更新日:2023年02月02日
さて、なかなか海外旅行にも行けないし、と、高級時計の購入を検討している方も多いかと思いますが、海外高級腕時計ブランドの値上げラッシュが止まりません!2022年は「9月1日からロレックス値上げ」という衝撃の(いや予想してたか)ニュースに続き、10月以降もタグ・ホイヤー、ヴァシュロン・コンスタンタン、A.ランゲ&ゾーネ、ウブロ、ショパール、モンブラン、クストス、11月はカルティエ、シャネルやジン、ノモス、12月はティファニーなど、多くのブランドが価格改定という名の値上げを実施。さらに2023年も値上げは続き、1月には再びロレックス、チューダー、ジャガー・ルクルト、ブライトリング、ブルガリ、そして国産のグランドセイコー、2月にはオメガ、ブレゲなどのスウォッチグループのブランドや、ベル&ロスなど、高級ブランドの価格改定の情報が続々と入ってきています。枚挙に暇がない、というよりは、もはや値上げしていないブランドを見つける方が困難なほどです。一体なぜこんなに高級腕時計の定価が値上げされるのでしょうか?
2022年9月にはロレックス、オーデマ・ピゲ、ブルガリ、パネライ、ジャガー・ルクルト、ジラール・ペルゴ 、シャネル、IWCなどが相次いで価格改定を実施。ロレックスは8月にチューダーと同時に値上げかと思いきやステイ、だったので安心していたのも束の間、まぁ正直そりゃそうですよね、、、といったところで、さらに2023年1月にも値上げ。9月には円相場も1ドル140円台に突入し、2023年1月には131円程度にまで落ち着いたものの、値上げの波は今後も続きそうな状況です。
本ブログでは、今年2022~2023年に価格改定(値上げ)したブランドと値上げ時期・値上げ率をまとめてご紹介しつつ、高級腕時計ブランドの価格改定の原因・背景や今後の見通しについても考察したいと思います!
2022年、コロナ禍が一段落の兆しを見せ、一気にモノが動き始めたので物価が上昇しています。さらに2月ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁なども物価を押し上げる要因となっています。5月4日、0.5%の利上げを決定というパウエルFRB議長の発言を受け、日米の金利の格差を決定的にとなり、ドル高円安は急激に進みました。その結果、輸入大国・日本では輸入品の価格が上がる「輸入インフレ」が急激に起こっています。
特に原油ばりに強烈なインフレが進行し、「内外価格差の是正」とのダブルパンチで、度重なる値上げを実施しているのが高級ブランドです。例えば、2021年8月1日に値上げしたロレックスは、そこからわずか5ヵ月ほどしか経っていない2022年1月1日、さらにまた8か月後の2022年9月1日に相次いで価格改定を実施。2021年7月に価格改定したカルティエは、2022年に入って5月と7月の2回既に価格改定を行い、さらに2022年11月15日(火)より、一部商品価格改定を予定しています。
また、2021年に4回もの値上げを実施したルイ・ヴィトンも、2022年も2月に約10~25%という大幅な価格改定を実施しました。世界の主要なラグジュアリー企業はコロナ禍をものともせず業績を伸ばしています。
少しずつ上がっていても、ほんの1~2年前の定価と比べるとかなりの割合で値上げされている計算になります。既に時計を持っている方にとっては、資産価値が上昇する可能性もある良いニュース、とも言えますね。一体この定価の上昇はいつまで続くのか。これから時計を購入しようという方にとってはなかなかテンションの下がるニュースで申し訳ありませんが、次項では今年2022年に価格改定(値上げ)したブランドと値上げ時期・値上げ率をまとめてご紹介します。
ロレックス (ROLEX)、チューダー (TUDOR)、パテック・フィリップ (Patek Philippe)、オーデマ・ピゲ (AUDEMARS PIGUET)などの独立系ブランドのほか、オメガ (OMEGA)、ブレゲ (BREGUET)などを擁するスウォッチグループ、タグ・ホイヤー (TAG Heuer)、ゼニス (ZENITH)、ブルガリ (BVLGARI)などを擁するLVMH、パネライ (OFFICINE PANERAI)、ジャガー・ルクルト (JAEGER LECOULTRE)、IWC、カルティエ (Cartier)などを擁するリシュモンなど、いずれのブランドも2021年に値上げを行い、2022年にも数回、そして2023年に入ってもさらに値上げを実施・予告している状況です。
これから各ブランドの値上げ時期、値上げ率などについてご紹介して参ります。
もはや逃れようのない事態と言えるのでしょうが、ロレックス (ROLEX)は2022年9月1日にほぼ全商品について約7%の値上げを実施し、そこからわずか4ヵ月ほどしか経っていない2023年1月1日に再び価格改定しました。
1月の値上げ幅はモデルによって異なり、2~3%前後の引き上げに止まったものの、人気モデルの定価は上昇が続き、消費者の悲鳴が聞こえてきそうですね。
例えば超人気モデルのコスモグラフ デイトナ 116500LNは1,720,400円 → 1,757,800円、サブマリーナー デイト ref.126610LNは1,196,800円 → 1,222,100円、GMTマスターII ref.126710BLROは1,247,400円 → 1,271,600円、エクスプローラーI ref.124270は847,000円→ 860,200円、エクスプローラーII ref.226570は1,122,000円→1,147,300円と、いずれも2%前後の値上げ幅でした。
ただしロレックスは中古市場や並行市場において定価の2~3倍以上の価格で販売されるなど、とんでもないリセールバリューを誇りますので、定価がどれほど上がろうとも、正規店ルートで購入できれば最安、という状況に変わりはありません。品質、デザイン、換金率。どれを取っても他の追随を許さないロレックス、これからも安定した人気を維持するでしょう。
ロレックス最新のデイトナ、GMTマスターII、エクスプローラーなど主要モデル定価一覧表はこちらから!
