更新日:2026年08月12日
2026年7月、時計好きのSNSを一斉にざわつかせたオメガ×スウォッチ「MISSION TO THE MOON 1969(型番:SSX01B700)」。応募には独自の抽選申請システム「ESTA(Electronic Swatch Timepiece Application)」への合格が必須という異例の販売方式が話題となりました。
応募が殺到し、申込フォームに入力しようとした人は、エラーメッセージが表示されたり、正常に処理されなかったりする現象が起こりました。応募締め切り後、公式Xにてなんと「100万人以上の応募」があったことが明らかにされています。
そしてついに、Swatch公式サイトにてESTAの正解が公開されました。本記事では、モデル概要とあわせて、全32問の公式解答リストと特に話題になった設問の見どころをまとめてご紹介します。
オメガとスウォッチによる純金仕様のムーンスウォッチ「MISSION TO THE MOON 1969」が登場!世界限定1969本をめぐる抽選システム「ESTA」の申請ルールから、時計のスペック、気になるリセールバリューの予測まで徹底解説します。
本モデルは、アポロ11号のミッション成功を記念して1969年に製作されたゴールド仕様の「OMEGA Speedmaster」へのオマージュとして誕生しました。文字盤・針・リューズ・プッシャーには、OMEGA独自の合金「18K Moonshine™ Gold」を採用。使用されているゴールドはOMEGAが保管していた1969年当時のスペアパーツを溶解して作られたもので、総重量は11グラム。ミッションナンバー「11」にちなんだ遊び心が込められています。
世界限定1,969本のナンバリングモデルで、購入には抽選申請システム「ESTA」への合格が必要という、これまでのMoonSwatchシリーズにはない販売方式が採用されました。
| モデル | MISSION TO THE MOON 1969 |
|---|---|
| 型番(Ref.) | SSX01B700 |
| ケース素材 | マットブラックのBioceramic、クラウン・プッシャーはOMEGA 18K Moonshine™ Gold |
| ケースサイズ | 直径42.00mm × 厚さ13.25mm(ラグ間47.30mm) |
| ムーブメント | クロノグラフ、クォーツムーブメント |
| 駆動方式 | クォーツ(電池式) |
| 防水性 | 3気圧 |
| 日本定価(税込) | ¥102,300 |
ESTAは、アメリカ入国時の電子渡航認証システムをもじった、Swatch独自のオンライン抽選申請フォームです。応募者は全32問の設問に回答し、内部審査員が選考のうえ、世界で1,969名の当選者に購入権利が付与されるという仕組みでした。
設問は、選択式(正解が明確に決まっているもの)と記述式(決まった正解のない自由回答)の2種類で構成されていました。選択式は全問正解が選考の前提条件となる一方、記述式は「独創性やオリジナリティ」をもとに社内審査委員会が評価するとされています。つまり、選択式を全問正解しても、記述式の内容次第で選考に通らない可能性がある点には注意が必要です。
お待たせしました、ここからが本題です。以下は、Swatch公式のESTA解答ページの内容をもとに構成した全32問の一覧です。内容は今後の公式アップデートにより変更される可能性があるため、最新の正解は必ず公式ページでもご確認ください。
「(自由回答)」と記載した設問は、決まった正解のない記述式の設問です。Swatchの広報担当者はメディアの取材に対し、これらの回答は独創性やオリジナリティをもとに内部審査員が評価すると説明しています。
| No. | 設問 | 正解 |
|---|---|---|
| Q1 | 大統領に金色の置時計を贈ったことはありますか? | いいえ |
| Q2 | ソーシャルメディアで月について悪口を言ったことはありますか? | いいえ |
| Q3 | ソーシャルメディアで、OMEGAやSwatchについて悪口を言ったことはありますか? | いいえ |
| Q4 | MISSION TO THE MOON 1969を手に入れたい理由を教えてください | (自由回答) |
| Q5 | 月へ旅行に行く夢を、これまで何度見たことがありますか? | (自由回答) |
| Q6 | 満月の夜、夢遊病になりますか? | はい/いいえ/わからない(どれを選んでも正解) |
| Q7 | 月への旅行で、何を食べたいですか? | (自由回答) |
| Q8 | 月着陸船「イーグル」(LM-5)が月面に着陸した時刻は、Beat Timeで何時でしたか? | 886.7、または886/887 |
| Q9 | アポロ11号は、月のどこに着陸しましたか? | 静かの海 |
| Q10 | 1969年、アポロ11号の宇宙飛行士たちはどの腕時計を着用していましたか? | OMEGA Speedmaster Professional |
| Q11 | OMEGA SpeedmasterがNASAの公式ウォッチに選ばれたのは何年ですか? | 1965年(65) |
| Q12 | 月への旅行に、誰を連れて行きたいですか? | (自由回答) |
| Q13 | 月のどこに着陸したいですか? | (自由回答) |
| Q14 | ジュール・ヴェルヌの小説『月世界旅行』は、何年に出版されましたか? | 1865年 |
