更新日:2022年11月11日
猫の目のように目まぐるしく変化を続けるラグスポ事情。「次に来るかも!?」の有力候補の1つが、ショパールのアルパインイーグルです。2019年誕生のアルパインイーグルは、名門ブランド、ショパールが伝統と情熱、持ちうる技術の全てを注ぎこんで完成させた、“ラグジュアリースポーツの新たなロールモデル”と呼んでも過言ではない完成度を誇ります。
2022年という年は、ラグジュアリースポーツが一大ジャンルとして市場を席巻。約50年前に誕生した“元祖ラグスポ”のロイヤルオークとノーチラスが、トレンドをけん引する流れは前からありましたが、同様に、1975年誕生のロレアート(※ロイヤルオーク登場3年後、ノーチラス登場1年前)も、“買えるラグスポ”の急先鋒として、突如脚光を浴びる状況に。1年近く前は新品を定価の半額以下で買えていた状況が一変。今では最終定価の倍近くをキープする人気モデルの仲間入りを果たしました。そんなラグスポ戦国時代に名乗りを上げたのが、“ラグスポのニューカマー”アルパインイーグルです。
今回は“業界が熱視線を送る”ラグスポ界の注目モデル、アルパインイーグルの魅力を鋭い視点でご紹介致します!ショパール&アルパインイーグルの歴史や逸話、「ショイフレ家親子三代の絆」の物語。似ていると噂のロイヤルオーク/ノーチラスとの比較。時計通でも意外と知らない、ショパールマニュファクチュールの凄さ。換金率も高めのアルパインイーグルの人気モデルと価格推移をご紹介。ラグスポ制覇を虎視眈々と狙う鷲の眼、アルパインイーグルの魅力や価値を大満足ボリュームでご説明致します。後発モデルのアルパインイーグルは、なぜラグスポ分野で人気なのでしょうか!?
女性ジュエリーブランドのイメージが強いショパール。事実、人気モデルの「ハッピーダイヤモンド(※1976年誕生)」シリーズは、ショパールのロングセラーを誇り、女性らしいフェミニンさとエレガンスさを見事にブレンドさせ、レディースウォッチ&ジュエリーウォッチ分野で不動の地位を確立します。1993年発表の「ハッピースポーツ」も、世界で初めて「ステンレス×ダイヤモンド」を融合させた時計として、世界中のオシャレ女子・大人女子達に30年近くに渡って愛され続けてきました。
そんな“ハイジュエリー&ウォッチブランド”のショパールが、2019年に満を持して発表したのが、“ラグスポの新定番”モデル、アルパインイーグルです。ラグジュアリースポーツウォッチは、「ラグジュアリー要素=豪華さ、贅沢さ」と「スポーツ要素=タフさ、機能性、アクティブ」などの相反する魅力を巧みに纏め上げるのが肝心です。アルパインイーグルは、かつてハッピースポーツで培った「ステンレス×ダイヤモンド」のエレガンス&スポーティー要素を、絶妙なさじ加減でラグスポへ応用。後発モデルならではの“完成された次世代のラグジュアリースポーツウォッチ”をリリースしたのです。
世界的に有名ブランドがこぞって開発を進める、ラグスポ隆盛期に登場したアルパインイーグルは、「ドレスウォッチのような薄型ケース」「ステンレス素材のケース一体型ブレスレット」など、群雄割拠のラグスポ業界に王道ど真ん中を行く“ド直球”で勝負しています。「壮大なアルプスの自然に生息するワシの力強さ」をコンセプトにしたアルパインイーグルの人気の秘訣と魅力に迫ります!!
韓国では「ヒョンビン時計」として話題になったアルパインイーグル。日本の韓ドラファン達も「あの時計、カッコいい!?」と男女問わずウットリとしたことでしょう。ファンの方ならご存じでしょうが、ソン・イェジンさん演じるヒロインのユン・セリが愛用したのもショパールのハッピースポーツ。世界で5本しかない限定モデルを質屋に二束三文で預け、愛するジョンヒョク(ヒョンビン演)のために、アルパインイーグルを取り戻そうとするエピソードは、見た方ならウルっとくるシーンです。
その後、ソン・イェジンさんとヒョンビンさんは、実生活でも交際を育み、2022年3月31日になんと結婚!!7月には第一子の妊娠も発表しており、ドラマでは不時着続きだった二人の関係が、現実では幸せいっぱいにゴールインしています……お二人にはいつまでも、ワシのように力強く、ダイヤモンドのようにキラキラと輝くハッピーな夫婦&家族関係でいてほしいですね!!!
まずは、アルパインイーグルのネット上のイメージや評判をまとめてみました。ネガティブワードを掘り下げて調べても、アルパインイーグルを賞賛している内容を多く見受けられるので、全体的に良い評判が目立つ印象です。
【アルパインイーグルの悪い評判とイメージ】
【アルパインイーグルの良い評判とイメージ】
【アルパインイーグルの注目関連キーワード】
インターネット上では、資産面や購入に関連した項目が気になっているようです。面白いキーワードが、「アルパインイーグル どっち」「アルパインイーグル 知恵袋・ツイッター」など、他の人がアルパインイーグルをどう思っているのかを気にしているのが、印象的な結果ですね!合わせて、ネット上の評判や口コミもご紹介致します!
