更新日:2026年09月19日
グランドセイコーブティック限定モデル SBGW325 37.3mm、ステンレススチール、キャリバー9S64(メカニカル 手巻)、最大巻上時約72時間(約3日間)持続、日常生活用防水、803,000 円(税込)、世界限定600本(うち国内450本)、10月9日(金)発売予定
キャリバー9S初の手巻きムーブメントが誕生して25年。その節目を記念して、グランドセイコーがブティック限定モデル「SBGW325」を2026年10月9日に発売します。世界限定600本、価格は803,000円(税込)。今回は本作の魅力とスペック、そして気になる実売価格やSNSでの反応まで、じっくり掘り下げていきます。
グランドセイコーの手巻きメカニカルムーブメントの原点は、2001年に誕生した「キャリバー9S54」です。この初代手巻きキャリバーを搭載した最初のモデルが「SBGW003」でした。SBGW325は、このSBGW003が誕生してからちょうど25年の節目に、そのダイヤルデザインを継承する形で登場した限定モデルです。
グランドセイコーのダイヤルといえば、1967年の「44GS」以来確立されてきた、多面カットで角ばったバーインデックスがブランドの顔として広く知られています。シャープな稜線と光の陰影を際立たせるこのデザイン言語は、いわば「グランドセイコーらしさ」の核心部分といっていいでしょう。
そんな中で、SBGW003が採用したアラビア数字インデックスは、ブランドの歴史の中でもかなり異色の存在でした。量感のある立体的な数字が浮き上がるように配置され、通常のグランドセイコーとは一線を画す表情を見せています。つまり、これは単なる「変わり種」ではなく、ブランドの中に確かに息づいてきたもうひとつの意匠の系譜なのです。
実際、アラビア数字インデックスは三越限定モデルや、会員投票で誕生したGS9 Club限定モデルの「9」の意匠などでも時折見られますが、グランドセイコー全体のラインナップの中ではあくまで少数派。今回のSBGW325は、この稀有なアラビア数字を、日本の藍染文化から着想を得た深みのあるネイビーダイヤルの上に復活させました。浮き出し加工によってくっきりとした立体感を与えられたインデックスが、ネイビーの地色と美しいコントラストを描き出します。角ばったインデックスが並ぶ通常のグランドセイコーとはまったく異なる、丸みを帯びた柔和な表情に仕上がっているのが本作の面白いところです。
なお、オマージュ元となった2001年のSBGW003は、当時グランドセイコーがまだセイコーブランドの一部であった時代のモデルのため、文字盤に「Grand Seiko」と「SEIKO」を併記する、いわゆる"ダブルサイン"を採用していました。2017年の独立ブランド化以降、SEIKOロゴは姿を消し、「GRAND SEIKO」のロゴのみが12時位置に配される現行デザインに統一されており、SBGW325の文字盤にもこのダブルサインは見られません。同じアラビア数字インデックスを踏襲しながらも、ロゴ表記には四半世紀の歴史の積み重ねと、ブランドとしての現在地がしっかりと刻まれています。
ケースデザインも、初代グランドセイコーの趣を今に伝える柔らかなラウンドフォルム。かん足の先端に向かって広がる斜面にはザラツ研磨による歪みのない鏡面が施され、クラシカルな趣の中に緊張感のある洗練さを加えています。
ストラップにも大きなこだわりが詰まっています。クロコダイルストラップは職人が手作業で染め上げる本藍染の技法を採用。時間をかけて染色することで、奥深いネイビーカラーを実現しました。さらに、付け替え用として柔らかな着け心地とシュリンク柄が特徴の牛皮革ストラップも付属します。どちらもLWG(レザーワーキンググループ)認証タンナー製のレザーを使用しており、サステナビリティへの配慮もうかがえます。
搭載されるのは、最大巻上時に約72時間(約3日間)持続する手巻きメカニカルムーブメント「キャリバー9S64」。ぜんまいが解ける際のトルクが緩やかに減少していく構造により、安定した精度を実現しています。輪列受を一体化してムーブメントを覆う仕上げも特徴的で、手巻きムーブメントならではの安定感と一体感のある美しい外観に仕上がっています。裏ぶたには「LIMITED EDITION」と「1 OF 600」の文字が刻まれ、限定モデルであることの証となっています。
