更新日:2025年04月15日
1965年に国産初のダイバーズウォッチ“ファーストダイバー”「62MAS-010」を発売し、現在に至るまで数々の偉業を成し遂げてきたセイコー(SEIKO)。1968年に当時世界最高水準の10振動ハイビート300m空気潜水Ref.6159-7001、1975年に世界初の600m飽和潜水“ツナ缶”Ref.6159-022を発明するなど、革新的なモデルを次々と世に送り出し、プロフェッショナルダイバー達の信頼を勝ち取り、世界中の腕時計ファンをも驚愕させています。
セイコーダイバーズ60周年の節目である2025年、機能・デザインの両面で更なる進化を遂げた6000本限定SBDC213&SBEJ027と、600本限定SBDX067、計3モデルをリリースします。
いずれのモデルも確実な進歩、着実なステップアップが見られました。
ピアゾスタッフの見立てでは、「Marinemaster Professional」シリーズのフラッグシップモデルSBDX067よりも、同時発表されたSBDC213&SBEJ027の方が“お得=買い”なのではないか、と分析しています。
SBDX067は「プロも納得の値段相応の完成度」を誇り、SBDC213&SBEJ027は「時計愛好家を唸らせる値段以上のコスパ」を兼ね備えます。どれもセイコーダイバーズ60周年の目玉商品になり得るトータルバランスですが、総合的に見た際にSBDC213&SBEJ027の方がやや優勢かな、とも。
本記事では二部構成(※前半:SBDC213&SBEJ027、後半:SBDX067)で、「Seiko Diver’s Watch 60th Anniversary」の魅力を深~~~~くご説明致します。
20~25万円前後の価格で、これでもかと様々な技術革新を凝縮したSBDC213&SBEJ027。デザインと機能の進化が止まりません。
≪2025年新作SBDC213&SBEJ027の見どころ≫
6000本限定では、リセールバリューが期待できない……以外は、正直に弱点が見つからないほど、プロスペックならぬスーパースペックです。セイコーダイバーズを象徴するウェーブマークを巧みにアレンジした美しいダイヤルパターン、機能性・使い心地を向上させた新開発の中留めなど、その防水性能さながら“一分の隙もない”クオリティは圧巻です。ルックスも良く、タウンユースでも使いやすそうなのもいいですよね。
既にべた褒め気味ですが、他にも細かいセールスポイントが多々ありますので、足早にSBDC213&SBEJ027のセールスポイントへダイブしていきましょう!
ひと足早く600本限定のSBDX067を知りたい方はこちらへ⇒ 「マリンマスター」フラッグシップモデル SBDX067の特徴へ
セイコーダイバーズウォッチの裏ぶたに刻印されたウェーブマークは、高い信頼性と卓越した技術力の証です。SBDC213&SBEJ027では、伝統の波マークをモチーフにした迫力あるデザインを文字盤で楽しめるようになりました。歴史的価値の高いマークですので、まずは予備知識からお伝えしていきます。
防水表示のおさらいも兼ねて、ウェーブマークありorなしの違いにまつわる画像をピックアップしてみました。潜水用(※「m」表記)表記でお馴染みの“あのマーク”が、ダイヤルパターンにアレンジされたのですから考えましたね。元のデザインのクオリティが高いのか、アレンジしてもダイヤルに馴染んで見えますよね。
余談ですが、ウェーブマーク自体も生誕50周年のメモリアルイヤーだったりします。関連する“ツナ缶”の歴史について話を膨らせますので、しばしの間お付き合いくださいませ。
ウェーブマークは、愛好家達に“ツナ缶”と呼ばれる「プロフェッショナル600mダイバー(6159-022)」の裏ぶたに刻印されており、それ以降全てのセイコーダイバーズウオッチの裏蓋に同マークが刻まれています。
初代“ツナ缶”の誕生秘話も感動的です。
「(1968年当時)市販されているダイバーズウォッチでは、飽和潜水システムを用いる300m以降の深海潜水に耐えられない」という趣旨が記載された“一通の手紙”がセイコーに届くことで、ダイバーズウォッチの歴史が変わり始めます。投書に対して完璧な答えを出すために、セイコーはプロジェクトチームを発足。数年に及ぶ研究開発の末に、当時世界最高峰の耐久性能を誇るチタン製ワンピースケース構造6159-022を開発。裏ぶたには、「技術力と信頼」を証明するウェーブマークが刻まれていたのです。
世界初のチタン製ケース、51mm径のサイズ、分厚い回転ベゼルなど、ずば抜けた個性を持つ初代“ツナ缶”。見た目に反して重量が約116グラムと軽いのもチャームポイントでしょう。「深海の黒い顔」の異名を持ちながら、ペットネームは“ツナ缶”と愛らしいですし、そのギャップにファンならずともグッときますよね!?
