更新日:2026年09月16日
1965年に国産初のダイバーズウォッチ“ファーストダイバー”Ref.6217-8000/8001(通称:62MAS)発売以来、世界中のプロフェッショナルダイバーから高い評価を獲得してきたセイコーダイバーズ。昨年には誕生60周年の記念すべき節目を迎えました。
2025年7月1日~7月31日にはファン参加型の60周年特別企画を実施、世界中のセイコーファンが投票で選んだ特別な限定モデル“Daytime Blue(デイタイムブルー)”HBC011Jが、10月9日(金)より発売されます。希望小売価格は199,100円(税込)、全世界4,500本(国内2,000本)の数量限定です。
ある意味「予想通り」と申しますか、最終的な勝者は「青」の“デイタイムブルー”でした。“日の出・午前・午後・夕暮れ”4つの時間帯をイメージした4色のカラーリングが、投票時にラインナップされていましたが、もっともポピュラーカラーな青が商品化として決定されたのです。
個性的なタウンウォッチとして人気のオレンジ、人の印象に残りやすいキャッチーな色合いのレッド、時計業界でも高いニーズを誇るグリーン、いずれのカラーが最終候補として選ばれても不思議ではありませんでしたが、超定番&ド本命のブルーがやはり強かった、という結果です。
マニアックな色を出して欲しい、そんな趣旨の書き込みをネット上の口コミでちらほら見かけますが、「実際に買って所有したい色」となるとターコイズに近い色味の“デイタイムブルー”が、国の垣根を越えて票を集めやすかったのでしょう。
1年の準備期間を経て、ファンセレクト限定モデルとして満を持して登場したHBC011J、その“特別な青い輝き”を様々な観点でその魅力と価値を分析してまいりましょう。
以前『セイコー プロスペックス新モデル人気投票比較記事』でもご紹介した通り、セイコーは「日の出=オレンジ、日中=ブルー、日暮れ=グリーン、日没=レッド」の4色から、誰でも1回投票にて好きな色を選ぶことができるユーザー参加型の面白いイベントを開催。順当に一番人気であろう“デイタイムブルー”が勝ち残りました。60周年記念限定モデルSBDC213で採用されたダイナミックな波模様の「ウェーブパターン」に色味が一番馴染んでいましたし、時計ファンが本当に欲しいのは結局“正統派カラーのダイバーズ 1965 ヘリテージデザイン”、という心理の表れとも見て取れますね。
本作の見どころを簡潔にまとめつつ、公式ページのイベントブースの様子もラフにまとめてみました。
≪HBC011Jの見どころ≫
実際のコメントにもありますが、青い海と白い波のコントラストがHBC011Jの醍醐味でしょう。現地では4色で投票箱が分かれており、実際ブルーに投票している人が多そうでした。マニアックな色を期待していた方からすれば、やや面白みに欠ける展開かもしれませんね。
青色は国・性別を問わず「好きな色ランキング」でぶっちぎりの1位で、Disney、VISA、旧Twitterの青い鳥、Facebook、P&G、ワーナーブラザーズ、アメリカンエクスプレス、IBMなど世界的に有名なブランドのロゴに使用される超定番色!!!時計ライターとしては若干の番狂わせを期待していたのですが、一世を風靡したターコイズカラーのような「明るい青」は、まだまだ人気色として時計業界を牽引していきそうな勢いです。
本作の最大の魅力である「ターコイズブルー風の波模様」はネット上の評判も良く、一部取扱店では既に予約完売した、との噂です。全世界4500本(国内2000本)の限定本数の多さを苦にせず、トントン拍子に売り上げを伸ばしていきそうですね。企画から製品化まで時計ファンの関心を引きつけ続け、多くの投票を集めた時点で、イベントとしては大成功と言えるでしょう。
惜しくも敗れたイエロー・グリーン・レッドの3色もかなり良い出来栄えでしたが、公式特設ページでは、「ブルー以外の発売予定はない」と明記されています。“敗者復活戦”があっても面白いかもしれません。
前置きはこのくらいにして、ファンセレクトモデルHBC011Jの完成度について、ダイヤル→ケースサイズ→ムーブメントの順に掘り下げていきましょう。
HBC011Jに採用された優勝色「青」は、日の出から昼にかけて太陽が強く降り注ぐ、鮮やかに輝く海を再現。荒々しい海の波模様を模した特別な型打ちパターンに、ターコイズブルーの爽やかな色合いが実によく馴染んでいますね。
