更新日:2026年08月02日
グランドセイコーの「サロン専用モデル」「ブティック専用モデル」と聞くと、思わず反応してしまう方も多いのではないでしょうか。今回ご紹介するのは、シンガポール・チャンギ国際空港内の商業施設「ジュエル・チャンギ」にあるグランドセイコーサロン(ウォッチズ・オブ・スイス内)だけで手に入る、世界30本限定のスプリングドライブモデル「SBGA525」です。
インスタグラムやRedditにいち早く投稿された実機の姿、そして海外時計メディアの報道をもとに、現時点で分かっていることを整理してお届けします。
SBGA525は、グランドセイコーが得意とする「自然の一瞬を切り取る」意匠の系譜に連なるモデルです。岩手山の夜明け、漆塗りの床に舞う雪など、日本各地の自然現象をダイヤルに落とし込んできたブランドの新作として、シンガポール・ジュエル・チャンギのグランドセイコーサロン専用に、限定30本で登場しました。
ウォッチズ・オブ・スイスAPAC公式が“Sea of Clouds in Gold”と紹介しているSBGA525。「黄金色(こがねいろ)の雲海」とでも言ったところでしょうか。ダイヤルは、夜明けに雲が最初の光をとらえる瞬間をイメージした、きめ細やかなテクスチャー仕上げ。そこに、下方にまだ残る冷ややかな影を思わせるブルーのアクセントが加えられています。
興味深いのは、発表元によってこの色の表現が微妙に異なる点です。ウォッチズ・オブ・スイスAPAC公式は「golden dial(ゴールドのダイヤル)」と説明する一方、時計愛好家アカウント@plus9timeの投稿では「ピンク」と表現されています。グランドセイコー特有の有機的なダイヤルパターンは光の当たり方で表情が大きく変わるため、同じ暖色系の色合いでも違った印象を受けたのでしょう。たしかに画像を見ていても、ピンクのようなオレンジのようなゴールドのような、なんとも微妙なニュアンスカラーです。
近しい色としては、伊勢丹新宿店2025年限定モデル SBGA515や、和光限定モデル 2024 SBGH357あたりが思い浮かびますが、トーンはもっと薄く、テクスチャも違いがあり、かなり異なる印象を受けます。
ケースには、グランドセイコー史上初の自動巻メカニカルモデルとして1967年に誕生した「62GS」の意匠を受け継ぐ、ベゼルレス構造を採用。風防ガラスをケース胴に直接固定することで視覚的な厚みを抑えつつ、ダイヤルへ多面的に光を取り込む設計です。ムーブメントは、自動巻(手巻き付き)のスプリングドライブ「キャリバー9R65」を搭載。ケースとブレスレットにはチタンが使われています。
| モデル名 | ヘリテージコレクション ”Sea of Clouds in Gold” |
|---|---|
| 型番(Ref.) | SBGA525 |
| ケース素材 | チタン |
| ケースサイズ | 横 40.0mm × 縦 47.0mm × 厚さ 12.8mm |
| ムーブメント | Cal.9R65(スプリングドライブ) |
| 駆動方式 | 自動巻き(手巻き付き) |
| パワーリザーブ | 約72時間 |
| 限定本数 | 世界30本 |
| 販売店舗 | グランドセイコーサロン – ウォッチズ・オブ・スイス ジュエル・チャンギ店(シンガポール)専用 https://www.grand-seiko.com/sg-en/storesinfo/sg-00007 |
| 参考価格 | S$9,800(2026年7月30日購入者によるRedditへの報告。グランドセイコー公式の価格発表は確認できず) |
発表時点でグランドセイコー公式サイトにSBGA525のページはまだ存在せず、公式スペックシートは確認できていません。なお、一部の海外時計メディアの記事では「横43.5mm×厚さ16.1mm、ラグ幅51.2mm」という数値も報じられていますが、これは62GSベースの3針スプリングドライブモデルとしては明らかに大きすぎる値であり、誤情報である可能性が高いと考えられます。本記事では、@plus9timeが伝える「横40.0mm×縦47.0mm×厚さ12.8mm」を採用しています。
グランドセイコーには、美しい「雲海」の情景をモチーフにした文字盤を持つモデルが複数存在します。主に、時計の製造拠点である「信州」や「岩手山」周辺の自然風景がデザインソースとなっており、以下の代表的な限定モデルが挙げられます。
これらのモデルは、いずれもグランドセイコーの節目の年を記念した数量限定モデルとして展開されており、ブランドが得意とする自然の情景を細やかに写し取った美しい文字盤が高く評価されています。
今回のSBGA525は、これらの系譜に連なりつつ、「雲海」に朝の光(ゴールド)を掛け合わせた新たな解釈として位置づけられそうです。
SBGA525は、62GSスタイル・チタンケース・9R65キャリバーという構成が、現行のヘリテージコレクション「62GS現代デザインモデル・二十四節気シリーズ」であるSBGA443(花筏/春分)およびSBGA445(深雪/大雪)と共通しています。この2モデルは日本国内のグランドセイコーブティック・サロン・マスターショップで取り扱われている定番モデルで、価格は税込946,000円です。
ケースサイズ(横40.0mm×縦47.0mm×厚さ12.8mm)、ムーブメント(Cal.9R65)ともにSBGA443・SBGA445と共通しており、SBGA525は「62GS現代デザインモデル」の共通ケースに、限定ダイヤルとサロン専用のストーリーを掛け合わせた一本と言えそうです。
SBGA525「Sea of Clouds in Gold」は、シンガポールのジュエル・チャンギ・エアポートという極めて限定的な場所でしか出会えない、世界30本の希少モデルです。62GSのベゼルレスデザインとスプリングドライブ9R65という「王道」の組み合わせに、夜明けの雲海という新しい物語を重ねています。
一方で、価格や防水性能などグランドセイコー公式から発表されていない項目もあり、SNS上の情報も発信元によって表現が揺れています。今後グランドセイコー公式からの正式発表によって修正の必要が生じた場合は内容をアップデートする予定です。
ちなみに、ジュエル チャンギ エアポートは、自然とエンターテインメントが融合した巨大な複合商業施設です。2019年にオープンし、旅行者のトランジットの合間だけでなく、観光の目的地としても絶大な人気を誇っています。施設の中心部には、ガラス張りのドーム型屋根から約40メートルの高さで流れ落ちる、世界最大の屋内滝「HSBC レイン・ボーテックス」があります。滝の周囲には、約3,000本の樹木や約10万本の植物が植えられた緑豊かな屋内庭園が広がっています。さらに300以上の店舗や飲食店、映画館、さらにはトランジットホテル、ガラス張りの橋(キャノピー・ブリッジ)や、空中に張られた巨大なネットの上を歩くアトラクションといったアミューズメントが併設されており、単なる空港の付帯施設を超えた、シンガポールを代表するアイコニックなランドマークとなっています。
また、グランドセイコーのほかにもBell&Ross、ブライトリングといった高級ブランドを取り扱うCAPSULE by Watches of Switzerland、タグ・ホイヤー、ロンジン、チューダーなどのブランドショップもあります(2026年8月時点)。シンガポールに立ち寄った際はぜひ訪れてみたいですね!
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