更新日:2023年05月23日
何かと話題の「BIOCERAMIC MoonSwatch(バイオセラミック ムーンスウォッチ)」コレクション。ついに銀座で購入しました!今回はその購入レポートと実機レビューをお届けします!
「BIOCERAMIC MoonSwatch(バイオセラミック ムーンスウォッチ)」とは、2022年3月26日に発売された、オメガ(OMEGA)とスウォッチ(Swatch)のコラボウォッチです。オメガのスピードマスターデザインのカラフルな11機種が用意され、定価 ¥33,550(税込)というお手頃設定に、「オメガのスピードマスターが3万円台で買える?!」と俄かに話題が沸騰。
販売店舗が渋谷・原宿・心斎橋に限られ、発売初日には日本国内の販売予定だった店舗(渋谷・原宿・心斎橋)は人が集まりすぎてなんと警察が出動、販売中止になり、その後もなかなか入荷されず転売が横行するなど良くも悪くも注目の的に。
(※SNSや検索から【偽物のコピー時計販売サイト】への巧妙な誘導も多く確認されていますので、皆様、ニセモノをつかまされないように重々ご注意くださいね!!)
ようやく10月13日から、販売していない地域に届ける「MoonSwatch プラネットツアー」が日本でスタート。日本ツアー第1弾として銀座のニコラス・G・ハイエックセンターでポップアップが11月上旬まで開催され、日本各地を回る予定とのことで、11/11には大阪・阿倍野、11/16は愛知・名古屋、11/22愛媛・松山、12/3京都、12/10元箱根、1/28東京スカイツリー、2/4 新潟伊勢丹へ、2/17-19日 小倉井筒屋(福岡県北九州市)、3/4 札幌大丸、5/20 静岡松坂屋へと移動が報告されています。また、12/8(木)に続き、2/6(月)にも銀座での”ムーン”販売予告と取れる情報も投稿されました!
というわけで弊社スタッフもこの銀座のニコラス・G・ハイエックセンターのポップアップに早速並んで購入して参りましたので、本ブログ前半では「何時から並んだ?」「好きな色は選べたの?」と言った疑問も踏まえつつ、詳しい購入レポートを、後半では開封の儀から始まる実機レビューをお届けします!
2023年3月7日、オメガ×スウォッチのコラボウォッチ”ムーンスウォッチ(MoonSwatch)の新作「Mission to Moonshine Gold」登場?!発売予告ティザーや販売場所・時間などご紹介。
【2022年新作】オメガとスウォッチがコラボしたスピードマスター「バイオセラミック ムーンスウォッチ」購入方法は?どれが人気?全11種 定価¥33,550
オメガ(OMEGA)とスウォッチ(Swatch)のコラボウォッチ「BIOCERAMIC MoonSwatch(バイオセラミック ムーンスウォッチ)」コレクションについて、さらっとおさらいしておきましょう。
「ムーンスウォッチ」は、宇宙からインスピレーションを得たデザインとなっています。コレクションの名前は、太陽系の中心にある巨大な星や周辺の準惑星にちなんで名付けられています。
「ムーンスウォッチ」とは言うまでもなく、オメガのスピードマスターの「ムーンウォッチ(moonwatch)」と「スウォッチ(SWATCH)」を組み合わせたもので、デザインは確かにかなりオメガのスピードマスターに忠実ですが、3万円ちょっとの価格設定からお分かりいただけますように、素材やムーブメントなど仕様はかなり違いがあります。
例えばケース素材は、通常のオメガのスピードマスターはステンレススティールやゴールドなどの金属製ですが、本モデルは3分の2がセラミック、3分の1がヒマシ油を原料にした混合素材であるバイオセラミック製を使用しています。また、本家スピマスはもちろん機械式時計ですが、ムーンスウォッチはクォーツ、といった具合です。
「BIOCERAMIC MoonSwatch(バイオセラミック ムーンスウォッチ)」コレクションの仕様や価格など、概要をまとめます。
モデル | バイオセラミック ムーンスウォッチ
Swatch Bioceramic Moonswatch |
---|---|
ケースサイズ | 42mm × 高さ 47.34mm × 厚さ 13.25mm |
ケース素材 | バイオセラミック |
ストラップ | ベルクロ©ストラップ |
ムーブメント | クォーツ |
防水性 | 3 気圧防水 |
発売日 | 2022年3月26日発売 |