チューダー (TUDOR)は2022年8月に>約7%の価格改定(値上げ)を実施。そして2023年1月1日、ロレックスに同調する形で、さらなる値上げに踏み切りました。値上げ率は10%前後で、2022年新作の「チューダー ブラックベイ プロ Ref.79470」や「チューダー レンジャー Ref.79950」も値上げ対象となっています。
例えば2022年8月の値上げで「ブラックベイ 79230N(M79230N-0009)」は443,300円→474,100円となり、2023年1月の値上げでは518,100 円とついに50万円を超えました。
同様に「ブラックベイ GMT 79830RB(M79830RB-0001)」は2022年8月の値上げで473,000円→506,000円となり、2023年1月の値上げでは551,100 円となりました。最新定価の価格表は下記リンクをご覧ください。
チューダー最新のブラックベイ、レンジャー、ヘリテージなど主要モデル定価一覧表はこちらから!
パテック・フィリップ (Patek Philippe)は、2022年2月1日に値上げを行い、さらに2022年6月1日に2回目となる改定を実施し。急激な円安基調を受けて約10%程度の値上げとなりました。そして2022年10月18日に再び改定され、もはや天井知らず・・。
ノーチラス 5711/1A-010が生産終了し、高騰しすぎて「もはや定価とは・・・?」な世界のパテック・フィリップ。あまり定価を気にしている人もいないかもしれませんが、どんどこ定価は上昇し続けています。
2022年3月30日~4月5日にスイス・ジュネーブにて開催される”Watches and Wonders 2022”にて発表されたパテックフィリップ新作はこちら。
オーデマピゲ (AUDEMARS PIGUET)は2022年1月に続き、2022年9月1日に今年2度目の価格改定(値上げ)を実施、値上げ幅は全商品を対象に、約 8%とのことでしたが、ステンレスのロイヤルオーク(15500ST)は2,915,000円から3,190,000円と、9.4%の値上げとなっており、モデルによって僅かながら値上げ幅の大小はあったようです。さらに2023年1月に再び価格改定し、ほぼ全てのモデルで3~4%程度値上げされた模様。2021年から1月と9月に定期的に価格改定されているような流れとなっていますね。
昨年2021年1月、2021年9月の値上げに続き、2022年1月には全モデル約10%程度の値上げしたところでまた値上げ。ため息が出そうですね・・・。
2022年9月は約8%値上げということで、例えば上述しましたが、超人気のスティールモデル、「ロイヤルオーク 15500ST.OO.1220ST.01」の2022年8月時点での定価は2,915,000 円でしたが、9月1日の価格改定で3,190,000円になり、さらに2023年1月の値上げで3,300,000円に。ううーん、これはなかなか大きな金額ですね。とはいえ中古腕時計市場では900~1,200万円前後で販売されている超プレミアモデルですから、定価で購入できたら万々歳、という状況に変わりはありませんね。
資産価値の高さも魅力オーデマピゲ(Audemars Piguet) のロイヤルオーク(Royal Oak)定価一覧表はこちらから!
2022年2月1日にほぼ全モデルで約7%値上げしたオメガですが、2022年7月29日、一部モデルについてさらに約6~10%の値上げを実施しました。さらに2023年2月1日値上げを予定しているとのこと。
例えば「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル 42mm 310.30.42.50.01.002」は2022年1月時点では847,000円でしたが、2月1日に924,000円に値上げ、さらに7月の値上げで990,000円となりました(全て税込価格)。この数か月で約17%、143,000円も定価が上がってしまったんですね。さらに2023年2月1日の価格改定で1,067,000円とついに100万円の大台に。
オメガの通常モデルは、並行・中古腕時計市場では定価以下で販売されていますが、定価が上昇すれば若干つられて上がってくる可能性はありますね。
資産価値の高さも魅力オーデマピゲ(Audemars Piguet) のロイヤルオーク(Royal Oak)定価一覧表はこちらから!