| Q15 | 1969年7月21日の米ドルとスイスフランの為替レートはいくらでしたか? | 1 USD=4.31 CHF |
| Q16 | アポロ11号のミッションのために制作されたオリジナルのゴールドOMEGA Speedmasterにも、THE MISSION TO THE MOON 1969にも、「OM」の文字が刻印されています。このメークは何を意味していますか? | オル・マッシフ(無垢金) |
| Q17 | 1969年7月21日、1グラムあたりの金の価格は米ドルでいくらでしたか? | 1.13米ドル |
| Q18 | エリア51はSISTEM51と何か関係がありますか? | いいえ |
| Q19 | Swatchの工業特許はいつ出願されましたか? | 1981年2月26日 |
| Q20 | GENTモデルにはいくつのコンポーネントがありますか? | 51 |
| Q21 | Swatchがコラボしたらよいと思うアーティストを挙げてください | (自由回答) |
| Q22 | 「HOW MAJESTIC」モデルでは、エリザベス女王は何種類の衣装を着ていますか? | 14 |
| Q23 | 2011年11月1日の正式オープンから2026年6月30日までの間に、上海のSwatch Art Peace Hotelに滞在したアーティストは、合計で何人ですか? | 625人 |
| Q24 | なぜすべてのSwatch腕時計に名前がついているのですか? | (自由回答) |
| Q25 | 「Swatch」という名前の意味は? | セカンドウォッチ |
| Q26 | Swatchは世界中でいくつのRolling Planetsがありますか? | 28 |
| Q27 | Dr. Swatchの予約を取ったことはありますか? | はい/いいえ(どちらを選んでも正解) |
| Q28 | Swatchの時計はどこで製造されていますか? | スイス |
| Q29 | もしMISSION TO THE MOON 1969を手に入れたなら、転売しますか? | いいえ |
| Q30 | 偽造行為に関与していますか? | いいえ |
| Q31 | 与えられた時間は2時間15分です。その時間内にこのESTAの記入を完了させてください。”Time is what you make of it”というスローガンは、どういう意味ですか? | (自由回答) |
| Q32 | なぜこのESTAには質問が32個あるのですか? | (自由回答) |
選択式の設問で、申請フォームの冒頭に登場します。ロレックスCEOのジャン=フレデリック・デュフォー氏が、トランプ大統領にゴールドの置時計を贈ったという出来事を踏まえた、ウィットに富んだ設問と見られています。
2025年11月、ロレックスCEOジャン=フレデリック・デュフォー氏ら複数のスイス企業トップがホワイトハウスを訪問し、トランプ大統領に置時計と金塊を贈呈。その約2週間後、米国は対スイス関税を39%から15%へ引き下げました。この一件はスイス国内外で「金塊外交」と批判を呼びましたが、スイス紙Blickは、Q1がまさにこのデュフォー氏のエピソードを揶揄したものだと報じています。
なお、スウォッチのニック・ハイエックCEOは2025年9月にも「39%関税」を皮肉った「What if... Tariffs?」という限定モデルを発売しており、今回のESTAはその延長線上にある一連の「トランプへの挑発」の1つとも取れますね。
選択肢が「9」と「28」の2択という、今回のESTAで最も物議を醸した設問です。Swatch公式のMoonSwatchツアーページでは、オリジナルのBioceramicコレクションの色数にちなんだ「11のRolling Planets」が紹介されているため、太陽・月を除いた「9」を選んだ応募者が多かったとみられます。しかし、公式解答では「28」が正解とされました。SNS上では、ワールドツアーで実際に稼働している車両・トラックの総数を指すのではないかといった考察も見られますが、Swatchから明確な理由は説明されておらず、真相は明らかになっていません。
Swatchが提唱する独自時間表記「Internet Time(@ビート)」の知識を問う設問です。実は当初の公式解答では「886.7」のみが正解とされていましたが、Beat Timeは通常整数で表記されるため違和感を覚えた応募者も多かったのか、その後Swatchは解答を「886.7」「886」「887」の3パターンすべて正解に改定しています。このように、公開後に解答内容が修正された設問も存在するため、一度不正解と判定された場合でも、今後のアップデートで結果が変わる可能性もあるんですね。
計算方法について解説しましょう。
1日は 86400 秒なので、1ビートは 86400 ÷ 1000 = 86.4 秒。
アポロ11号の月着陸船「イーグル」が月面に着陸した公式な時刻: 1969年7月20日 20時17分40秒 UTC(協定世界時)
着陸時刻をスイス基準のBMT(UTC+1)に変換すると21時17分40秒
21時17分40秒が、その日のスタート(00:00:00)から何秒経過しているかを求めます。
・時間: 21 × 3600 = 75600
・秒分: 17 × 60 = 1020
・秒秒: 40 秒
合計経過秒数: 75600 + 1020 + 40 = 76660 秒
経過秒数をビートに変換する合計経過秒数を1ビートあたりの秒数(86.4秒)で割ります。
76660 ÷ 86.4 ≒ 887.2685...