新作発表を受けて、Instagramの公式投稿(該当ポスト)のコメント欄には、さまざまな声が寄せられています。中には「アラビア数字は古臭い」「あまり好きになれない」といった、やや辛口な意見も見受けられました。
これは正直、うなずける部分もあります。グランドセイコーの真骨頂は、やはり光と影を巧みに操る多面カットのバーインデックスにあると筆者自身も感じており、シャープさと陰影のコントラストが際立つ通常モデルの方に、個人的には惹かれます。アラビア数字はあくまで「稀有な例外」であり、ブランドの王道スタイルとは一線を画すデザインです。
ただ、その"異端さ"こそが、SBGW003という原点を知るファンにとってはたまらない魅力でもあるはずです。角ばったインデックスが並ぶ通常のグランドセイコーの中で、このモデルだけがまったく違う表情を見せてくれる——そう考えると、好き嫌いが分かれるのも当然かもしれません。賛否が分かれるデザインだからこそ、それを選んで手に入れる楽しさもあるのではないでしょうか。
エレガンスコレクションの現行ラインナップを見渡すと、同じ37.3mm・Cal.9S64を搭載するベースモデルの「SBGW301」「SBGW283」「SBGW285」は、いずれも671,000円(税込)で展開されています。これに対してSBGW325は803,000円。その差額は132,000円です。
エレガンスコレクション 9S64搭載モデル(2026年9月時点)
もちろん、限定600本という希少性、職人による本藍染のクロコダイルストラップ、付け替え用の牛革ストラップが付属する点を踏まえれば、単純に「割高」と切り捨てるのは早計でしょう。ただ、他のエレガンスコレクションの手巻きキャリバー9S64搭載モデルの多くが50万円台後半~60万円台で展開されていることを考えると、ケースサイズやムーブメントがベースモデルとほぼ共通でありながら80万円台に達する本作は、素材やストーリー性を含めても、決して"お手頃"とは言いにくい価格帯に位置しているのは事実です。ブティック限定という希少性にどこまで価値を見出せるかが、購入を検討するうえでの分かれ目になりそうです。加えて、SNS上でも賛否が分かれるデザインであることを踏まえると、600本という数量設定はやや強気にも映ります。
SBGW325は、以下の店舗でのみ取り扱われます。街の時計店やデパートの特設コーナーでは購入できないため、事前の確認をおすすめします。
この店舗構成には、SBGW325ならではの特徴が表れています。実は、同じ「グランドセイコーブティック限定モデル」というくくりで2025年2月に発売された「SBGW317」も、取扱店舗は銀座並木通り・銀座・表参道ヒルズ・大阪心斎橋・京都四条の5店舗のみで、ブティックオンラインでは取り扱われていませんでした。つまり同カテゴリーの直近モデルと比べても、SBGW325がブティックオンラインや海外店舗まで販売網を広げたのは珍しい試みと言えます。SBGW317が400本限定だったのに対し、SBGW325が600本という一回り大きな数量を確保できた背景には、この販売チャネルの広さも関係していそうです。
なお発売期間中(2026年9月18日~10月31日)にSBGW325を購入すると、メイドインジャパンの帽子ブランド「CA4LA」製オリジナル6パネルキャップが先着でプレゼントされるフェアも同時開催されています(数量限定)。
SBGW325と同じ土俵で語るべき比較対象として、ここでは2本のモデルを取り上げます。ひとつは同じ「グランドセイコーブティック限定モデル」というくくりの直近モデル、もうひとつは「銀座限定モデル」の中でも特に大きな反響を呼んだ伝説的な1本です。