2022年3月に全モデル3%前後の値上げしたブレゲ (BREGUET)ですが、全商品を対象にさらに 2022年8月22日、約 10~12%の値上げを実施しました。また、 2023年2月1日値上げ予定です。
例えば「マリーン クロノグラフ 5527BB/Y2/5WV」は2022年2月時点での定価は4,026,000円でしたが、2022年8月6日時点での定価は4,147,000円となっており、さらに8月22日の価格改定で約12%近く値上げして4,642,000円(税込)となり、半年でなんと60万円以上の値上がりとなりました。2023年2月の価格改定ではさらに10%ほど値上げして5,148,000円となりました。ベースの定価が高いとはいえ、1年で100万円以上の値上げとは、シビれますね・・・!
「為替状況の影響、ならびに世界的な原材料費、物流費の高騰を受けた値上げ」と、2022年5月24日にほぼ全てのモデルを対象に値上げを実施したハリー・ウィンストン (Harry Winston)ですが、さらに 2022年8月10日、2022年12月1日と相次いで価格改定しています。8月の値上げ率はジュエリーは約10%、時計は約3%前後。12月の値上げ率は平均5%程度でした。
例えば「HW アヴェニューCミニ・ムーンフェイズ AVCQMP16WW001」は、2022年に入ってから 2,585,000円 → 5月改定後 2,717,000 円 → 8月改定後 2,805,000円 →12月改訂後 2,948,000円と、当初から比べると金額にして363,000円、14%の値上げとなっています。 やはりハイブランドは値上げの割合が大きくなくても金額にするとかなり大きいですね。
2022年3月1日に一部モデルを3%前後の値上げしたブランパン (BLANCPAIN)ですが、原材料費の高騰と円安を受け、2022年8月22日より一部商品について 約 10~12%前後の値上げとなりました。さらに 2023年2月1日にも値上げしています。
例えば2022年新作の「フィフティ ファゾムス バチスカーフ 5000-1210-G52A」は2022年8月22日に、1,353,000円→1,518,000円と約12%の値上げ、さらに2023年1月にさらに10%ほど値上げして1,683,000円に。最もクラシックなコレクション「ヴィルレ」を見てみると、「ヴィルレ ウルトラスリム 6651-1127-55B」は1,155,000円→1,298,000円 →1,430,000円と、ほぼ同様の値上げ率となっています。
スウォッチグループ傘下のドイツ時計ブランド、グラスヒュッテ・オリジナル (GLASHÜTTE ORIGINAL)は、原材料費の高騰と円安を受け、2022年8月22日、一部商品について 約 4~9.8%前後の値上げを実施しました。また、オメガ、ブレゲなどスウォッチグループで足並みを揃えるようにして、 2023年2月1日値上げ予定です。
例えば「セネタ・エクセレンス Ref.1-36-01-01-02-61」は2022年8月22日の価格改定で、1,144,000円→1,232,000円と約7.6%、2023年1月の価格改定で1,287,000円へ約4%ほど値上げしています。
同様に「パノリザーブ Ref.1-65-01-22-12-61」は1,232,000円→1,298,000円→1,364,000円、「パノマティックルナ Ref.1-90-02-45-35-62」は、2,420,000円→2,607,000円→2,739,000円と値上げしています。
2022年2月1日にモデルによって5%または7%値上げしたロンジン(Longines)。その際発表された対象コレクションリストは以下の通りでした。
■7%値上げ→コンクエスト、ハイドロコンクエスト、ロンジン プリマルナ、プレザンス、ヘリテージ クラシック、ヘリテージ ミリタリー、ヘリテージ アヴィゲーション
■5%値上げ→ロンジン エヴィデンツァ、ロンジン エレガント コレクション、ロンジン 1832、フラッグシップ、ラ グラン クラシック ドゥ ロンジン、ロンジン ドルチェヴィータ、ロンジン マスターコレクション、ロンジン レジェンドダイバーの一部商品
さらに2022年7月1日より、「ロンジン マスターコレクションL2.673.4.92.0」「ロンジン レジェンドダイバー L3.774.4.90.2」など一部商品が値上げされています。そして最新情報としては、他のスウォッチグループのブランド同様、2023年2月1日に値上げを実施しました。
ハミルトン (HAMILTON)は、限定モデルなど一部を除く商品を対象に2022年7月29日に約5~8%前後の値上げを実施。ジャズマスターやベンチュラなど人気モデル、新作も対象となった模様。さらにに22023年2月1日、約9%程度の値上げを実施しています。
例えば「ベンチュラ(VENTURA) H24301131」は115,500円→7/29より125,400円と8.5%値上げ、さらに2023年2月より133,100円と約6%値上げしています。
