更新日:2023年03月24日
2022年3月30日のロレックス新作発表から早いもので半年ほど経ちました。予想通りだったエアキングのモデルチェンジをはじめ、まったく明後日の方向から来たGMTマスターIIのレフティ、周年記念のYG製ヨットマスター、新たなレディースモデルスターの予感”フラワーモチーフ”などなど話題豊富だった2022年新作も5月頃にはデリバリーが始まったようで、そろそろ中古市場にも登場し始めていますね。そして来年のロレックス新作に関する予想も色々な説が浮上しています。
本ブログでは2023年のロレックス新作について、「発表はいつ?」「次回の新作は?」「ディスコンするのは?」と言った様々な疑問について考察して参ります!
まずは「2023年のロレックス新作はいつ、どこで発表されるのか?」という話題から。
結論から言いますと、昨年と同様に、2023年3月27日~4月2日までスイス・ジュネーブにて開催予定の「Watches and Wonders Geneva 2023 (ウォッチ&ワンダー2023、W&W2023)」にてロレックスの2023年新作は発表されると予想されます。
とか言いながらも、もはや近年「イベントで発表」がマストではなくなってきていますので、フライングで1月あたりにポンと新作発表する可能性もあるかな、とも考えていますが・・・。
「Watches and Wonders Geneva 2023」は、かつては「SIHH(ジュネーブ・サロン)」が開催されていた、ジュネーブ空港から近い位置にある「パレクスポ展示場」で開催予定です。
リアル開催された今年度の「Watches and Wonders Geneva 2022」の期間中の来場者数は、全体で約2万2,000人。実際の会場の様子が分かるハイライト動画がこちら。
ロレックスのパビリオンもチラっと映っていますね。Watches and Wonders Genevaには、ロレックスはもちろん、パテック・フィリップやチューダー、ショパール、シャネル、グランドセイコーといった独立系ブランド、カルティエやIWCなどのリシュモン・グループ傘下のブランド、LVMHグループのゼニス、ウブロなど多くの有名ブランドが集結し、バーゼルワールドに代わる世界最大の時計見本市となりました。来年度も大いに盛り上がることでしょう。W&W2023開催概要については関連記事をご覧ください。
2023年のロレックス新作予想を立てる前に、予備知識として2022年の主な新作をさらっと振り返っておきましょう。
ロレックス2022年新作 GMTマスター Ⅱ Ref. 126720VTNR
誰も予想もせず、一番の驚きだった新作はこちら。レフティ(左利き用)モデルの「ロレックス GMTマスター Ⅱ 126720VTNR」です。
ロレックス2022年新作 エアキング Ref. 126900
そして大方の予想通りだったのは「ロレックス エアキング 126900」です。ムーブメントをCal.3230へと変更し、新たにリューズガードが採用されました。
ロレックス2022年新作 ロレックス ディープシー Ref. 136660
どこが変わったのか正直分からないぐらいのマイナーチェンジをしたのが「ロレックス ディープシー 136660」です。
ロレックス ヨットマスター 42 Ref.226658 & Ref.226659
2022年はヨットマスターの30周年記念、ということで投入されたのが、イエローゴールドの「ロレックス ヨットマスター 42 Ref.226658」と18Kホワイトゴールドの「ロレックス ヨットマスター 42 Ref.226659」です。特に後者の「ファルコンズアイダイアル」はインパクトがありましたね。
ロレックス デイデイト 40 Ref.228236 & Ref.228238
初のプラチナ製のフルーテッドベゼルを備えた「ロレックス デイデイト 40 Ref.228236」と、グリーンダイヤルの「ロレックス デイデイト 40 Ref.228238」。
ロレックス デイトジャスト 31 Ref.278288RBR、278274、278381RBR
レディースモデル「ロレックス デイトジャスト 31」にもフラワーモチーフとダイヤモンドの組み合わせが美しいダイヤルバリエーションが追加されました。オリーブグリーン、アズーロブルー、シルバーといずれも美しさに目を奪われますね。
そのほかロレックス2022年新作として、全面ダイヤがゴージャスなロレックス デイデイト 40 Ref.228398TBR、ブラックオニキスダイヤルのロレックス デイデイト 40 Ref.228238、カラフルな貴石が美しいロレックス ヨットマスター 40 126679SABRなど、多数追加されました。
もっと詳しく知りたい方は下記ブログをご覧くださいね。
ロレックス(ROLEX)は2022年3月30日より開催の”Watches and Wonders 2022”にて新作を発表しました!
