更新日:2022年12月21日

なぜ買えない?入手困難・高騰が続く大人気の雲上ラグスポ、ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズ大特集

入手困難、予約待ちが続く世界三大時計、ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズの人気の理由と魅力について

「世界三大時計ブランド」と呼ばれる、「パテックフィリップ」「オーデマピゲ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」 は、“別格”の超高級腕時計メーカーですが、人気ジャンルのラグスポにおいてもやはり、パテック・フィリップのノーチラスとオーデマ・ピゲのロイヤルオークが、そのトップをひた走ります。そんな状況に物言いをつけるように今年大躍進を遂げたのは、もう一つの“別格”、ヴァシュロン・コンスタンタン(Vacheron & Constantin)の「オーヴァーシーズ」でしょう!

現行モデル「オーヴァーシーズ Ref. 4500V/110A-B128」の価格推移を見れば、2020年の11月頃は280万円(平均価格)だった値段が、2021年の下半期に上昇の気配を見せ始め、今年になって人気が大爆発!!4月~5月には、約900万円に届く急騰を記録しました。現在は若干相場が落ち着いた雰囲気(※10月現在、約600万円前後)を見せていますが、いつ人気・価格が再燃してもおかしくない状況が続いています。

今回は“ラグスポブームの立て役者”オーヴァーシーズの魅力・価値を「大海の一滴」も見逃さない幅広い視点と情報でご紹介致します!ヴァシュロン・コンスタンタン&オーヴァーシーズの歴史や逸話、創業222周年記念モデル「Ref.222」とオーヴァーシーズコレクションの変化。“ラグスポ界の御三家”ロイヤルオーク/ノーチラスとのスペック比較、人気モデルと価格推移もご紹介。言語化しづらいヴァシュロン・コンスタンタン&オーヴァーシーズの魅力を“海よりも広くて深い”情報量でご説明致します。世界三大時計ブランドのオーヴァーシーズは、なぜラグスポ分野で突如脚光を浴びたのでしょうか!?

ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズは、ロイヤルオークやノーチラスに匹敵するラグスポを完成させた

2020年代前半、高級腕時計業界でもっともホットなトピックスは、間違いなく「ラグジュアリースポーツウォッチ(通称:ラグスポ)」でしょう。世界的に巻き起こったラグスポブームの波……「追い風に帆を揚げる(意味:勢いに乗って物事が順調に進む)」ように、ラグスポ業界を盛り上げたのは、ノーチラスでもロイヤルオークでもない、オーヴァーシーズというもう一つの“三大雲上ラグスポ”かもしれません。

18世紀に端を発する「キャビノティエ」の偉大な精神を継承してきたヴァシュロン・コンスタンタン。1755年の創業以来、時計製造を如何なる状況でも途切れさせずに、気高き“ジュネーブの精神”を時計づくりに反映させています。

その歴史は古く、「世界最古のマニュファクチュール」と公式HPで謳うほど。同じく公式HPで“世界最古”を掲げるブランパンが、創業1735年に対し1755年創業のヴァシュロン・コンスタンタン。ブランパンが「クォーツショック」で休業状態に突入する中、時計づくりを一度もやめずに続けてきたのが、ヴァシュロン・コンスタンタンというメゾンなのです。

“世界最古”の伝統と歴史を持つ、ヴァシュロン・コンスタンタン。1996年からラインナップに加わった「オーヴァーシーズ」は、『カジュアルエレガンスと実用性の精神』を哲学に掲げ、スポーツラインの代表格として、ヴァシュロン・コンスタンタンの人気を支えます。“旅のスピリット”を体言したオーヴァーシーズは、初代&第2世代の裏蓋に大海原を駆けるアメリゴ・ヴェスプッチの帆船を。シースルーバックになった現行モデルの第3世代には、22Kゴールド製ローターに、風配図(ウインズローズ)のモチーフが装飾されています。

“オーヴァーシーズ=海を渡る”その名の通り、トラベルウォッチに相応しい実用性とヴァシュロン・コンスタンタン十八番のエレガントさのバランスは、遂に世界中の時計ファンを魅了。世界的なラグスポ人気の中心的存在として、全世界の海を縦横無尽に駆け巡る活躍ぶりです!!

ピアゾの腕時計豆知識 
<キャビノティエ(カビノチェ/キャビノチェ)で育まれた>

1755年の創業以来、「キャビノティエ」の伝統を守り続けてきたヴァシュロン・コンスタンタン。キャビノティエは、カビノチェ/キャビノチェとも呼ばれ、光あふれる屋根裏部屋(キャビノティエ)を工房として、時計製造に励んだ職人達を讃える言葉です。深い教養と優れた技術、豊かな想像力と器用な指先を駆使し、特別なクライアント達へ複雑機構や装飾技法をふんだんに用いた“唯一無二のタイムピース”を製造。 高級腕時計を“芸術品”に昇華させた、まさに“プロフェッショナリズム達の申し子”でしょう!

関連して、ヴァシュロン・コンスタンタンの逸話をもう一つ。創設者ジャン=マルク・ヴァシュロンは、24歳の若さで1755年9月17日に時計製造工房の会社を設立。最初の見習い職人、イザヤ・ジャン・フランソワ・エティエと「雇用契約書」を交わします。後に大成功を納めるヴァシュロン・コンスタンタンの「最も古い公的文書」として記録にも残されています。18世紀当時は、個人個人で時計を製作するスタイルが主流とされる中、“会社という組織”でチームで時計を製造するやり方を業界に先駆けて取り入れたヴァシュロン・コンスタンタン。公的記録が証明するように、“世界最古のマニュファクチュール”の呼び名は、伊達ではありません!!

オーヴァーシーズの口コミと評判まとめ

まずは、オーヴァーシーズのネット上のイメージや評判をまとめてみました。三大時計ブランドなだけあって、ポジティブな感想と高評価が全体的に目立ちます。

【オーヴァーシーズの良い評判とイメージ】
  • 3本のベルトでオールマイティーに活躍できる
  • 実用性、美しさ。全てがパーフェクトなラグスポ
  • オーヴァーシーズの独特な色気がたまらない
  • これ一本で大丈夫なアガリ時計
【オーヴァーシーズの悪い評判とイメージ】
  • ダサい
  • ヴァシュロン・コンスタンタンがパテック・フィリップやオーデマ・ピゲよりブランドイメージが劣る
【オーヴァーシーズの注目関連キーワード】
  • マラソン、買取価格、買取相場
  • ブルー(青文字盤)、ゴールド、シルバー、チタン
  • 4500v、47040、49150、72040
  • 予約できない、予約待ち、予約キャンセル
  • 知恵袋、ツイッター、インスタ
  • デュアルタイム、クロノグラフ、ワールドタイム
  • 買えない、入手困難、高騰、プレ
  • 普段使い、魅力、スーパーコピー

インターネット上では、幅広い内容の項目が気になっているようです。ロレアートやアルパインイーグルは、検索ワードにノーチラスやロイヤルオークの影がちらついていたのですが、オーヴァーシーズは「オーヴァーシーズ自体」を知りたがっている&欲しがっているのが、ヴァシュロン・コンスタンタンというブランドの“格の凄さ”を思い知らされます。面白いキーワードが、「オーヴァーシーズ マラソン」「オーヴァーシーズ 予約待ち」など、喉から手が出るほどオーヴァーシーズを欲しがっているのも見受けられ、その点が高騰やプレミアの秘密に繋がっているのでしょう!合わせて、ネット上の評判や口コミもご紹介致します!