同様に「ジャズマスター オープンハート42mm H32705141」は138,600円→149,600円→160,600円、「カーキ アヴィエーション パイロット パイオニア H76419931」は107,800円→113,300円→119,900円と値上げしています。
2022年3月改定前から追ってみると「ジャズマスター オートクロノ ref.H32596141」は3月の価格改定で 203,500円→236,500円となりましたが、7月の改定でさらに242,000円、2023年2月の改定で271,700円に。「ベンチュラ クオーツ ref.H24411232」は同様に、100,100円→108,900円→118,800円→126,500円と徐々に値上がりしています。
タグ・ホイヤー (TAG Heuer)はほぼ全商品を対象に2022年4月1日に価格改定(値上げ)しました。モデルによって値上げ率はかなり幅がありました。さらにモデルによって割合に差はありますが、全商品を対象に2022年10月1日、約 7%前後の値上げを実施しました。
2022年4月の値上げでは、例えば「カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ CBN2011.BA0642」は632,500円→649,000円と16,500円、約2.6%程度の値上げでしたが、10月1日の価格改定で693,000円と約7%値上げ。「カレラ キャリバー16 クロノグラフ CBK2112.BA0715」は4月に484,000円→533,500円と約10%値上げし、10月には555,500円とさらに4%ほどの値上げとなりました。
「モナコ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ CBL2111.BA0644」は4月の価格改定では775,500円→836,000円と65,000円、7.8%の値上げでしたが、10月の価格改定でさらに約7%値上げし、896,500円となりました。
「カレラ キャリバー5 デイデイト WBN2013.BA0640」は4月に357,500円→390,500円と約9%の値上げでしたが、10月の価格改定では412,500円と5.6%ほどの値上げに。「アクアレーサー プロフェッショナル 300 WBP201A.BA0632」は357,500円→390,500円と約9%の値上げでしたが、さらに10月に407,000円と約4%の値上げとなっています。
2022年10月のタグ・ホイヤーの価格改定はモデルによって値上げ率にばらつきはありましたが、4月の値上げ前から比べると、通算で約14%ほどの値上げとなっているモデルが多いように見受けられますね。
ゼニス (ZENITH)は2022年4月1日に価格改定を実施。クロノマスタースポーツ、クロノマスターオリジナル、クロノマスターリバイバル、デファイ エル・プリメロ21などを対象に2~10%の値上げとなりました。
例えば「クロノマスター リバイバルA384 ref.03.A384.400/21.C815」は935,000円→968,000円と約3.5%値上げ、「クロノマスター オリジナル ref.03.3200.3600/69.M3200」は1,034,000円→1,100,000円と約6%値上げとなりました。
ウブロ (HUBLOT)は2022年4月1日に平均で5%の価格改定を実施しましたが、さらに2022年10月1日、約10%の値上げを実施しました。
例えば10月の価格改定で「ビッグ・バン ウニコ チタニウム ダイヤモンド REF.421.NX.1170.RX.1104」は税込3,179,000円→3,498,000円へと値上げ。値上げ率は約10%、金額にして約32万円ほど、となかなかのインパクトですね。
「クラシック・フュージョン
チタニウム 42mm REF.542.NX.1171.RX」は9月時点の定価が891,000円(税込)ですが、こちらは979,000円(税込)となりました。
2022年4月に平均7%ほど値上げしたブルガリ (BVLGARI)ですが、全商品を対象に2022年9月5日より平均約 4%の値上げを実施。さらに2023年1月10日、一部商品の値上げを実施し、商品により3~10%程度の値上げとなりました。
ブルガリは2021年も4月、11月に価格改定を実施しており、例えば2019年発表の「オクトフィニッシモ クロノグラフGMT 103068」は、発売当初の定価は2,073,600円だったのですが、2022年8月時点では2,288,000円まで上昇しており、約10%ほどの値上がりに。さらに2022年9月の価格改定により約4.8%値上がりして、2,398,000円となり、2023年1月10日の価格改定では約10.5%値上がりして、2,651,000円となっています。
数多くあるハイブランドの中でもダントツトップの勢いで価格改定しているルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)。2021年には4回もの値上げを実施、対象はバッグが多いですが、2021年10月の価格改定では時計の商品も対象となりました。2022年2月には約10~25%の値上げという驚異的な強気の価格改定を行っています。2022年11月にも値上げが実施されたとか。
