更新日:2026年09月01日
カルティエ(Cartier)を代表するアイコンのひとつ「タンク」。その中の1つ、湾曲したケースが手首に寄り添う「タンク アメリカン」から、2026年9月、2つの新作が登場します。ひとつは初めてスケルトンムーブメントを搭載したモデル、もうひとつはバーガンディのグラデーションダイアルが目を引くアールデコモデル。さらに、昨年欧州で発表されていたブルーダイアルの限定モデルも合わせて、タンク アメリカンの"今"を辿ってみたいと思います。
「タンク」は1917年、ルイ・カルティエが手がけた長方形フォルムの腕時計で、2本の縦枠(ブランカール)がケースとブレスレットを一体化させたようなシルエットが特徴です。1921年には手首の曲線に沿うよう湾曲させた「タンク サントレ」が誕生し、その流れを受けて1988年に登場したのが「タンク アメリカン」。より流線的でダイナミックなラインへとデザインが磨き上げられ、タンクファミリーの中でもひときわ伸びやかなシルエットを持つモデルとして定着しました。
2023年にはこの「タンク アメリカン」がアップデートされ、ケースサイズやプロポーションが見直されています。今回の新作2モデルは、いずれもこの2023年版のケースをベースに、スケルトンとアールデコという2つの異なるアプローチで仕上げられています。
「タンク アメリカン」が、2023年は大幅アップデート。手首の形に合うようより薄く、曲線的なラインに生まれ変わりました。
「タンク アメリカン」に、今回初めて手巻きスケルトンムーブメント「Cal.1988 MC」が搭載されました。モデルの誕生年(※)にちなんで名付けられたこのキャリバーは、ローマ数字をかたどったブリッジが特徴で、2008年の発表時に特許を取得しているカルティエのシグネチャームーブメントのひとつです。ブリッジはケースの湾曲したラインに呼応するようにカーブを描き、ムーブメントがまるで宙に浮いているように見える構造になっています。ケースはプラチナで、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げを交互に配置してコントラストを演出。分目盛りやロゴにはエングレービングとブラックエナメルのコーティングが施されています。
※一般的に「タンク アメリカン」の発表は1989年とされることが多いですが、カルティエは本作のプレスリリースにて「タンク アメリカン」の誕生年を1988年と位置づけています。
| モデル名 | タンク アメリカン スケルトン(プラチナ) |
|---|---|
| 型番(Ref.) | CRWHTA0041 |
| ケース素材 | プラチナ950/1000(ポリッシュ×サテン仕上げ) |
| ケースサイズ | 横 24.4mm × 縦 44.4mm × 厚さ 8.24mm |
| ムーブメント | Cal.1988 MC(スケルトン) |
| 駆動方式 | 手巻き |
| パワーリザーブ | 非公開 |
| 防水性 | 日常生活防水 |
| ストラップ | セミマットボルドーアリゲーター(セカンドストラップ:セミマットダークグレー) |
| 日本定価(税込・予定価格) | ¥9,306,000 |
| 発売時期 | 2026年9月1日発売予定 |
| モデル名 | タンク アメリカン スケルトン(ピンクゴールド) |
|---|---|
| 型番(Ref.) | CRWHTA0040 |
| ケース素材 | ピンクゴールド |
| ケースサイズ | 横 24.4mm × 縦 44.4mm × 厚さ 8.24mm |
| ムーブメント | Cal.1988 MC(スケルトン) |
| 駆動方式 | 手巻き |
| パワーリザーブ | 非公開 |
| 防水性 | 日常生活防水 |
| ストラップ | セミマットダークブルーアリゲーター(セカンドストラップ:セミマットダークグレー) |
| 日本定価(税込・予定価格) | ¥8,052,000 |
| 発売時期 | 2026年9月1日発売予定 |
同じ湾曲ケースを持つスケルトンモデルとして「タンク サントレ スケルトン」(Cal.9917 MC)も挙げられますが、あちらはローマ数字ではなくミニッツトラックそのものをブリッジとして輪列を縦一列に配置し、香箱とテンプを傾けてケースの湾曲に沿わせる構造です。ローマ数字を骨組みに据えた今回のアメリカンとは、同じ「スケルトン×湾曲ケース」でも設計思想が異なります。
スケルトンダイアルは、これまでも「サントス」や「パシャ」、「クラッシュ」など、カルティエの様々なモデルに採用されてきた手法です。それらと比べても、この「タンク アメリカン スケルトン」は骨格の主張が控えめで、どこかエレガントな佇まいに感じられます。縦長のケースに沿って湾曲するブリッジのラインが、無骨になりがちなスケルトン構造を、むしろタンクらしい端正な印象にまとめているからかもしれません。
もう一方の新作「タンク アメリカン アールデコ ダイアル」は、その名の通りアールデコの幾何学美に着想したモデルです。プラチナにサテン仕上げを施した湾曲ケースに、縦方向へ伸びるダイナミックなグリッドモチーフを配置。ダイアルは最も明るい部分にサンレイ仕上げ、最も暗い部分にオパライン仕上げ、中間色にはサテン仕上げを重ねるという手の込んだ工程で、ボルドーのグラデーションに奥行きを与えています。さらにニッケル合金によるガルバナイズド加工、赤みを帯びたラッカー、グレーのパウダー転写、光沢ニスと、複数の仕上げ工程を経て、独特の温かみのある発色を実現しました。八角形のリューズに飾られたファセットカットのルビーが、ストラップのボルドーカラーと美しく調和しています。
なお、搭載される自動巻きムーブメント Cal.1899 MCは、カルティエがパリのラペ通り13番地に本店を構えた記念すべき1899年にちなんで名付けられたものです。
| モデル名 | タンク アメリカン アールデコ ダイアル |
|---|---|
| 型番(Ref.) | CRWGTA0371f |
