。2022年の推定売上高は8億6000万スイスフランで、第9位となりました。2022年の売上高が前年比25%増という好調な業績を上げることができたのは、新しい経営チームによる計画的リブランディングの成果のようです。

モルガン・スタンレーは、この成功を高額帯時計市場への参入に伴う平均販売価格の上昇をはじめ、ブティック数の増加や顧客体験を向上させることによってファンを着実に増やした結果とみなしています。

じつは、中国本土で積極的に展開していたブライトリング。しかしながら、2022年の中国での売上はわずか5%に止まりました。そのため、中国市場が回復すればさらに売上を伸ばす可能性が高いと考えられます。また、女性顧客獲得のためにレディースウォッチに力を入れていたようですが、ほかのブランドと比べると、ブライトリングのレディースウォッチの売上はそれほど高くありません 。日本でも女性にはあまり知名度は高いとは言えないでしょう。今後注力すべき分野かもしれませんね。

overseas

2021年の売上高ランキングで第13位だったヴァシュロン・コンスタンタン。なんと今回は、8億スイスフラン以上もの売上を達成し、ランキングトップ10にランクインすることができました。

美しくも実用性が高い「オーヴァーシーズ」で、ラグジュアリースポーツウォッチ需要の波に乗ったヴァシュロン・コンスタンタン。中国市場に重きを置き過ぎた時期もあったようですが、現在はターゲットを分散し、積極的に若い層を取り込む戦略に移行しているようです。

2022年推定売上高ランキングを見ると、大きく順位を上げたのはブライトリングとヴァシュロン・コンスタンタンで、リシャール・ミルは1つ順位を上げました。ロンジンとティソは、前回のように好調な売上ではなかったようです。

とくに2021年のランキングで8位に入っていたティソは11位で、今回のランキングではトップ10圏外という結果に。姉妹ブランドであるロンジン同様、中国市場の低迷がティソの売上に影響したと考えられます。

トップ10以下は、12位にウブロ、13位にタグ・ホイヤー、14位にジャガー・ルクルト、15位にチューダー、16位にパネライ、17位にヴァンクリーフ&アーペル、18位にエルメス、19位にブランパン、20位はショパールでした。エルメスが順位を上げてきていますね。

同じLVMHグループのタグ・ホイヤーをウブロが追い抜いた、というのも1つ大きなトピックですね。ウブロが好調というか、タグ・ホイヤーが不調なのか・・・?

GRANDSEIKO Evolution 9 Collection Spring Drive GMT SBGE285

モルガン・スタンレーの調査レポートはスイス時計のランキングですが、もしもグランドセイコー・セイコーを擁する日本のセイコーの時計部門が入るとしたら、何位にランクインするのでしょうか?
2022年のセイコーの売上高(2022年3月の実績ベース)は1257億円でしたから、8億スイスフランの売上よりも多いため、10位にはランクインできる模様です。いずれにしても、トップ20には絶対にランクインできるほど、セイコーの売上が好調だということがわかります。

日本国内では1万~10万円の価格帯が主力となっていますが、海外では高額帯のモデルも人気。とくにグランドセイコーは、海外限定エディションも多く取り扱っていてコレクターも多く、着実にファンを増やしています。

ロレックス(&チューダー)、リシュモン、LVMH、スウォッチ、その他独立系の「グループごとのシェア」図

スイスの高級時計ブランドは350ほど存在しますが、業界自体はロレックス、スウォッチ・グループ、リシュモン、LVMHという4つの主要なグループによって支えられています。この4つのグループの小売金額合計が、全体の75%以上のシェアを占めていることが、その証拠だといえるでしょう。ここでは、スイス時計業界のグループごとのシェア率をご紹介します。

Yacht Master 42

2023年3月に発表されたモルガン・スタンレーの年次調査報告書を見ると、ロレックス、パテックフィリップ、オーデマ・ピゲ、リシャール・ミル、ブライトリングなどの独立系ブランドのシェア獲得が目立ちます。