ショパール アルパインイーグルのYouTubeなどSNSや動画サイトでの評判・口コミを調査してみました。
YouTubeの公式チャンネルの動画なのですが、1年足らずで30万回再生に届く勢いなのは凄いですね……それにしても、カッコいいPVで、見ていると欲しくなってしまいますね!!SNSの投稿や口コミに寄せられたコメントも合わせてご紹介します。
「ロレアートとアルパインイーグル、どっちにしようか悩む……」
「サンレイとはまた違う、ガルバニック加工の深い色合いは気品がある!」
「動画や写真よりも凄くいい!!」
「オーラが違う」
……ネット上の評判を読んだだけでも、高評価が目立ちますね。他にも、『ショパールはハイジュエリーブランドのイメージが強かったが、ちゃんと調べたら超一流のマニュファクチュールブランド』というコメントもあり、じっくり検討した上でアルパインイーグルを選んでいる方も見受けられます。
では、アルパインイーグルの魅力を深掘りするために、まずはショパール&アルパインイーグルの歴史とエピソードを簡単にご紹介します。
ショパールというブランドを語る上で、ショイフレ家は欠かせない存在です。ショイフレ家はショパール買収後に、巧みな経営手腕を発揮し、かつて低迷していたメゾンを業界有数のブランドへ返り咲かせることに成功した実績を持ちます。ジュエリーと時計技術を掛け合わせたことが、功を奏したのでしょう。ショイフレ家3代に渡る、腕時計への情熱が結実した渾身のラグジュアリースポーツ、アルパインイーグル。その魅力を深く知るために、まず簡単にショパールの歴史をご紹介致します。
ショイフレ家がショパールブランドを引き継いでからは、目覚ましい活躍ぶりですよね。他にも、世界的なクラシックカーレースの祭典「ミッレミリア(※1988年から公式スポンサーとして参加)」や世界有数の自社製キャリバー「L.U.C 98.01-L」「L.U.C 97.03-L」などの偉業もありますが、また別の機会でご紹介致します。
ハイジュエラーとしての印象が強いショパールですが、超一流のマニュファクチュールメーカーであり、卓越した時計製造技術は、有名ブランドひしめく高級腕時計業界でも指折りの存在です。ショパールならではの「家族経営」が、メゾンの伝統として実を結んでいるのでしょう。
カール-フレドリッヒ・ショイフレ(兄)はメンズコレクション&ショパール・マニュファクチュール担当、妹のキャロライン・ショイフレ(妹)はレディースコレクション&ジュエリーを統括しています。毎年、カンヌ国際映画祭の最優秀作品に授与されるパルム・ドール。映像制作者なら誰しも一度は憧れる最高の栄誉ですが、ショパールは1998年のカンヌ国際映画祭から、キャロライン・ショイフレ氏がデザインしたトロフィーを作り続けています。更に、2001年にはキャロライン・ショイフレ氏の発案で、若手注目俳優の登竜門「ショパール・トロフィー」も創立。2007年からは、映画祭の開催数と同じ点数のユニークピースで構成される「レッド カーペット コレクション」を毎年発表しています。ショパールのハイジュエリーを纏ったセレブリティー達がカンヌのレッドカーペットにより豪華な彩りを与えます。
2014年のトロフィーからは、フェアマインド認証を受けたエシカルゴールドのみを用いて製作。ショパールは「環境と人間の両方」を尊重する、サステナビリティ(持続可能な社会)にも真摯に取り組み続けています。
3世代の力を結集させて生まれたアルパインイーグル。まずは祖父カール・ショイフレ3世と父カール-フリードリッヒ(※現共同社長)のエピソードをご紹介します。1970~1980年代当時は、ゴールドや宝石をちりばめたラグジュアリーウォッチ(ドレスウォッチ)を軸に据えることで、“ショパール”というブランドイメージを固めていた時代です。当時22歳のカール-フリードリッヒは、その父カール・ショイフレ3世に社運を賭けた大胆な進言を行います。ショパールのイメージを覆す「メゾン初のスポーツウォッチ=ブレスレット一体型ステンレススティールウォッチ」の開発です。
あまりにも斬新な発想に、カール・ショイフレ3世は躊躇してしまい、最初は反対したと伝えられています。しかし、その革新的な発想は、4年前の「ハッピーダイヤモンド」開発に通じるものもあり、カール・ショイフレ3世は息子の提案に、ゴーサインを出すことにします。スポーティーさとシックさのバランス、上下左右に出っ張った特徴的なベゼルが持ち味の「サンモリッツ」の誕生です。
サンモリッツは世界中でヒットし、時代を代表するショパールの新たなアイコンに。後のミッレミリアや自社製キャリバー「L.U.C」の開発など、現在のショパールの武器となるウォッチメイキングの基盤づくりにも一役買うこととなります。
それから約35年後……カール-フリードリッヒは息子カール-フリッツから大胆な提案を受けます。
自分がプロデュースしたサンモリッツについて、情熱的に語る息子カール-フリッツ。息子の情熱的な姿に、かつての自分を重ねるも首を横に振るカール-フリードリッヒ。歴史は繰り返すと言いますが、ショイフレ家のファミリーヒストリーは紡がれていきます。
アルパインイーグル誕生の5年前のある日、カール-フリッツは父カール-フリードリッヒの机にある一本の時計に魅了されます。父が手掛けたサンモリッツです。その時計は、機能的なスクリューと斬新なデザイン、“第二の皮膚”のように腕に吸い付くような夢の着け心地を具現化。サンモリッツを現代的に再解釈した新しいアイコンを手掛けたい、とカール-フリッツはアイディアを煮詰めます。
「ショパールには今、こんな時計が必要なんだ!」
父カール-フリードリッヒに、思いの丈を語るカール-フリッツ。しかし、サンモリッツを発案した父は、首を縦に振りませんでした。不変とされるアイコンを刷新するのは、ゼロからモデルを生み出すより大変な行為なのを知っているからです。
そこで、カール-フリッツは祖父カール・ショイフレ3世へ相談を持ち掛けます。祖父カール・ショイフレ3世もサンモリッツに好印象を抱いていたので、心強い味方になれば新プロジェクトの実現に大きく近づきます。
「完璧なものを作って成功しよう」
「いいアイディアね!」
祖父カール・ショイフレ3世、叔母キャロライン・ショイフレは、新プロジェクトに乗り気でした。キャロライン・ショイフレがサンモリッツのデッサンを沢山持っていたのも幸いし、カール-フリッツは祖父に相談しながら、いくつものアルパインイーグルのプロトタイプを製作。幾たびも、父へプレゼンテーションを行います。
「ショパールにはない時計を作りたい」息子のひたむきな思いは父に通じ、正式な新開発プロジェクトチームが発足されます。父カール-フリードリッヒとデザイナー達もチームに加わり、デザインを煮詰める日々が繰り返されます。「鏡面仕上げだ!」「サテン仕上げとのコンビがいい」と意見も割れることがあったと伝えられています。「ゴールドのようにスティールを使いたい」若いカール-フリッツの主張は時期も良く、オーストリアの鉄鋼メーカー「フェストアルピーネ社」と新素材「ルーセントスティール A223」を完成させたばかりのタイミングでした。その後も幾度の苦難を“家族の絆”で乗り越えた末、若い感性と情熱、経験豊かなエキスパート達の知恵が掛け合わされた「アルパインイーグル」が完成します。
ロイヤルオークやノーチラスという偉大な“元祖ラグスポ”、ジラールペルゴのロレアートやピアジェのポロという強力なライバル達がひしめく強豪ぞろいのラグスポ業界……アルプスの荒々しい峰にも打ち勝つ、鷲の高尚な力強さを想いに込めたアルパインイーグル。親子三世代のバックストーリーは、先行モデル達にも負けない魅力的な物語であり、後世まで語り継がれる素質も秘めています。“親子三世代の絆”を羽根に込め、アルプスのワシはどこまでも高く飛び続けることでしょう!