SNSの投稿に寄せられたコメントも合わせてご紹介します。

「新規予約すら受け付けてもらえない状況が続いている……数年待ちと言われた」
「銀座は納品が比較的早め。2020年2月予約者が特に多いという噂で、百貨店では手に入れづらい」
「正規店の人によると、今後も価格改定は継続的に行われるらしい」

ネット上では活発に、どうにかしてオーヴァーシーズの正規品を手に入れようと躍起になって情報交換が続けられています。他にも、「最古の歴史を感じさせる存在感がたまらない」や「ベルトの付け替えで毎日違う雰囲気を楽しめる」というコメントもあり、いち早く手に入れた方はオーヴァーシーズの仕上がりや実用性に大満足の様子です。

では、オーヴァーシーズの魅力を深掘りするために、まずはヴァシュロン・コンスタンタン&オーヴァーシーズの歴史とエピソードを簡単にご紹介します。

ヴァシュロン・コンスタンタンとオーヴァーシーズは、260年の伝統を遵守した変化が特徴である

オーヴァーシーズは、1977年の創業222年記念モデル「Ref.222」や「フィディアス」をルーツとしており、3つの世代が存在します。モデルチェンジを繰り返すたびに、多少なりともデザインの変更点が生じているのは、オーヴァーシーズの特筆すべき魅力でしょう!その醍醐味を堪能すべく、まずはヴァシュロン・コンスタンタンの略歴をご紹介致します!!

《ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史》 1755年・・・ジャン=マルク・ヴァシュロンが時計工房を設立
1819年・・・3代目ジャック・バルテルミー・ヴァシュロンがメゾンの経営を継承。才気溢れるビジネスマン、フランソワ・コンスタンタンと強力なパートナーシップを締結。正式な社名を「Vacheron & Constantin」に
1839年・・・時計界の産業革命、「パンタグラフ」を技術責任者ジョルジュ=オーギュスト・レショーが開発。高品質さを維持したまま生産効率の向上に成功
1880年・・・マルタ十字をデザインした「マルタクロス」をロゴに採用
1935年・・・エジプト王フアード1世に、世界で最も複雑な820のパーツを使用した「グランド・コンプリケーション」を贈呈
1955年・・・創業200周年の記念すべき年に、当時世界最薄(※厚さ1.64mm)の機械式手巻きムーブメントを発表
1979年・・・総製作時間6000時間をかけて、合計118個のダイヤモンドを使用した「カリスタ」を発表
1996年・・・ヴァシュロン・コンスタンタン渾身のスポーツモデル「オーヴァーシーズ」が仲間入り
2005年・・・創業250周年を記念した、当時もっとも複雑な16の複雑機構を搭載した「トゥール・ド・リル」を製作

略歴を見ただけでも、“世界最古のマニュファクチュール”の実力は、「看板に偽りなし」なのが見て取れますね。一点だけ特記致しますが、1839年のパンタグラフ開発は、ヴァシュロン・コンスタンタンの“変化と革新”を物語るエピソードなので、少し詳しくご説明します。

キャビノティエに代表される手作業は、コツコツとひたむきに一つの時計を丁寧に仕上げるイメージを思い描くと思いますが、ヴァシュロン・コンスタンタンは業界に先駆けて、繊細な手作業と両立して「パンタグラフ」も導入しているのが大きな特徴です。ヴァシュロン・コンスタンタンは、大小さまざまなパーツを同一複写できるパンタグラフを採用し、画一的な高精度のパーツづくりを機械に任せ、人間でなければ完成させられない微細な手仕事を職人に担当してもらうことで、より優れた“腕時計づくりの環境”を整えます。

かつては、一大産業を誇ったイギリス時計産業が、機械生産の工業化につまずいた結果、凋落していってしまったのとは対照的に、スイス時計産業は栄華を極めていくのです。

ピアゾの腕時計豆知識 
<永世中立国スイスが認めたヴァシュロン・コンスタンタン>

ヴァシュロン・コンスタンタン創業200周年の1955年は、第二次世界大戦後のジュネーブ平和会議が行われた年でもあります。アイゼンハワー大統領含め、米・旧ソ連・英・仏の各国首脳に記念品として、ヴァシュロン・コンスタンタンの時計が贈呈された逸話もあります。パテック・フィリップでも、オーデマ・ピゲでもなく、永世中立国スイスはヴァシュロン・コンスタンタンを“平和の象徴”として選んだのです。

オーヴァーシーズのモチーフである「222」はヨルグ・イゼックのデザインも人気の理

【オーヴァーシーズの祖、Ref.222 1975年~】

オーヴァーシーズの魅力を語るためには、「222」の存在が欠かせません。1970年代は、セイコーに端を発した「クォーツショック」が、高級腕時計業界をも席巻。雲上ブランドのパテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンも大ダメージを被ります。解決の糸口の一つとして、1972年にオーデマ・ピゲがロイヤルオークを発表。ゴールド製のドレスウォッチが一般的な状況を打開すべく、“ジャンボ”と呼ばれる39mmの大型なケースとわずか8mmの薄さ、常識を覆すステンレスティール素材の画期的な「ラグジュアリーでスポーティーな高級腕時計」という、新たなジャンルを生み出します。

御三家のパテック・フィリップも1976年にノーチラスを発表。ロイヤルオークと同じく、“不世出の奇才”ジェラルド・ジェンタ氏にデザインを頼み、スイス時計産業復活の狼煙を上げます。そして、ヴァシュロン・コンスタンタンも1977年にメゾン222周年を記念してラグジュアリースポーツウォッチの名機222を発表……若きデザイナー、ヨルグ・イゼック氏をデザイナーに選び、命運を託します。

2022年のラグスポブームを迎えた今だから、その“決断”が“正解”だったと豪語できますが、大冒険の選択ですよね。2022年新作として復刻された「ヒストリーク222」公式ページに記されている通り、『完璧な美は、時を超越』し、派生モデルの333、オーヴァーシーズ以前のスポーツライン「フィディアス」と、“エレガンスさとスポーツテイスト”の演出を時代に合わせて変更。ジェラルド・ジェンタデザインとは一線を画す雰囲気をそのままに、1996年の初代オーヴァーシーズへと引き継いでいくのです。