さらに、”Watches and Wonders 2022”とは別に、11月というタイミングでロレックスが新作を追加発表しました。それが「ロレックス ディープシー チャレンジ RLXチタン 126067」です。11,000mという史上最高の防水性と、ロレックス初のフルチタンモデル、50mmという巨大ケースで度肝を抜かれました。こちらについても詳しくは以下のブログをご覧ください。
2022年新作 ロレックス Ref.126067 ディープシー チャレンジ RLXチタン (¥ 3,093,200-)を徹底解説します!
それではいよいよ来年のロレックスの新作予想に移ります。まずロレックスの新作を予想するには、大きな軸となる”2つの観点”があります。
もちろん新しい素材、文字盤、といったマイナーチェンジ的な新作もありますが、大きな変化としてその年の”メイン”となる新作は上記2つのパターンに当てはまることがほとんどなのです。それぞれについて解説します。
2003年の「サブマリーナ50周年記念モデル Ref.16610LV」、2005年「GMTマスター50周年記念モデル Ref.116718LN」、2017年の「シードゥエラー50周年記念モデル ”赤シード”Ref.126600」・・・。ロレックスはこれまでにも”モデル誕生”といった”節目”を記念したモデルを発表しています。そして「周年記念」という意味において、2023年は「当たり年」と言えるでしょう。モデル誕生の年に注目してみます。
50周年でなく60周年や70周年だと中途半端な気もしますが、 2016年にデイデイト60周年記念として「デイデイト40(Ref.228235、228239)」にオリーブグリーンダイヤルを追加したこともありますので、可能性がゼロということはないでしょう。
この3つの候補を見ると、エクスプローラーは2021年「ロレックス エクスプローラー 124270&124273」や「ロレックス エクスプローラーⅡ 226570」が発表されたばかりですし、サブマリーナも2020年にフルモデルチェンジしています。新作が出るとしたら素材やカラーの追加程度でしょう。
となると、やはり本命にして皆様が切望しているのは「ロレックス コスモグラフ デイトナ新作」の誕生ですよね。しかも現行デイトナに搭載しているムーブメント Cal.4130は2000年に誕生して以来、22年も現役を続けているロングセラーのキャリバー。ロレックスにもいよいよ新しいクロノグラフムーブメントが誕生してもいいのではないか、という気がしています。
そして上記リストには入れませんでしたが、新たな伏兵も?!実はもう一つのロレックスのクロノグラフ、「ヨットマスターII」もステンレススティールモデルの誕生が2013年、ということで、2023年はその10周年、とも言えます。デイトナがリニューアルするなら、ヨットマスターも・・・?!これについても後程詳しく考察して参ります。
ロレックス新作を予想するに当たり、もう1つ大事な観点、それが「次世代ムーブメントへの変更」です。
ロレックスは1980年代より活躍したCal.3100番台のムーブメントに変わる、3200番台の次世代ムーブメントを開発し、”32系・3200系”などと呼ばれる新キャリバーは、14個もの特許を有し、パワーリザーブが48時間から70時間に延長されました。
2015年初出の「キャリバー Cal.3255」は最上機である「デイデイト40」に搭載されお披露目。それ以降、ロレックスは毎年モデルごとに32系ムーブメントへ置き換えを進め、順次新しいリファレンスが誕生しています。
そして2022年現在、旧世代ムーブメントである3100系キャリバーを搭載したモデルは、
「ミルガウス 116400GV(キャリバー3131)」「チェリーニ ムーンフェイズ 50535(キャリバー3195)」の2機種となりました。
チェリーニはロレックスの中でもハイクラスなドレスウォッチですが、少なくとも日本ではあまり人気も振るわず、どんどん生産終了となり今や上記1モデルを残すのみ。チェリーニはモデル自体消滅するのではないかと囁かれています。
となれば、2023年「ムーブメント載せ替え」に伴う新作は「ミルガウス」という説が濃厚です。
それでは以上のことも踏まえつつ、いよいよロレックスの2023年新作の予想に入っていきましょう!
