更新日:2023年03月13日
ロレックス ヨットマスターⅡ 116680の実機レビューをお届けします!
ロレックス ヨットマスターⅡ 116680は、44mmのステンレススチール製ケースに自動巻き Cal.4161を搭載しています。会いたい思いは日々募り、一番出会いたかったヨットマスターⅡ。ということで興奮冷めやらぬ!実機レビュー開幕です~。
ダイヤルは、清廉なホワイトカラー。ヨットマスターⅡは、ロレックスの広告として店頭やウェブでよく見かけますね。見慣れている(気がする)けれど、見慣れない機構が備わったダイヤル。スモールセコンドは分かるけど、他はどうやって使うの?と初見では困惑してしまいそう。ゆっくり解説していきますね。
インデックスは、ミニッツスケールがスクエア型。インデックスと時分針にはクロマライト蓄光塗料が塗布され、暗所でも安定した視認性を確保します。4~8時位置の数字「0~10」は、ヨットレースの際に用いるカウントダウン機構。これで最大10分間からカウントダウン計測が可能です。6時位置がスモールセコンドなので、長い秒針はストップウォッチ秒針ですよ。
ベゼルにはロレックス独自の「セラクロム」という素材を用いています。セラミックに更に耐蝕性・耐傷性を強化し特許を取得している合金素材で、2005年にGMTマスターⅡに採用されました。スケールはプラチナコーティングの後に磨きをかけ、美しく且つ視認性を永続させる細やかな工夫が。
そしてこのベゼルは「リングコマンドベゼル」と呼ばれ、ベゼルを操作することでカウントダウンをプログラミング出来るという、これまたロレックス独自の技術。スカイドゥエラーにも用いられていますね。この異端児とも言える仕様には驚きを隠せません。
ヨットマスターにはロレゾールやプラチナを用いたハイクラスなモデルもありますが、こちらはオイスタースチール。堅牢且つ、落ち着いた風格が良いですね。
ストレートタイプ、ガードのついたリューズと、プッシュボタン。プッシャーはストップウォッチ秒針と、カウントダウン針をスタート・リセットします。
9時サイドから見たところ。
搭載ムーブメントは「4161」。パーツ数なんと360個で構成される、マニュファクチュールムーブメント。先述のようにベゼルとリューズの操作のみでカウントダウンやストップウォッチ機能が完結してしまうという、ロレックスのコンプリケーションムーブです。10分から1分の間までのカウントダウン時間をプログラムできる仕組みを「レガッタ・カウントダウン」と呼んでいます。これに併せて、計測中に公式カウントダウンと同期させることができるシンクロナイゼーション機能も備えています。ゼンマイには、ニオビウムとジルコニウムの合金であるブルーパラクロムを採用。高い耐磁性に加え、耐衝撃性も従来のヒゲゼンマイと比較して10倍もの耐性を実現しています。
これこそ、どんな風に動くのかムーブ鑑賞してみたい…!ロレックスは一貫してソリッドバックです。
バックルはセーフティキャッチ付き、また5mm単位で動かせるエクステンションリンクも内臓しています。
ヨットレースに耐え得る堅牢性と、高精度な計測を可能とした「ヨットマスターⅡ」……ところで皆様、ヨットレースがどういったものかご存知でしょうか。風と重力を操りながら、電気など非自然的エネルギーを一切使わず海を渡るという、何とも過酷なレース。島国でありながら日本ではあまりメジャーなスポーツではない気がします。天候や風向きによって一変する海の表情、巨大なそれに立ち向かう姿は、人間の魂を揺さぶられるようでとても魅力的です。そしてそんな海の上で頼りになるのは、仲間や経験もそうでしょうが「正確性の高い時計、測定器」となるのは必然ですよね。
数々のレガッタチームとパートナーシップを結ぶロレックスの「ヨットマスターⅡ」、外装も内装も大変素晴らしかったです。スカイドゥエラーといい、筆者はコンプリケーションに見えないコンプリケーションが好きなようです。…という偏った好みは置いておき、ここにロレックスの時計製造への情熱に触れた気がします。「ヨット競技に参加して実際にカウントダウン機能を使うから、これはすごい時計だぜ!」という方は身近に居ないと思いますが、ウォッチラバーとしても優れたウォッチであることは疑いようがありません。
複雑機構、またヨットマスター自体がハイエンドモデルという位置付けゆえに価格は定価220万オーバーと、ちょっとやそっとでは手が出ないプライス。これは一世一代のお買い物、そしてどんな方でもかなりの「ご褒美価格」ではないでしょうか。エレガントさに堅牢性を完備した、パーフェクトウォッチ!一度は手に取って身に付けたいものですね。素材違いで18KYGケースの116688をデビット・ベッカム氏が身に着けていたのは有名な話。成功者の象徴の一つなのかもしれません。
相変わらず価格の上下が予測不能なロレックス史上。現行モデルでありながらヨットマスターⅡは中古市場でもかなり人気の高いウォッチです。資産価値としても高く、次代へ受け継ぐのもまた良いですね。勿論、ヨットレースや海に思いを馳せながら、ご自身が身に着けるのもとっても素敵です。自分を奮い立たせるために、これまでの自分を精一杯褒めるために、116680、おススメです!
モデル | ヨットマスターⅡ Yacht MasterⅡ |
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型番(REF.) | 116680 |
ケースサイズ | 44mm |
ムーブメント | 自動巻き Cal.4161 |
パワーリザーブ | 約72時間 |
防水 | 10気圧防水 |
その他 | ランダムシリアル |
定価(税込) | 2,219,800円(税込、参考価格) |
※掲載内容は2022年12月調査時点のものです。最新情報は公式サイト等をご確認ください。