定点では追えておりませんが、例えば「タンブール オトマティック ストリート ダイバー スカイラインブルー ref.QBB172」は、2021年新作として発表された当時の定価は948,200円でしたが、2023年1月時点での定価は1,043,900円まで値上がりしています。
「タンブール オトマティック GM モノグラム エクリプス Ref.QBB168」は新作発表当時の定価は695,200円でしたが、2023年1月時点での定価は741,400円と6.6%ほど値上がりしています。
ティファニー(TIFFANY & CO.)は、2022年8月8日(月)より、結婚指輪とハイジュエリーの一部商品の価格を改定しました。また、2022年9月5日(月)に、一部商品を除き価格改定し、さらに2022年12月5日、一部商品を除き価格を改定しました。
2022年12月の価格改定で「ティファニー 1837 メイカーズ 16mm スクエア ウォッチ 69345808」は¥913,000→¥957,000、「ティファニー アトラス 2-ハンド 24mm ウォッチ 63320803」は¥775,500→¥819,500となりました。
2022年3月17日に約8~9%値上げしたショーメ (CHAUMET)は2022年6月16日に約10~15%の値上げを実施しています。
2022年6月1日に平均で約5%値上げしたパネライですが、2022年9月1日より価格改定を予定しています。全商品を対象に約 8%の値上げとのこと。
「ルミノール マリーナ PAM01312、PAM01313、PAM01314」は1,012,000円→1,091,200円(税込)、「サブマーシブル クアランタ クアトロ PAM01226、PAM01229」は1,144,000円→1,229,800円といずれも約8%程度の値上げとなります。
2022年1月、6月、9月に一部モデルを値上げしたジャガー・ルクルト (JAEGER LECOULTRE)ですが、2023年1月1日よりさらなる値上げを実施。例によってモデルによって値上げ率は異なり、約8~12%の値上がりとの情報です。
2022年9月の価格改定で「レベルソ・クラシック・ミディアム・スモールセコンド Q2438522」は950,400円 → 1,135,200円となんと約19%も値上げしました。さらに2023年1月には1,302,400円と、約15%値上げされ、1年も経たないうちに金額にして約35万円も定価が上がっています。
「レベルソ・クラシック・ラージ・スモールセコンド Q3858522」は9月の価格改定で 985,600 円 → 1,161,000円(税込)と約17%も価格が上がりましたが、さらに2023年の1月には1,328,800円とさらに14%も値上がり。
また、「マスター・ウルトラスリム・ムーン Q1368430」は9月の値上げで1,434,400 円 →1,584,000円と約10%値上げ。さらに2023年1月には1,628,000円と割合としては2.7%ほどで小幅ではありますが価格上昇しました。世知辛いですね・・・。
ポルトギーゼ、ポートフィノ、パイロットウォッチといった人気モデルを擁し、リシュモングループの中核をなすIWC。 2022年1月(約3%~5%)、4月(一部商品5~10%)の値上げを経て、ほぼ全ての商品を対象に2022年7月1日に今年3度目となる値上げを断行。値上げ率は約5~8%でした。さらになんとなんとなんとなんと2022年9月1日に平均3~5%値上げを実施しました。
一例を挙げますと、「IWC ポルトギーゼ・クロノグラフ IW371605」は1月の価格改定前は907,500円でしたが、1月の改定後は951,500円、7月の価格改定後は990,000円と今年だけで約9%値上げとなっていましたが、さらに9月改定で新価格 1,017,500円に。値上げ幅は2.7%程度ですが、ついに100万円を超えてしまいましたね。
Watches and Wonders 2022で発表されたIWCの2022年新作をチェック!
2022年5月にも一部商品を5%前後値上げしたカルティエ (Cartier)ですが、2022年7月29日に約8%~10%の価格改定を実施しました。さらに2022年11月15日(火)より、一部商品価格を改定する、と公式サイト上でもアナウンスされています。
2022年7月に実施された価格改定で、例えば「サントス ドゥ カルティエ WSSA0030」は929,500円→998,800円(税込)と約7万円、約7%程度の値上げとなりました。2022年新作の「サントス ドゥ カルティエ WSSA0047」は973,500円→1,069,200円(税込)と約95,000円、約10%も上昇しています。人気のレディースモデル、タンクフランセーズやパンテール、パシャなども価格改定しています。カルティエ値上げの更なる詳細はブログをご確認ください。
2022年7月29日に価格改定したカルティエの人気主要モデルの新旧定価一覧表を作成しました!
