更新日:2026年08月07日
1975年にクォーツクロノメーターとして誕生後、「八角形ベゼル&ケース一体型スティールブレスレット」の伝統を守り続けるジラール・ペルゴの『ロレアート(Laureato)』。日本での知名度はオーデマ・ピゲのロイヤルオーク、パテック フィリップのノーチラスほど高くはないものの、“知る人ぞ知る実力派ブランド”として名を馳せており、ヨーロッパでは高いステータスを誇ります。
2026年新作としてエナメルダイヤルのロレアート ターコイズブルー Ref.81010-11-3659-1GMを発表。ジラール・ペルゴ(GP)らしい丁寧な手作業が光る、味わい深いラグジュアリースポーツウォッチを完成させています。
81010-11-3659-1GMは「ターコイズブルー×ラグスポ」の組み合わせで、完成度が低いと“時代遅れ”になりかねない、ある種ありふれたデザインコンセプトではありますが、価格に対しての作り込みが素晴らしく、品質の高さは目を見張るものがあります。GPというブランド自体が、業界内でも「高級品質」をウリにしており、本作も“ものづくりの奥深さ”を堪能するにはもってこいの良作です。
幕末の時代にスイス時計では未開拓だった日本市場へ目を付け、160年以上の「絆」を育んできたジラール・ペルゴ。横浜の海をイメージしたターコイズブルーの魅力を時計通にも響くように多角的に分析します。
1970年代のクオーツショックに端を発するスイス時計界の“冬の時代”に、新しい概念の「ラグジュアリースポーツウォッチ」を生み出し、その価値を定着させたロイヤルオークとノーチラス。長きに渡り同ジャンルを牽引した“ラグスポの二大巨頭”は、ケース&ブレスレットが滑らかに繋がる一体型デザイン、幾何学的な美しさを醸し出す八角形のベゼルなど独自のアイデンティティーを携えており、「ラグジュアリー(知性)+スポーティー(力強さ)」を兼ね備えた万能高級時計として人気を博します。
ラグスポブームについて軽くおさらいすると、ロイヤルオークやノーチラスは世界的な需要過多を生み出し資産価値が高騰。一流ブランドが次々とラグスポ市場へ参入し、一時期は時計界最大のジャンルへと成長。ラグスポ難民と化してしまった時計ファンは、類似性のあるモデルより、歴史的正当性のある「代替品」へ触手を伸ばし、GPのロレアートは一躍“買えるラグスポ”としてスターダムにのし上がるのでした。詳しくは「ロレアート特集記事」にて、当時の熱狂ぶりについて解説していますので、ご興味のある方はご覧くださいませ。
時計愛好家達が語り尽くした話題ではありますが、ロレアートを説明するには必要不可欠な予備知識を補足しました。それらを踏まえ、ロレアート ターコイズブルーの長所をまとめてみました。
大まかにウリをかいつまむと、「色・レア度・緻密な仕上げ」に魅力が詰まっていますね。時計業界は猫も杓子もターコイズを手掛けていますが、色味や放射模様、GPお得意のエナメル技法は目を見張るものがあり、資産価値の行方はさておき「実質価値」が素晴らしく、全体的に70~90点前後の高いバランスでまとまっています。
イタリア語で“資格あるもの”の意味を持つロレアート。ダイヤル→サイズ→裏ぶた→値段の順に、その資格を調べていきましょう。
81010-11-3659-1GMのダイヤルには、エナメル仕上げのターコイズブルー採用。幾重にもエナメルの層を塗り重ねているので、光の条件次第では表情に富んだ“気品に満ちた青緑色”を楽しめるのも魅力です。
ロレアート自体の基本的なデザインが美しく、シルエットにメリハリがあり、見飽きない魅力があります。ロレアートブームの頃は、時計ファン達の間で「実物はロイヤルオークやノーチラスに意外と似ていない」と激論が交わされていましたが、本作もスポーティー&エレガンスの調和が巧みで、その主張も納得の出来栄えです!
