更新日:2023年04月19日
引用: www.rolex.com
“スポロレ(ロレックスのスポーツモデル)”の定番、ロレックス エクスプローラー。“究極のシンプルさ”を武器としたデイト表示を持たないあっさりとした顔立ちは、いつの時代でも多くのユーザー達に愛されてきました。
Watches and Wonders Geneva 2023 (ウォッチズアンドワンダーズ ジュネーブ2023、略WWG2023)ではエクスプローラーのニューモデルが発表されましたが、「エクスプローラー40 Ref.224270」の追加のみ、というシンプルなテコ入れ。
デイトナは裏スケルトン仕様の新キャリバー4131を発表!オイスターパーペチュアルは“セレブレーション”なキャンディーカラーのニューモデルをリリースしているのに、あまりにも地味すぎる36mm→40mmという変更のみというトピックス。“実用時計の王者”ロレックスにどのような意図があるのでしょうか!?
注目度ナンバーワンのブランド、ロレックス。今回は、エクスプローラーI生誕70周年の時期に新サイズ40mmを登場させた、その狙いと価値をピアゾ編集部なりに推察してみました!エクスプローラーIの歴代人気モデルの系譜やエピソードや、WWG2023ロレックスブースの現地写真付きで、「エクスプローラー36 Ref.124270」と「エクスプローラー40 Ref.224270」の比較、根強いニーズの214270の販売相場&価格推移、資産価値もご紹介致します。
2023年の新作224270の登場で、「エクスプローラーには、現在どんな選択肢があって、どういった視点で選べばいいか?」新品・中古含めた“エクスプローラー指南書”として、当記事をお役立てください!!
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熱心なロレックスファンからすれば、ご存じの事柄も多いかもしれませんが、エクスプローラーシリーズの特徴を簡単にまとめてみました!
以上が、生誕70周年を迎えたエクスプローラーシリーズの“普遍的な価値”でしょうか。
少し古い上記の記事でも述べているように、「12時が逆三角(▼)。3・6・9だけアラビア数字のインデックス」などは、今となってはお馴染みですね!
視認性を極限まで追求した“普遍的なデザインコード”は、70年の年月が経過した今でも根強いニーズを誇り、“不変的な資産価値”をますます増していっている状況です。エクスプローラーはいつの時代も、“変わらずにカッコいい”から、ファン達に愛されてきたのかも?
それでは本題の、2023年新作「エクスプローラー40 Ref.224270」を以下のポイントに沿って解説して参ります。
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最大の目玉でありポイントは、“70周年のメモリアルイヤーに、40mmにアップサイズ”されたRef.224270を追加した点でしょう!「エクスプローラーの系譜」は、次の項目でもう少し詳しくご説明しますが、直近のリファレンス(型番)を先に抜粋します。
製造期間 | 型番(Ref.) | ケースサイズ |
---|---|---|
2010~2021年 | 214270 | 39mm |
2021年~ | 124270 | 36mm |
2023年~▽NEW▽ | 224270 | 40mm |
ナンバリングからも214270の正統進化と見て取れる新作の224270。2年前の2021年に39mm→36mmというダウンサイジングで、“原点回帰”を果たしたエクスプローラーでしたが、214270よりも1mm大きい40mmが追加され、36mmもしくは40mmから選択できるのは、ファンからすれば嬉しい変更点でしょう!