【オーヴァーシーズ誕生 1996年~】

1996年に誕生して以来、定期的に世代交代を繰り返し、デザインに“変化”をもたらすオーヴァーシーズ。各世代の簡単な特徴をご説明致します。

▼初代(1996年~2004年)▼
  • 代表モデルは3針のRef.42050&Ref.42052(35mm)やRef.42042(37mm)、クロノグラフのRef.49140(40mm)
  • ベゼルやバックル、文字盤12時位置やリューズにマルタクロス
  • ケース裏ぶたにアメリゴ・ヴェスプッチの帆船
  • 222の6葉デザインを8葉に

デザイン面を大幅にリニューアルし、トラベルウォッチに恥じぬ防水性能150m&パワーリザーブ約50時間。「高級感と実用性の両立」二つのベクトルを追求する万能スポーツウォッチの基盤を作り上げます。

▼第2世代(2004年~2016年)▼
  • 代表モデルは3針のRef.47040(42mm)、クロノグラフのRef.49150(42mm)、デュアルタイムのRef.47450(42mm)
  • インデックスにアラビア数字
  • ブレスレットをハーフマルタクロスのモチーフに変更し、装着感を向上
  • 初代にあったリューズガードを撤廃
  • 軟鉄製インナーケースにし、高耐磁性も獲得

デザイン面の変化もさることながら、前作同様の150m防水性能に高耐磁性もプラスされています。更に、リューズガードを取り除き、四角形のコマをお馴染みの「マルタクロス型コマ」に改善し、快適性を高めています。スポーティーさを上手くブレンドしつつ、より洗練されていっていますね!

▼第3世代(2016年~)▼
  • 現行モデルは3針のRef.4500V(41mm)、Ref.2300V(37mm)クロノグラフのRef.5500V(42.5mm)、デュアルタイムのRef.7900V(41mm)など多彩な32コレクション(※2022年10月現在)
  • ベゼルの8葉デザインを6葉へ変更
  • 文字盤が大きくなり、綺麗なラウンド型へ
  • シースルーバックを採用。帆船の代わりに22K製ローターにコンパス
  • 工具なしで簡単に交換できるインターチェンジャブル式ストラップを採用

それにしても目まぐるしい変化ですね。公式HPにも記載されている『余分なものを省いて必要不可欠なものだけを残した』というコンセプトは、変化部分に着目すると一貫していますね。他にも、ワールドタイムのRef.7700V(43.5mm)、トゥールビヨンのRef.6000V(42.5mm)、薄型パーペチュアルカレンダーRef.4300V(41.5mm)など、次々とバリエーションを充実させているのも第三世代の特徴でしょう。今年の新作トゥールビヨン スケルトンRef.6000Vも美しかったですね。

どの世代にも共通しているオーヴァーシーズの良さですが、エレガントさとスポーティさのまとまり感は、「見事!」の一言につきます。ヴァシュロン・コンスタンタンが手掛けるのですから、上品さの基盤は失われず……時代に沿ったモダンさも随所に強調されていますよね!

ラグスポライバル機のロイヤルオークやノーチラスは、デザインの変更面が少ない“不変性”が魅力。一方、オーヴァーシーズはアップデートのたびに、“変化”が多いのが面白い対比です。「ジェラルド・ジェンタ氏デザイン“不変”のノーチラス&ロイヤルオークVSヨルグ・イゼック氏デザイン222を“変化”させていったオーヴァーシーズ」と言ったところでしょうか。

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<ジェラルド・ジェンタの2ピース上下ねじ止めVSヨルグ・イゼックのねじ込みベゼル>

ジェラルド・ジェンタデザインとヨルグ・イゼックデザインの興味深い対比を一つご説明致します。ジェラルド・ジェンタ(ノーチラスやロイヤルオーク)方式は、防水性能を高めるために2ピース化したケースを上下ねじ止め方式でベゼルとビスを固定化させる手法を得意としています。

一方、ヨルグ・イゼック氏はもっとシンプルな打開策を思いつきます。ベゼル全体をねじ込み式に改良することで、約6mmの薄いケースに120mの高い防水性能を付与することに成功します。強力なライバル機、ロイヤルオークやノーチラスに対抗し得る「防水性」という大きな武器を222の系譜に与えているのです。

ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズは特徴まとめ

“オーヴァーシーズの人気の秘密”を解説する前に、前情報としてシリーズの特徴、ヴァシュロン・コンスタンタンというブランドの良さを簡潔にまとめてみました。

  • 3大ブランドの中でも変化を重んじる
  • 旅をテーマとした腕時計であり、3大ブランドの中でも防水性・耐磁性など実用性に秀でる
  • 多彩な変化を繰り返す幅広いモデルの種類
  • 《ONE OF NOT MANY 》(少数精鋭の一員)

特筆すべきは、何度も登場する“変化”というキーワード。オーヴァーシーズは勿論、ヴァシュロンコンスタンタンにも共通する特質性なので、気に留めてお読み進めください。

ヴァシュロン・コンスタンタンは変化と革新のスピードが早い伝統を持つ

前述の略歴を見てお分かりの通り、ヴァシュロン・コンスタンタンは時代時代で芸術的・革新的な傑作をたびたび発表しています。「また、凄いタイムピースをヴァシュロンが発表した!」凡庸なコメントしか思い浮かびませんが、惚れ惚れするような“究極”レベルの仕上げが施された、雲上時計を次々と製造できる“実力”こそが、ヴァシュロン・コンスタンタンというブランドの凄さかもしれません。

オーヴァーシーズ、ヴァシュロン・コンスタンタン双方の面白い傾向であり、「変化と革新のスピードが速く、バリエーションの手数が多い」のが、ブランドの醍醐味でしょう。裏を返せば、“世界最古のマニュファクチュール”ブランド、ヴァシュロン・コンスタンタンは、歴史あるモデルのデザインを“変幻自在”に変えていくのを得意としているのです。222を祖としたオーヴァーシーズを代表するように、モデルチェンジや世代交代を繰り返すたびに、「新しい価値」を生み出し、またヴァシュロン・コンスタンタンの凄さを再認識できる。そんな歴史の積み重ねが、ヴァシュロン・コンスタンタンの“伝統”なのかもしれません。

ラグスポ界の花形スター、ロイヤルオークやノーチラスがそのまま1970年代の“冬の時代”を現代を力強く生き抜いているのに対し、222や333、フィディアスを経て、1996年にオーヴァーシーズを新たに生み出したヴァシュロン・コンスタンタン。あえて、後発モデルに位置付けすることで、次々と新しいデザイン、より良い機能性へ“変幻自在な変化”を繰り返し、オーヴァーシーズのコンセプトでもある「海を渡る=冒険、挑む」チャレンジスピリットを体言しています。オーヴァーシーズの「進化するラグスポ」という面が、他の魅力と合わさり、現在の世界的な人気の要因として形成されているのではないでしょうか。