本作の改善点について掘り下げると、12時位置に配されていた「GP」ロゴを廃止、他のインデックスと統一性のあるバーインデックスへ変更、6時位置に記されていた「LAUREATO」「AUTOMATIC」の表記を省き、全体的に垢抜けたデザインへブラッシュアップしています。2026年6月新作のロレアート フィフティー36&39mmと共通点が多いですね。コンセプトとデザインの親和性も高く、品質や完成度は非の打ち所がない印象です。左右対称性を高める工夫が見事で、より優雅さが高まりましたね。
デメリットについても軽く触れると、ターコイズブルー文字盤がほぼ出尽くした状況でリリースされているので、インパクトや目新しさはほぼない、というぐらいでしょうか。
ジラール・ペルゴというブランドそのものの傾向ですが、デザインの秀逸さに対し、ターゲットが中年層(ミドルエイジ)向けで、“通好みなカッコ良さ”を理解できるかどうかで評価が分かれるところです。良い意味で自分を満たすために購入を検討するのが妥当で、他者へ見せびらかす時計とはひと味違う“いぶし銀なラグスポ”をお求めの方へお勧めなモデルです。
ブランドの知名度的にはややニッチ寄りですので、有名ブランドのターコイズ文字盤と見比べていきましょう。
ターコイズブルーダイヤルの火付け役、といえば2020年発売の「ロレックス オイスター パーペチュアル ターコイズブルー」は外せません。同モデルはキャンディーカラーダイヤルシリーズのうちの一色で、ターコイズ文字盤ブームを巻き起こした伝説的なモデルです。
以降、高級時計~低価格の腕時計を問わず、様々な価格帯のブランドからターコイズダイヤルがリリースされ、昨今のトレンドカラーへ定着しました。もはや定番カラーといっても過言ではないくらい、青緑色は見慣れた存在になりましたよね。
「ラグスポ×ターコイズブルー」の必勝パターンを、パテック フィリップとティファニーのWネームで手掛けたノーチラス “ティファニーブルー” 5711/1A-018。170本限定の同モデルは、2022年の海外オークションにて約7億円で落札、ターコイズ文字盤の人気を不動のものへと押し上げました。
ロレアートがノーチラスに似ているかの議論はさておき、シンプルイズベストな研ぎ澄まされたデザインセンスは、どちらも通じるものがありますね。
“元祖ラグスポ”のロイヤルオーク(RO)は、2023年にステンレスではなくゴールド素材でターコイズ文字盤をリリース、時計ファンの度肝を抜きました。「SS製ケース&青文字盤のタペストリー模様&39mm」がROの定番パターンですが、ロイヤル オーク オートマチック37mm 15550BA.OO.1356BA.01では、天然ターコイズ鉱石を使用した“本物志向”のストーンダイヤルを発売、ラグジュアリー分野に対する一つの「最適解」を見出していました。
贅沢、の定義は難しいものがありますが、ROのターコイズ文字盤は18Kイエローゴールド&天然石でゴージャス路線を追求。本作81010-11-3659-1GMは非常に繊細な技術と経験を要するエナメル技法の「手間暇」で、“本物の価値”をダイヤルへ付随しています。
青緑色の放射模様、という共通点を持つグランドセイコーの“ピーコック”SBGJ227。孔雀の羽根を模した鮮やかなピーコックグリーンは、色・模様共に何とも優美でリセールバリューの面でも跳ね(はね)上がる人気ぶりでした。
銀座の地図をダイヤルパターンにあしらった、抜けるようなスカイブルーが眩しい銀座限定2022モデル SBGH297。こちらも色味&模様の妙味が素晴らしく、ただのターコイズカラーとは一線を画すGSらしい芸術的なダイヤルを生み出していました。
こう見比べてみると、81010-11-3659-1GMは不規則な要素をもう少しトッピングして、遊び心をダイヤルへ加えても面白かったかもしれませんね、こればかりは一長一短ですが。
売り切れ、長蛇の列、横入り禁止、徹夜組……など世界各地で争奪戦が繰り広げられた「オメガ×スウォッチ」の大人気コラボモデルの「Bioceramic MoonSwatch(バイオセラミック ムーンスウォッチ)」シリーズ。“天王星” SO33L100では、プラスチック素材のヘサライト風防、タキメーターの「ドットオーバー90」など、本家ムーンウォッチのDNAを受け継ぎ、水色×白の爽やかなコントラストで多くの時計ファンを魅了しました。
少々見慣れた(見飽きた?)ターコイズダイヤルですが、“抜け感”のあるカジュアルな色合いでありながら、清潔感や気品も演出できる意外と応用が利く色なのも魅力の一つです。古代文明の時代から珍重された神秘的な色ですし、まだまだ素敵な新作が量産されていきそうですね。