価格 | ¥33,550(税込) |
ムーンスウォッチは11個の惑星に対応したモデルの名前、カラーが用意されています。基本的な仕様や価格は同じですが、それぞれ型番が異なります。型番一覧をまとめておきます。
イメージ | 惑星 | 型番 | カラー |
---|---|---|---|
太陽(サン) MISSION TO THE SUN |
SO33J100 | イエロー | |
水星(マーキュリー) MISSION TO THE MERCURY |
SO33A100 | ディープグレー | |
金星(ヴィーナス) MISSION TO THE VENUS |
SO33P100 | ピンク | |
地球(アース) MISSION TO THE EARTH |
SO33G100 | ブルー | |
月(ムーン) MISSION TO THE MOON |
SO33M100 | ブラック | |
火星 MISSION TO THE MARS |
SO33R100 | ホワイト | |
木星(ジュピター) MISSION TO THE JUPITER |
SO33C100 | ブロンズ | |
土星(サタン) MISSION TO THE SATURN |
SO33T100 | ベージュ | |
水星(ウラヌス) MISSION TO THE URANUS |
SO33L100 | ペールブルー | |
海王星(ネプチューン) MISSION TO THE NEPTUNE |
SO33N100 | ディープブルー | |
冥王星(プルート) MISSION TO THE PLUTO |
SO33M101 | バーガンディ |
ムーンスウォッチは大阪・東京の一部店舗での販売と、10月からはムーンスウォッチを載せた車が各地を回り販売する移動販売、という2通りの販売方法を取っています。2022年11月現在、スウォッチ公式オンラインショップ(https://www.swatch.com/)では販売を行っておらず、InstagramなどのSNSなどから誘導する詐欺サイトなども確認されているようですので、ご購入にあたっては十分ご注意くださいね!!
ムーンスウォッチの販売店舗は以下の通りです。
世界中で大反響となったムーンスウォッチですが、販売店舗が限られている上に入荷が不定期とあって、入手がかなり難しく、ユーザーもかなり不満気味でした。
そんななか、2022年7 月12 日よりムーンスウォッチを販売していない地域に届けるロードトリップを欧州でスタートする、と発表され、日本では10月13日東京・銀座のニコラス・G・ハイエック センターに黄色い”MISSION TO THE SUN”のフィアットが到着。
11月3日までムーンスウォッチの販売を行い、連日長蛇の列ができました。その後、移動した”SUN”は11/11に大阪へ移動し、あべのハルカスにて期間限定販売を開始。銀座には11/5からペールグリーンの「MISSHON TO THE EARTH」が到着し、販売が続いています。さらに11/16からは名古屋のタカシマヤウォッチメゾンへ。名古屋は1日だけでしょうか?11/22~23は松山のいよてつ高島屋へ。ついに本州以外にもムーンスウォッチカーが上陸しました!さらに12/3京都、12/10元箱根、1/28東京スカイツリー、2/4 新潟伊勢丹、2/17 小倉井筒屋(福岡県北九州市)、3/4 札幌大丸、5/20 静岡松坂屋へと移動へ移動しています。
11月29日には大阪に「Swatch BIOCERAMIC POPUP 阪急うめだ本店」がオープン。12月15日には「スウォッチストア横浜ビブレ」オープン。12月21日にはスウォッチストア名古屋栄三越POPUPが、名古屋栄三越1Fにオープンしています。今後もゲリラ的移動販売が続きそうですね。次にどこに行くか、という情報は公式InstagramやTwitterなどで発信されています。
12月7日には、「満月の夜に銀座からMoonを連れて帰りませんか?12月8日19時」と、ムーンスウォッチ人気モデル”ムーン”の販売予告と思しき画像が投稿されました。
一番人気とも噂される”ムーン”を指定した販売予告。かなりの人が集まり、結局並んでも買えなかった方も多数いたそうです。さらに2023年2月にも公式Twitterで同様の告知が。
2月6日満月の日に銀座からMoonを連れて帰りませんか?