前述の通り、「周年記念で発表される新作」の最有力候補として挙げたのが、今年誕生60周年を迎える、ロレックス コスモグラフ デイトナです。実際、2013年には「デイトナ誕生50周年」を記念してプラチナモデルの「デイトナ アイスブルー Ref.116506」が発表された実績もあります。
さらに言いますと、ミレニアムイヤー、ということもあったかとは思いますが、ロレックスは現行デイトナにも搭載されている念願の自社製クロノグラフムーブメント、「キャリバー4130」を2000年に誕生させた際、カラフルな18Kホワイトゴールドモデル「デイトナ ビーチ」という異色のモデルを発表しています。
前述の「ムーブメントへ置き換えで新リファレンスに移行」という内容にも絡みますが、来年「デイトナ誕生60周年」を記念して新ムーブメントが登場するとしたら、いよいよ新リファレンス「126500LN」など1265系デイトナの誕生も期待できるかもしれません。
ただシリーズ最新モデルにして最大の人気を誇る「ロレックス コスモグラフ デイトナ 116500LN」の誕生が2016年と、まだ6年しか経っていませんので、ちょっと短すぎるかな・・・というのは懸念点ではあります。今年デイトナがムーブメントを刷新しなかったとしたら、「116500LN 誕生10周年」として2026年に・・・?という可能性もあるでしょう。
さて、60周年を記念して新作デイトナが登場するとしたら、一体どんなモデルになるのでしょうか?プラチナ、ゴールド?文字盤カラーは?
というわけで、一度ロレックスデイトナの現行モデルのラインナップを確認しておきましょう。
型番(Ref.) | ケース素材 | 文字盤色 |
---|---|---|
116500LN | SS | 白、黒 |
116503 | SS&YG | 白、黒、シャンパン |
116503G | SS&YG | 黒,8Pダイヤ |
116505 | RG | 白、黒、サンダスト、チョコ、メテオライト |
116505G | RG | 黒,8Pダイヤ |
116505A | RG | サンダスト,バゲットダイヤ |
116515LN | RG | 白、黒、サンダスト、チョコ、メテオライト |
116515LNG | RG | 黒,8Pダイヤ |
116515LNA | RG | サンダスト,バゲットダイヤ |
116508 | YG | 白、黒、緑、ゴールデン、シャンパン、メテオライト |
116508G | YG | 黒,8Pダイヤ |
116518LN | YG | 白、黒、緑、ゴールデン、シャンパン、メテオライト |
116518LNG | YG | 黒,8Pダイヤ |
116509 | WG | スチール&ブラック、ブルー、メテオライト |
116509G | WG | 黒,8Pダイヤ |
116519LN | WG | スチール&ブラック、メテオライト |
116519LNG | WG | 黒,8Pダイヤ |
116506 | Pt | アイスブルー |
116506A | Pt | アイスブルー、バゲットダイヤ |
SS=オイスタースチール,YG=イエローゴールド,WG=ホワイトゴールド,RG=エバーローズゴールド,Pt=プラチナ
この一覧からも分かる通り、今デイトナの現行機にはオイスタースチール&エバーローズゴールドのロレゾールモデルがないので、そのラインナップ展開も追加されるとよいと思うのですが、ただ周年スペシャルモデルとして登場するならやはりプラチナかゴールドの貴金属素材で、アイスブルーのような特別な文字盤を期待したいところ。あと伏兵としてはデイトナチタンモデルとか?!
例えば、オイスターパーペチュアルに追加されて空前のヒットを記録した「ターコイズブルー」がデイトナから登場しようものなら、市場がひっくり返る大騒ぎとなるでしょう。雑ですがイメージはこんな感じです。
あるいは、コーポレートカラーであるグリーンを採用したダイヤルは現行デイトナではイエローゴールドモデルにしかないので、アイスブルーのようなサンレイのグリーンダイヤル×プラチナの「デイトナ 126506」、なんていうのもありかも?