2000年には復刻シリーズ「ヒストリカルコレクション」SBDX005も発売されているので、そちらの裏ぶたもサラッとご紹介致します。
2000年12月に1000本限定、定価315,000円で復刻販売されたSBDX005。裏ぶたには、限定シリアルナンバーとウェーブマークが刻印されています。2020年にはセイコーダイバーズウオッチ55周年記念限定コレクション「1975メカニカルダイバーズ復刻デザイン」SBDX035を発売、こちらの裏ぶたにも同マークが誇らしげに刻まれていました。
2025年は初代“ツナ缶”50周年の記念すべき年でもあるので、セイコーお得意の現代デザインシリーズで“ツナ缶”をアレンジしたり、時流にマッチしたケース径42mm前後のミニミニツナ缶くらいのサイズをリリースする可能性もあり得ますね。オリジナルに忠実な復刻モデルも期待できそうです!!
前置きが少し長くなりましたが、本題のSBDC213&SBEJ027のダイヤルを見ていきましょう。
SBDC213はダイヤルにシルバー、ベゼルにグレーを採用。絶え間なく押し寄せる白波の如く、ダイナミックでエネルギーに満ちた迫力あるデザインを完成させています。力強い波しぶきにも耐え得る耐久性・防水性能は言わずもがなですが、カラーバランスも良く、一体感のあるデザインを楽しめます。
便宜上、「ウェーブマークパターン」と以降呼称していきますが、波模様のさじ加減が丁度良く、眺めていて飽きませんね。この仕上がり、高級感で192,500円はお世辞抜きで素晴らしいです。
SBEJ027はダイヤル&ベゼルに鮮やかなブルーを採用。寄せては返す青い波のように、見る角度・タイミング次第で様々な表情へ変化を繰り返します。ワンポイントのGMT針(24時針)の金色も美しく、眩しいですね。
「1968 ヘリテージデザイン」キャリバー6R54搭載モデルでは初となる、300m空気潜水用防水へ着実なスペックアップも遂げていますし、247,500円という価格も輝いて見えます。ダイバーズウォッチファンならずとも、“お買い得”の波状攻撃にノックアウトされてしまいそうです。
SBDC213のムーブメントはメカニカルムーブメント キャリバー6R55搭載。日差+25秒~−15秒、パワーリザーブ約72時間、空気潜水用防水(300m)。SBEJ027はメカニカルムーブメント キャリバー6R54搭載、キャリバー6R55と同等の性能(※精度・パワリザ・防水性能)に加え、デュアルタイム表示であるGMT機能付きとなっています。
SEIKOブランド100周年記念特別モデルSBDC199はキャリバー6R55搭載
キャリバー6R55と言えば、SEIKOブランド100周年記念第四弾スペシャルエディション SBDC199も同ムーブメント搭載モデルでした。セイコーの空気潜水用ダイバーズウォッチでは、最高のスペックを誇る自慢のキャリバーが、本作にも搭載されていますね。
*注*SBDC101などに搭載されたキャリバー6R35は、200m空気潜水用防水&パワリザ約70時間
横40.0mm×縦46.4mm×厚さ13.0mmのサイズ含め、SEIKOブランド100周年記念モデルでリリースされたSBDC195&SBDC197&SBDC199、とスペックが同じです。
細かな違いや性能差、現代デザインと復刻デザインの違いに関しましては、「SBDC101とSBDC195の値段・スペック・デザインを徹底比較」で解説しておりますので割愛致します。
若干、型落ちになりつつあるSBDC101のコンセプトである「進化」を重要視した系譜が、本作にもデザイン&機能性の両面でしっかり継承されているのは、流石プロスペックスと思わざるを得ません。ミドルクラスの充実ぶりは目を見張るものがありますよね。
続いて、SBEJ027搭載のキャリバー6R54について。
SBEJ027は「1968 ヘリテージデザイン」キャリバー6R54搭載モデル初の300m空気潜水用防水、という隠れた個性があるのですが、少々分かりづらい長所ですよね。スペックの近いSBEJ013&SBEJ009&SBEJ011を比較対象として、その違いを少しだけ解説します。
