更新日:2020年09月11日
今回はグランドセイコーの資産価値に重点を置いて、現在高騰中のモデルや将来的な資産価値の予想をしてみたいと思います。最近海外でも人気が高まっているグランドセイコー。日本限定モデルも多いことから、中古市場も流動的になっており、バイヤーも目を光らせています。そんなグランドセイコーの詳しい事情についてまとめたので、ぜひチェックしてみてくださいね。
“今”時計界で注目度が高まっているブランドといえば、グランドセイコーをあげる専門家も多いのではないでしょうか?
1960年にセイコーの技術力を受継いで誕生したグランドセイコー。堅実なものづくりで実用的かつ美しいデザインの国産高級時計は、今や世界最高峰と呼べるブランドです。
高級ブランド時計=スイスウォッチという概念を覆す、高い技術力を持つグランドセイコーは、9Fクォーツ、スプリンドライブ、メカニカルなどの他にはないマニュファクチュールムーブメントを開発。スイスの規格を上回る「新GS規格」という独自規格を設定するこだわりようは、日本人らしさとも言えるかもしれません。
世界最大の時計祭典「バーゼルワールド」では、その高性能かつ画期的ムーブメントに、業界人や技術者達から多くの関心と賞賛を集めました。
こうしたムーブメントの機構はグランドセイコーの大きな特徴と言えますが、シンプルなフォルムに刻まれる繊細なデザインにも注目されており、日本の伝統工芸が用いられるなど、“和”と“巧みの業”を感じさせるこだわりがあります。
近年ではそのデザイン性で多くの海外ファンを獲得。2018年にイタリア・ミラノでおこなわれた世界規模のデザインの祭典「ミラノデザインウィーク」に初出店すると、各デザイン関係者からも注目を集めることに。
出展されたスプリングドライブの特徴である、“文字盤の上を滑る秒針”がエモーショナルなタイムピースと絶賛されました。(参照:日刊工業新聞)
1960年から始まったグランドセイコーの歴史は、近年海外からの注目度が急激に高まっていることなども影響し、中古市場での買取価格が高騰しています。そのため、グランドセイコーは“今”だからこそ資産価値をチェックしておきたいブランドなのですね。
上記でお伝えしたとおり、海外の流動や動向も関係し、資産価値が高まって来ているグランドセイコー。その理由をもう少し詳しくお話していきます。
実は今台湾やタイ、インドネシアなどのアジア圏でグランドセイコーが大々的に広告活動をおこなっているそう。メインステーションなどに大きなポスターが飾られ、また国の著名人が起用されたCMなども公開されています。そのため、一気に注目度が高まっているんですね。
特に目立った人気があるのが“スノーフレーク”文字盤のモデル。ホワイトやライトブルーなどの雪をイメージしたカラーから、ディープ系のカラーまであり、一見和紙のようにも見える凹凸を施した模様が特徴です。この人気はアジア圏内に留まらず、SNSを見ると欧米やヨーロッパの時計マニア達からも情報発信されているよう。インスタではハッシュタグがスプリングドライブなどを抜いて、#gradseikosnowflakeが5000件以上の投稿数となっています。
しかも、この投稿のほとんどが日本人ではなく外国人。こうしたことから、海外では「日本らしさ」や「和を感じる」など、海外で見ると個性的に見えるデザインに高い人気が出る傾向があります。グランドセイコーの時計には、デザインにそれぞれ“和”のコンセプトが定められており、また、種類が豊富なことから特別感が高いのも、海外人気の理由のひとつ。そのため、日本限定の少量生産モデルに需要が集中することも多々あります。
グランドセイコーの価格高騰モデルをご紹介します。これまでの高騰モデルをチェックすることで、今後の動向を読みやすくなったり、また資産価値を見極めるヒントになることが多々あります。ぜひ参考にしてみてくださいね。
素材 | SS |
文字盤 | グリーン |
ムーブメント | スプリングドライブ |
ケースサイズ | 46.8mm×39.0mm |
重量 | 143g |
参考定価 | 496,800円 |
限定 | 200本 |
素材 | SS |
文字盤 | ブラック/有機的パターン |
ムーブメント | スプリングドライブ |
ケースサイズ | 40mm×12.5mm |
重量 | 148g |
参考定価 | 649,000円 |
限定 | 銀座店舗限定250本 |
優雅な銀座の夜の街をイメージして造られたSBGA425 GINZA Limited Editionはブラックカラーに光るピンクゴールドのインデックスが魅力的なモデルです。銀座限定モデルの前作も話題となり人気がありましたが、今作も価格が高騰中。 参考価格が649,000円に対し、現在898,000円まで高騰しており、中古市場では換金率が92%を誇っている需要の高いモデルです。