いや、うーん、あんまりピンと来ませんかね。「デイトジャスト 126200-0023」みたいなもう少し暗めのミントグリーンも綺麗かも?
往年の人気モデル、「デイトナ ポールニューマン」のエキゾチックダイヤルが復刻してくれたりなんかしたら本当に嬉しいのですが、ロレックスは他のブランドと違って懐古趣味があまりないようですので、これは期待薄でしょうね。ただの願望です。廃番でもはや雲上のプレミアモデルとなっている「デイトナ レインボー 116595RBOW」の後継機「デイトナ レインボー 126595RBOW」なんかも出るといいですね。とてもじゃないですが買えませんけども。
世界一高い腕時計ロレックス”ポール・ニューマン”デイトナ6239腕時計史上最高額の約20億円で落札!!
なお「デイトナビーチ新作」や「エバーローズゴールドのロレゾール」については昨年散々(笑)予想しておりますので、そちらをご覧ください。
新ムーブ搭載でデイトナ ビーチが登場する?海外のロレックス新作予想も検証!
続いては、もう1本「周年モデル新作」として、2023年に誕生70周年を迎えるサブマリーナーの新作予想です。
サブマリーナも2020年にフルモデルチェンジしていますから、あるとしても素材やカラーリングの新作かな、というところ。
現行のサブマリーナーはこんな感じです。
型番(Ref.) | ケース素材 | ベゼル&文字盤色 |
---|---|---|
124060 | SS | 黒ベゼル&黒ダイヤル |
126610LN | SS | 黒ベゼル&黒ダイヤル |
126610LV | SS | グリーンベゼル&黒ダイヤル |
126613LN | SS&YG | 黒ベゼル&黒ダイヤル |
126613LB | SS&YG | ブルーベゼル&ブルーダイヤル |
126618LN | YG | 黒ベゼル&黒ダイヤル |
126618LB | YG | ブルーベゼル&ブルーダイヤル |
126619LB | WG | ブルーベゼル&黒ダイヤル |
SS=オイスタースチール,YG=イエローゴールド,WG=ホワイトゴールド
上記ラインナップを踏まえて、考えられる予想を挙げてみます。
いかがでしょうか。プラチナの時計着けて海に潜るっていうのは、よく意味が分かりませんが。個人的には②SS以外のグリーンサブ、見てみたいなっていう。大人気のデイトナ116508-0013のような、YG×グリーンダイヤル、さらにグリーンベゼルの「サブマリーナ 126618LV」、イメージこんな感じです。言うなれば”ゴールドハルク”です。
綺麗ですよね。あってもいいんじゃないって気がしませんか?
残り少なくなった”3100系”ムーブ搭載モデル、ということで、前回も多くの方が予想していたミルガウス新作。というわけで、来年こそはムーブメントを載せ替えた「ミルガウス 126400GV」が誕生するだろう、というのが大方の予想です。これについては昨年から弊社の予想はあまり変わってませんのでよろしければ昨年の予想記事もご覧ください。
【現行モデル】ロレックス ミルガウス 116400GV
「ミルガウス」はフランス語の1000(mille、ミル)と磁束密度の単位(ガウス)がモデル名の由来となっています
現行の「ミルガウス 116400GV」に搭載されているムーブメントは「キャリバー3131」。もとはミルガウス専用に開発された高耐磁ムーブメントで、今年リニューアルする前の「エアキング 116900」にも搭載されており、新生「エアキング 126900」では「キャリバー3230」に変更されました。恐らく、2023年新作として「ミルガウス 126400GV」が出るのであれば、同じく「キャリバー3230」が搭載されるのではないでしょうか。
「キャリバー3230」は「エクスプローラーI」やノンデイトの「サブマリーナ」など広く採用されているシンプルな日付無し3針タイプのムーブメント。常磁性ブルー パラクロム・ヘアスプリングと高性能パラフレックス ショック・アブソーバにより耐磁性と耐衝撃性が向上、パワーリザーブは約 48 時間→約 70時間へと延長されています。
しかし昨年から再三主張させて頂いておりますが、”ミルガウス”と名乗るからにはやはり「耐磁性」の更なる強化を図った新型ムーブメント( Cal.3231?)を開発してもよいのでは?スマホやPC、タブレット等、日常的に磁気にさらされる機会が増えた現代において、そのニーズは高まっており、ロレックス以外のブランドでもかなり高度な耐磁性を誇るモデルが続々と登場しています。例えばオメガのマスター クロノメーター。ムーブメントのパーツ自体を非磁性体部品で構成するため、もはや磁気そのものを気にする必要すら無くし、それによりケースに磁気シールドなども必要なく、裏スケだってできちゃうよ、という超優秀で画期的なキャリバーです。果たしてこれにどう対抗するのか?