セイコーダイバーズウォッチ初のメカニカルGMTムーブメント キャリバー6R54を搭載した限定SBEJ013、レギュラーSBEJ009&SBEJ011。いずれも個性豊かなラインナップで、セイコー腕時計110周年記念限定モデルのSBEJ013は流行りのアイスブルーダイヤル、グリーンのSBEJ009はロレックス“グリーンサブ”を彷彿させる外観、ブラックのSBEJ011はセオリーど真ん中の正統派、とバラエティーに富んでいました。
本作SBEJ027はサイズが横42.0mm×縦48.6mm×厚さ13.3mm、300m空気潜水用防水のスペックに対し、SBEJ013&SBEJ009&SBEJ011は横42.0mm×縦48.6mm×厚さ12.9mm、200m空気潜水用防水と、ほんの僅か厚みは増してしまいましたが、防水性能を格段と向上させています。
値段の差も気になるところですが、そちらは記事後半でお伝えします。
⇒「SBDC213の192,500円、SBEJ027の247,500円は高い?安い?プロスペックス人気モデルと比較」へ
タウンユースにも向いた外観を持つSBDC213&SBEJ027。普段使いする上でもってこいの「ワンプッシュダイバーアジャスター方式」に、新開発の中留め(クラスプ)を採用。更なる快適な着用感を実現しています。
そもそもワンプッシュダイバーアジャスター方式がかなり便利な仕様で、セイコー全ての腕時計に標準装備(出来ればGSも!)して欲しいほど、機能性に優れています。何が凄いのかというと、アジャスター方式はエクステンダー方式と違い、“腕時計を着けた状態で中留めを閉じたまま”片手で簡単にサイズ調整を可能としているのです。
*注*キャリバー6R55搭載のSBDC195&SBDC197&SBDC199は「ワンプッシュダイバーエクステンダー方式」
潜水時の気圧変化対策のみならず、日常生活で起きる腕周りの変化にも対応でき、ダイビングをしない人にでも役に立つ優れものとなっています。腕時計愛好家なら誰しも一度は経験のある、夕方頃に起きやすいイヤ~な手首周辺のむくみを簡単操作で解消できるのは、地味ながら大きな訴求点です。腕時計をガシガシ普段から使いたい方からしたら、咄嗟の瞬間に「あって良かった!」と実感できる使い勝手の良さなので、是非一度お試しあれ。
しかもSBDC213&SBEJ027は、クラスプも新開発し、使い心地や外観の質感を改善。最大約15mmの調整幅を約2.5mmずつ6段階で調整可能としています。
SBDX067のクラスプは、そもそもウェットスーツの着用を想定したプロ仕様のため、従来通りの仕様(※最大調整幅30mm、約2.3mmごと13段階式)ですが、普段使いするだけであれば1.5cmも調整できれば十分ですよね。
現行コレクションを中心に、軽く見比べていきましょう。
SBDC&SBEJ系と見比べても、コストパフォーマンスの良さが目立ちますね。
スペックの近いモデルを中心にピックアップすると、2024年発売のSEIKOブランド100周年記念特別モデルSBDC199が203,500円(税込)、同時発表の新レギュラーSBDC195&SBDC197は176,000円(税込)、どれも価格改定の影響を受けず、お値段は据え置きのまま。
2023年新作のセイコー腕時計110周年記念限定モデルSBEJ013は参考価格231,000円(税込)、SBEJ013&SBEJ009は発売当時の値段が209,000円→現定価218,900円です。
使い勝手は格段にバージョンアップしているのに、ほぼ値段が変わらない、というのは冷静に考えると本当に凄いですよね。少し先の未来を想定すると、各ブランド値上げラッシュの波が止まらないため、「お手頃」と感じる今のうちに先物買いをしたとしても、銭失いにはなりにくそうです。
SBEJ系で気になるのは、大谷翔平 2025限定モデルSBEJ023&SBEJ025は330,000円(税込)。コスパのみで考えると、SBEJ027の247,500円はかなり安く感じますよね?