「息子の情熱が父(祖父)を突き動かし、祖父(父)が実現に力と知恵を貸す」
そんな理想的な家族関係のストーリー性を知ってしまうと、アルパインイーグルの力強い洗練されたデザインが、より味わい深く見えてしまいますよね……子供や親へのプレゼントにももってこいですし、“家族の絆”は今後も購入者の心を揺り動かしていくかもしれません。
“次世代の買えるラグスポ”として、ラグスポファンのハートを鷲掴みにしているアルパインイーグル。飛ぶが如く、躍進を続けるアルパインイーグルの相場がどこまで跳ね上がるのか、ファンならずとも動向を気にしていることでしょう。「アルパインイーグルの人気の秘密」を解説する前に、前情報としてシリーズの特徴を簡潔にまとめてみました。
まずは、アルプスの豊かな自然とワシの力強さへの敬意を表現した、デザイン面の美しさをご説明致します。
アルパインイーグルは、ディテールの随所に、自然との調和に基づいた発想やインスピレーションが繊細に施されています。ガルバニック加工のブルーorグレーの真鍮製文字盤「イーグルアイリス」で、吸い込まれるような“ワシの眼の虹彩”を表現。ワシの羽毛をヒントにした、軽やかに文字盤を舞うロジウムメッキのアロー型秒針は、視認性も十分。リューズには古くから冒険家達に、人生の進むべき道筋を指し示してきた羅針盤(コンパスローズ)が刻まれています。
ルーセント スティールA223製のブレスレットは、ケース一体型の美しさが際立つよう、センターキャップにはケース同様のポリッシュ仕上げ、ラージリンクにはベゼル同様のサテン仕上げを施し、アルプスの山々を彷彿とさせる“ゆるやかな曲線美”を演出します。抜群にフィットするしなやかな装着感は、ハイジュエリーブランドらしい“美意識”も漂わせ、「素晴らしい!」のひと言です。
≪サンモリッツとの共通点と違い≫
サンモリッツとの共通点や変更点で言えば、サンモリッツの大胆な上下左右に突き出したベゼルをケースサイドへ移動。右側ではリューズガードとしてアレンジしています。1980年代当時、サンモリッツが雪で覆われた静かな山中やビルと喧騒に囲まれた大都会でも、自分の腕に馴染んできたように、テクノロジーが発展し、リモートで繋がれた現代社会でも、アルパインイーグルはどんな場所でも美しく、そしてカッコよく、持ち主の腕にマッチし続けるでしょう!
メゾン創設以来のアイデンティティー「家族経営=オーナーシップ」は、ショパール独自の強みです。会長のカール・ショイフレ3世は一線を退きつつありますが、スーツにネクタイの正装で、毎日工場に出勤していると言われています。アルパインイーグルならではの強みですが、ショイフレ家(ショパール)は、家族間の絆・情熱を具現化する余裕も持ち得ています。つまり、一般的な上場企業とは違う、「独立系経営」を貫ける“自由なモノづくり”を風土にすることができるのです。
上場企業だと資金を一般株主から集める代わりに、経営責任を問われないよう、株主の顔色を伺う方針を取らなければならないのに対し、家族経営は親族の了承があれば、大胆な経営改革を行いやすいメリットがあります。また、上場企業は短期スパンで結果を出さなければいけないのに対し、数年単位の長期路線で経営を行えるのは、実現に4年を要したアルパインイーグルの具現化において、大きな利点として働いたと言えます。
ショパールの方針で社員や職人を家族のように大事に接している点も、“長期的なマンパワー”で見た際に重要です。ショパールの特徴として、転職率が低いという裏話があります。他社への時計修行を数年勧めても、ほとんどの職人達が、技術を身につけてショパールに帰ってくるそうです。腕時計の“品質”に大きく左右する、熟練クラフトマンが残りやすい“環境”は、企業として一流の証と言えます。
ショパールはラグジュアリー分野で強みを発揮し続けてきたブランドです。その基盤となる“自由なモノづくりの風土”“腕の良い職人が腕を振るう環境が整っている”ことが、ハッピーダイヤモンド&スポーツの大成功、サンモリッツの挑戦。サンモリッツを現代的にアップデートさせたアルパインイーグルの冒険へと繋がってきたのでしょう。
ショパールの寛大な精神性は、環境への取り組みにも反映されています。その一つに、環境保護活動「イーグル ウイングス ファウンデーション」があります。アルプスのビオトープ(※生物の生息空間)の重要性や美しさ、脆弱性に関する人々の意識を高めるために、カール-フリードリッヒ氏が共同創立。最初のプロジェクトとして、「アルパイン イーグル レース」を開催。5カ所のアルプス山頂からワシ達は飛び立ち、搭載されたカメラで空中観測を推進します。人間の目線ではわからないワシの視点で、広大なアルプスの自然保護という社会の課題に取り組んだのです。イーグル ウィングス ファウンデーションは自然にインスパイアされた誕生した「アルパインイーグル」と同時期に発表され、このコレクションを新たなサステナブルな活動と結び付けようとしたのです。“サステナビリティ”は今やラグジュアリーの世界においても、そして投資家目線でも無視できない重要なテーマです。ラグスポの中でもいち早く取り組んだ「アルパインイーグル」、今後評価が高まりそうですね。