とくにオーデマ・ピゲとブライトリングは好調だったようですが、絶対王者であるロレックスには遠く及びませんでした。ロレックスのシェア率は30.9%で、2021年と比べて1.5ポイントもアップ。このシェア率は、ロレックスのディフュージョンブランド・チューダー(TUDOR)の売上も含まれています。

2022年のチューダーの売上高は5億5000万スイスフランで、前年比11%増でした。好調な業績を上げたチューダーですが、シェア率30.9%のうち、ロレックスだけで29.2%のシェアを占めているといいます。売上の約94%をロレックスが占め、残りの約6%がチューダーであることを知れば、ロレックスの人気の凄さがよくわかるのではないでしょうか。

Moonswatch

スイス時計業界で2位のシェア率を誇るのは、世界最大の時計グループであるスウォッチグループです。スウォッチグループの傘下には、オメガ、ロンジン、ティソ、ブランパン、ブレゲなどのブランドがあります。

傘下ブランドが多いだけに、販売される時計の価格帯もさまざま。基本的には4つの価格帯の種類があり、ラグジュアリ、ハイレンジ、ミドルレンジ、ベーシックレンジに分けられています。

2022年、スウォッチグループは推定490万本の時計を販売し、市場シェアの19.8%を占めました。オメガとスウォッチのコラボレーションモデルであるムーンスウォッチで、スイス時計の輸出量に大きく貢献したスウォッチグループ。ムーンウォッチ事業のおかげで、スウォッチの売上高は87%増加したといいます。

しかしながら、2019年や2021年と比較すると、スウォッチグループのシェア率は縮小しています。この要因として、中国市場の低迷が挙げられるでしょう。オメガとロンジンといえば、中国で大人気のブランドです。スイス時計業界全体の平均成長率は11.6%だったのに対し、スウォッチグループのみの成長率は4.6%でした。中国市場が回復すればスウォッチグループの成長率も上がるのか、今度の動向が気になるところです。

Richemont

シェア率19.5%を占めるリシュモングループ。2022年の推定売上高ランキングには、カルティエが2位に、IWCが8位に、ヴァシュロン・コンスタンタンが10位にランクインしました。安定した市場シェアを誇るリシュモングループ、グループ内の時計部門は38億スイスフランの業績をあげたとのことです。

カルティエの売上高がグループの総売上高の38.6%を占めており、カルティエがリシュモングループの稼ぎ頭であることに間違いはありませんが、IWCとヴァシュロン・コンスタンタンの業績も好調で、もう少しで売上高10億スイスフランに届きそうな勢いを見せています。

LVMHグループの市場シェア率は、6.3%でした。 LVMHグループにはウブロ、タグ・ホイヤー、ゼニス、ブルガリ、ショーメなどの高級時計ブランドがあります。2022年のモルガン・スタンレーの推定売上高ランキングには、12位にウブロ、13位にタグ・ホイヤーがランクインしています。2022年は、グループ全体にとって特別な盛り上がりに欠けた年でしたが、今後の成長に期待できそうです。

Day-Date 40

2022年の売上高ランキング上位5ブランドは、ロレックス、カルティエウォッチ、オメガ、オーデマ・ピゲ、パテック・フィリップとなりました。 スイス時計業界では、これらの上位トップ5のブランドが業界全体の売上の50%を占めており、中でもロレックスが圧倒的な人気を誇っています。

2021年同様、高価格帯の時計を販売する高級時計ブランドが大活躍し、リーズナブルな価格の時計を販売するブランドの多くは、スマートウォッチに阻まれて業績不振に悩まされました。すっかり二極化してしまったスイス時計業界ですが、これからどうなっていくのか目が離せません。




最大9社に一括査定!最高額で賢く時計を売却しましょう

業者も利用するピアゾの時計一括査定サービスをぜひお試しください!

カンタン無料一括査定に申込む