ちなみに、“グリーンサブ”似のSBEJ009は大谷翔平広告着用モデルで、定価218,900円と比べると約10万円の価格差が生じています。SBEJ023&SBEJ025が高いかどうかは置いておいて、本作の価格設定には良い意味でビックリさせられますね。
機能の進化を怠らず、デザインの改良も遂げたセイコーダイバーズ60周年記念モデルSBDC213&SBEJ027。プロスペックスの弛まぬ進歩は止まりません。
モデル | プロスペックス ダイバーズ 1965ヘリテージ セイコーダイバーズウオッチ 60周年記念 限定モデル
Prospex 1965 Heritage Diver’s Watch Seiko Diver’s Watch 60th Anniversary Limited Edition |
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型番(Ref.) | SBDC213 |
ケース・ブレスレット | ステンレススチール(ダイヤシールド) |
ケースサイズ | 横:40.0mm 縦:46.4mm 厚さ:13.0mm |
ガラス | カーブサファイア 内面無反射コーティング |
中留 | ワンプッシュダイバーアジャスター方式 |
防水性能 | 300m空気潜水用防水 |
ムーブメント | メカニカル 自動巻(手巻つき) 6R55 |
精度 | 日差+25秒~-15秒 |
駆動期間 | 最大巻上時約72時間持続 |
重さ | 174.0g |
生産本数 | 世界限定:6,000本(うち国内:2,000本) |
発売日 | 5月10日(土)発売予定 |
価格 | 192,500 円(税込) |
※掲載内容は2025年04月調査時点のものです。
モデル | プロスペックス ダイバーズ 1968ヘリテージ セイコーダイバーズウオッチ 60周年記念 限定モデル
Prospex 1968 Heritage Diver’s GMT Watch Seiko Diver’s Watch 60th Anniversary Limited Edition |
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型番(Ref.) | SBEJ027 |
ケース・ブレスレット | ステンレススチール(ダイヤシールド) ベゼル:セラミックス表示板 |
ケースサイズ | 横:42.0mm 縦:48.6mm 厚さ:13.3mm |
ガラス | サファイアガラス(内面無反射コーティング) |
中留 | ワンプッシュダイバーアジャスター方式 |
防水性能 | 300m空気潜水用防水 |
ムーブメント | メカニカル 自動巻(手巻つき) 6R54 |
精度 | 日差+25秒~-15秒 |
駆動期間 | 最大巻上時約72時間持続 |
重さ | 188.0g |
生産本数 | 世界限定:6,000本(うち国内:2,000本) |
発売日 | 6月6日(金)発売予定 |
価格 | 247,500円(税込) |
※掲載内容は2025年04月調査時点のものです。
外観を洗練させたSBDX067。値段相応の素晴らしさを秘めています。
≪2025年新作SBDX067の見どころ≫
6時位置に堂々と刻まれた“PROFESSIONAL”の文字の通り、プロユースに応える高性能ぶりは卓越しています。特筆すべきは美観の向上で、チタン製ワンピース構造 600m飽和潜水用防水仕様の「機密性」は保持したまま、従来のデザインではケース表面にある回転ベゼル固定用のネジを裏面に配置転換することで、デザインをブラッシュアップしています。武骨さが減り、スタイリッシュになった印象です。
仄暗い海の底を想起させる深みのダークブルーカラーは、外縁に向けて濃度を増しており、青×黒の芸術は見事です。精緻な波模様の型打ちパターンとも一体感がありますし、全体的にシックなカッコ良さが醸し出されています。
ダイバーズウォッチ業界にビッグウェーブを巻き起こすのか否か、ダイヤルへ迫りましょう。
未だに多くの謎を残す深海の神秘に満ちた世界を、黒に近い深みのあるブルー文字盤で重々しく表現したSBDX067。ダイヤル表面は透明な塗料を厚めにコーティングし、丁寧な磨き作業を加えることで、艶やかな質感と確かな奥行きを与えています。この磨き作業は非常に手間を要する工程らしく、約4年の開発期間がかかってしまったそうです。公式動画ではいい感じの仕上がりですが、実物がどれほど美しいのか楽しみです!
