更新日:2024年08月15日
引用: www.rolex.com
“キング・オブ・クロノグラフ”の称号も輝かしいロレックスのデイトナ。ロレックス唯一のクロノグラフは、知名度も注目度もぶっちぎりのナンバーワン!!Watches & Wonders 2023でも、「コスモグラフデイトナのフルモデルチェンジ」「アイスブルー&裏スケルトン」などなど、スペシャルなトピックス満載!2023年の高級腕時計市場もロレックスが牽引していきそうな勢いです!
当記事では、ステンレススティール製モデル Ref.126500LNを中心に、“デイトナ生誕60周年”のモデルチェンジ内容、「Ref.116500LNとRef.126500LN」の違いや変更点、Ref.126500LNがリリースされたことで、“レギュラーデザイン&ディスコンモデル”の相場や資産価値がどうなっているのか?関連モデル(メテオライトやグリーン文字盤も!)の価格推移、販売相場もご紹介致します!
2023年の新作126500LNの登場で、「デイトナには、現在どのような選択肢があって、どういった視点で選べばいいか?」新品・中古含めた“デイトナ指南書”として、当記事をお役立てください!!
ではまず、ロレックス2023年新作「デイトナ 126500LN」のご紹介から。白・黒文字盤ともに1,795,200円、旧作 Ref.116500LNの最終定価が1,757,800円でしたので、新旧で価格差がほぼないのが嬉しいですね。
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モデル | デイトナ Oyster Perpetual Cosmograph Daytona |
---|---|
型番(Ref.) | 126500LN |
ケースサイズ | 40mm |
ケース素材 | オイスタースチール |
ベゼル | ブラックのセラミック製モノブロック セラクロムベゼル、タキメーター |
ダイアル | ホワイト クロマライト ディスプレイ (青色発光の長時間継続ルミネッセンス) |
ムーブメント | キャリバー4131,パーペチュアル、機械式クロノグラフ、自動巻 |
精度 | 日差 - 2 ~ + 2 秒(ケーシング後) |
機能 | 時針、分針、スモールセコンド(6時位置)、1/8秒まで計測可能なクロノグラフ、積算計(30分 /3時位置と12時間 /9時位置)、秒針停止機能による正確な時刻設定 クロノグラフ、積算計(30 分/3 時位置と 12 時間/9 時位置)。秒針停止機能による正確な時刻設定 |
振動子 | 常磁性ブルー パラクロム・ヘアスプリング。高性能パラフレックス ショック・アブソーバ |
巻上げ | パーペチュアルローターによる両方向自動巻 |
パワーリザーブ | 約 72 時間 |
ブレスレット | オイスタースチール(3 列リンク) |
クラスプ | セーフティキャッチ付オイスターロック、イージーリンク(約 5 mmのエクステンションリンク) |
防水性 | 100 m/330 フィート防水 |
価格 | ¥ 1,795,200 (税込) |
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7年ぶりに世代交代が行われた“キング・オブ・ロレックス”のデイトナ。公式リリースで「完璧性は 時代とともに熟成を遂げてきた」と謳う通り、1963年発売の初代デイトナから連綿と続く“普遍的なデザインセンスの良さ”は、新作126500LNでも円熟味を増しています。コスモグラフ デイトナ“60周年の新たなマイルストーン”は、以下の3つに注目してみましょう!
10年前の2013年には、デイトナ初のプラチナ製アイスブルーRef.116506登場で、デイトナ50周年を派手に祝いましたが、パッと見では、大きな変化が少なく感じる2023年の新作デイトナ。「新型126500LNと旧型116500LN」の違いを中心に、未知数の爆発力を秘める【微妙な改良】をじっくりご説明致します!