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<自社製の自動巻ムーブメント、キャリバー5000系という進化>

オーヴァーシーズの第三世代は、ムーブメントを自社製の「キャリバー5000系」に刷新。2016年のフルモデルチェンジは、ムーブメントの自社一貫生産も含む大掛かりなプロジェクトでした。キャリバー5000系の凄さは、また別の機会で詳細を述べるとしますが、第二世代では成し遂げられなかった「100%自社製ムーブメントの100%ジュネーブ・シール取得」という偉業は、オーヴァーシーズに更なる付加価値を与え、“高品質”を追求した純然たる進化を遂げています。 第二世代同様の耐磁性能も確保したまま、自社製ムーブメントにチェンジしています。

“人気”という点で、ロイヤルオークやノーチラスに後塵を拝してきたオーヴァーシーズ。しかし、機能性で三者を比較すると、もしかしたら“実力”という面で見れば、オーヴァーシーズが一番上かもしれません。実際に、オーヴァーシーズ(Ref.4500V/110A)とロイヤルオーク(Ref.15500ST)とノーチラス(Ref.5711/1A)のスペックを比較してみました!

≪三大雲上ラグスポの比較≫

①防水性能
オーヴァーシーズ・・・150m
ロイヤルオーク・・・50m
ノーチラス・・・120m

②ケースサイズ
オーヴァーシーズ・・・直径41mm×厚さ11mm
ロイヤルオーク・・・直径41mm×厚さ10.4mm
ノーチラス・・・直径43mm×厚さ8.3mm

③パワーリザーブ
オーヴァーシーズ・・・約60時間
ロイヤルオーク・・・約45時間
ノーチラス・・・約70時間

④値段
オーヴァーシーズ・・・3,190,000円
ロイヤルオーク・・・3,190,000円
ノーチラス・・・3,872,000円(※ディスコンのため最終定価)

機能性で見ると、ノーチラスが若干上回っているような気もしますが、コスト面も加味すると……オーヴァーシーズのトータルバランスは抜群ですよね!更に、オーヴァーシーズは、JISが強化耐磁時計と定義(※第2種耐磁時計(=耐磁性16,000A/m≒200ガウス)以上)する「約300ガウス(25,000A/m)の高耐磁性」というとっておきの武器も搭載しています。せっかくの雲上ラグスポ、普段使いしない人でも、たまには見せびらかすように、誰しも極上のラグスポを腕元に光らせたいもの。スマートフォン、パソコンなど強い磁力にさらされやすい現代社会では、実用性の観点で見れば「耐磁性能」は必要不可欠です。

他にも、ステンレススティール・レザー・ラバー3本のインターチェンジャブル・ストラップを基本装備しており、ユーティリティ性が高く、御三家の中で一番の「実用性を誇るブランド」と位置付けられるのも大きな魅力です。

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<1885年に最初の耐磁性時計を完成させたヴァシュロン・コンスタンタン>

世界最古、世界最薄、世界最高の腕時計ブランド、ヴァシュロン・コンスタンタン。1885年に耐磁性能を備えた時計も製造しているという一説もあります。オーデマ・ピゲの創業がちょうど1885年なので、「オーデマ・ピゲが創業したときに、耐磁性能を持った時計を作っている」と考えると凄いですよね!

卓越性を追求するオーヴァーシーズは、バリエーションも豊富

老舗の伝統ブランドらしく、ミニッツリピーターやトゥールビヨン、パーペチュアルカレンダーなどの複雑機構も得意とするヴァシュロン・コンスタンタン。1790年に初の複雑機構搭載の時計を製作し、2015年にはなんと57もの機能を持つ、史上最も複雑なタイムピース「リファレンス57260」を発表しています。

REFERENCE 57260のプレートにも記載されている『Faire mieux si possible ce qui est toujours possible(可能ならより良いものを。それは常に可能だ)』というメッセージ。1819年7月5日にフランソワ・コンスタンタンが、ジャック・バルテルミー・ヴァシュロンに宛てた手紙の文言です。今日のメゾンのモットーにもなったヴァシュロン・コンスタンタンの精神を象徴する一文でしょう!

260年以上も卓越性を追求し続けた気高き精神は、オーヴァーシーズにも反映されています。今年の新作「オーヴァーシーズ トゥールビヨン スケルトン(ref.6000V/110T-B935)」で、メゾン初のオールチタン製を手掛けたヴァシュロン・コンスタンタン。ブレスレット一体型オールチタン製でありながら、スケルトン加工を施し、複雑機構トゥールビヨンも搭載。その上、ムーブメント厚さわずか5.65mmという軽量・薄型化にも成功しています。

それでいて、33mmのクォーツモデルRef.1205Vや37mmのオートマティックモデル(Ref.2305V/100A-B170 )など、女性に向けてのラグスポをさりげなくエスコートしているのですから……隙のないコレクションの充実ぶりですよね!!

『ヴァシュロン・コンスタンタンは、最高級の品質、デザイン、ノウハウを提供するために、全力を集中して限られた本数の時計を生産しています。高級時計という、すでに非常に限られたセグメントにおいて、独創的で洗練された個性を持ち続けることにこだわるからです。そうした意味で、私たちも“One of not many”を体現していることは明らかでしょう』
ヴァシュロン・コンスタンタンCEOのルイ・フェルラ氏が説明する通り、「ONE OF NOT MANY(少数精鋭の一員)」という新しい広告キャンペーンは、数々の“世界一”を控えめに物語るヴァシュロン・コンスタンタンの企業姿勢に最適なワードでしょう!

毎年10億個近く製造される時計の中、スイス製は約2500万個。高級腕時計と呼ばれる50万個の中で、本当に“最高級の品質”“完成された美しさ”を誇る「本物の高級腕時計」は幾つ存在するでしょうか?ヴァシュロン・コンスタンタンは、「卓越性と厳格な基準」を遵守し、260年前から始まったキャビノティエの伝統を守り続けています。限られた数量にブランドの持てる心血を注ぎ、ヴァシュロン・コンスタンタンだけの“洗練された個性”とその“地位”を維持しているのです。

ONE OF NOT MANYというヴァシュロン・コンスタンタンらしい、“美しい高級時計づくり”の追求。端麗な信念を“メゾンのDNA”に刻み続けた重厚な歴史。時計づくりの本質を世界で一番長く追い求めてきた“ヒストリーとこだわり”こそが、ヴァシュロン・コンスタンタン並びオーヴァーシーズを輝かせる付加価値でしょう。