外観上の変化で予想されるところは、まずエアキングが2022年のモデルチェンジでクラウンガードを装備して”プロフェッショナルモデルらしさ”をアップデートしたように、ミルガウスにもクラウンガードができる可能性はあるかもしれません。ミルガウスも一応ロレックスの分類上は”プロフェッショナルモデル”ですから。
あと細かいところですが、エアキング同様、セーフティキャッチ付きクラスプに変更されるとより堅牢なイメージになってよいかな、と思います。例によって雑ですが、”116400GV ホワイトダイヤル”の復活を祈願してこんなイメージを作ってみました。
あとこちらは昨年のままですが、さらにエクスプローラーIのロレゾールモデルを踏まえ、ミルガウスにもSS×YGコンビのロレゾールモデル Ref.126403GVが追加されるのでは?!という予想図です。やっぱりミルガウス Zブルーは残してほしいですよね。
エアキングのリニューアル時の価格(定価)の変化を見てみますと、旧作エアキング ref.116900の最終定価は793,100円(税込)でしたが、新作 ref.126900は¥816,200 (税込・発表当時の定価)と、¥23,100増となり、スペックアップした割には”微増”だな、という印象でした。価格改定で現在は¥872,300(税込)ですから、その変化の方がよほど大きかったわけです。
そして気になるのがズバリ値段です。「ミルガウス 116400GV」の2022年10月現在の定価は¥1,085,700(税込)です。ああ、ミルガウスもいつの間にやら100万円オーバーの時計になっていたんですね。モデルチェンジ後はエアキングの例に倣うと110万円程度に収まるでしょうか。いやー、物価高って恐ろしいですね。海外ブランドの価格改定という名の値上げは、どんなブランドももはや例外なく避けようがない事態ですので仕方ありません。
「ヨットマスターII」は「10分から1分間までのカウントダウンできる機能(レガッタ・クロノグラフ)」を備えたちょっと特殊なモデルです。ヨットマスターIIはクルージングを楽しむセレブリティをターゲットとしたラグジュアリーモデルで、当初は金無垢しかラインナップされていませんでしたが、後にコンビモデルとステンレスモデルが追加されました。「ヨットマスターII」にはデイトナに搭載される「Cal.4130」をベースに開発した「Cal.4161」を搭載しています。
「周年モデル」で言及しました通り、デイトナの搭載ムーブメント「Cal.4130」がもしリニューアルされるのであれば、それをベースとした「Cal.4161」も「Cal.4261」へと刷新される可能性だってあるのでは、という予想です。まぁ実際はデイトナもヨットマスターIIも、なんていう大掛かりなリニューアルがたった1年で実施されるとは考えにくいので、これから数年のうちにあり得る可能性、程度に思って頂いたほうが良いかもしれません。2007年誕生モデル、ということを考えれば2027年まで持ち越される可能性もありますが。
ちなみにヨットマスターIIの現行ラインナップは以下の通り。
【現行モデル】ヨットマスターII 116680&116681&116688
3機種しかないんですね。リニューアル時には2022年生産終了(廃番)になってしまったホワイトゴールド&プラチナベゼルの116689も、新リファレンス(126689)になって再登場するかもしれませんね。ヨットマスターII自体は2007年に発表されたモデルですが、スティール製の「ヨットマスターII ref.116680」の誕生が2013年で、ちょうど2023年で10周年に当たりますから、何かしらのマイナーなモデルチェンジがあっても不思議ではないですね。
一部では「ヨットマスター」に「チタンモデル」誕生の可能性も噂されています。根拠になっているのは、チタン製ヨットマスター42のプロトタイプモデルの存在です。ロレックス・アンバサダーで、イギリス人セーラーのベン・エインズリーがそのプロトタイプを着用している姿を何度も目撃されており、彼自身が「ロレックスのチームは、私にチタンのヨットマスター42をプレゼントしてくれて、信じられないほど思いやりがある」とまで公言、さらにその時計がCal.3230ムーブメントを搭載していることも認めているのです。