アルパインイーグルの魅力でもあり最大の特徴として、「後発モデルだからできた芸術性・完成度の高さ」が挙げられます。俗に言う、ロイヤルオーク似・ノーチラス似の類似モデルは、雲上ブランドのラグスポよりも「値段が安い」要素がまず不可欠ですが、プラスアルファの「作り込み、品質の高さ」も人気を集めるために評価基準として大切です。
アルパインイーグルは、時計に詳しい人が見れば、一目瞭然の“随所に光る高級感”を漂わせています。1970年代に端を発する元祖系ラグスポは、その当時で完成された“先行モデルゆえの伝統と美しさ”を武器としています。どの人気モデルシリーズにも言えますが、ファンとしては「そこだけは変えてほしくない!」というアイデンティティーも付随されてしまうため、時代に適した大胆な刷新が難しい弱点も抱えています。
それに対し、アルパインイーグルは、1980年誕生のサンモリッツを完全アレンジ。現代的なラグスポにブラッシュアップした上で、新シリーズとして発表しています。少しオーバーな表現をすれば、アルパインイーグルの細部の作り込みと完成度は、“次世代のラグスポのロールモデル”と称しても恥ずかしくないほど、現代的なアップデートに成功しています!
また、わずか3年間でコレクションのラインナップが充実している点も見逃せません。シンプルな3針モデル(&デイト表示)のアルパインイーグルラージ。男女共に身に着けやすい36mmケースサイズのアルパインイーグルスモール。5万7600振動というハイビートなケイデンス8HF。ラバーストラップ仕様のアルパインイーグルXL クロノ……毎年、時計ファンの期待感を裏切らない、新しいラインナップが追加されています。ジュエリーブランドでならしたショパールらしい、“手抜かりのなさ”は、本当に凄いですよね!!
アルパインイーグルの人気の理由をまとめてみました。どれも共通しているポイントは、「ショパール圧巻の技術力」だからできることばかりです。その総合力の凄さは、目の肥えたラグスポファン達を唸らせるのも納得の出来栄えです。
これだけの技術の粋が注ぎ込まれているのに、公式定価で1,705,000円(※2022年9月時点)から超一級品のラグスポを購入できるのは、大きなメリットですよね!?ラグスポ動乱の時代に立ち向かうアルプスのワシの“5つの強さ”をご説明致します!
ショパールのマニュファクチュールの凄さを端的に語る1つのエピソードとして、「ロレックスとショパール(※スイスブランド)だけが、金の延べ棒を溶かし、自社工場でケースから製造している本物のマニュファクチュールブランドである」という強みが挙げられます。
ゴールドという素材は、性質として柔らかすぎるため、銀や銅、パラジウムなどと混ぜ合わせ合金に加工します。ホワイト、イエロー、ローズなどの18Kゴールドのカラーリングを決めるのも微妙なバランスを必要とする鋳造技術です。ショパールは1978年から、自社のアトリエでゴールドを鋳造するハイジュエラーとしての特権を持った珍しいマニュファクチュールブランドなのです。
更に、2018年以降ショパールで使用するゴールドは全て100%エシカル(※倫理的)な素材で、格別な輝きを放っています。
ショパールが最も幅広く使用する原材料、ゴールド。ショパールが18Kの精錬に使用する純金は、国際的な環境・社会基準を満たす、信頼できる供給源でのみ、調達を行っています。『責任を持って採掘されたゴールドですべてのウォッチとジュエリーを製造する』2018年7月にその高尚な目標をショパールは達成しています。
『最も貴重な遺産が、何よりも人である』
『後世に残す価値のある専門技術を持つ職人たちを集める』
1996年からショパールは、スイス・フルリエに「ショパール・マニュファクチュール」を設立。熟練したクラフトマンから引き継がれてきた、失われつつある貴重な技術の数々を継承すべく、“専門技術の継承”にもショパールは力を注いでいます。フルリザンヌ彫り、ペルラージュ仕上げ、グラン・フー・エナメル……20を超えるアースティックな専門技術を取り揃え、一部の失われた技術の復活にも成功しています。
また、毎年フルリエとメイランの地で、約40名の未来ある研修生達が、ショパールの時計製造技術学校で、時計づくりに必要なノウハウと専門知識、伝統技術を学べるのも“超一流の環境”でしょう。ジュネーブ州の「社員教育に関する最優秀企業」に認められた育成システムは、専門技術と共に、ショパール自社製ムーブメントを基礎実習の教材として学べる“職人の理想の環境”なのです。
十年、数十年後…アルパインイーグルが、ショパールの伝統モデルに成長した未来。現在の研修生達は熟練クラフトマンに成長し、昔に学んだ伝統技術を数十年後の研修生達に伝授できる“恵まれた環境”をショパールは既に創り上げています。長期的視野で見た際に、未来の若者達が“一番の財産”となるでしょうからね!!