上述の通り、多少の誤差を許容する範囲として、解答には「886.7 / 886 or 887」と記載されています。
「満月の夜に夢遊病になりますか?」(Q6)、「Dr. Swatchの予約を取ったことはありますか?」(Q27)は、選択肢のどれを選んでも正解と判定される、いかにもSwatchらしい遊び心のある設問です。
Swatchが2022年にエリザベス女王の在位70周年(プラチナジュビリー)を記念して発売した「HOW MAJESTIC」というモデルにまつわる豆知識問題です。
このモデルの最大の特徴は、文字盤の下に仕込まれた「カラーチェンジ・カレンダーホイール」という円盤状のパーツ。日付が進むごとにこのホイールが回転し、文字盤に描かれた女王の衣装の色合いが変化するというユニークな仕掛けになっています。ある日はオレンジ、ある日はピンク、また別の日はパープルやブルーといった具合に、女王の「その日のコーディネート」が毎日変わって見える仕組みです。
設問の答えは「28」か「14」かの二択で、「14」が正解とされています。Swatchの公式プレスリリースや商品ページでは「14種類」という数字そのものは明記されていません。MISSION TO THE MOON 1969本体とは直接関係のない過去モデルの細部知識を問う設問だったこともあり、「ここまで調べるとは思わなかった」という応募者の声も多く見られた設問のひとつです。
これについては主に2つの視点から考察されています。ベースとなる色は虹のスペクトル(7色)との推測と、各色が「帽子」と「ドレス」にそれぞれ1回ずつメインカラーとして機能し、「7色 × 2パターン = 14種類」の衣装が生み出されているという説、あるいは「GRANCELONA」「TURNER’S SCARLET SUNSET」「A PROMISE OF SUN」など、他のスウォッチの時計でも採用されている、2週間(14日間)かけて一周する「カレンダーホイール」の機構を衣装のカラーディスクに流用している、という説です。
後者が妥当な気がしますし、スウォッチの他の時計にも興味があるのか、というのを暗に試されているようでもありますね。
正直に「はい」と回答した場合、選考上不利になったと考えられる設問です。転売目的の応募者をふるいにかけることを意図したのでしょうが、購入したい方で「はい」と答えた方はいるんでしょうか。
当選者への連絡は2026年7月27日(月)から順次スタートしています。連絡を受けてから48時間以内にオンラインでの購入手続きを完了する必要があり、期限を過ぎると権利が失効してしまうため注意が必要です。購入確定後は、申請時に選んだSwatchストアで、承認されたESTAと写真付き身分証明書(またはパスポート)を提示して時計を受け取ります。
なお、SNS上では申請結果について早くも悲喜こもごもな報告が寄せられています。
運よく購入権を得られた方の場合の文言は、「当選」ではなく「承認(APPROVED)」、そうでない場合は「却下(DECLINED)」と記載されています。
「落選」ではなく「却下」という表現に憤慨されている方もかなりの数いらっしゃるようですが、それがいいか悪いかは別にして、あくまでも「ESTA」らしさを貫いたワードチョイスであると筆者は考えます。
また、これだけ話題性の高い抽選企画には、便乗した詐欺やフィッシングサイトもつきものです。ESTAの結果確認や購入手続きは、必ずSwatch公式ドメイン(swatch.com)か、確認しながら行うようにしましょう。
MISSION TO THE MOON 1969のESTAには、Swatch公式Xアカウントによると100万人以上もの応募が殺到し、1,969本という枠に対して桁違いの狭き門になりました。今回公開された公式解答では、「Rolling Planets=28」のような一筋縄ではいかない設問や、公開後に正解が修正された「Beat Time」の設問など、話題性の高いポイントが多数見られます。当選連絡は7月27日から順次スタートするとのことですので、応募された方はぜひ全32問の解答リストで答え合わせをしてみてください。
※本記事は2026年7月27日時点の情報をもとに作成しています。ESTAの解答内容は今後も更新される可能性がありますので、最新情報は必ず公式サイトをご確認ください。
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