ロレックスは彼にこのプロトタイプをアメリカズカップやSailGPなどの実際のレースで着用するよう依頼したとか。
1970年代、ロレックスはフランスのダイビング会社「コメックス」にサブマリナーとシードゥエラーを実際に潜水する際に着用し、飽和状態にすることで時計の完成度を高めるよう依頼した、というエピソードや、ジェームズ・キャメロンが最深潜水記録を更新した「ディープシー・チャレンジ」を思い出しますね。
クルージングを楽しむ人たちのためではなく、プロのヨットセーラーのためのツールウォッチ、という本来的な意味を取り戻す試みなのかもしれません。
が、正直なところ、ロレックスのハイエンドモデルにチタンは似合わない、と思うのは筆者だけではないでしょう。確かにチュードルのペラゴスにはチタンモデルがありますし、ロレックスでもセラミックベゼルのサブマリーナーにはチタン製のクリスタル固定リングが、ディープシーには従来のステンレススチールよりも柔軟性が高いため、チタン製の裏蓋が採用されています。ロレックスが全くチタンを使わない、ということではありません。
チタンの時計はスティールよりだいたい値段が高く設定されていますし、そして何より「実用性」を考えれば軽量なチタンはアクティブに使うスポーツモデルとしてはいいんだろうな、とも言えます。
「ヨットマスターII」にしても、競技用セーリングのために特別にデザインされたにしては、44mmとかなり大きく重く、軽量な装備が不可欠なスポーツに最適とは言い難いですよね。もしロレックスが「チタン製ヨットマスターII」を作れば、この時計の最大の欠点である機能性をほぼ改善することができる、とも言えます。(実際の競技に本当にそのアナログな時計を使う可能性がどれほどのものかは分かりませんが。)
ただ、ただですね、どうしても、高級感がイマイチ感じられないんです。やっぱりロレックスの最上位機種の1つである「ヨットマスターII」は、研磨もできないチタンではなくて、ピカピカに磨かれた金属の重厚感を求めてしまうんです。
しかし今や、オメガ、ブライトリング、グランドセイコー、IWC、リシャール・ミル、そしてついにヴァシュロン・コンスタンタンまでもがチタン製の腕時計を作る時代。これが実現すればなかなかの話題となることは間違いないでしょう。
2022年11月にはなんの前触れもなく、フルチタン製の「ロレックス ディープシー チャレンジ RLXチタン 126067」が発表されましたので、ここに来ていよいよ「チタン製ヨットマスター」の誕生も現実味を帯びてきましたね・・・。ヨットマスターIIではなく、プロトタイプを製品化して「ヨットマスター42 Ref.226657」なんて登場するかもしれません。
国内外でも様々な予想が飛び交っていますので、その口コミの一部をご紹介しましょう。
昨年弊社が2022新作として予想したものもいくつか見受けられましたね。最近時計業界は俄かに”水色ブーム”が巻き起こってますので、ターコイズのオイスターパーペチュアルの衝撃冷めやらぬままに、他のロレックスモデルでもティファニーブルーの展開を望む声は多く聞かれます。
カラフルなロレックスの登場は是非今後も期待したいですね!それでは次に海外の予想記事についてご紹介して参りましょう。
wristadvisor.comでは、ロレックスの2023年の動向について、以下のように予測しています。
新作に関わるところですと、③についてはロレックスは人気のあるステンレス製の時計、GMTマスターのバットマンやペプシ、デイトジャストのウィンブルドン(スレートダイアル×グリーンのローマンインデックス)、オイスターパーペチュアルのキャンディカラー、サブマリーナのカーミットなど、と紹介しています。
④は、現状デイトジャストの金無垢モデルはデイデイトと同じプレジデントブレスレットが採用されていますが、あえてジュビリーブレスレットを採用したモデルが追加される、という予想。