ピアゾの腕時計コラム 
<メゾンのDNAに根付くもう一つの信念「謙虚さ」>

『謙虚であることと伝統の継承』公式HPに記載されているように、ヴァシュロン・コンスタンタンのクラフトマン達は、優れた成果に慢心せず、「謙虚さ」を美徳としています。“ヴァシュロン・コンスタンタンと謙虚さ”がよくわかる、前CEOホアン-カルロス・トレス氏のエピソードも合わせてご紹介します。

創業260年の節目(2015年)に、ヴァシュロン・コンスタンタンの最高責任者に就任したホアン-カルロス・トレス氏。銀座ブティックがオープンした際に、ビジネスで成功する秘訣として「謙虚さ」について語っています。

「ヴァシュロン・コンスタンタンの260年に比べれば、自分は小さな存在です。100年後に自分の存在は忘れ去られても、ヴァシュロン・コンスタンタンの腕時計はアンティークとして存在しています。自分は成功者ではないので、時計師と時計愛好家達の使者として、『謙虚さ』を第一に心がけています」

1981年にヴァシュロン・コンスタンタンに入社したホアン-カルロス・トレス氏。CEO就任時には、スイス・ジュネーブの旗とスペイン・バルセロナの旗(トレス氏の故郷)が刻まれた世界に一本しかない腕時計を仲間達にプレゼントされるエピソードも。そのハンドクラフトは、既に退社したかつての仲間も混ざって、労働時間外にコツコツと完成させていたそうです。中国の古典の「ただ謙のみ福を受く(※人は謙虚にして初めて幸福を得られる)」がピッタリなエピソードですね!驕らず、高ぶらず、慢心せず、世界最古のマニュファクチュールブランドは、「謙虚さ」も重要視していたから、オーヴァーシーズの躍進に繋がったのかもしれませんね!?

オーヴァーシーズの人気の秘密まとめ

オーヴァーシーズの人気の根拠を箇条書きでまとめてみました。調べれば調べるほど、“三大雲上ブランド”はやはり凄い!と思い知らされる実力です。

  • ロイヤルオークやノーチラスと並ぶ三大時計ブランドのラグスポ
  • 流行に左右されない“独特な色気と気品”
  • 変幻自在のタイムピース、カスタマイズできる楽しみ
  • 永久修理と修復技術
  • 1901年から変わらない「ジュネーブシール」という伝統

端的にまず結論を述べますが、「子や孫に継承できる、一生モノの雲上ラグスポ」だから、オーヴァーシーズは世界的に大人気・高騰しているのかもしれません。ここ数年の資産価値の高騰ぶりは、オーヴァーシーズの実力が“正当な評価”をされ始めている証なのかもしれません。

オーヴァーシーズは世界的な高騰モデル、ノーチラスやロイヤルオークと同じ三大ブランドのラグスポである

身もふたもない話ですが、オーヴァーシーズは三大時計ブランド、ヴァシュロン・コンスタンタンのラグスポだから、大人気なのでしょう。ラグスポ界の二大巨頭、ロイヤルオークやノーチラスに引けを取らないラグスポは、オーヴァーシーズしか存在しないのです。ショパールのアルパインイーグルやジラール・ペルゴのロレアート、同じくヨルグ・イゼック氏がデザインしたブレゲのマリーンなど、「良いラグスポ、極上のラグスポ」も幾つか存在します。

しかし、パテック・フィリップとオーデマ・ピゲに匹敵するブランドは、同じく三大雲上時計ブランドと呼ばれるヴァシュロン・コンスタンタンしか、有り得ないでしょう。日本の大相撲の横綱と大関に大きな開きがあるように、“格式の高さ”を兼ね備えるヴァシュロン・コンスタンタンだからこそ、パテック・フィリップとオーデマ・ピゲとも互角に渡り合えるのです。オーヴァーシーズが人気な理由の決定的要因は、ヴァシュロン・コンスタンタンが培った“格式の高さ”にあります。

“オーヴァーシーズ 買えない、入手困難”といったキーワードに見られるように、需要が供給を上回り、まるでインゴット(金)やプラチナのように、オーヴァーシーズ自体が“普遍的な資産価値”を急速に高めているのかもしれません。モノの見方を変えれば、「ロレマラ(ロレックスマラソン)」同様、“オーヴァーシーズ マラソン”という行為は、コストや金額や労力に見合う、“価値=対価”を内包しているのかも?

オーヴァーシーズは実用性にも優れるが、ヴァシュロンコンスタンタンならではの美しい気品がある

その上で「流行に左右されない魅力」と位置付けました。上記の動画にもある「ロレックスが誘導する流行りにも影響されない。我が道を行く、知る人ぞ知るのがヴァシュロン」というコメントがウリなのかもしれません。

時を超越した完璧な美を目指し、絶えず進化を遂げてきたオーヴァーシーズ。変化が多いオーヴァーシーズですが、一貫したコンセプトのもと、1996年の第1世代から最新の第3世代まで社内デザインチームによって、より“完璧な美”を目指し、大事に育て上げられてきました。伝統的なコインエッジ模様とマルタクロスをイメージさせる6角形(8角形)のベゼル。断然人気の青文字盤に象徴される鮮やかな半透明のブルーラッカー……どれも主力となり得る美しさです。

優れた防水性と耐磁性能、重量感と高級感のバランスなど、機能性・実用性にも優れたオーヴァーシーズ……各ディテールに着目すれば、幾らでも長所を見つけられます。しかし、ヴァシュロン・コンスタンタンという“ブランドらしさ”の魅力を言語化して語るのは、テーマとして難しく、 時計愛好家達やプロでも「これだ!」と語り切れないのではないでしょうか!?一つの定義として、その魅力をピアゾ編集部が考えるには、ヴァシュロン・コンスタンタンらしさとは、“独特な色気”と“アースティックな気品さ”がポイントなのかもしれません。

元々、スポーツラインよりクラシックコレクションを得意としているヴァシュロン・コンスタンタン。コレクション展開も「マルタ」「パトリモニー」「トラディショナル」など、高い作り込みを必要とするシンプルな時計づくりを伝統芸としています。

装飾のごまかしを必要としない芸術的な仕上げの美しさは、ずっと眺めていても飽きが来ない“究極の美”と形容しても異存はないでしょう……口コミでもよく見かけるように、オーヴァーシーズも毎日眺めたくなる美しさですからね!!