ショパールという企業は、日々の元気の源、社食のランチにも力を入れています。なんと!一流のシェフが料理を作り、全社員が食べることができる充実ぶりです!しかも、ショイフレ家の皆様が毎日食べに来て、ランチミーティングを行っているという噂もあります……トーマス・ドベリ氏(ショパールジャパン代表取締役)によると、ランチルームで「サンモリッツを現代的にしたラグスポを作りたいんだけど、いいアイディアないかなぁ?」とカール-フリッツ氏が相談を持ち掛けたというエピソードも。ショイフレ家は、より魅力的なデザインになるよう、一流ランチに舌鼓を打ちながら、毎日ディスカッションを重ねていたのかも。実のある家族会議を重ねて芸術品を生み出せるのは、家族経営ならではの良さでであり、ショパールの特色なのでしょうね。
面白いエピソードをもう一つ。カール-フリードリッヒ共同社長の奥様が“日本好き”で、来日する時だけ奥様も一緒に連れ添うという噂もあります。ジュネーブの工場に、目と気持ちを休めるための日本庭園もあるので、「誰の発案で工場に日本庭園を造ったのか?」も気になるところですよね!?
アルパインイーグルが話題になっている理由の一つに、新素材「ルーセントスティールA223」を開発し、ラグスポ参戦の“とっておきの切り札”を用意していた点が挙げられます。以前に、メゾン初のスポーツモデル、サンモリッツがステンレススティールを使用することで、ゴールドに匹敵する価値を付随させたように、アルパインイーグルもそのコンセプトを継承。より進化させるために新素材を開発したストーリーは、時計ファンとしては魅力的な逸話でしょう!
ショパールは他のブランドに先駆けて、エシカルなモノづくりに力を入れています。その結果、ルーセントスティールA223に、3つのストロングポイントを与えることを可能としました。
澄み切ったジュエリーのような輝きをルーセントスティールA223は兼ね備えています。さながら、アルプスのように透き通り、ワシのように頑強な特性を持ったルーセントスティールA223は、アルパインイーグル(アルプスの鷲)の名に相応しい新素材でしょう。加工が難しく、開発に4年の月日を要したのも、一目見れば合点がいきますよね!
サステナビリティを重んじるショパールは、新素材開発のために、エシカルなモノづくに妥協しません。削りカスのリサイクルも徹底……焼成を繰り返すことで、極限まで不純物を取り除くことにも成功しています。ヴィッカーズ指数223は、一般的なスティール(※ヴィッカーズ150)の1.5倍の硬度・摩耗耐性を達成したことを示すものです。
ルーセントスティールA223の素晴らしい点は、磨いた部分の仕上がりが、鉄の輝きよりプラチナの輝きに近い、貴金属のような美しさを持ち合わせていることです。一般的なステンレスは、シルバーのような“黒っぽい”光り方が特徴です。対して、ルーセントスティールA223は、高級感のある“白っぽい”光り方を持ち味としています。この“白っぽい”輝き方が、他のラグスポとはひと味違う「アルパインイーグルは美しい」と呼ばれる所以でしょう。アルパインイーグルは、「能ある鷹は爪を隠す」ならぬ、「能ある“鷲”は爪を隠す」ように、「ラグジュアリーでありながら、スポーティーな魅力」をさりげなく輝かせているのです。控えめでありながら、一度見たら印象に残る“存在感”……新世代のエシカルな素材だからなし得る、「ラグジュアリーさとスポーティーさの絶妙なバランス加減」は、アルパインイーグル自慢のストロングポイントでしょう!!
ワシの目の虹彩をモチーフにした文字盤、イーグルアイリス。“eagle”は「鷲」、“iris”は「虹彩」を意味します。渦を巻くような独特なテクスチャーに、一目惚れしてしまった方もいらっしゃるでしょう。日本語だと、「鵜の目鷹の目(※熱心にものを探す鋭い目つき)」など、“鷹”に馴染みがありますが、ドイツ語や英語では「鷲の眼」という表現が有名で、見る目がある・眼力がある人を指します。
ショパールの眼力はサンモリッツ誕生の頃から鋭く、コンセプトを“自然の美しさ”に絞ったのが、成功の要因でしょう。アルパインイーグルも、ワシの目の虹彩からインスピレーションを受け、荒々しい複雑な凹凸を「サンバースト(※中心から外側への放射線状の模様)装飾」で表現し、ガルバニック加工で“自然な調和”をもたらしています。
ガルバニック加工:溶融メッキ加工技術。溶融メッキ(素材液)に文字盤を浸し、表面に薄い皮膜をつくりコーティング処理する。耐腐食性や耐久性に優れる。塗装処理を幾層も重ねられるため、深みや厚みを出せる。
一部のブランドにしか用いられない珍しい技法、ガルバニック加工。「アレッチブルー」や「ベルニナグレー」の色合いを出すのに、ピッタリな技法ですね。アレッチブルーの青い文字盤は、スイス最大のアレッチ氷河。ベルニナグレーの落ち着いた灰色文字盤は、ベルニナ山群の岩々をモチーフに。アルパインイーグルの美しさは、自然を源泉にしたデザインだから、私達時計ファンの目を自然と惹くのでしょうね。どことなく、「自然」を文字盤のモチーフとするグランドセイコーを思い起こし、親しみを感じてしまいます。
アルプスにも生息するイヌワシは、1000m離れた小動物を捉えることができ、網膜にある「中心窩(ちゅうしんか)」が発達しているのが、目の良さの秘密です。1平方mm当たり約150万個(※人間の7.5倍相当)の視細胞を中心窩に持ち、上空の前を見て飛んでいるのにも関わらず、地上の小動物をチェックできる特性を持っています。
また、人間よりも4種類も多く色の光を感じ取れるため、私達と見え方が異なるとも言われています。そんな鋭いイーグルアイをモチーフにしたアルパインイーグル……チラチラ時計を眺めていたら、何だかワシのように目が良くなりそうな気も!?