良くも悪くもケースサイズが40mmにサイズアップした以外、目新しいトピックス(※呼び名は今までの「エクスプローラーⅠ&Ⅱ」から、エクスプローラー36&40へ変更)がないエクスプローラー40。1953年(※サブマリーナと同年)に、ロレックス初のツールウォッチとして生み出された、“プロ仕様”のスタイリッシュで飽きの来ないデザイン、70年間変わらない“探検家”のコンセプト&デザインコードは、“変えない”ことが一番の魅力なのかもしれませんね。
初代エクスプローラーが誕生した1950年代は、有名ブランドからロユースのタフな腕時計が数多くリリースされています。
ロレックス・・・エクスプローラー、サブマリーナ、GMTマスター引用: www.rolex.com
5桁リファレンスナンバーを中心に、エクスプローラーIの歴代注目モデルを簡潔にご紹介致します。
高級腕時計の2023年のトレンドとしてW&WG2023で感じられた、有名ブランドの「サイズ展開」は要注目のキーワードです。デイトジャストやオイスターパーペチュアルは、36mmより41mmの方が人気。ロレックスでは大きいサイズがトレンドな一方、チューダー(TUDOR)はブラックベイ54で小さいバージョン展開(37mm)をリリースしています。兄弟ブランドなのに、真逆のアプローチをしているのが面白いですね。
エクスプローラーは探検家という名前に反した、ドレスウォッチ的シンプルな上品さも持ち味。初代から受け継いだ控えめな高級感は、「サイズ展開」で印象も変わります。後ほどその魅力を現地写真と共に、簡単にご紹介しますのでお楽しみに!
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70年間もロングセラーを誇るエクスプローラー。アドベンチャーを好む冒険家、コンクリートジャングルで生きるビジネスマン、どちらにも似合う意匠は“完成“の域です。シンプルかつ頑丈なデザインは、“足さず、引かず”がもっとも美しいのかもしれません。 現行モデルの「エクスプローラー36 Ref.124270」、先代人気機種「エクスプローラーI Ref.214270」と比較してみましょう!
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まずは、現行モデルのエクスプローラー36 Ref.124270と比較してみましょう!
サイズ分の上げ幅の定価の違い以外、変更点がほぼない「エクスプローラー40VSエクスプローラー36」。現地写真でも比較してみましょう!
拡大してみました。
4mmもサイズを大きくしている割には、一見すると違いが判らない仕上がり。内部的な変化(※ムーブメントや素材)がない分、“外見の完成度”が高くなるよう、綿密に練られているのでしょうね!
ただし、写真で見ると分かりづらいのですが、実際並べて見ると、サイズ感の違いはしっかりと感じられました。
となれば、他のモデルであれば「ペアウォッチとしても・・・」とオススメするところですが、エクスプローラー36&40は一見”そっくりすぎ”て、ペアで、というよりはペアで「共用」できる、が現実的だな、という感想。
とはいえ、ケース&ブレスレットのバランスや重量感、着用感を実機レビュー記事でお伝えするのが楽しみだな、と現地にいながら想像が膨らみました!!
その他のロレックスの現地写真や感想が気になった方はこちらもご覧ください↓
2023年3月27日(月)~2023年4月2日(日)にスイス・ジュネーブで開催されたWatches and Wonders Geneva 2023 (ウォッチズアンドワンダーズ ジュネーブ2023)のロレックス(ROLEX)ブースの現地レポートをお届けします!
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新作224270の魅力を語る上で、先代の39mmモデル Ref.214270の存在は欠かせません!なぜなら、214270は36mmサイズを主流(※1950年代の34mm、Ref.5500が例外)としていたエクスプローラーIの常識を覆す“異端児”的存在。2000年代の“デカ厚ブーム”の影響を強く受ける、2010年という時期に、39mmの「上品なサイズアップ」で留めたそのディテールセンス、新作224270が発表された2023年の現在になって、“ベストアンサー”だったと思えます。
先代機「エクスプローラーⅠ Ref.214270」と実際に比較して、違いを少しだけ詳しくご説明致します!
124270と214270の違いが、「エクスプローラー40とエクスプローラーⅠ 214270」の変更点にも繋がっています。興味のある方は少し古いですが関連記事も事前情報としてどうぞ!