2022年2月1日に「フィフティーシックス 」の一部のモデル、「エジェリー」の一部のモデル、「オーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー 」などを値上げしたヴァシュロン・コンスタンタン (Vacheron Constantin)。2022年7月1日にほぼ全てのモデルを対象に平均10%の値上げ、さらに2022年10月1日に約9%、再度の値上げを実施しました。
例えば「オーヴァーシーズ・オートマティック 4500V/110A-B128、4500V/110A-B126、4500V/110A-B483」は7月の改定で約10%値上げして2,662,000円→2,926,000円に、その後10月の改定で3,190,000円と約9%の値上げとなりました。「オーヴァーシーズ・クロノグラフ 5500V/110A-B148、5500V/110A-B075、5500V/110A-B481」も同様に、7月の改定で,828,000円→4,224,000円と約10%の値上げ、さらに10月で約9%値上げして4,620,000円となっています。
通好みな高級時計ブランドA.ランゲ&ゾーネ (A. LANGE & SOHNE)。2021年3月15日の値上げ以来、約1年2カ月ぶりとなる2022年5月1日に価格改定を実施。値上げ幅は10〜15%程度となり、もともとハイクラスな価格設定なこともあって、結構なインパクトがありましたね。さらに2022年10月1日にも値上げを実施しました。
例えば「ランゲ1 LS1914AD/191.032」は5月の価格改定で4,477,000円→4,829,000円(税込)と、割合では約8%ほどですが、金額にすると35万円ほどの値上げとなりました。さらに10月の改定で約10%値上げして5,324,000円となりました!
「サクソニア・フラッハ LS2014AG/201.033」は大幅値上げとなり、2,178,000円→2,717,000円(税込)と約25%、金額にすると約54万円もの値上げとなりましたが、10月の改定ではわずかに2.8%ほど値上げして2,794,000円となりました。
人気のラグスポ、「オデュッセウス 363.179」は10月の価格改定で4,213,000円→4,653,000円と約10%ほど値上げされています。どんどん手が届かなくなりますね。
本格的な機械式時計ながらリーズナブルな価格設定も魅力のモンブラン(MONTBLANC)ですが、時計商品について 2022年10月1日に、約 5~8%前後の値上げを実施しました。モデルによっては10%以上の値上げとなったものもあるようです!
「モンブラン スター レガシー フルカレンダー(MB118516)」の2022年9月時点での定価は588,500円でしたが、10月の価格改定で618,200円と約5%の値上げとなりました。「モンブラン 1858 アイスシー オートマティック デイト(MB129369)」は、387,200円から 434,500円と約12%も値上げされた模様。
2021年8月以来、約9カ月ぶりに2022年5月12日にブライダル製品を除くほぼ全ての商品を対象に約10%の値上げを実施したヴァン・クリーフ&アーペル (Van Cleef & Arpels)。さらに2022年10月18日にも値上げを実施しました。
例えばロースゴールド製の「スウィート アルハンブラ ウォッチ vcaro8sf00」は5月の価格改定で885,500円→973,500円と約10%の値上げとなり、さらに10月の価格改定で1,056,000円まで約8%値上げされました。ほんの5ヵ月ほどで約17万円の値上げ、なかなかですね。
ピアジェ (PIAGET)は2022年5月1日より時計商品を対象に約3~10%の値上げを実施しましたが、さらに2022年10月1日価格改定を実施しました。
例えばSS製の「POLO ウォッチ G0A41002」は5月の改定で1,443,200円→1,566,400円(税込)と約8.5%の値上げとなり、10月の価格改定でさらに4%値上げして¥1,636,800(税込)となりました。
ボーム&メルシエ (BAUME&MERCIER)は、2022年5月10日に約7~8%の値上げを実施しましたが、さらに2022年9月26日、全商品を対象に約 10%の値上げを実施しました。
5月時点の値上げで、例えば「クラシマ オートマチック M0A10214」は275,000円→297,000円(税込)となり、9月の改定で324,500円と約9%の値上げ。 「リビエラ ボーマティック M0A10617」は5月時点の値上げで456,500円→495,000円といずれも約8%の値上げとなり、9月の値上げでは539,000円とこちらも約9%の値上げとなりました。
エルメス (Hermes)は2022年8月8日(月)より、結婚指輪とハイジュエリーの一部商品の価格を改定しました。2023年1月25日に一部商品の値上げを実施しました。
例えば「ケープコッド PM 31 mm」は¥366,300→¥411,400、「ギャロップ ドゥ エルメス GM 40 mm」は¥1,144,000 → ¥1,287,000 と、いずれもと約12%ほど値上がりしています。
ブライトリング (BREITLING)は2022年5月20日に一部モデル及びアクセサリー類(ストラップ・バックル)の価格改定を実施。モデルによって値上がり率は異なりますが、平均5~10%の値上げとなりました。さらに 2023年1月20日に約5%の値上げを実施しました。
2022年5月の価格改定で、人気の「クロノマット B01 42 AB0134101G1A1」は979,000円→1,045,000円と約6%値上がり、さらに2023年1月の価格改定で1,105,500円と、約5.8%の値上げとなりました。
同様にブティック限定の「スーパー クロノマット B01 44 AB0136251B2S1」は1,023,000円 → 1,105,500円(約8%値上げ)→ 1,166,000円(約5%値上げ)、
「ナビタイマー オートマチック 35 A17395211A1A1」は660,000円 →715,000円(約8%値上げ)→ 753,500円(約5%値上げ)、