⑤は、オメガやIWCが大胆なレッド文字盤で人気を博したことを受け、サブマリーナに赤文字盤を投入するのでは、という予想。
⑥はグリーンやティファニーブルーを取り入れた新しい2トーンベゼルを採用するのでは、という予想です。
⑩は現状ロレックスは”レディデイトジャスト”に力を入れていますが、スポーツモデルにも新たな選択肢が加わるのでは、という予想です。
ORACLE TIMEではJAMES DOWLING氏が2月に新作予想記事を掲載しています。
①は現在のCal.3131から、新しい32系のムーブメント(おそらくCal.3231?)を搭載し、昨年リニューアルしたエアキング同様リューズガードを備えたケース、そしてコーポレートカラーであるグリーンのダイヤルを備えた新作が出るのでは、という予想です。
②は2000年に導入されて以来、現在カタログに掲載されている最も古いキャリバーであるCal.4130を刷新するのでは、と言っても数年先だと思うけど、といった内容。
③はロレゾールのディープシーはびっくりだけど、だったらいっそ金無垢作っちゃいなよ!という主張。
④は50mmという巨大なディープシー チャレンジ 126067を見る限り、ロレックスは大きい時計を「良し」とみなしているようなので、それならデイトジャストにさらに大きなバリエーションを追加したっていいじゃないか、という主張。需要ありますかね?
⑤ロレックスは昔開発し特許を取得したクォーツの永久カレンダームーブメント、Cal.5355を搭載したプロトタイプを製作しています。最近F.P.ジュルヌやシチズンのCaliber 0100 が評価されているので、そろそろ発表しちゃってもいいんじゃない?と。
⑥メテオライトのような希少素材をダイヤルに採用することで、小売価格を上げるんじゃないか、という予想。
⑦デイトナでお馴染みのレインボー、昨年は「ヨットマスター 40 126679SABR」も発表されましたが、今年ヨットマスターにレインボーベゼルが追加されるのでは、という予想ですね。
いよいよロレックス新作発表まであと2週間ぐらいとなり、各方面で様々な情報が飛び交い、リーク情報っぽいものも出始めています。
例えばInstagramの”notyourwatches”というアカウントでは、紙カタログに掲載された新作(と思しき)の写真が掲載されています。
現行のプラチナのデイトナ REF.116506はメタルブレス仕様のみですので、オイスターフレックスベルトバージョンが出たら確かに新しい。
126611LN、は今存在していないRef。現行のサブマリーナデイトはSSとイエローゴールドのロレゾールのみですので、エバーローズゴールドのロレゾールはけっこう肌馴染みはよさそうですが上品すぎる印象も?
これは既に予想で挙げたミルガウスの新リファレンスです。クラウンガード付きになってますね。
2022年新作でレフティとして登場した緑黒GMTのノーマルバージョン登場?79200オイスターブレスか、69200ジュビリーブレスか選べる、と。
現行のイエローゴールド無垢のサブマリーナデイトは青ベゼル・ダイヤルもしくは黒ベゼル・黒ダイヤルのみ。グリーンのベゼル&ダイヤルですか・・・。ちなみにホワイトゴールドのサブマリーナデイトは青ベゼル×黒ダイヤルです。緑ベゼル×黒ダイヤル、のほうが落ち着くかもですが、GMTマスターIIそっくりになっちゃうんでないですかね。
ちょっとこの写真の緑ダイヤルは明るすぎるような気もしますが、色調はモニター次第なので難しいですよね。
なるほど、こう来ましたか。確かに現行のメテオライト文字盤のデイトナはベゼル含むオールゴールド、もしくはオイスターフレックス×黒セラミックベゼルのいずれかですので、黒ベゼル×ゴールドブレスレットの組み合わせはありません。
あえて紙製のカタログに掲載された画像なので、コラ画像っぽさがあまり感じられませんが、こんなの流出するとは思えないのでやはりコラでしょうか。さてさて真相は。
【20233/23追記】どうやらやはりフォトショップ的なソフトを使ったコラ画像だったようで、投稿者自ら暴露しています。(良心的?)