ニコラス・G・ハイエックセンター銀座
今度は2月6日16時から、とのことですね。もうかなり買いやすくなってきた印象ですが、恐らくまた沢山の人が集まるんでしょう。
2023年に入ってからもキャンペーンは継続中。1/28には黄色のMission to the Sunが東京スカイツリー
へ到着し、販売がスタートしました。次は新潟へ。
2023年2月27日には満を持して(?)銀座のニコラス・G・ハイエックセンターにスウォッチショップがオープンしました。
3/4 札幌大丸、5/20 静岡松坂屋へ。
さてここからは、筆者が「BIOCERAMIC MoonSwatch(バイオセラミック ムーンスウォッチ)」を2022年秋に購入した当日の様子を臨場感たっぷりにレポートしたいと思います。
”MISSION TO THE SUN”が東京・銀座に到着して以来、TwitterなどのSNSに次々と上がる「ムーンスウォッチご購入ありがとうございました。」というswatch_jp公式アカウントの報告。
「もしやだいぶ買いやすくなったのでは?」
と、銀座での販売開始から数日以上経った2022年11月某日、ニコラス・G・ハイエック センターへと足を運びました。
■住所
〒104-8188
東京都中央区銀座7-9-18
到着時刻は10時半頃、オープンは11時からのはずですが、駅から近づくにつれ、見えてくる長い行列・・・。しまった、出遅れたか。既に100名近く並んでいるようでした。先頭の方は一体何時ごろから並ばれていたのでしょうね。
image by swatch
行列の最後尾の係の方は新しい人が並ぶたびに、入荷のタイミング・販売開始が何時からか、どの色が入荷されるかは分からないこと、並んだとしても必ず購入できるとは限らないこと、販売開始してからも1組5分ぐらいかかります、と言ったことを説明しています。ご苦労様です。
休日の銀座は和光の正午のチャイムを合図に歩行者天国になり、多くの人が行き交います。道行く人々が「これはなんの行列じゃろか?」と好奇の目を向ける中、天気がいいとはいえ、11月の寒空の下、ひたすら並び続けること2時間半ほど、その日は13時ごろ販売開始したようでした。
後方に並んでいる我々には特になんのお知らせもありませんが、とりあえず建物に少しずつ人が入っていく様子が伺え、時々SWATCHの紙袋を手に提げた人たちが出てくることから悟ります。その頃には並んでいた人たちの中には妙な連帯感が生まれたグループもあったりして、雑談や情報交換なんかが始まっていたりして、「始まったね」「あの人は何も買わずに出てきたね」などと言った会話が漏れ聞こえてきます。皆さん、待ちくたびれている様子ながら、こと細かに観察しています。
すると、何も買わずに出てくる人が意外なほど多いことに気が付きます。(せっかくこんなに何時間も並んだのに!)どうやら「希望の色のムーンスウォッチがない」ということのようです。実際、並んでいる人はもうムーンスウォッチを何個か購入済み、という方もいらっしゃいました。まぁそれなら諦めもつきますよね。
「こんなに買わない人がいるなんて、さては今日は人気色がないのかな・・・?」と不安がよぎります。
通い詰めて既に数本購入済み、という猛者の話を聞いてみると、どうやら最近の人気はやはり本家オメガスピードマスターに雰囲気が近い、ダークトーンのバイオセラミック ムーンスウォッチ”月(ムーン)”や ”水星(マーキュリー)”で、かつ日本への入荷が非常に少ない、ということでした。なるほど、それ狙いだと諦める確率も高いのでしょうね。最新の情報ですと、11/13の夕刻に銀座にてMOON(ムーン)と購入した、という報告がありましたので、まったく入荷されていない、ということでもなさそうです。
スウォッチグループの時計ブランドの看板も文字が読み取れる程度にまで近づき、いよいよ建物敷地内の区切られたスペースにまで到達。目の前に黄色いフィアットが停車しており、購入者が1組ずつ呼ばれて少し奥へと案内されます。次が呼ばれるまでが・・・長い!「1組5分ぐらいかかります」とは聞いていましたが、本当にかなり時間を要しています。
ようやく順番が回ってきました。どうぞ、とフィアットの近くに案内され、手にムーンスウォッチ11種が印刷された紙を持った係の方が、「ご案内できる時計を先にお伝えしますね」と仰います。ついにこの時が来ました・・・!