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「Ref.1165XX(※デイトナ第6世代)からRef.1265XX」へとリファレンスが変化し、全モデルがリニューアル!ステンレススティールモデルの126500LN以外にも、プラチナ(Ref.126506)やゴールド、コンビ(SS×YG)も新リファレンスの“1265XX”で登場。公式プレスリリースにも記載されているように、デザイン面は【微妙な改良(subtle refinements)】のみとわずかな変更、微妙な改良の出来、不出来が2023年新作デイトナの焦点なのかもしれません。
( ロレックスのプレスリリース)
歴代モデルのほぼ全てで、“プレミア”価格を叩き出すデイトナ、デザイン全体を大幅に変更するよりも、第7世代のリニューアルで選択したように、“微細な変更”にこだわった方が、ロレックスには正解なのかもしれません。初代デイトナから続くケース&文字盤の独特なデザインは、アップデートされる度に、その魅力や“完璧性”を損なわないように、微妙な改良・細かな変化が今までも加えられてきました。“1265XX”の第7世代も、「第一印象では“いつもの”デイトナ。よく見ると結構違う、スッキリした外観」へチューンナップされています。
それでは細部に、よーく目を凝らして、新型デイトナの違いに着目してみましょう。
現行モデルの新型126500LNと旧型116500LNの違いを大まかに4つの項目でわけてみました。細部の変更箇所にフォーカスすると、“1265XX”の第7世代は要所でヴィンテージモデルの雰囲気を獲得しているのがポイントです。
全体的に“輪郭を強調”することで、“リングのコントラスト”を際立たせ、様々な色の組み合わせにより“調和”が生まれていますね。
極めて傷がつきにくく、紫外線の影響で色褪せもしにくいハイテクセラミックを使用した「セラクロムベゼル」。先代機116500LNにも採用された、一体成形のモノブロック セラクロムベゼルは、ミドルケースをしっかりと固定。防水性能を高めています。
耐久性をキープしつつ、見た目も美しいセラクロムベゼルですが、新型機126500LNではフチ部分をメタルへ改良。微妙な変化ながら、手巻きデイトナ最終世代Ref.6263を彷彿とさせるヴィンテージ要素をプラスアルファしています。
希少なヴィンテージロレックス 手巻きコスモグラフ デイトナ 6263 をレビュー!
往年の名作Ref.16520と言えば、1988年~2000年の“デイトナ初の自動巻きモデル”“ロレックス史上最後の他社製(エル・プリメロ)ムーブメント”などなど、肩書きとロマンに溢れたエピソードを思い出すロレックスファンも少なくないでしょう!
新作126500LNは、「旧デイトナ×エル・プリメロ」の第4世代Ref.16520の面影を残す、スッキリとした文字盤が特徴です。特に、アワーマーカーは前作116500LNよりも明らかに細長くなっており、意見が分かれるかもしれませんが、前作よりほっそりとしたシャープな印象へ変化。それでいて、Ref.16520よりも夜光面積を広めに設計し、視認性の向上も図っています。
ケース厚が「12.4mm → 11.9mm」とほんのわずかな差ではありますが、約0.5mm薄くなっているのもポイントです。
上:Ref.116500LN 下:Ref.126500LN
旧作116500LNのラグは、左右非対称な流線型寄りのシュッとしたサイド形状。一方、新作126500LNはシンメトリー(左右対称)のまま太く短くなった印象へチェンジ。セクシーな変化というよりは、ぽってり丸く可愛くなったような。
既存の116508以外の金無垢デイトナやプラチナ116506のケース形状に近いように見受けられます。
Ref.116509
公式プレスによると、「オイスターケースを再設計し、ラグ&ケースサイドが光の反射で際立つ」とのこと。正面・横向き・斜め、様々な角度で見た際の“メリハリ”が楽しみな変更点です。
126500LNと116500LNの“三つ目の黒い線の幅”に注目です!
インダイヤルのリング幅(※黒い帯部分)が、微妙に細くなった結果、パンダ顔の三つ目クロノグラフが、“デカ目”になったような印象を与えています。大きめの三つ目カウンターは、1930~40年代に人気だった“ビッグアイ”も連想させるため、ヴィンテージ感を高めているのもいいですね!ヴィンテージウォッチは、不思議と“年齢を重ねるたびに似合う”ように見える、嬉しいサプライズもあったりします。
大胆にヴィンテージ要素をトッピングし、“大人のためのデイトナ”に仕上げてきていると感じました。細部を色々といじっているのに、「パッと見だと変化に気づきにくい」のが、往年のデイトナファンも唸らす、ニッチなセールスポイントなのでしょう。変更点②でも少しお伝えしたように、「エル・プリメロ搭載デイトナRef.16520似のディテールなのに、業界最高水準の最新ムーブメントCal.4131搭載」なのは、シャレが効いています。
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23年もの間、ロレックス初の自社設計ムーブメントとして大活躍したCal.4130もCal.4131へ遂に新旧交代、まずはいちファンとして「ありがとう!お疲れ様」とお礼を言いたいですね!完全自社製造“Cal.4130の進化系”Cal.4131の特徴はこちらです!
20年以上、細かなアップデートを繰り返しながら、現役機として大活躍したCal.4130。公式情報では大きなスペックの変化は見られませんが、耐磁性能&耐久性などを改良しています。
もっともわかりやすい変化である、“アイスブルー&裏スケルトン”を楽しめるプラチナ製デイトナでは、サファイアクリスタル製のシースルーバックから、Cal.4131を眺められる“ご褒美付き”。歴史的にも実用性にこだわり、ソリッドバックを貫いてきたロレックス。「50周年にプラチナ追加、60周年にプラチナのみ裏スケ仕様」と、アニバーサリーイヤーに“特別要素”の例外を設けているのが、お祭りっぽくていいですね!!