先代214270のいいところを残しつつ、先々代114270のデザインコードをブラッシュアップしたような出来栄えですね!39mmの214270に慣れ親しんだ方には、“どこか懐かしくて、どこか違う”印象を新作224270に抱くと思います。シンプルで飽きのこないデザインで、世界中に多くのファンを生み出しているエクスプローラー。一周回った時計玄人&ロレックス通の方が再度、エクスプローラーに魅了されてしまうように、214270と224270の“1mmのちょっとした違い”は、また新たなロレックスファンを生み出すのに一役買ってしまうかもしれませんね。
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高い実用性&頑丈性以外にも、資産価値の面でも要注目のエクスプローラー。最新モデルは人気と需要が集まりがちで、もてはやされがちな傾向がありますが、ロレックスは生産終了モデルも高値で取引されるレアなブランド。一世代前の214270も例外ではなく、今でも根強い人気とリセールバリューを誇っており、エクスプローラー選びを悩ましくも面白くしている状況が続いています。
現行モデル124270&124273は勿論、中古の214270にも視点を広げ、「エクスプローラーはどのような視点で選べばいいのか!?」販売相場と価格推移で、新しく登場した224270(※2023年4月現在)の価値を推し量ってみましょう!!≪124270&124273の販売相場動向&プレ値≫
124270(ブラック)・・・国内定価860,200円 (税込)、販売相場(※中古・新品未使用込み)約115~130万円前後。対定価:+30~45万円前後(133~151%)。キャリバー3230を搭載し、パワーリザーブも約70時間へ延長されて、より実用性を増したエクスプローラー36の124270&124273。11年ぶりに“お馴染みのサイズ感”に戻り、スッキリした文字盤のデザインも人気です。どちらも共通して言えるのは、ロレックスらしい「定価で買えた人はラッキー!」な鉄板のリセールバリュー。相場動向として、「エクスプローラー初のコンビ素材(SS&ゴールド)」の124273よりも、シンプルなSSモデルの124270の方がプレミア率は高いと言えますね。
昨年バブル気味だった200万円近い強保合い相場も、落ち着きを取り戻しています。一定の上げ幅と下げ幅を緩やかに繰り返しており、「真面目な生徒・模範者・優等生」といったキーワードを連想させる“抜群の安定感”。まだ金額的にはリーズナブルに見える(てしまう)ほどです。新作224270がリリースされた後も、キッチリと堅調な数字を刻んでいきそうです。
「爆発力を秘めるように力を貯めている」
「オリジナリティーが市場ウケに繋がっていない」
さて、どう捉えるか難しいところですね、ただ、エクスプローラーは代々ステンレススティール素材を採用してきているので、初のツートンコンビという立ち位置は“先駆者的存在”として、後年に高評価を受けそうではあります。124270と比べると流通数も少なめなので、「見つけたら即買い」でしょう。
兄弟サイト「ブランド時計販売のクエリ」でも、その他エクスプローラーモデル含め、若干の販売がございますので、チャンスと感じた方は有効にご活用ください!
≪214270の相場動向&プレ値≫
214270・・・参考定価687,500円 (税込)、相場(※中古・新品未使用込み)目安約110~130万円前後。上昇額目安約40~60万円前後、上昇率160~189%程度。エクスプローラーとしては稀有な39mmサイズ。そのアイデンティティーは、資産価値でも“伝家の宝刀”となっていきそうです。36mmの124270が発売される以前の2020年頃までは、70~80万円前後だった価格は、36mmに回帰する流れを受けて、ディスコン(廃盤)になっても、価格下落するどころか価値を高めています。現在も中古相場は約110~130万円前後をキープしており、“唯一無二の39mm”という大きな武器は、大幅にリセールバリューを下げることはないでしょう。
214270には後のCal.3200系では標準装備となったパラフレックス ショック・アブソーバとブルーパラクロム・ヒゲゼンマイ搭載のCal.3132ムーブメントを搭載されていた点や、2016年にクロマライト夜光や時分針などのマイナーチェンジを行った点などは、のちのちマニア受けしそうなディテールかもしれません。
2022年頭頃から、コロナの影響もありますが、ジェットコースターのような乱高下を繰り返していますね。旧作214270が39mm、新作の224270が40mmという微妙な棲み分けも功を奏しそうです。
年月が経過すればするほど、良個体は徐々に市場から姿が消え始めますので、どうしても欲しい人は高騰する前にピッチリと徹底マークをした方が賢明かもしれませんね!?