1996年に“時計業界最高峰ムーブメント”と称えられる「L.U.C 1.96」を自社製ムーブメントとして完成させたショパール。アルパインイーグルに搭載されたムーブメントも、グループメーカー「フルリエ・エボーシュ社」に製造を一任。ショパールの工房で一貫して開発・製造・組み立てを行い、信頼性の高い自社製ムーブメントを採用しています。ちなみに、フルリエ・エボーシュ社のとある部署では、“Kaizen(改善)”の張り紙を合言葉に、最後まで手を抜かず一つひとつ丁寧にムーブメントを製造していることも補足しておきましょう。
1996年同年、スイスのヌーシャルテル州フルリエに「ショパール・マニュファクチュール」を設立し、最先端技術のインフラ環境を整えたショパール。2008年にも、競合会社のムーブメントメーカーを傘下に納め、子会社の「フルリエ・エボーシュ社」を設立。ミッレミリアやアルパインイーグルにも使用される一流の自社製ムーブメントを作り、ジュネーブへ送られています。
紛らわしいかもしれませんが、「L.U.C」は「ショパール・マニュファクチュール」が製造している自社製ムーブメント。アルパインイーグルなどに使用されるムーブメントは、「フルリエ・エボーシュ社」が自社製造しているのです。
整理すると、ショパールは合計4つの自社工場(フルリエ・ジュネーブ・フォルツハイム)を持っており、それぞれの力を掛け合わせて、“ネジ一点から製作する”超一流のマニュファクチュール環境を整えています。ムーブメント開発技術も卓越しており、20年余りで10以上の基幹ムーブメントを生み出し、年間約4000個のムーブメントを生産するほどです。
アルパインイーグルラージには「Cal.Chopard 01.01-C」、クロノグラフには「Cal.Chopard 03.05-C」、女性向けのアルパインイーグルスモールは「Cal. Chopard 09.01-C」と、それぞれ違うムーブメントを用意。「Cal. Chopard 09.01-C」は、25周年を祝すように2018年からハッピースポーツにも初搭載されており、「L.U.C」シリーズと一線を画す、“高品質&高精度な自社製量産ムーブメント”を保持しているのも、ショパールならではの“ムーブメント二刀流”でしょう!ショパールと聞くと、ジュエリーのイメージが、つい先行してしまいますが、調べれば調べるほど、“超ド級の時計ブランドメーカー”ですよね。
更に、ショパールグループ製造の自社製ムーブメントは、スイス公式クロノメーター検定(C.O.S.C.)以外にも、“世界で最も厳しい審査基準”「カリテフルリエ」の認定を許された高品質ムーブメントも保有しています。L.U.Cの一部の特別なモデルしか選ばれていませんが、それでも“超本格派”のウォッチメーカーである確かな証と言えます。ETA2010年問題を契機に、あらゆる時計ブランドがインハウスムーブメントの開発を推進し始めていますが、「金に糸目を付けぬ」ショパールの開発力はオメガ、ブルガリ、ロレックスなどをも凌ぎ、その先頭をひた走っています。
まだまだ、日本では過小評価されがちなブランドですが、GPHG(ジュネーブ ウォッチ グランプリ)で2017年には「L.U.C Full Strike」が大賞を受賞。2021年にも、14部門のうちの3部門にノミネート(※「フラワー パワー」はジュエリーウォッチ賞を受賞)される実績は、紛うことなき“実力派”なのです!
「カリテフルリエ」と呼ばれる最も厳格な基準をご存じでしょうか?ショパール、パルミジャーニ・フルリエ、ボヴェ・フルリエ&ヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエが共同で立ち上げた「高品質時計製造における品質認証」プロジェクトを礎とした審査基準の呼び名です。2001年6月5日に、「カリテ フルリエ財団(FQF)」は設立され、本物のラグジュアリーウォッチを選定する認証制度を独自に制定しています。
定義が不明確な「ハイエンド、高級な、ラグジュアリー」などの形容表現が蔓延る状況が、高品質時計製造への評価の障害になっていることに危機感を覚え、「時計設計の技術的および審美的品質基準を確立」するために、カリテ フルリエ財団は設立されました。厳しい品質基準をクリアしたムーブメントにのみ、「QF(QUALITE FLEURIER、カリテフルリエ)」の刻印は許されます。
≪カリテフルリエのQFマーク認定条件≫5つの厳格な審査をくぐり抜けた個体のみが、カリテフルリエ認定モデルと認められます。
ショパールでも「L.U.C」の特別なモデルのみが、カリテフルリエ認定に合格できる最難関の品質基準なのです。アルパインイーグルにはまだ、QFマークの刻印はありませんが、毎年驚くような新作モデルを追加している状況から予測すれば、QFマーク入りのアルパインイーグルが誕生する日も遠くないかもしれません。
2022年に突如、大ブレイクした“買えるラグスポ”ロレアート。“ラグスポ界の今年の主役”と称しても大げさではない中古市場の高騰ぶりで、去年に定価の半額近くで購入できたのがウソのようです。「ロレアート アルパインイーグル」「アルパインイーグル どっち」の検索状況が証明しているように、その地位をもっとも脅かしている“買えるラグスポ”の対抗馬が、アルパインイーグルなのかもしれません。
前提として、ロレアートは丁寧な手作業で仕上げられた、1970年代のお手本ラグスポのような完成度の高い素晴らしい時計です。しかも、最安値が1,793,000円(※ロレアート42mm現行モデル)という、価格面の強みもあります。しかし、穿った見方をすれば、機能面に弱点(耐磁性の低さ、パワーリザーブの短さ、ジラールペルゴの時計は壊れやすいという噂など)を抱えており、今後のラグスポ需要次第ではアキレス腱となる恐れがあります。
一方、アルパインイーグルは前述の品質&クオリティーの高さを保持しながら、公式定価で1,705,000円とロレアートにほど近い価格も武器としています。移ろいやすい時計ファン達の気持ちが、今後どうなっていくのかは定かではありませんが、値段・品質・完成度のトータルバランスに優れた、弱点がほぼないアルパインイーグルの“強さ”は、根強いファンを作っていきそうです。
最高級のジュエリー&ラグジュアリーウォッチメーカーでありながら、本格的なスポーツウォッチやラグスポも手掛けるショパール。今までは、レディースモデル主力だったブランドイメージが、アルパインイーグルで生まれ変わろうとしています。アルパインイーグルの人気モデルをご紹介する前に、ショパールの定番モデル&人気モデルを簡単にご紹介致します!