もはやロレックスの恒例行事に近い、各モデルの新型ムーブメントへの置き換え。2018年のバーゼルワールドから散見できる傾向で、当時の新型GMTマスターⅡなど、新ムーブメント搭載モデルには、6時位置に“SWISS(王冠)MADE”が刻印されます。
最近で言えば、2022年新作エアキング「116900 → 126900」の例。「Cal.3131 → Cal.3230」へと変更され、6時位置の“SWISS MADE”の間に王冠マークが入っています。2021年の「エクスプローラーI&II(124270&124273、226570)」や2020年のサブマリーナも同様の法則です。興味のある方は、関連リンクの6時位置をチェックしてみてください!
ちなみに今作の126500LNは、“例外や法則崩れ”とまで言えませんが、若干、王冠マークの入りが違いますね。これまでは“SWISS+王冠+MADE”全てを横並びで刻印していましたが、今回は王冠マークだけ目盛り部分(※6時位置アワーマーカーの下)へ移動。秒単位の測定をアイデンティティーとするクロノグラフ、サブマリーナのように秒の目盛りを消すように刻印して、視認性が下がるのを嫌った結果なのでしょうか!?
今後、新型ムーブメントへ置き換えが起こる際には、「6時位置の王冠マークがどこの位置にあるのか?」着目してみても面白いかも。
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SS製のRef.126500LNを中心に、2023年新作の“第7世代デイトナの微細な変更”をお届けしてきましたが、今年も「見ているだけで欲しくなる」豊富なバリエーションがリリースされています!
何といっても注目は、デイトナ50周年でも話題をかっさらった「プラチナ×アイスブルー」の特別コンビでしょう。
60周年では、「プラチナデイトナ×裏スケルトン(裏スケ)」の贅沢過ぎるスペシャル仕様でリリースされています!他にも、バゲットダイヤインデックス(Ref.126506A)は、インダイヤルを旧型 116506Aの「アイスブルー」から「チェスナットブラウン」に変更しています。
全種類の文字盤や型番を確認したい方は関連記事をどうぞ。
2023年一新されたロレックスデイトナの全32種類、ダイヤルバリエーションも網羅したリストを作成しました!
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高騰・入手困難・ロレックス投資・ロレックスマラソン、数々の社会現象とパワーワードを生み出してきたロレックス。その中心的存在は常にデイトナであり、“高嶺の花”として君臨、“キング・オブ・クロノグラフ”の地位を不動のモノとしてきました。
ファンとしては一番気になるのは、「新デイトナ126500LN VS 旧デイトナ116500LN」の資産価値の動向でしょう!前作116500LNが誕生6年でのディスコンで、“短命”だったのは重要な判断材料の一つです。
更に、今回の大幅モデルチェンジでメテオライト、グリーン、チョコなど、極めて豪華な文字盤が生産終了となってしまいました。デザインの変更よりも、“消えたダイヤルデザイン”達の方が、話題性ではインパクトがあるかもしれません。
特に、2021年の新作だった「コスモグラフ デイトナ メテオライト文字盤(Ref.116509等)」は、“生産期間の短さ&生産数の少なさ(約2年の希少性)”“天然鉱物ならではの個体差”など、激レアディスコン文字盤として要注目の存在です!
実際にグラフ変化が見られるモデルを中心に、リセールバリューで注目の「レギュラーデザインVSレアディスコンダイヤル」を比較してみました!“王道VS超貴重”デイトナの上げ下げの繰り返しは、今後どのようになっていくのでしょうか!?