「プレミエ B01 クロノグラフ 42 AB0118221G1P1」は1,001,000円→ 1,045,000円(約4%値上げ)→ 1,105,500円(約約5.8%値上げ)とじわじわ定価が上昇しています。
2022年2月1日に約10%前後値上げしたジラール・ペルゴ (GIRARD PERREGAUX)ですが、一部商品を対象に2022年9月1日に約 10%の値上げを実施しました。
ここ数年のラグスポブームの影響でジラール・ペルゴの「ロレアート」は人気急上昇中です。例えば「ロレアート(LAUREATO) 42mm 81010-11-634-11A」は2月の価格改定で1,419,000円→1,595,000円へと上昇。9月の改定後の価格はさらに約12%もの値上がりで、1,793,000円となりました。
また188本限定の「ロレアート アブソルート ゴールドフィーバー 81060-21-492-FH3A」は2022年9月の改定で、2,134,000円→2,398,000円と12%の値上げとなりました。
フランク・ミュラー2022年8月1日に一部商品の価格改定を実施し、このときの値上げ幅はモデルによってバラバラでした。
なお、2022年10月1日(土)より、「FRANCK MULLER JEWELLRY(フランクミュラージュエリー)」の価格改定(値上げ)が実施されています。
例えば「ヴァンガード セブンデイズ パワーリザーブ スケルトン V45S6SQT ACNR」は4,730,000円→5,170,000円と金額にして440,000円、約9%の値上げとなりました。
2021年には2月、7月、9月、11月となんと4回もの値上げを実施したシャネル (CHANEL)。さらに今年に入って2022年2月15日に一部モデルのみではありますがさらに値上げを実施、続いて2022年9月1日にも値上げを実施、そこからわずか2カ月ほどですが、一部新作モデル除き、全モデルを対象として2022年11月2日値上げを実施しています。 ここ最近の”超”円安を反映して、値上げ率は平均10%程度と、かなり大幅になるとの情報も!
例えば「J12キャリバー12.1 H5697」は昨年11月時点で792,000円 →2月の改定で880,000円→2022年9月の改定で979,000円(税込)と、1年と経たないうちに24%近く上昇。そして2022年11月の価格改定後の価格は約13%上昇して、1,111,000円となりました。たった1年で319,000円、1.4倍も上昇したことになります・・・!
11月2日(水)の価格改定で値上げ額が判明しているモデル例をいくつかご紹介します。
スペックの割にお手頃な価格設定が魅力のボールウォッチ (BALL WATCH)ですが、2022年6月10日に価格改定を実施しました。値上げ率は5%程度のものから20%超のものまで、モデルによってかなり差がありました。
例えば、「エンジニア ハイドロカーボン ネドゥ G5 ref.DC3226A-S4CJ-BK」は528,000円→572,000円(税込)と、8%程度の値上げ率でしたが、「ロードマスター パイロットGMT ref.DG3038A-S2CJ-BK」は330,000円→385,000(税込)と、約16%の値上げとなりました。
アルパインイーグル、ハッピーダイヤモンドなどが人気のショパール (CHOPARD) ですが、 2022年10月3日、約 8%の値上げを実施しました。
アルパイン イーグル ラージ(REF. 298600-3001)の2022年9月時点での定価は1,705,000円でしたが、10月の価格改定で1,848,000円、約8.3%の値上げとなりました。
また、「アルパイン イーグル XL クロノ(REF. 298609-3001)」は2022年9月現在の定価が2,497,000円でしたが、10月の価格改定で2,695,000円、約7.9%の値上げとなりました。
ドイツの時計ブランド、ジン (Sinn)は2022年4月1日に一度価格改定をおこなっていましたが、再度2022年11月1日(火)より現行の時計および一部のベルト商品において価格改定(値上げ)を実施しました。値上げ率についてはモデルにより異なり、約 2~18%、平均10%前後の値上げといった情報があります。価格改定の理由について、ジンの公式サイトでは以下の通り説明されています。
「ジン社製品の価格につきましては、現在の価格を維持するよう努力してまいりましたが、ジン社からの出荷の値上げおよび急激な為替変動により、価格据え置きが困難となってまいりました。つきましては、誠に不本意ながら下記の通り価格改定を実施させていただくこととなりました。」
例えば定番人気の「ジン Sinn 556.I.RS.M」は2022年10月現在の定価 264,000円(税込)ですが、11月の価格改定で約8%値上げして、286,000円(税込)となりました。
また、定番のクロノグラフ「ジン Sinn 103.B.SA.AUTO」は2022年10月現在の定価 484,000円(税込)ですが、11月の価格改定で約11%値上げして、539,000円(税込)となりました。
為替変動等の影響により、ドイツの高級時計ブランド「ノモス グラスヒュッテ(NOMOS Glashütte)」も限定モデル等、一部を除く現行モデルにおいて、 2022年11月1日に価格改定(値上げ)を実施しています。値上がり率は2%~5%程度とのことです。
値上げ後の価格が判明しているモデルを一部ご紹介します。
2022年4月1日に価格改定を実施し、一部のモデルが2~5%の値上げとなったベル&ロス。来年2023年2月1日にまた価格改定を実施し、アイスブルー文字盤が人気の新作「BR-X5」も¥924,000→ ¥990,000(ブレスレットタイプ)と7%ほど値上げされました。
2022年4月1日の価格改定で、ベル&ロスの「BR 05 GMT」は¥632,500(税込) → ¥649,000(税込)へと2.6%ほど値上げし、さらに2023年2月の改定で¥715,000 (税込)と約10%も値上げとなりました。
さて、海外ブランドばかりを取り上げて参りましたが、実はグランドセイコーも一部モデルを価格改定しています。「諸経費の上昇など諸般の事情により」、2022年4月に「SBGA211”雪白”」などを含むチタンモデル対象8機種を5~6万円値上げしました。詳細はリンク先をご覧ください。
グランドセイコーの「SBGA211 雪白」含む一部モデルが値上げ!新旧価格を比較!