ファンの皆さんはコラと確信していた方がほとんどのようで、「大いに楽しめたよ」「グッジョブ」といったコメントが並んでいます。
そろそろロレックスから新作のティザーが流れる時が近づいていますのでSNSのチェックは欠かせませんね。
ロレックスがモデルチェンジする、ということは「既存モデルが生産終了(ディスコン)になる」、ということとほぼ同義です。ロレックスは生産終了モデルが「もう手に入れられない」という心理からか価格高騰する、という傾向が見られますので、皆さん新作とともに気になる情報でしょう。ここまでのロレックス2023年新作予想を踏まえると、ムーブ載せ替えでモデルチェンジして価格高騰が考えられる可能性があるモデルは以下の通りとなります。
①はかなり可能性が高いですが、まぁ他の2つについてはそんなこともあるかな、とご参考までに。あとチェリーニはモデル自体消滅の危機、という可能性はあります。
なお、2022年のディスコンモデルについてはこちらの記事でまとめています。
2022年のディスコンモデルの価格動向や、今後生産終了および価格高騰が予想されるロレックスについて紹介します。
ロレックスの2023年新作予想、毎年のことながら「とにかく数打ちゃ当たる方式」でお届けして参りましたが、いかがでしたでしょうか。恐らくデザインはともかく「ミルガウス新作」の線は濃厚だと思いますが、ロレックスは大体毎年しっかり予想を裏切ってくれますので、まったくここに挙げなかったようなモデルが投入されることでしょう。デイトジャストの新柄予想とか、、、無理ですから!(泣)
それはさておき、ロレックスはここ数年、カラフルなオイスターパーペチュアルや、レフティモデルの投入など、ダイバーシティ(多様性)やジェンダーレスと言った、いわゆる「SDGs」を意識したサステイナブルな時計作りに取り組み始めていることが窺えます。
数年前に世界自然保護基金(WWF)の調査で環境対策に関して「透明性がない」または「遅れている」と批判されたことも影響しているのでしょう。
最近ではあらゆる業界の高級ブランドで動物や石油由来の『革』に代わる『ヴィーガン・レザー』が模索されており、例えば今年1月にデジタル技術見本市「CES」でメルセデス・ベンツが披露した電気自動車「EQXX」の座席にはメキシコ発の「サボテン革」が使用されていました。LVMH傘下のジバンシィはこの「サボテン革」をリップの容器に採用しています。また、イーロン・マスク氏率いる電気自動車専門メーカー『テスラ』も革素材の排除を宣言し、”Banbū Leather”と呼ばれる「竹」を原料とするレザーを採用するなど、「本革」は時代遅れ、と言われる未来もそう遠くないかもしれません。高い環境意識を持つ高所得層にアピールするにも、これは無視できない流れでしょう。
「SDGs」においてはIWCやパネライなどには後れを取っている感が否めないロレックスですが、他の時計ブランドが取り組んでいるように、ロレックスから海洋プラスチックや再生PETを材料とする新たなケースやストラップが登場することもあるのかも・・・?現行のレザーストラップモデルはチェリーニぐらいですので、ヴィーガン・レザーへの置き換えはスムーズにできそうですよね。ショパールのような「エシカルゴールド」はぜひ検討してほしいなと思います。
ロレックスは新作も楽しみですが、コロナや世界の状況が少しでも落ち着き、生産ラインが整って供給量が増えることを切に願います。一時期のピークは過ぎたものの、以前ロレックスの時計の高騰は続いており、特に金無垢の時計はなかなか生産数が増えないそうです(正規店スタッフ談)。海外の時計情報サイトなどを見ていると、「ロレックスはゴールド製モデルに注力していく」、という見方がやや優勢のようですが、スティール製の時計がもっと質・量ともに充実していって欲しいですね。
今後も新作に関わる情報が入りましたら、追記いたします!
ロレックスの人気モデルを中心に最新の定価を一覧にまとめ掲載しています。
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