バリエーションが豊富で、サイズ展開や素材、装飾(ダイヤorダイヤ以外のサファイアなど)の違いで探せば、どれにすればいいか迷うほど。シンプルに相場の傾向も含め、定番モデルを考えた場合、「レディースはハッピーシリーズ、メンズはアルパインイーグル」が最近の定番傾向だと言えます。
≪レディース向けの鉄板モデル≫
◆ハッピーダイヤモンド≪メンズ向けの定番モデル≫
◆ミッレミリアとにかくバリエーションが豊富なので、一部のモデルのみをピックアップ致しました。ジュエラーらしい、細部のこだわりや作り込みは、調べれば調べるほど面白いので、アルパインイーグルやハッピーシリーズでショパールに興味を持った方は、自分に相応しいモデルをじっくり探すのも、時を忘れるほど面白いのでお勧めです。
中には、「サンモリッツが好きだからアルパインイーグルを買った」という印象的な口コミも存在します。日本での知名度はまだ低めですが、ショパールコレクションには、宝石のように魅力的な腕時計達が、沢山埋まっていますよ!
2022年のラグスポ台風の目、ロレアートの対抗馬とも噂されるアルパインイーグル。定番モデル「アルパインイーグルラージRef.298600-3001」は、グラフの通り、じわりじわりと価格も推移しています。ロレアートのように爆発的に人気が伸びるのか、安定した位置取りのままなのかは、プロでも読み切れないかもしれません。
アルパインイーグル全体の傾向を整理してみましょう。ロレアートの特集記事で、「有力モデル価格推移傾向」もまとめているので、深く知りたい方はどうぞ!!
ロレアート特集でも同様の結論を述べましたが、“買えない御三家(ロレックス、オーデマ・ピゲ、パテック・フィリップ)”に匹敵する代替機として、“買えるラグスポ新勢力(ロレアートやアルパインイーグル)”達の需要が増大しつつあるのが、2022年のラグスポ事情でしょう。
一点、気になる情報もお伝えします。業界では「ショパールが2022年10月3日(月)より全商品約8%の値上げ」という話もあり、アルパインイーグルの“駆け込み需要”が増す可能性を考慮しています。タイトルを「次に来る(かも)ラグスポ」として紹介したのも、先食い需要を見越すと……2022年後半~2023年前半に、まだまだ動きがあるかもしれないのが、アルパインイーグルの今後の動きの流れなのです。合わせて、「買取目線で見た注目モデル」もご紹介致します。
商品自体の魅力に加え、インフレなどの状況も影響して、どのラグスポも価格上昇傾向にあり、腕時計ファンの頭もハートも悩ませるラグスポ業界。突如、2019年にすい星の如く現れた“ショパールの鷲”は、磨き抜いた爪と牙で、ラグスポ新世代の頂点に君臨するだけの実力・話題性を持ち合わせています。記事後半の「アルパインイーグルの人気傾向と今後」で、続きをご説明致します!
「アルパインイーグルがノーチラス(ロイヤルオーク)に似てる」
口コミでよく見かけるこういった指摘は、確かに否定することはできないものです。しかし、かつてロレックスのサブマリーナやブランパンのフィフティファゾムスが、ダイバーズウォッチの礎を築き上げたように、ラグスポウォッチも先駆者のロイヤルオークとノーチラスが基盤を作り上げ、現在のラグスポブームをけん引しています。絵画の分野で、“ロマン主義”や“印象派”など、先達の作品から影響を受けて、より優れた作品が誕生したように、ラグスポというジャンルが“インスパイア”を繰り返し成熟していく中で、より優れたデザイン系統が生み出された、と考えるべきではないでしょうか。
上記を念頭に置いた上で、ロイヤルオーク/ノーチラスの共通点や違いを比較してみましょう!海外の権威あるコレクター向け高級腕時計サイト、WatchBoxさんのノーチラスとの比較動画も合わせて、ご覧ください。全体的に、好感触なコメントが目立つのが、アルパインイーグルの実力を物語っている気がします。
実際に比較してみると、サンモリッツをプロトモデルとして、現代的に様々なアレンジを加えていますよね。大胆過ぎた上下左右の突起型ベゼルをやめ、ノーチラスのように、リューズガードも兼ねた左右の“耳”に転用。4対8本のスクリューで固定したベゼルも伝統を踏襲。機能美もあるスクリューは、実用的な100mの防水機能を実現し、ワシらしい力強さもプラスさせています。
これだけ細かな部分の作り込みもしっかりしている上に、イーグルアイリスやルーセントスティールA223、自家製ムーブメントなどの“牙や爪”という武器も基本装備しているのですから、“ショパールの鷲”は美しく逞しく、そして獰猛です。
権威ある海外のweb雑誌「Time+Tide」のアルパインイーグル動画です。良い意味で否定的な表現も目立ち、活発なコメントが書き込まれているので、興味のある方はどうぞ!