| ケース素材 | プラチナ950/1000(サテン仕上げ) |
| ケースサイズ | 横 24.4mm × 縦 44.4mm × 厚さ 8.6mm |
| ムーブメント | Cal.1899 MC |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| パワーリザーブ | 非公開 |
| 防水性 | 日常生活防水 |
| ダイアル | バーガンディ(オパライン・サンレイ・サテンの3仕上げ) |
| ストラップ | セミマットボルドーアリゲーター |
| 日本定価(税込・予定価格) | ¥4,725,600 |
| 発売時期 | 2026年9月1日発売予定 |
2023年にケースがアップデートされたタンク アメリカンにとって、アールデコ調のダイアルはカルティエらしさを最も感じさせる意匠のひとつだと思います。そして今回のバーガンディカラーは、これから秋を迎える季節にとても似合う色。タンク アメリカンにおいて、このアールデコ ダイアルの系譜は今回が初めてではなく、2024年にはイエローゴールドのアンセラサイトダイアル「WGTA0295」、プラチナのサーモンカラーダイアル「WGTA0297」がすでに登場しています。
同じCal.1899 MCと44.4×24.4mmケースをベースに、ダイアルカラーと素材の組み合わせで異なる表情を見せてきた、いわば"アールデコ タンク アメリカン"の最新形が、今回のバーガンディダイアルというわけです。
同じアールデコ ダイアルの流れとして、もうひとつ紹介したいのが「タンク アメリカン アールデコ」のブルーダイアルモデル「CRWGTA0367」です。こちらは2026年の新作ではなく、2025年7月に欧州限定モデルとして発表済みの1本。カマイユと呼ばれる技法で、濃淡の異なるブルーを組み合わせた幾何学模様のダイアルが特徴で、視認性を優先してレールウェイ式の分目盛りをあえて省き、XIIとVIのみにローマ数字を配するという、より削ぎ落とされたデザインになっています。八角形のリューズにはファセットカットのルビーがセットされ、プラチナケースには磨き上げたブランカールとサテン仕上げのフランク・ラグという対比が施されています。120本の限定生産で、販売は欧州のみ。日本では正規販売の対象になっていません。なお、2023年の「タンク ルイ カルティエ欧州限定モデル」でも同様のブルーのアールデコ ダイアルが採用されています。
| モデル名 | タンク アメリカン アールデコ ダイアル(欧州限定) |
|---|---|
| 型番(Ref.) | CRWGTA0367 |
| ケース素材 | プラチナ950/1000(ポリッシュ×ブラッシュ仕上げ) |
| ケースサイズ | 横 24.4mm × 縦 44.4mm × 厚さ 8.6mm |
| ムーブメント | Cal.1899 MC |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| パワーリザーブ | 約40時間 |
| 防水性 | 30m(3気圧) |
| ダイアル | ブルーのグラデーション(カマイユ技法) |
| ストラップ | セミマットブルーアリゲーター(ホワイトゴールド製フォールディングバックル) |
| 限定本数 | 120本・欧州限定販売 |
| 価格(税別) | €26,900 |
| 発表時期 | 2025年7月 |
2026年の新作2モデルとあわせて眺めると、タンク アメリカンのアールデコ ダイアルが、バーガンディ、サーモン、アンセラサイト、ブルーと、バリエーションを増やしてきたことがわかります。こちらのブルーは欧州限定という条件付きではありますが、いずれ日本でも並行輸入や個人輸入で目にする機会があるかもしれません。
カルティエのタンクといえば、多くの人がまず思い浮かべるのは「タンク ルイ カルティエ」や「タンク マスト」、あるいは「タンク フランセーズ」かもしれません。それらと比べると、湾曲したケースを持つ「タンク アメリカン」は、カルティエのラインナップの中では少し傍流に位置づけられる存在と言えるでしょう。
しかし、だからこそ、すでにカルティエを1本持っている人にとっての2本目の選択肢として、あるいは「人と同じものは選びたくない」という方にとって、非常に魅力的な1本になり得ます。今回のスケルトンやアールデコのように、機械式時計としての作り込みとカルティエらしい装飾性を両立させた新作が続いていることも、その選択を後押ししてくれそうです。
| 項目 | CRWHTA0041 | CRWHTA0040 | CRWGTA0371 | CRWGTA0367(欧州限定) |
|---|---|---|---|---|
| モデル名 | スケルトン(プラチナ) | スケルトン(ピンクゴールド) | アールデコ(バーガンディ) | アールデコ(ブルー) |
| ケース素材 | プラチナ | ピンクゴールド | プラチナ | プラチナ |
| ケースサイズ | 24.4×44.4mm、厚さ8.24mm | 24.4×44.4mm、厚さ8.24mm | 24.4×44.4mm、厚さ8.6mm | 24.4×44.4mm、厚さ8.6mm |
| ムーブメント | Cal.1988 MC(手巻き) | Cal.1988 MC(手巻き) | Cal.1899 MC(自動巻き) | Cal.1899 MC(自動巻き) |
| 価格 | ¥9,306,000(予定価格) | ¥8,052,000(予定価格) | ¥4,725,600(予定価格) | €26,900(120本限定・欧州のみ) |
| 発売時期 | 2026年9月1日予定 | 2026年9月1日予定 | 2026年9月1日予定 | 2025年7月発表済み |
※価格はすべて税込・予定価格(欧州限定モデルは税別)です。実際の価格・仕様は正規販売店・カルティエ公式サイトでご確認ください。
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