素材 | SS |
文字盤 | ブラック |
ムーブメント | 9Fクォーツ |
ケースサイズ | 39mm |
参考定価 | 370,000円 |
限定 | 9F25周年記念800本限定 |
9Fクォーツ25周年を記念して、800本限定で製造されたSBGN001。海外でも便利なGMT機能が搭載されており、イエローカラーにブラックの文字盤というデザイン性も加わって、国内外問わず注目が集まっています。グランドセイコーはシンプルでスタンダードなイメージが定着していますが、近年スポーツウォッチの人気も高まっており、有名人でも使用している人が多いんですよ。 参考定価370,000円に対し、中古市場での販売価格は458,000円まで高騰中です。
素材 | SS |
文字盤 | グラスグリーン |
ムーブメント | スプリングドライブ |
ケースサイズ | 40mm |
参考定価 | 590,000円 |
限定 | 銀座店舗限定100本 |
先ほど登場した銀座限定モデルSBGA425の前作となるSBGA409。銀座の柳並木をイメージした奥ゆかしくも爽やかなデザインで、こちらも海外人気が高まっています。 限定本数がSBGA425よりも少ない100本ということで、更に希少価値が高く価格も高騰中。参考定価が590,000円に対し、販売値が998,000円にまでつり上がっています。
素材 | SS |
文字盤 | シルバー |
ムーブメント | 9Fクォーツ |
ケースサイズ | 37mm |
重量 | 130g |
参考定価 | 315,000円 |
限定 | グランドセイコー誕生50周年記念 |
グランドセイコーの誕生50周年を記念した、特別な限定モデルのSBGX075。ダイヤルの3時の位置にゴールドの「獅子」のロゴと「50th Anniversary」の文字が更なる特別感を醸し出しています。 参考定価が315,000円に対し、現在558,000円まで価格が高騰中。50周年というプレミア感と、ファッションを選ばず合わせやすいシルバーカラーということもあり、需要が右肩上がりです。
素材 | SS |
文字盤 | シルバー |
ムーブメント | ハイビート |
ケースサイズ | 40mm |
重量 | 151g |
参考定価 | 4,700ユーロ(約577,000円) |
限定 | 海外限定 |
こちらはいわゆる逆輸入の価格高騰モデル。通称ピーコックと呼ばれるSBGJ227は海外のみの限定モデルで、海外人気だけでなく日本での人気も上昇しています。参考定価は4,700ユーロ(約577,000円)が海外サイトを見てみると現在6,931ユーロ(約851,000円)で販売されています。
上記のようにさまざまな理由で価格が高騰し、資産価値として注目されているモデルがたくさんあるのですね。ただし、必ずしも「限定モデルだから資産価値が上がる」「希少価値が高いから価格が高騰する」というわけではないようです。
例えば、以下のモデルを見てみましょう。
SBGA055 誕生50周年記念モデル スプリングドライブ
50周年記念モデルは上記でもご紹介したとおり、価格が高騰しているものもあります。その反面、価格が急落しているモデルもあるのです。スプリングドライブが搭載されているということもあり、9FクォーツのSBGX075と同等、もしくはそれ以上の人気が予想されますが、こちらは価格が下落中。実はこれ、販売側が「50周年記念のスプリングドライブが高騰するだろう」と予想し、一部の業者が販売価格をあらかじめ高額に設定したため売れ残ってしまったため、価格を下げなければいけない状況になってしまったようです…
以下のモデルも同じような傾向であることが予想されますね。
インバウンドが復活すると価格が一気に高騰する可能性があるとお伝えしましたが、現行モデルはもちろん、今後販売予定のモデルにも既に注目しているファンが多いんですよ。今回はその中の1つをご紹介したいと思います。
SLGA003 60本限定 日本グランドセイコーブティック専用モデル
素材 | ブライトチタン |
---|---|
ケースサイズ | 46.9mm×16mm |
ムーブメント | スプリングドライブ |
今回はグランドセイコーの資産価値についてを中心に調査してみましたが、いかがでしたでしょうか?価格高騰中のモデルやその特徴なども非常に興味深い情報がありました。ロレックス投資などと呼ばれ、スイスの高級時計が資産価値として考えられてきましたが、今後は国産のグランドセイコーがそのポジションを担う時代が来るかもしれません。今後も市場の最新情報から目が離せませんね。