メタリックブルーのアルミ製ベゼルがなかなかいい仕事をしていて、程よいコントラストを醸し出しています。少々見慣れた感のあるターコイズ風ダイヤルですが、要所にシルバー調のアクセントが効いており、デザインが退屈な印象になるのを防いでいます。この角度から見たダイヤルの公式写真を見る限り、完成度は相当高めです。
型打ち模様のウェーブマークパターンは、1975年発売の“初代ツナ缶6159-7010の裏ぶたに刻印された由緒正しいマークで、セイコーダイバーズの「技術力と信頼」を証明する正当な証でもあります。
ファン投票1位に輝いた“デイタイムブルー”の色味といい、存在意義がキッチリしているのは、HBC011Jならではの強みがあっていいですね。
HBC011Jと関連性のあるモデルを比較していきましょう。今回の記事では、「プロスペックス3:他ブランド3」とバランスよくピックアップしてみました。
セイコーダイバーズ60周年の節目である2025年発売のSBDC213&SBEJ027。ウェーブマークをモチーフにしたダイナミックな波模様の型打ち文字盤を初採用したモデルで、それぞれ違った白波&青波の美しさを完成させていました。
どちらも6000本限定(うち国内2000本)、と雲霞の如き生産数でしたが、機能・デザインの両面で更なる進化を遂げたのが功を奏し、多くの取扱店では完売が相次ぐ事態に。プロスペックスの限定モデルのセールス力の強さは流石のひと言に尽きますね。
4500本、というHBC011Jの生産本数は、限定モデルとしてはやや多すぎるきらいがありますが、世界規模の投票イベントもウケがよく、本作も4500本売り切りそうな気配です。
ブルー×シルバーのコンビネーションがクラシックな雰囲気のセイコー創業145周年限定ダイバーズHBC005J&HBB001J。ブランドのDNAでもある「セイコー・ブルー」をシャープなデザインテイストで仕上げています。
HBC005Jも世界限定4,000本(国内1,500本)の販売個数の多さで、時計専門店や主要オンラインショップを見る限り、発売から数ヶ月が経過した現在(2026年9月)でも比較的落ち着いており、まだ市場で「定価」で購入可能な状況です。
筆者イチ押しの欧州限定2024“ザキントス島”SPB473も少しだけ。白×青のグラデーションパターンが抜けるような爽快感を演出しており、バカンス気分にもってこいな“アイランドブルー”を生み出していました。
本数多めのグローバル向け限定モデルは「定番寄り」、本数を絞った地域限定モデルは「斬新なデザイン」と、同じ青系統でも販売戦略を上手く差別化出来ていますね。
少し視野を広げて、その他ブランドのターコイズカラーダイヤルも見ていきましょう。銀座の地図を模した“銀座グリッドパターン”をダイヤルへ採用した銀座限定2022モデル SBGH297。模様・色味が絶妙で、ターコイズ文字盤ブームの中でも異質な輝きを放っていました。
ロレックスのオイスター パーペチュアル ターコイズブルー、パテック フィリップとティファニーのWネームモデル ノーチラス “ティファニーブルー” 5711/1A-018、天然ターコイズ鉱石を使用したロイヤルオーク オートマチック37mm 15550BA.OO.1356BA.01など、錚々たるブランドがターコイズ文字盤で大流行を巻き起こしたのも記憶に懐かしいですね。
低価格帯のターコイズダイヤル代表格といえば、オメガ×スウォッチの強力タッグでセンセーショナルな話題を提供した「Bioceramic MoonSwatch(バイオセラミック ムーンスウォッチ)」シリーズの“天王星” SO33L100。数百人規模の大行列、転売目的であろう方達の横入りや割り込み行為、警察が出動するほどのパニックなど、世界的な争奪戦が繰り広げられたトピックス性はインパクト絶大でした。
ティソのPRX パワーマティック80、シチズンのツヨサ ブルー NJ0151-88Mなど、リーズナブルな価格帯にもターコイズ文字盤ブームは波及しています。
チューダー ブラックベイ クロノ ”フラミンゴブルー” 79360N、ブライトリング アベンジャー B01 クロノグラフ 42 ナイト ミッション、ウブロ ビッグ・バン ウニコ サマー 441.UB.5120.NRといった、“個性派スポーツモデル”も人気です。
本作HBC011Jはミドルクラスの価格帯に、「ユニークなウェーブパターン+ターコイズ+スポーツモデル」の属性を掛け合わせており、“ありそうでないバランスの良さ”も魅力です。多面的にデザインを分析していくと、世界中のセイコーファンによる投票で1位に選ばれたのも納得の結果ですね。