ヴァシュロンコンスタンタンの歴史は常に動き続け、オーヴァーシーズでスポーティーウォッチを完成させた

ではなぜ、オーヴァーシーズを筆頭にヴァシュロン・コンスタンタンのタイムピース達は、“独特な色気”や“アースティックな気品さ”を兼ね備えているのでしょうか?メゾンが掲げる『常に動き続ける』というヴァシュロン・コンスタンタン主義に、ヒントが隠されているかもしれません。アースティックに時計づくりを追求してきた、“流行に左右されない”我が道を行くような変化の歴史を繰り返すヴァシュロン・コンスタンタン。ライバル機のノーチラスやロイヤルオークは、デザイン的な変更面がほぼない“不変性”を貫くのに対し、オーヴァーシーズは“変化”そのものを美しさとして昇華させています。

その姿勢は、まさにアート(芸術)の求道者……日本芸能の「守破離(しゅはり)」のように、パトリモニーやトラディショナルの“守”を最重要視しつつ、333やフィディアスで“破”を模索し、オーヴァーシーズで“離”が花開いたような、芸術性を感じさせるのです。口コミでも多く見かける「オーヴァーシーズは男の色気がある」「ヴァシュロン・コンスタンタンの時計はエロい」などの感想は、“アースティックな気品さ”をベースにしつつ、“スポーティーさ”を極めていった結果、“独特な色気”を醸し出し、その魅力を見抜いたひと言かもしれません。「ロイヤルオークのような“スポーツウォッチ”ではない、オーヴァーシーズらしい“スポーティーウォッチ”」を随所に覗かせているのですから。

年代によって時代を感じさせる独特なヴァシュロン・コンスタンタン独自のデザインセンス……ヒストリークアメリカンのように、時に革新的なデザインが市場にウケづらいケースがあったとしても、トレンドや流行りに寄り添わず、常に動き続けてきた結果、オーヴァーシーズは現在の“流行”を作り出しているのかもしれません。

ピアゾの腕時計コラム 
<銘酒「飛露喜」の醸造元代表もオーヴァーシーズを愛用>

銘酒「飛露喜」で日本酒業界に、「無ろ過生原酒」の新たな日本酒ブームを生み出した廣木酒造。飛露喜醸造元代表の廣木健司さんもオーヴァーシーズを愛用しています。
伝統を重んじる酒造りのプロフェッショナルが、面白い見解をインタビューで語っています。

「ヴァシュロン・コンスタンタンは創業した人の“におい”が残っていて、ブランドの雰囲気として“におい”を感じます」
「酒蔵も代々守り続けることを誇りとしているのですが、同じ“におい”を感じました」
「歴史は時に重荷になります。売れる味と市場に求められる味、自分が作りたい味で揺れ続ける中、流されてはいけない制約を守らなければいけない。少し前にデカ厚時計が流行ったのに、流されなかったヴァシュロン・コンスタンタンの“本質と信念”にシンパシーを感じます」
「ヴァシュロン・コンスタンタンの時計は、強く出ない、時計が威張っていない雰囲気が好きです。ベルト次第でスーツでもカジュアルでも着こなせるオーヴァーシーズを気に入りました」

酒造りと時計づくり。守るべきものを守り、新しい“価値”を生み出し続ける“老舗”の凄さ。変わり続けているように見えるヴァシュロン・コンスタンタンは、もしかしたら“本質”は一番変わっていないのかもしれませんね!?その培われた独特の雰囲気が、“におい”のように、私達腕時計愛好家達を魅了してしまうのでしょう。なんだか、オーヴァーシーズを眺めながら、銘酒「飛露喜」を嗜みたくなってきてしまいましたね!!

オリジナルストラップにカスタマイズできる点もオーヴァーシーズに付加価値を与えている

ブレスレットとストラップで印象が大きく変わる高級腕時計。オーヴァーシーズはブレスレットとフォールディング・バックルを数秒で固定できる特許を取得済み。150mの防水性能と約300ガウスの耐磁性能も合わさり、変幻自在に“自分だけの冒険”にマッチします。

また、ヴァシュロン・コンスタンタンのブティックへ来店予約すれば、お好みで自分だけのカラー(※レザー、ステッチ、サイドエッジ)にカスタマイズできるのも極上の喜びを演出するのに一役買います。ライニング(※表面処理)に、自分だけのデザインやメッセージを施せるのも面白いポイントです。

「カスタマイズベルトにしたら、新しい時計を購入した気分になれた」「全然違う時計になったみたいで嬉しい」など、“自分だけのラグスポ”をカスタマイズできるのも嬉しい魅力ですよね!!オーヴァーシーズを“愛機”にまで愛し抜いている方なら、多彩なストラップを駆使して、自分だけに微笑む色々な“ラグスポの顔”を既に楽しんでいることでしょう!!

ヴァシュロンコンスタンタンの永久修理保証制度は、オーヴァーシーズの資産価値を高めている

資産価値の面で、熱視線を浴びている人気のラグスポ達……出来れば、自分から子供へ引き継ぎ、半永久的にメンテナンスを施し、世代を超えて使い続けられれば“理想”です。

ヴァシュロン・コンスタンタンは、パテック・フィリップやオーデマ・ピゲ、IWCやジャガールクルトだけが掲げる「永久修理」という“一生モノの腕時計”にするためのバックアップ体制も充実。超一流ブランドは、メンテナンスのサポートも最高峰なのです。何世紀も前のムーブメントをオリジナルに極めて近い状態を維持するために、お客様へ修復サービスを提供しているヴァシュロン・コンスタンタン。修復作業を専門とした12人のスペシャリスト達が、2世紀前のムーブメントや何十年以上も前のノウハウを“永遠”とするべく、日夜研鑽を積んでいます。

鼓動を止めてしまったタイムピース達は、まずヘリテージ部門に手渡され、真贋の鑑定と共に時計のオリジナルの状態を入念にチェック。修復箇所を正確に判断した後に、マニュファクチュールの在庫を探し、代替部品がない場合、まったく同じパーツを一から作ります……時には、熟練ジュエリー職人・ギヨシェ職人・ジェムセッター職人の力も借り、19世紀の道具を用いて修復する徹底ぶり。古くなってしまったムーブメントの時の刻みを“不朽”のものにしているのです!

腕時計の資産価値を高めるためには、サスティナビリティ性(持続可能性)やメンテナンス面も必要不可欠です。ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズは、子や孫に……半永久的にその“恵まれた資産価値”を継承できる、永久修理環境も完備!ヴァシュロンコンスタンタンのタイムピース達は、資産価値も随一になれるポテンシャルを秘めているのです。

ヴァシュロン・コンスタンタンは高品質規格のジュネーブシール取得にこだわっている

ヴァシュロン・コンスタンタンのシンボルマークのマルタクロスが1880年。そしてもう一つ!変わらない伝統としてこだわっているものが、1901年から続く「ジュネーブシールの認証」です。ムーブメント規格はCOSC(スイス公認クロノメーター規格)が代表的ですが、より厳格で限定的なジュネーブシール(ジュネーブスタンプ)の称号も存在します。パテック・フィリップやショパール(※L.U.Cコレクション)など、限られたブランドのみが刻印を許された栄えあるスタンプなのです。「伝統の維持」に重きを置かれたジュネーブシールは、紛れもないスイスのジュネーブで製造されたお墨付きを得ることができ、卓越した技術と熟練した職人芸をそのブランドが保有していることを証明する名誉も付与されます。
完璧な美は、一つひとつのタイムピースに、厳しい規格を課し、丁寧な手作業で制作・装飾・検品することで、“品質と伝統”が守られるのです。

ヴァシュロンコンスタンタンの定番モデルはパトリモニー、マルタなどのドレスウォッチだったが、近年オーヴァーシーズが主力モデルである

オーヴァーシーズの人気モデル・高騰モデルをご紹介する前に、ヴァシュロン・コンスタンタンの定番モデル&人気モデルを簡単にご紹介致します!