『オクト フィニッシモ、ロイヤル オーク、ノーチラス、ビッグバン、ベル & ロスなど、そのリストは続きます。すべてのジェンタにインスパイアされました。しかし、別の方法で実行されました。ショパールがテーブルにもたらすひねりが好きです。新しいスチール、持続可能なラグジュアリー、ファンキーな歴史、すっきりとしたデザイン。私はノーチラスを所有しており、この時計を購入します。ロイヤル オークやノーチラスを手に入れることができない人にとっては素晴らしいオプションです。市場に語らせましょう。供給が需要を満たしていない場合は、他のプレイヤーが介入する必要があります。ブラボー ショパール、ブラボー)』
『Looks amazing. Well done Chopard!(すごいですね。頑張れショパール!)』
『It might be on the Genta inspired train, but I think it has enough of the 80s/90s vibe to separate it from the RO and Nautilus. Dial is absolutely stunning, and it's nice to see some roman numerals on a sportier watch(Gentaにインスパイアされた列車に乗っているかもしれませんが、ROやNautilusとは一線を画す80年代/90年代の雰囲気が十分にあると思います.文字盤は本当に素晴らしく、スポーティーな時計にローマ数字がいくつか見られるのは素晴らしいことです)』
個人的に深く共感できた『ROやNautilusとは一線を画す80年代/90年代の雰囲気』というコメントが、アルパインイーグルの魅力を語る上で重要です。ロレアート特集記事でも述べていますが、ロイヤルオークやノーチラス、ロレアートは“冬の時代=1970年代”の雰囲気を身に纏っています。
一方、アルパインイーグルは、1980年代の“春の時代(クォーツ革命を乗り越えて活気が戻り始めた頃)”や1990年代の“世界的な機械式時計ブーム”の頃の雰囲気を、洗練されたデザインに閉じ込めているような気がしてなりません。時代にはトレンドがあるので、現時点ではロレアート達に一歩先を進まれているかもしれません。しかし数年後、十年後……アルパインイーグルが伝統モデルに成熟した頃は、“時代が追い付く”可能性とポテンシャルを持っているのです。
単刀直入に印象的なコメントをご紹介します!
『ロイヤル オークやノーチラスを買う余裕がなかったわけではありません。私は実際にロイヤル オークが大好きですが、実はロイヤルオークが大好きなのですが、私の住んでいる地域やカントリークラブ、よく行くレストランではみんなロイヤルオークやノーチラスのを持っているんです。私はたまたまこのアルパイン イーグルの文字盤が気に入ったんです。ショパールは正規の時計メーカーですし、しょっちゅう通っていたわけじゃないんだけどね。アルパイン イーグルは本当に気に入っています。)』
読んでて考えさせられるコメントですよね……自分の感性とポリシーに素直に、アルパインイーグルを選ぶチョイス、とても良いと思います!!
最後に、Zeitenblickさんの実機レビュー動画も、チャンネル登録者数が約300人弱に対し、再生数約3万と伸びているのでご紹介します。総評すると、「アルパインイーグルは世界的に注目され、愛されている」と言って、差し支えないでしょう。
どれもあり得る展開ですが、ロレアートやその他の次世代ラグスポ(ピアジェポロやゼニスデファイスカイラインなど)が、なぞるように、相場を下支えしている傾向を考慮すると、①のようにアルパインイーグルだけ下火になるのは……現状は想像できません。
②や③も、“相場は水物”と言いますから、そんな未来になっても不思議ではありません。ただ一つ言えるのは、「ショパールはジュエラーとしてラグジュアリーが得意」という既に固まりつつあるブランドイメージを、「ラグスポも得意」というスポーティー要素で打破しようという流れは、ショパールには追い風となるでしょう。急ピッチで、コレクションを充実させているのもプラスに働く好材料です。
また、ラグスポ市場が冷え込んだ向かい風の状況でも、モチーフにしたワシのように、上手に飛び回れそうな「コスパ抜群」という“底力”を秘めているのも追記致します。最先端技術と最新素材、壮大なバックストーリーと作り込みの細かさがありながら……公式定価1,705,000円(※2022年9月時点)という「高品質&適正価格」は、“ショパールの鷲”を“閑古鳥”にさせない、ビオトープとなるでしょう!!
・ラグスポ業界は戦国時代へ突入中
・“買えるラグスポ”の地位を狙って、ラグスポ新勢力達が、しのぎを削り合っている
・アルパインイーグルは、実力・エピソード性・品質・値段など、トータルバランスに秀でている
ステンレス×ダイヤモンドの組み合わせのハッピーダイヤモンドで、レディース&ラグジュアリー分野を席巻したショパール。そんなブランドイメージを引きずるショパールが、新素材のルーセントスティールA223を引っさげて、威風堂々とラグスポ戦線に参戦したのも市場を面白くしている要因でしょう!
アルパインイーグルの魅力をまとめると……
・1980年誕生のサンモリッツの正当後継者であり、親子三世代の物語は、ストーリー&エピソード性も十分
・ショパールのマニュファクチュールは、育成システムも含め充実している
・後発のハンデとアドバンテージを活かした丁寧な作り込みと完成度を誇る
・ルーセントスティールA223やイーグルアイリスなど、目を惹く長所がある
・ノーチラスやロイヤルオークと違い、リーズナブルな手の届く価格帯に着地している
“ラグジュアリースポーツの新たなロールモデル”を創り上げた、ショパールのお手並みは「流石!」の一言です。まだまだ知名度があまり高くないショパールですが、“業界トップクラスのウォッチメーカーの顔”が、今後は有名になっていくかもしれません。
願わくば数十年後……「今こそ、アルパインイーグルのようなモデルがショパールには必要なんだ!」親子四世代の絆を紡ぐ物語も、いち時計ファンとして見てみたいものです。アルパインイーグルは、家族の愛を心臓に、将来性と可能性を翼に、どこまでも空高く飛び続けていくかもしれないのですから。
買取視点でお話を進めますが、「アルパインイーグルは新しいコレクション」「ロレックスやオメガよりも市場としてまだ不十分」な傾向が災いし、バイヤーによって買取価格差が生じやすいブランドの一つです。数十万円の価格差が出るケースもあるので、買取の際はご注意ください。
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