筆者は、水色のウラヌスが第一希望でしたので、正直なところ「まぁ無理だろうな」と諦めていました。
「あとはシンプルなブラック、ピンクも可愛らしいから家族にプレゼントもありか、エディレッドメインとお揃いの赤白マーズもありか、また並ぶのも大変だし、どの色でも良さはあるから、記念に1つ買って帰ろう」と、購入する前からがっかりする自分を慰める準備は万端です。
そんな私の心中を知るや知らずや(知るわけない)、「これと、これと、あとこれと、これがご用意できます」と、4種類を指さした店員のお兄さん。
※イメージです
「えっ?!そんなに・・・?!」
あんぐりです。なんと念願の水色のウラヌス、まさかの購入できちゃいました!!
(ちなみに先に希望の種類を聞かれて、在庫がある・ないを答えてくれる、というパターンもあるようです。そっちだと思っていたのでちょっと驚きました。)
おもむろに店員さんが車の後ろの荷台から箱を手に取り、奥の会計カウンターへと案内されます。
身分証を提示し、その場で保証書へ氏名が記入されます。会計を済ませ、商品を受け取ります。
やった!やったよ!待った甲斐がありました。満面の笑みで銀座を後にしました。
今回ご紹介しました流れが、全ての場所で共通のオペレーションかどうかは保証できかねますし、恐らく状況などによって対応は変わるのではないか、とも感じました。銀座や阿倍野での購入報告を見ていますと、タイミングによって同じ日でも案内される内容・機種が変わることも多いようです。こればかりは入荷の状況次第、ということで、どの色を入手できるかはまさに「運」と言った様相ですね。みなさま、ご武運を!
【続報:2022年12月21日追記】先日平日昼間に銀座ニコラス・G・ハイエック センターを覗いてみたところ、行列はさほど長くはなく、在庫があって販売されている様子でした。夕方に友人が並びに行ったところ、1時間とかからずに案内され、ウラヌスを含む2機種を除く残り全ての種類の在庫があったそうです。かなり手に入れやすくなってきましたね!!