判断基準の一つとして、チャートをにらめっこする際は、自分の中の“底値”を決めておかないと、ロレックス沼に引き込まれてしまうかもしれないのはご注意を!!
新作224270の発表に関連したSNSの投稿に寄せられたコメントも合わせてご紹介します。
「40mm出た(224270)けど、39mm(214270)はまだまだカッコいい」
「大きいサイズが出て嬉しい」
「本物の男性向けサイズになってよかった」
214270を実際に着用した実機写真付きで、お互いを比べ合うようなコメントが目立つ印象です。見ていて羨ましくなるほど、ピカピカと輝いている実機画像は、大事に使っている感じも出ていていいですね!
続いて、海外のコメントもご紹介致します。今回は公式動画に寄せられた和訳要約コメントをお届けします!
「個人的に36mmがベストサイズ!」
「古いエアキングを下取りに出して購入を検討中」
「214270がなくなったときは悲しかった。ROLEXのEXPは39~40mmが完璧なサイズ、36mmだとちょっと小さい」
「高級ブランドのメンズウォッチは、38~42mmが標準サイズとして設定されているから、40mmに大きく戻すのはいい仕事ぶりだと思う」
大きいか小さいか、個人差もありますから、議論も白熱しますよね!歴史を振り返ると、36mmが“正統派サイズ”なのですが、39mmや40mmは“現代のジャストサイズ”と感じる方も多いようです。
他にも、有名高級腕時計ユーチューバーのテディさんの「Rolex Explorer 36mm vs 39mm」動画とファン達の海外コメントや、珍しい比較方法の「エクスプローラーとグランドセイコーのSBGX261(9Fクォーツ)」を解説した動画もありますので、多面的な角度でチェックしてみてください!
Ref. 224270の国内定価は909,700円。Ref.124270(36mm)が860,200円なので、サイズ分の上げ幅分でしょう。その“わずか4mm”は、資産価値では好材料になり得るポテンシャルは十分秘めていると思いますよ!
引用: www.rolex.com
モデル | エクスプローラー 40
Explorer |
---|---|
型番(Ref.) | 224270 |
ケース径 | 40mm |
ケース | オイスタースチール 構造:モノブロックミドルケース、スクリュー式バックケース、リューズ |
ムーブメント | キャリバー3230 パーペチュアル、機械式、自動巻 パーペチュアルローターによる両方向自動巻 |
精度 | 日差 - 2 ~ + 2 秒(ケーシング後) |
機能 | 時針、分針、秒針。秒針停止機能による正確な時刻設定 |
振動子 | 常磁性ブルー パラクロム・ヘアスプリング。高性能パラフレックス ショック・アブソーバ |
パワーリザーブ | 約 70 時間 |
防水性 | 100 m/330 フィート防水 |
ブレスレット | オイスター(3列リンク) セーフティキャッチ付オイスターロック、イージーリンク(約 5 mmのエクステンションリンク) |
ダイヤル | ブラック 視認性の高いクロマライト ディスプレイ(ブルーの長時間継続のルミネッセンス) |
価格 | 909,700 |
時代を超えた高精度なキャリバー、最高の耐蝕性と美しさを有したオイスタースチールで世界中の時計ファンを魅了してきたロレックス。本当に良いデザインは、時代を超えて愛されるものですが、“わずか4mm”という変更点を加えたエクスプローラー40の224270に今後どのような評価がくだされていくのか、いちファンとして楽しみなのが率直な感想です。
偉大な作品は必ずと言っていいほど、“議論する喜びと楽しみ”が残されていますが、新作224270も実機レビューで“想像する楽しみ”もありますね。観た者・手に取った者、それぞれに、様々な“感動の冒険”を今回のエクスプローラー40もロレックスは用意してくれてそうです!