  • 唯一無二のスポーツライン「オーヴァーシーズ」
  • シンプルな薄型ドレスウォッチの決定版「パトリモニー」や「マルタ」
  • 「トラディショナル」や「フィフティーシックス」

ヴァシュロン・コンスタンタン全体のお勧めモデルを強いて言うとするなら……やはり、雲上ブランドの至高の仕上げを堪能できる、パトリモニーやマルタのような、“シンプルなドレスウォッチ”は外せません。前述の「型があるから型破り!流行に左右されない“独特な色気と気品”が魅力」でもご説明したように、260年以上研鑽を積んだ“守=伝統、正統派”の凄さを理解することが、ヴァシュロン・コンスタンタン&オーヴァーシーズの魅力を堪能することに繋がりますから。

オーヴァーシーズは定価の値上がりも多く、更なる高騰の可能性を秘めている

これだけ賞賛すべきところの多いヴァシュロン・コンスタンタンですが、パテック・フィリップやオーデマ・ピゲとブランドイメージを比較すると、ブランドの総合力は少し低いかもしれません。“完璧な美”をアースティックに、革新的なデザインをリリースするヴァシュロン・コンスタンタンは、ヒストリークアメリカンの例のように、斬新さが裏目に出る場合もあります。“世界最古のマニュファクチュールブランド”なのに、ブランド格付け・評価では3位争いに甘んじる「認知度の低さ、イメージの弱さ」は、オーヴァーシーズの価格推移で考えた場合、懸念事項でしょう。

ラグスポ資産価値の価格推移をにらめっこしている方ならご賛同してもらえると思いますが、「まだ上がりそう」「もう下がりそう」両方の“強さと弱さ”をアンバランスに抱える危うさも、オーヴァーシーズの特徴であり魅力かもしれません。事実、Ref.4500V/110A-B483は、9月時点で約480万円だった販売相場が、10月前半現在には約630万円まで上昇しているのですから。

買取視点で見たオーヴァーシーズの高騰&気になるモデル

4500V/110A-B128の価格推移と傾向

◎4500V/110A-B128(断然人気の青文字盤SSモデル)

去年の今頃は290万円前後だった販売相場が、今年の3~5月には約900万円まで高騰。現在は600万円台を漂っています。中古の在庫は、若干過剰気味だとも伝えられているので、もう少し下がっていく可能性もあり。また、上がり始めた場合は要注意なエース機!!

4500V/110R-B705の価格推移と傾向

◎4500V/110R-B705(青文字盤&ゴールド)

約680万円台だった価格が、2021年後半から右肩上がりに。今年の4~5月には約1880万円台まで上昇!!ただし、複数在庫を抱えている店舗も多数見受けられ、実質的な価格(※700万円前後で売り切れたケースも)が反映されていない可能性も。ここ数ヶ月で約400万円~500万円下がり気味な傾向含め要検討な存在!

デュアルタイム 7900V/110A-B334の価格推移と傾向

デュアルタイム 7900V/110A-B334(青文字盤SSモデル)

今年の6月から上がり調子で現在は約500万円前後に上昇中。定番の青文字盤&3針モデルに比べれば、比較的緩やかな値幅。
冒頭で懸念事項もお伝えしましたが、それでも“雲上ラグスポ”の実力ぶりは、ただものではありませんね!記事後半の「オーヴァーシーズの人気傾向と今後」もお楽しみに!!

変化が多く、その魅力を理解しづらいヴァシュロン・コンスタンタン&オーヴァーシーズ。資産価値にも影響する、海外の視点も参考にしてみましょう!

チャンネル登録者数2.3万人のWatchesOnYouさんの「オーヴァーシーズがロイヤルオークを超えている理由」という動画です。

『the over seas is my grail watch , it used to be AP and PP not anymore(オーヴァーシーズは私のホーリーグレイル(※聖杯)です。以前はAPとPPがそうでした)』by Phillip Pughさん
『This exact VC Simple-Date you reviewed here is the ONLY high-end watch I would buy. I prefer it WAY more than PP and AP. The silver dial would be my first choice, but would be happy with blue, brown, or black. Great job, thanks!(VC Simple-Date(※ヴァシュロン・コンスタンタンの3針モデルの意味)は、私が唯一購入した高級時計です。PPやAPより好き。シルバーダイヤルが一番欲しかったけど、ブルーやブラウン、ブラックでも満足。良い出来栄えに感謝です!)』by mrg1911さん

海外の評判や口コミも高評価の連続ですね!中には、「オーヴァーシーズを永遠に愛せる」などのコメントもあって、一目惚れしてしまう方も少なくありません。

こちらは、ウォッチボックス(WatchBox)さんのオーヴァーシーズVSノーチラスの比較動画です。印象的なコメントを要約抜粋しますが、「ノーチラスとオーヴァーシーズは甲乙つけがたい。が、ノーチラスの高騰ぶりは値段に見合うものではない」は、考えさせられるシビアな見解ですね。

最後に、ウォッチファインダー(Watchfinder & Co.)さんの約34万回再生の動画です。一番心に響いたのは、「1か月前に42mmを買ったのですが、全ての面で私の期待を上回りました!ケースとムーブメントの仕上げの素晴らしさ。ブレスレットがシルクのような着け心地。最高級のラグジュアリースポーツウォッチです」というコメントですね。シンプルにオーヴァーシーズの良さを体験談として物語っていると思います。他にも、勉強になる見解と心に響く感想が沢山あるので、興味のある方はご自身でチェックしてみてください!!

読者としては一番知りたい「オーヴァーシーズはまだ値上がりしていくのか?」「そろそろ値下がりしていくのか?」今後の動向は、ヴァシュロン・コンスタンタンファンでなくても気になりますよね。相場の鉄則「もうはまだなり、まだはもうなり」を重要視して、オーヴァーシーズのあり得る展開をまとめてみました。関連して、「ロレアートの人気傾向と今後」「アルパインイーグルの人気傾向と今後」も気になる方はどうぞ!!