岩手県雫石の「グランドセイコースタジオ 雫石」から望む春の岩手山の光景を、淡いライトグリーンのダイヤルで表現した1本。ケースは横36.5mm×縦42.7mm×厚さ11.6mmのステンレススチール製で、手巻きメカニカルのCal.9S64を搭載。価格は847,000円(税込)、限定400本。取扱店舗は銀座並木通り・銀座・表参道ヒルズ・大阪心斎橋・京都四条の5店舗のみで、SBGW325と同じくブティックオンラインでの取り扱いはありませんでした(前述の通り)。SBGW325と同じ「全国のブティックで買える限定モデル」という立ち位置ながら、オンライン非対応・400本という、より絞り込んだ展開だった点が対照的です。
銀座エリア5店舗のみ、国内限定260本という徹底した希少性に加え、銀座の地図をモチーフにした「銀座グリッドパターン」とスカイブルーの文字盤が話題を呼び、発売直後から国内外で争奪戦に。あまりの人気で発売後まもなくセカンドマーケットに出回り始め、定価770,000円に対して定価の1.5〜2倍を超えるプレミアム価格で取引される事例も見られるほどの反響を巻き起こしました。銀座限定シリーズの中でも、最も伝説的な1本として語り継がれているモデルです。
こうして並べてみると、SBGW325はSBGW317と同じ「ブティック限定」という枠組みに属しながら、SBGH297のような銀座限定モデルが持つ"徹底した希少性ゆえの熱狂"とはまた違う文脈の限定モデルであることがわかります。とはいえ、賛否が分かれるデザインを600本という規模で送り出す今回の判断がどんな結果になるのか——発売後の動向にも注目が集まりそうです。
「ヘリテージコレクション グランドセイコーブティック限定モデル SBGW317」は、メカニカルモデルの製造地から望む「岩手山の北側に広がる春の美しい光景」をダイヤルに表現。希望小売価格 847,000円(税込)、限定本数は400本(日本国内5店舗のみ)。
”銀座グリッドパターン”の”スカイブルー”ダイヤルが大人気!40mmの62GSケースにメカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー 9S85搭載。数量限定 260本、770,000 円(税込)。
SBGW325は、グランドセイコーの手巻きメカニカルムーブメントの原点であるキャリバー9S54から25年という節目に、その"異端"のデザインを再び世に送り出した1本です。グランドセイコーらしいシャープな陰影を求める方には物足りなく映るかもしれませんが、ブランドの歴史の奥行きを知る人にとっては、これ以上ないほど意味深いモデルといえるでしょう。価格面ではやや強気な設定と感じる部分もありますが、限定600本という希少性と本藍染ストラップという手仕事の価値を、どう評価するか。発売は2026年10月9日、気になる方は早めに店頭やブティックオンラインをチェックしてみてください。
| モデル | エレガンスコレクション 手巻メカニカル ブティック限定モデル |
|---|---|
| 型番(Ref.) | SBGW325 |
| ケース材質 | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレススチールとサファイアガラス |
| ガラス材質 | ボックス型サファイア(内面無反射コーティング) |
| ケースサイズ | 横 37.3mm 縦 44.3mm 厚さ 11.7mm |
| バンド材質 | クロコダイル(カーフ替えバンドつき) |
| ムーブメント | キャリバー9S64 |
| 駆動方式 | メカニカル 手巻 |
| 駆動期間 | 最大巻上時約72時間(約3日間)持続 |
| 精度 | 静的精度: 平均日差+5秒~-3秒 携帯精度:日差+10~-1秒 |
| 防水 | 日常生活用防水(3気圧防水) |
| 耐磁 | あり |
| 重量 | 61g |
| 希望小売価格 | 803,000 円(税込) |
| 発売予定日 | 2026年10月発売予定 |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。
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