購入にあたっては、いくつか注意事項が説明されます。うろ覚えですが、重要と思しきポイントは以下の通り。
特に注目したいのが「修理不可品のため、商品不良の場合、交換対応」という項目です。
スウォッチのクォーツ時計は一体型で内装修理・分解修理ができないものが多くあります。「ムーンスウォッチ」も内部の機械が故障した場合は修理不可で、購入後2年の保証期間内であれば「交換」という対応になります。保証期間を過ぎてしまうと、交換もできなくなりますので、ご使用の際には衝撃や水没などには十分注意しましょう。
※スウォッチでは「バッテリー無料交換サービス」を実施しています。電池の目安は2年ですが、最初に入っているテスト電池は寿命が短い場合もあります。「バッテリー無料交換サービス」についてはこちら→スウォッチ カスタマーサービス「バッテリー無料交換サービスについて」
実物を見た機械式時計ファンからは「安っぽい」「オモチャみたいだ」などと揶揄されたりもしている「ムーンスウォッチ」。実際のところどうなんでしょうか?ここからは、興味津々のスタッフが購入した実物の「オメガ バイオセラミック ムーンスウォッチ ”天王星” SO33L100」をじっくりとレビューしていきます。
では早速箱から出しましょう。スウォッチなので箱は紙製。ちょっと新鮮な気分です。
”MISSION TO URANUS”と書かれた水色のスリーブをずらすと、黒い箱が出てきました。両開きの蓋を開けると、本体登場です。
時計本体の他に、リーフレットと取扱い説明書、保証書が収められています。
ダイヤルとケースはペールブルー。ベゼルとベルト、クロノグラフの秒針、カウンターの針、タキメーターの目盛の背景は白。コントラストが爽やかですね。巷では「ティファニームーンスウォッチ」と呼ばれているとか呼ばれてないとか・・・。
ケースのエッジが綺麗で、価格の割にそのあたりの仕上げは素晴らしいものがあるなと思います。
12時位置のOMEGA X SWATCHの文字の存在感。スウォッチよりオメガが主張強めですね。9時位置にはアイコニックなSpeedmasterのロゴ、3時位置に新しいMoonSwatchのロゴがあしらわれています。
凹型のインダイヤルややスーパールミノバ加工などは本当にオメガのスピードマスターらしさを感じさせるディテールです。バイオセラミックという混合素材のケースは、普通のプラスチックのようなテラテラした光沢感がなく、マットな仕上がりで、それ自体にチープさは感じさせません。
タキメーターの「ドットオーバー90」、そして「宇宙に持っていける」ムーンウォッチのヘサライト製風防中央にエッチングされるオメガ(Ω)ロゴの代わりに”SWATCH”の“S”の文字が描かれている(下画像、赤丸の部分)点など、マニア心を擽る細かい意匠が粋ですね。
サイドのリューズトップには、今回のコラボレーションのために新たにデザインされた「オメガ×スウォッチ」のロゴマークが浮かび上がります。
月へ持っていかれたオメガのムーンウォッチは全て、現在一般的な腕時計では主流のサファイアクリスタルではなく、ヘサライト、いわゆるアクリルガラス、強化プラスチックなどと呼ばれる素材の風防が採用されていました。現行のムーンウォッチ プロフェッショナルも例えば310.30.42.50.01.001などは強化プラスチックを採用しています。(サファイアクリスタル採用モデルもユーザーの要望に応じて登場しましたが。)あえてヘサライトが選ばれた理由は、サファイアクリスタルと比べて強度では劣るものの、割れたときにヒビが入る程度で飛散しない、という性質のためではないか、と言われています。宇宙空間でガラスが飛散したら、それこそ「悲惨」というもの。ともかく今回のムーンスウォッチは「宇宙」へ飛び立つ時計をテーマにしているわけですから、オメガのムーンウォッチに倣い、プラスチックガラスを風防に採用したのは、実用性は別にして、コンセプト的には正解、だと思います。価格的理由だったのかもしれませんが。
もちろんサファイヤクリスタルの方が傷がつきにくく、普段使いには気楽な面があります。そのため、このムーンスウォッチを購入後、風防保護シールを購入して貼ったり、ガラスコーティングをしたりしている、という口コミもSNSでは散見されます。