オーヴァーシーズの動向予測

  1. ラグスポブームは続き、オーヴァーシーズの資産価値はますます上がっていく
  2. しばらくは緩やかな上昇や下落、横ばい状態が続く
  3. 変化を繰り返すオーヴァーシーズの第4世代モデルが登場。より洗練された8つ葉に変更する、あるいは完成された(斬新?過ぎる)四つ葉のマルタクロスを発表。ディスコン(現・第3世代)モデルが高騰or値下がり

まず前提情報として、2022年2月1日、7月1日(一部モデル)、10月1日と同年に三度も価格改定(値上げ)をしたという状況をインプットしておくのが重要です。更に、10月11日から開始された入国者数上限撤廃も影響し、歴史的な円安状況をチャンスと見た“爆買い”インバウンド需要が、ラグスポ並びにオーヴァーシーズにどのような影響を与えていくかを考慮する必要性もあります。

①や②は難しいところですね……横ばい気味だったここ数ヶ月の状況を「落ち着いている」と見るか、「下がるのを必死でこらえている」と感じるか、「また上がるために力を蓄えている」と思うか、答えは“未来”にしかないと思います。どうなるかはわからない……というのは共通の認識だと思うので、シンプルに相場の格言「山高ければ谷深し」で当てはめて考えるのも手です。最高値を記録した3~5月付近に比べれば、現在の横ばいは比較的“谷”に近い状態です。

損をしないためにネガティブな考えも勿論必要ですが、「谷深ければ山高し」相場のエネルギーが蓄積するかのように、再度急カーブするポテンシャルをオーヴァーシーズが秘めている面は、警戒して損はありません。三度の価格改定・円安・インバウンド需要・話題性の高さ……オーヴァーシーズ自体も“世界三大雲上ラグスポ”の地位に上り詰めており、入国者数上限撤廃の煽りを受けて、国内では更なる“品薄”になる恐れもあります。短期的視野については、判断材料が多すぎるので、数年後に「あの時、オーヴァーシーズを買っておけば良かったのに……」と後悔しない判断をするのが良いでしょう!

③は長期的視野で見た、オーヴァーシーズというモデル価値です。何しろ、変化の多いヴァシュロン・コンスタンタン。販売相場のアップダウンもどこ吹く風で、唐突な第4世代を発表。よりブラッシュアップさせた第4世代誕生の可能性だけでなく、唐突な8つ葉モデルへのリブランディング。はたまた、四つ葉のマルタクロスを猛プッシュして、更なる資産価値向上orコケてブランドイメージダウン……などもあり得ます。他にも、222や333、フィディアスからオーヴァーシーズとモデルチェンジを繰り返すヴァシュロン・コンスタンタンなので、次世代は“全く違う名前のモデル”という可能性まであります。
皆ひとりの人間、全ての可能性に対応はしきれません。

「オーヴァーシーズの第3世代がディスコンモデルになった未来、プレミア化or人気が下火になって手に入れやすい時、今の自分はどうしたいか!?」
時計ファンなら自分のスタンスとスタイル、“オーヴァーシーズという雲上ラグスポの向き合い方”を予め決めておくのが、一番大切なのかもしれません。

ピアゾの腕時計豆知識 
<名前・歴史・資産価値で見たロイヤルオークとノーチラス、オーヴァーシーズのライバル関係>

頭を整理するために、箸休め的な余談を最後に一つ。ロイヤルオークやノーチラスが戦艦をモチーフにしているのに対し、ヴァシュロン・コンスタンタンは「オーヴァーシーズ(海を渡る、超える)」というネーミングセンス。他二つの雲上ブランドをどこかライバル視していて、茶目っ気も感じさせます。徐々に時計愛好家達にも親しまれつつある、オーヴァーシーズという味のある名前……ロイヤルオークとノーチラスをオーヴァー(超え)できるラグスポは、総合的に判断してオーヴァーシーズだけと結論付けて間違いはないでしょう!“見切りが早い”ヴァシュロン・コンスタンタンが、同じメンバーでオーヴァーシーズという銘品を手厚く育てており、本気でロイヤルオーク&ノーチラス超えを狙っているのも、名前から伝わってきますし!

特に日本人は、“御三家”や“四天王”という別格視する表現を古くから好み、ライバル関係のヒストリーを時々で楽しみ、ファン以外からも注目が集まるなどして、歴史はより華やかに彩られてきました。ロイヤルオークやノーチラスがラグスポ分野で、“神格化”されつつある状況は、オーヴァーシーズ(ヴァシュロン・コンスタンタン)にとっては、「渡りに船」な情勢かもしれません。かつて、16世紀の宗教改革が影響し、各国の時計職人がジュネーブに流れ込んだ時代……パテック・フィリップとヴァシュロン・コンスタンタンは、その流れを受けて創業を始め、現在のライバル関係を確立。「伝統を尊び、伝統を作ること」に長けたヴァシュロン・コンスタンタンなら、その260年以上の歴史が証明してきたように、オーヴァーシーズも更なる躍進を遂げるでしょう!!

ロイヤルオークやノーチラスよりも実用性に秀でていながら、他二つ同様の永久修理体制が整っており、ブランドとしての格も引けを取らない高さ……総合的に見て、普段使いも視野に入れられ、子や孫に家宝として引き継げる、オーヴァーシーズに死角なしと言ったところでしょうか。

三大雲上ブランドの中で、「渋い!」「時計通」という印象をもたれがちなヴァシュロン・コンスタンタン。「パテック・フィリップでもオーデマ・ピゲでもなく、ヴァシュロン・コンスタンタンの時計を買いたい!」という、時計愛好家も徐々に増えつつあり、ヴァシュロン・コンスタンタンの独自性や独特な色っぽさがウケ始め……やっと、時代が追い付いてきたのかもしれません。

異次元の変化のスピードと大胆なモデルチェンジが醍醐味のヴァシュロン・コンスタンタン&オーヴァーシーズ。今まではロイヤルオークやノーチラスに少し遅れを取ってきたかもしれませんが、“名誉挽回”な状況はしばらく続きそうです。そして何より!いち時計ファンとして、オーヴァーシーズ第3世代の更なるラインナップの充実、第4世代でどのような“変化”を遂げるのか、今から楽しみが尽きません!!

資産価値で見れば、高騰や値上がりの連続で少し“異常事態”が続く、ラグスポ分野。マイペースにヴァシュロン・コンスタンタン主義を貫くオーヴァーシーズをお酒のアテとして、秋の夜長の晩酌のお供にのんびりと思索に耽る……“そんな大人の息抜き”を楽しむ、味のある姿を子供に見せるのもオツですよ。

目まぐるしい変化が続く腕時計買取事情。お客様の希望が叶う高額買取を実現するためには、独自のノウハウと業界最先端の相場を把握しきったバイヤーたちとの連係プレイが必須です。ましてや、雲上三大ブランドのヴァシュロン・コンスタンタン。海外市場の人気急上昇をも理解した、“ブランドの格”に相応しい「高い査定結果」をお客様は一番お望みだと思います。

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