HBC011Jのサイズは横 40.0mm × 縦 46.4mm × 厚さ 13.0mm、300m空気潜水用防水のステンレス製、デザイン・サイズ・素材などの基本スペックはHBC005Jとほぼ同じです。欧州限定2026“ハルシュタット湖”HBC010も同サイズ・同ムーブメントで、セイコーダイバーズの「新スタンダード」として徐々に定着しつつあります。
HBC系の1965ダイバーズは2026年9月時点で全4モデル、コレクション全体で青黒系統が多かったため、HBC011Jがラインナップしたことで少し華やぎましたね。見栄えを重視するなら、赤・オレンジ・緑などの暖色系もそろそろ欲しいところ。今年末~来年の新作に期待大です。
コレクション自体のボリュームゾーンに関しては非の打ちどころがなく、「20万円以下」の価格設定も本作の大きなウリの一つです。HBC系は総じてコストパフォーマンスが高めですし、デザインも気合いが入ったものが多いですね。
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HBC011Jのムーブメントは「キャリバー6R55」を搭載。4時半位置のデイト窓配置、精度は日差-15秒~+25秒、パワーリザーブ約72時間となっています。
裏ぶたには「DIVERS WATCH 300m」「LIMITED EDITION」の文字&シリアルナンバーを刻印、中央に配されたウェーブマークが誇らしいですね。
ブレスレットは工具不要の6段階調整式ブレスレット(最大約15mmの長さ)を採用しており、ツールウォッチとしても抜群の性能を誇ります。
人気色のターコイズブルー+割とレアなウェーブマークパターンを採用した限定モデルが、セイコーダイバーズ60周年記念の白文字盤SBDC213(192,500円)とほぼ変わらず、というのは大健闘していると結論付けて問題なさそうです。
欧州限定の“ハルシュタット湖”HBC010は諸々の諸事情が重なり、一時期は30万円以上の為替レートとなっていましたし、リーズナブルな価格でお洒落なデザインの新作が増えるのは消費者の立場からすればありがたい話です。
国・性別・世代の境界を越えて、“ダイバーズウォッチの万人向けモデル”を完成させたセイコー プロスペックス。世界的な超人気色の「青」を、街中のカフェでも映える垢抜けたデザインへ仕上げ、ファッションアクセサリーとツールウォッチのいいとこどりにも成功しています。
HBC011Jは外観・性能・実用性・値段のトータルバランスにも優れますし、タウンユース用の高級腕時計を検討中の方、20万円以下で大切な人へのプレゼントをお探しの方など、幅広い層のニーズにもこたえられるオールマイティー性を兼ね備えている点も魅力です。万策を尽くし、万事抜かりのない“万能ツールウォッチ”としてリリースされるHBC011J。投票1位の結果も誇らしく、万感の思いがこみ上げてきますね。
| モデル | ダイバーズ 1965 ヘリテージ ファンセレクト限定モデル |
|---|---|
| 型番(Ref.) | HBC011J |
| ケース材質 | ステンレススチール |
| ケースサイズ | 横 40.0mm × 縦 46.4mm × 厚さ 13.0mm |
| ガラス材質 | カーブサファイア(内面無反射コーティング) |
| 防水性能 | 300m空気潜水用防水 |
| 耐磁性能 | 要確認 |
| 文字盤の色 | デイタイムブルー |
| ムーブメント | キャリバー6R55 |
| 駆動方式 | メカニカル 自動巻 |
| 精度 | 日差+25秒~-15秒 |
| 持続時間 | 最大巻上時約72時間持続 |
| 石数 | 24石 |
| バンド材質 | ステンレススチール |
| 中留(バックル) | ワンプッシュダブルロックダイバーアジャスター方式 |
| 発売予定日 | 2026年10月9日(金) |
| 希望小売価格 | 199,100円(税込) |
| 備考 | 全世界4,500本(国内2,000本)限定 |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。
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