そして、2023年1月23日、一部商品について価格を改定する、と発表されました!調べてみたところ、モデルによって9~14%前後、平均12%程度の値上げとなりました!価格変更前後の価格表など、詳細は関連記事をご覧ください。
グランドセイコー(GRAND SEIKO、GS)が2023年1月23日に一部商品を価格改定(値上げ)すると発表しました!
皆様ご承知の通り、2022年円相場はかなり上下に乱高下しつつ、全体としてはやはり円安傾向でした。振り返ってみると、115円程度で始まった2022年、当初は一時的とみられていたコロナ・ショック後の米国のインフレ率の上振れが、ウクライナ紛争の影響も重なって想定以上のものとなり、強烈に上振れして米連邦準備理事会(FRB)が超速利上げを開始、日米の金利差が広がることで円安ドル高の傾向が強まりました。7月14日に1ドル=139円台と24年ぶりの円安水準となり、ったのも束の間、一転して円が買われる展開となり、円高ドル安が進み、為替相場は不安定な状況となりました。
7月27日の連邦公開市場委員会(FOMC)後、0.75%の大幅な利上げを決めつつも、パウエル議長が会見で米国が今後の利上げペースを落とす可能性に言及すると、アメリカ経済の先行きへの懸念が一気に強まり、8月2日に円相場は1ドル=130円台まで大きく値上がりしましたが、それも束の間。
10月には一時151円と32年ぶりの高値を記録。ただ、その後は日本政府が巨額のドル売り・円買い介入を実施し、ドル安・円高が進行しました。
師走の日銀会合で予想外の緩和修正発表により1日で約7円もの円高ショックを招き、一時130円と4カ月半ぶりの安値圏まで差し込み、相場が安定しない1年が終わりました。
134円程度ではまだまだ戻りは甘いな、というところ。2021年の8月頃の円相場を見てみると、1ドル=110円前後。(下記グラフ参照:ここ5年の米ドル/円 為替相場チャート表)この事実を思えば、モノの値段はまだまだ元の水準に戻すどころか、さらなる「値上げの波」が来ることも想像に難くない状況です。高級ブランド腕時計の価格改定(定価値上げ)は今後もしばらくは続く、というのが編集部の見方です。
日銀の金融政策の修正は一定の効果を上げ、さらに12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で更新された政策金利見通しによれば、来年の春頃には5%程度で打ち止めになる可能性が示唆されており、今後の米利下げ局面への移行を見越して、ドル売りが進む可能性は高く、緩やかながら徐々に130円割れ程度の円高傾向となるはず、という見方ができます。
しかし2016年頃のように高級ブランドが「値下げ」に転じるほどの円高水準に達することは非常に難しいと思います。
いくら定価が上がろうとも、上記のような人気モデルは「正規店で定価で購入する」のが一番安い、という状況には変わりありません。また、新型コロナウイルス関連の規制が緩和され、外国人観光客が増加すれば、数年前のようなインバウンドの「爆買い」によって国内の高級品がさらに品薄となるのは必至です。
逆に定価に近い値段で中古販売されている腕時計の相場は、定価が上がればもちろん上昇していくでしょう。当面「値下げ」が実施されそうな因子が見当たりませんので、いずれにしろ、購入したい腕時計がある方は「買い時はいつ?」とお悩みかもしれませんが、「出会ったときが買い時」と言えるのかも。