プラ風防はドーム型になり、ぷっくりとした丸みを帯びています。サファイヤクリスタルと違い、プラ風防は横から覗いたときに、ダイヤル外周部分に「ひずみ」が生じます。これをレトロな魅力、と捉える時計愛好家も一定いらっしゃいます。
実用性を取るか、ロマンを取るか。この辺りは個人の価値観によりますね。筆者はプラ風防のチープな感じや軽さ、ひずみも嫌いではないですが、傷がつきやすいのはやはり困るので、シールでも買ってみようかなと目下調査中です。
さて、お次はベルトに注目していきます。ムーンスウォッチでは「ベルクロストラップ(VELCRO®)」を採用しています。
ベルクロ(VELCRO®)とは、面ファスナーの一種で、ベルクロ社が商標登録しているものです。日本では株式会社クラレの登録商標である「マジックテープ」の方が浸透していますね。
生地側には「Speedmaster」のロゴ、「Mission to Uranus」「MOONSWATCH」の文字が記されています。
6時側のベルトの短さにちょっと驚きますよね。このDカンのようなパーツにベルトを通し、長さを調節しながら面ファスナーを密着させる、という装着方法です。通してみるとこんな感じです。
ちょっと馴染むまで時間がかかりそうです。家族に着用してみてもらいました。
着用した感想は「ベルトが固い。特にベルト通しの部分が馴染むまで違和感ありそう」とのことでした。女性など手首が細目の方はなかなか最初はフィットしづらそうですね。白、という色も汚れなどが気遣わしいですし、購入後に純正外ベルトに交換している方が散見されるのもそういったところからでしょう。
次に「オメガ バイオセラミック ムーンスウォッチ ”火星” SO33R100」の実機レビューです。
こちらは借り物ですのでシールつき・箱入りのままで失礼いたします。赤いと白のはっきりとしたコントラストで火星というか日の丸感がなくもないデザイン。こちらも全然雰囲気が違っていいですね。
「アラスカプロジェクト」を彷彿とさせる宇宙船の形をした針などディテールが通な方にはたまらないでしょう。
ベルトの雰囲気もそっくり。スポーティな雰囲気が漂いますね。
ロゴの配置はウラヌスと同じで、やはり赤い針の宇宙船の形状がこのモデルの最大のポイントでしょう。
赤、というのはなかなか着こなしも難しいようにも思われますが、俳優エディ・レッドメインやサッカースウェーデン代表FWのズラタン・イブラヒモビッチが愛用しています。彼らのようにお洒落に着けこなしたいものですね!
ここでムーンスウォッチの良いところ・悪いところをまとめてみます。
33,550円という価格は「スウォッチのクォーツ」という響きからすると若干お高めのように感じられますが、ディテールの作りこみやオメガコラボという付加価値を考えれば妥当な金額だと言えるでしょう。ただし、単なる時計としての品質だけで言えば、正直同じ価格帯でもっと優秀な時計も多く存在していますから、購入にあたってはご自身で何を重視するのか、よく見極めてくださいね。
また、「バイオセラミック」という素材を使用しており、金属アレルギーの方には嬉しいポイントですね。
ルミブライト (高輝度蓄光塗料)は太陽光や照明器具の明かりを蓄え、暗闇でも3~5時間程度、持続して発光します。手持ちのタグ・ホイヤーのアクアレーサーと比較してみたところ、明るさでは劣りましたが、このクラスの時計としてはこんなものかな、という印象です。
他人の評価など気にしない、使い倒す予定、という方にとっては、機械の修理ができない、という点以外、大したデメリットはないでしょう。販売後しばらくはその入手困難ぶりから10万円を超える価格で取引されていましたが、供給量が増えるにつれ、リセールバリューは右肩下がり。ですが、この定価の時計で一儲けしよう、なんていうのはちょっと非効率なのでは、というのが正直な感想です。コピー時計も出回っているらしいですし、壊れたら保証書がないと終わりですし、できれば正規で買うことをお勧めします。