81010-11-3659-1GMのサイズは横 42.00mm厚さ 10.68mm、スティール製ケースを採用。グレーのグラン フー エナメル文字盤の81010-11-3475-1CM、2024年に発売されたスイスと日本の外交関係樹立160周年記念モデルの81010-11-3310-1GMとスペックがほぼ同じです。
ロレアートコレクションは現時点で全20種類、34・36・38・39・42mmとサイズ展開は結構充実しています。ターコイズブルーの色味を軸に考えると、フェミニン寄りな38 or 39mmの方が「小径ブーム」のトレンドには合っている気がしますが、玄人受けするジラール・ペルゴのこと、我が道を行く「42mmという選択肢」が逆にオシャレかもしれませんね。
ダイヤルカラーは定番のブルー・ホワイト(シルバー)・ブラック・グレー、グリーンや少し珍しいコッパ―(銅)をリリースしているものの、全体的にダークトーン寄りの暗い色調が多い印象で、明るい爽やかな色合いの新作が待ち遠しいところです。
ロレアート ターコイズブルーは自社製ムーブメントのキャリバー GP01800を搭載、28,800振動/時&約54時間のパワーリザーブを備えます。つなぎ目が美しい一体型ブレスレットが自慢のロレアート、裏ぶたも見てみましょう。
ピンクゴールド製ローターを備えたムーブメントの仕上げ、インテグレーテッドデザインのしなやかなラインが滑らかに調和することで極上のエレガンスが体現されています。ロレアートの一体感ブレスレットは「装着感が良い」と評判も良く、着け心地の面でも期待できそうです。
81010-11-3659-1GMの値段は277万2,000円(税込)、スペックが近い81010-11-3310-1GM(ブルー)が¥2,739,000.00、81010-11-3475-1CM(グレー)¥2,662,000.00。エナメル技法の職人技、ダイヤルのブラッシュアップを考慮すると価格面でも健闘しています。
ジラール・ペルゴは1791年の創業期から高度なエナメルの伝統技法を現在まで継承しており、多くの時計ブランドがグラン・フー エナメルを専門工房へ外部委託する状況下でも、GPは自社の専用施設で一貫して製造している稀有な時計メーカーとしても知られています。
一見シンプルに見えるエナメルダイヤルは、わずかな気泡や亀裂が許されない高度な“職人の熟練技”を要するデリケートな作業で、約800℃の高温で何度も焼成を繰り返した末に、色褪せない深い美しさが完成します。完成したエナメルダイヤルは一枚一枚が微妙に異なる表情を持ち、大量生産にはない温もりも醸し出します。
それらの技術的価値を加味すると、安定路線の人気モデルで270万円弱という価格設定は、“お買い得感のある適正価格”という印象です。決して安い価格帯のモデルではありませんが、企業努力は感じられますね。
藍文字盤の81010-11-3310-1GMは1,815,000円の出品があり、プレミアがついていない状況ですが、今回はターコイズブルー&本数が少なめで、こちらよりは人気になりそうです。
教科書通りのデザインコードを忠実に守り、ラグジュアリースポーツウォッチのお手本、をひたむきに貫くロレアート。ブームが落ち着いた今だから感じ取れる独特な色気がたまりませんね。
一過性のブームに流されず、モダンクラシック路線を貫き通すジラール・ペルゴ。日本限定のロレアート ターコイズブルーでもそのバランスの良さは秀逸でした。フランソワ・ペルゴが目にした横浜の澄んだ蒼を再現した81010-11-3659-1GMには、時を超えても輝きを失わない美しさが凝縮されていましたね。
本作は2026年7月1日よりジラール・ペルゴ ブティック大阪で先行発売し、7月15日より全国のジラール・ペルゴ正規販売店へと展開します。
| モデル | ロレアート ターコイズブルー |
|---|---|
| 型番(Ref.) | 81010-11-3659-1GM |
| ケース素材 | スティール(ポリッシュ/サテン仕上げ) |
| ケースサイズ | ケース径:42.00 mm / 厚さ:10.68 mm |
| 風防 | 反射防止加工サファイアクリスタル |
| ケースバック | サファイアクリスタル |
| 防水性能 | 100 m(10気圧) |
| ダイヤル | ターコイズブルー エナメル、サンレイモチーフ |
| ムーブメント | 自動巻き機械式 (キャリバー:GP01800) |
| 振動数 | 28,800振動/時 |
| パワーリザーブ | 約 54時間 |
| ブレスレット | スティール(ポリッシュ/サテン仕上げ) |
| 限定本数 | 30本(日本限定) |
| 希望小売価格 | 277万2,000円(税込) |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。
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