まずは、“王道デイトナ” SSモデルから分析してみました。現時点でも“別格の資産価値”を誇っていますが、Ref.126500LNが入荷した頃に、どのような「126500LNの初値がどんな金額を記録するか?旧116500LNがどんな値段になるか?」“予測不能、衝撃不可能”な結果になりそうなのが率直な感想です。
昨年GMTマスターIIのレフティ(Ref.126720VTNR)が、「グリーン×黒&レフティ」というもの珍しさで、初値600万オーバー(※その後、相場は急降下して現在は約330万前後)を記録した事例もあります。126720VTNRは、オリジナリティー要素が強く、完全新作な雰囲気が“爆発力”に繋がり、リセールバリューが“跳ねた”ケースです。
一方、Ref.126500LNのデザインは前作116500LNに似通っており、そこまで“跳ね上がらない”現実的な予想がやや優勢です。ただ、前述の126720VTNRのように、「あり得ないなんてことはあり得ない」のが、ロレックス。
先述の「②外装と文字盤の変更点」項目で、詳細を述べたように、ヴィンテージモデル寄りの微細な変更が、126500LNの初値(※もしくは旧116500LNの相場)に影響を与え、いきなりの“波乱相場”に突入する可能性も考慮しておきたいところ。
では実際に、116500LNの価格推移を確認してみましょう。
116500LN白文字盤の価格推移
116500LN黒文字盤の価格推移
2022年前半には“ロレックスバブル”のキーワードで市場を賑わせた中古相場。「ロレックスバブルが崩壊する!」という物騒な話題も一時期は飛び交いましたが、ピークは過ぎたものの、その後はほぼしばらく横ばい状態の“安定期”が続いていますね。それだけ116500LNが、“安全資産”としてみなされているのでしょう。グラフは4月で切れていますが、5月にかけて若干上昇傾向は見られます。が、大きく跳ね上がる、ということは現状なさそうですので、業者も様子見の段階。買取相場もさほど上がっていません。
現状は白文字盤が資産価値の面でも長らく人気ですが、後述の国内SNSコメントでは「旧作は白、新作は黒がいい!」という声もあるので、「116500LNのホワイト&ブラック文字盤のリセールバリュー逆転現象」が起きないか、今後の動向には要注目です。
2023年ロレックス新作速報でもチラッとお伝えしましたが、廃盤となってしまったモデルもゴージャスですよね。
≪2023年デイトナ生産終了(ディスコン)モデルの目玉≫
デイトナ2023年新作発表のニュースを受けて、「現状どのような変動(※2023年4月末現在)が見られるか?」上記2項目に分け、価格推移を見てみましょう。
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“激レアモデル”揃いのメテオライト文字盤。海外販売相場を中心に、国内中古市場と照らし合わせた販売相場を調査しました。なお、定価はメテオライトではなくノーマルな文字盤の価格ですので、若干誤差があることをご了承頂き、アバウトな参考情報程度にとどめて、お役立てくださいね。
出品数が少ない激レアモデルのため、正確な相場や価格動向が掴みづらいところではありますが、どのメテオライトダイヤルもほぼ1500~2000万円オーバーの販売相場が多数見受けられます。
特筆すべきは116509です。同じメタルベゼルモデルでも、「パンダ顔(※黒3つ目)」か否かで販売価格が倍以上差があります。
これはダイヤルのデザイン一つでここまで資産価値が変わる、という最たる例ですね。
YG×グリーン文字盤の116508は、1000万円オーバーが当たり前の強気な出品が目立ちます。「ロレックス×デイトナ×ディスコン×人気色のグリーン文字盤」は、やはり資産価値でも“鉄板”です。
デイトナ 116508の価格推移
デイトナ 116515LNの価格推移
デイトナ 116505の価格推移
デイトナ 116509の価格推移
主要ディスコンレア文字盤の価格推移グラフです。他3カラーも高騰していますが、世界的流行色かつロレックスのコーポレートカラーであるグリーン文字盤は“別格”クラスですね!まだまだ紹介しきれない気になるデイトナは数多く存在するので、興味のある方はご自身で調べてみてください。
SNSの投稿に寄せられたコメントも合わせてご紹介します。
「旧作は白が良かったけど、新作は黒がいい!」
「インデックス・ベゼル・ラグ、全てが調和がとれている」
「第一印象は116500LNだったけど、見慣れると新作もカッコいい」
「実物を見ないとどっち(116500LN VS 126500LN)がいいか結論が出ない」
国内SNSでも活発な情報交換が行われていますね。賛否両論の色々な感想がありますが、「旧作=白、新作=黒」を推している意見が目立っていた気がします。
続いて、興味深い海外の見解から、気になる意見を抜粋・要約しました!
「時計の見栄えが良くなった。1993年製の16520は今でも私のお気に入り」
「ヴィンテージ風な外観(※16520似)と、信頼できる新・自社製ムーブメントの組み合わせが最高」
海外コメントでは、第4世代の“ゼニスデイトナ(16520)”に関連した感想が散見されました。「Cal.4131搭載(※非エルプリメロ)のヴィンテージ風16520似のデイトナ」は、126500LNのストロングポイントとして、海外では評価されているということなのでしょうね。
いつの時代も“ロレックス唯一のクロノグラフ”は、時計ファンの憧れとして君臨。現在に至るまで、7世代に渡ってモデルチェンジ&改良を積み重ね、“キング・オブ・ロレックス”の地位を不動のものとしてきました。
今作の“微妙な改良”が、販売相場と価格推移にどのような波紋を広げるかは未知数ですが、デイトナ60周年に相応しい、ロレックスからは目の離せない“激動の一年”になりそうなのは間違いなさそうですね。
「いつの時代もどんなデザインでもデイトナはデイトナ!」
自分に最適な腕馴染みの良いデイトナが、新たに(また)見つかるといいですね!