オメガ(OMEGA)とスウォッチ(Swatch)のコラボウォッチ「BIOCERAMIC MoonSwatch(バイオセラミック ムーンスウォッチ)」の購入レポートと実機レビューをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
スウォッチならではの「ポップさ」がウリの本作。この時計にそもそも本格機械式時計の機能や貫禄を求めてはいけませんし、この価格でそんなもの出されても困ります、というか不可能です!オメガの「ムーンウォッチ プロフェッショナル」は現行ラインナップで見ると、最も安いモデルでも80万円をゆうに超えるのですから。11機種全部揃えたとて到底追いつきません。
本作はあくまでも「コラボウォッチ」であって、ただそれは「パクリ」ではなく「正式なコラボによる本物」であるところに大きな意味があります。
とはいえ、賛否両論あるのは確かですし、購入したいかどうかはこう言うと身も蓋もないですが各々の価値観の問題です。
今回はオメガ(OMEGA)とスウォッチ(Swatch)がコラボすることにより、普段オメガの時計までは手が届かなかったであろう若い世代に対しても需要を喚起し、オメガの魅力を発信するよい機会となりましたし、それこそが狙いだったのでしょう。(心なしか行列には比較的上の世代も多かったように感じますが)
下手をすればブランドの価値を下げかねないリスクもなくはなかったわけですが、本家とここまで価格帯が乖離していると逆に「全くの別物」然としている、と受け止められたのか、オメガに対してほぼ影響はなかったようです。
時計収集家としての一面も持つ、歌手のエド・シーランもムーンスウォッチ ”月(ムーン)”を購入したそうです。パテック・フィリップのノーチラスやワールドタイム、アニュアルカレンダー、リシャール・ミルのトゥールビヨン、ロレックスのデイトナレインボー、ポール・ニューマンなど、常人には揃えようもない、もしかしたら一生目にすることすらないかもしれないような、有名ブランドの中でも超絶ハイエンドな高級機械式時計を複数持っている彼があえて選ぶだけの”価値”を見出している、ということですよね。
販売方法については、このご時世に行列に長時間並ばせる手法を見ると整理券なり、抽選なり、「どうにかならないのか」という意見は多いことでしょう。筆者も同感です。また、プラネットツアーがすでに渋谷・原宿と2店舗ある東京、心斎橋がある大阪へ展開した点についても、人口比を考えれば仕方ないとしても、「販売していない地域に届ける」という主旨であれば、もうちょっと他の地方を優先してもよかったのでは?と思わずにはいられません。これは今後期待したいところですね。あともちろんオンライン販売も。
販売方法には懸念点もあるオメガ×スウォッチの「ムーンスウォッチ」ですが、筆者個人的にはいい意味で「値段相応の時計」だと感じました。これはなかなか面白い企画でしたね。他にもブレゲ、ブランパンなどの高級ブランドを擁するスウォッチグループ、オメガ×スウォッチほどワクワクする組み合わせがちょっと見当たりませんが、また何かしらのコラボウォッチが出たら楽しいでしょうね。
時計業界には、カルティエ・IWCなどを擁するリシュモングループ、ルイ・ヴィトン・タグホイヤーなどを擁するLVMHグループ、そしてオメガ・ブレゲなどを擁するスウォッチグループという、三大グループが存在しています。
今回ご紹介したムーンスウォッチを手掛けたオメガ・スウォッチの属する「スウォッチ グループ ジャパン 株式会社」で展開している11のブランドは、
プレステージ&ラグジュアリーレンジ、ハイレンジ、ミドルレンジ、そしてベーシックレンジといった4つのカテゴリーに分けられています。以下の表をご覧ください。
今回のコラボが実現したのは同じグループだからこそ、ですね。
なお、この「MoonSwatch プラネットツアー」開催にあわせて、表参道駅や新宿駅では巨大なシート広告が展開されています。
あまり時計の最新情報に敏感でなかった方にもこれでかなり訴求されて、認知度がアップしたことでしょう。これからもう一波、ニーズが高まる可能性もあるかもしれませんね。ただ本当に、詐欺サイトで間違って購入してしまった、と言った口コミも見かけますので、ムーンスウォッチを購入したい方は販売店舗や最新情報をよく確認してくださいね!!