更新日:2026年08月12日
先日、”ESTA”という申請制による販売方法が話題となったMoonSwatch。今度は2026年8月12日、月が太陽をすっぽりと覆い隠す「皆既日食」がスペイン北部を通過します。この一生に一度とも言える天体ショーに合わせて、SwatchとOMEGAが贈る人気コレクション「Bioceramic MoonSwatch(バイオセラミック ムーンスウォッチ)」から、記念モデル「MISSION TO THE SUN - SOLAR ECLIPSE」が登場しました。
しかもこのモデル、販売はスペインのみ、しかも2026年8月12日のたった1日限定という、ムーンスウォッチシリーズの中でも屈指のレア案件。今回はそのスペックとデザインの見どころを解説していきます。
ベースとなっているのは、ムーンスウォッチの定番モデルの一つである「MISSION TO THE SUN」(型番:SO33J100)。イエローのバイオセラミックケース、白いサブダイヤル、オレンジの針、そして「ドットオーバー90」でおなじみのタキメーターベゼルといった基本デザインはそのまま受け継がれています。
左)MISSION TO THE SUN SO33J100 右)MISSION TO THE SUN - SOLAR ECLIPSE SSX01J100-1
最大の変更点は、2時位置にあるクロノグラフプッシャーが、通常のイエローからブラックへと変わっているのです。これは、太陽が月によって一瞬だけ覆い隠される「皆既日食」の瞬間を表現したもの。派手な装飾を加えるのではなく、あえて小さなディテールに物語を託すあたりが心憎い演出です。
既存モデルとのもう一つの違いとして、標準モデルのやや硬めでブラックのロゴがプリントされたストラップに代わり、イエローのロゴがプリントされた、ホワイトラバーストラップが採用されている点が挙げられます。
もう一つの見どころは、ケースバックです。電池カバー部分に、新月をあしらったデザインが施されています。日食は必ず新月のタイミングで起こる天体現象であるため、このディテールは「日食を生み出す月」へのオマージュとなっています。
見える部分は控えめに、見えない部分にこそこだわりを詰め込む――まさに時計ファンの心をくすぐる仕掛けと言えるでしょう。
ムーンスウォッチシリーズはご存知の通り、人類初の月面到達時計として知られるOMEGAの「スピードマスター ムーンウォッチ」へのオマージュとして誕生したコレクション。本モデルにも、非対称のケース形状や「ドットオーバー90」のタキメーター、文字盤とリューズに刻まれたOMEGA×Swatchのロゴなど、シリーズならではのアイコニックな要素がしっかりと踏襲されています。ケースバックには、このモデル専用のミッションステートメントも刻印されています。
| モデル名 | MISSION TO THE SUN - SOLAR ECLIPSE |
|---|---|
| 型番(Ref.) | SSX01J100-1 |
| ケース素材 | バイオセラミック(Bioceramic) |
| ケースサイズ | 直径 42mm × 厚さ 13.25mm |
| ムーブメント | クォーツクロノグラフムーブメント |
| 駆動方式 | クォーツ(電池式) |
| 防水性 | 3気圧(30m) |
| 日本定価(税込) | 日本国内では販売されないため未発表。現地価格は280ユーロ(税込) |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。
※ケースサイズ・ムーブメント・防水性能はベースモデル「MISSION TO THE SUN」に準拠した仕様です。
このモデル最大の特徴は、その圧倒的な入手難易度です。
日本を含む他の国・地域での販売は予定されておらず、公式ウェブストアはスペイン国内の住所のみを受け付けており、現地に足を運べないファンにとってはまさに「幻のムーンスウォッチ」となりそうです。ムーンスウォッチはこれまでも購入が1人1店舗1日1本までに制限されるなど入手困難で知られてきましたが、今回はそれに輪をかけて「1日・1国限定」という異例の縛り。発売直後から二次流通市場で話題になることは想像に難くありません。
「MISSION TO THE SUN - SOLAR ECLIPSE」は、機構面での大きな革新こそないものの、皆既日食という希少な天体現象を「2時位置のブラックプッシャー」と「ケースバックの新月デザイン」というミニマルかつ的確なディテールで表現した、スウォッチらしい一本です。
ただ、コレクションのスヌーピーモデルのようなムーンフェイズ表示や、ムーンシャインゴールドモデルのような特別な異素材など、大胆なアレンジを期待していた人はがっかりするでしょう。本作は言ってしまえば、初代ムーンスウォッチの既存モデルに、小さな外観上の変更を加えただけですから。
しかし、ベースモデルの完成度を活かしつつ、ごくわずかなディテールで天体ショーを表現する手法は、むしろ通好みの仕様と言えるかもしれません。
先日の『MISSION TO THE MOON 1969』でもESTA受付時にアクセスが集中しましたが、今回も『1日・スペイン限定』という極めて高いハードルが設定されているため、激しい争奪戦が予想されます。果たしてオンライン販売の動向がどのようになるのか、時計ファンの注目が集まります。
スペインでの1日限定販売という仕掛け自体が、まさに「一生に一度」の日食という題材にふさわしい演出とも言えます。現地で入手できるファンはもちろん、そうでない方も、このユニークな企画そのものを楽しみながら見守ってみてはいかがでしょうか。
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