デメリットに目を向けると、同時発表された他2モデルと比べ、SBDX067のみ価格設定が尖っているのは気掛かりな点です。SBDX067は「マリンマスター」のフラッグシップを目指し、715,000円という値段に。諸々の実情、セイコーの内情は理解できますが、いち時計ファンとして40~60万円程度に抑えて欲しかった、のが本音でしょうか。プロスペックスSBDX023の352,000円(税込)のほぼ倍、チューダー ブラックベイ m7941a1a0nu-0001の649,000円より高い値段ですからね。値段相応とは断言できますが……うーん、言葉に詰まりますね。
ウェーブマークパターンは、グランドセイコーのエレガンスコレクション“小暑”SBGJ249に用いられたさざ波パターンに少し似ていますかね。
深海は風の影響を受けないため、波の流れがないイメージですが、SBDX067の模様は凹凸が激しい荒々しい模様をしており、浅瀬のさざ波パターンの方が波模様優しめだったりします。ダイヤルパターンの味付けは逆な方がマッチする気もしますが、その辺は深海の神秘性が表現されているのかもしれません。
ベクトルは全然違いますが、本作のダイヤルパターンを気に入った方は、少し財布のひもを緩めて、極上の仕上げを施されたGSウォッチに視野を広げるのもお勧めです。“小暑”SBGJ249は現定価1,001,000円(税込)です。
SBDX067は新開発のメカニカルムーブメント「キャリバー8L45」を搭載。セイコー現行メカニカルムーブメントで最も安定した精度(※日差+10秒~-5秒)、約72時間のパワーリザーブを実現しています。動力ゼンマイにはセイコー独自の合金素材「スプロン(Spron)」を採用していますし、精度や耐久性も期待できそうです。
ブレスレットも新しいパーツへ生まれ変わり、抜群の装着感を実現。コマの一つひとつに丸みを持たせることで、肌馴染みの良さを改善しています。13段階式(最大調整幅30mm)ワンプッシュダイバーアジャスター方式は既存のままですが、着実にトータルバランスはより良くなっていますね。
SBDX067には「黒」で統一した特別仕様ボックスが付属。外装紙や芯材にはFSC認証素材、内装の布生地やクッションはリサイクル素材を使用しており、海の豊かさを守る取組みにも引き続き真摯に取り組んでいます。
高いか安いか、マリンマスタープロフェッショナルの現行モデルと比較すると一目瞭然でしょう。
新開発ムーブメント8L45搭載のチタン製モデルであることを考慮しても、SBDX023(※8L35搭載SS製ケース)の倍額に近いのは受け入れ難いものがあります。従来のセイコーダイバーズのイメージで考えると、率直に申し上げて価格設定が高すぎる印象です。
他ブランドの有名モデルと、値段を中心に軽く比較していきましょう。
先程、言葉を濁しましたが、チューダー ブラックベイの総合力の高さが際立つ結果に。防水性能以外でプロスペックスが勝っている部分が現状少なく見えるので、今後の改良に期待ですね。その積み重ねが、ブランドイメージの刷新にも繋がりますからね。
厳しいものの見方をすると、プロスペックスがハイエンド化を目指す場合、身近な存在であるグランドセイコーが一番の競合かもしれません。
2021年発売のSBGA461は、「スプリングドライブの高精度+ワンプッシュダイバーアジャスター方式+ザラツ研磨が施された美麗なケース+GSのブランド力」など、ロレックスのサブマリーナに匹敵する、良いところマシマシなダイバーズウォッチを手掛けています。中古70万円で美品が入手しやすい、のも魅力です。
(性能や外観の差はさておき)SBDX067は、30~50万円前後だと文句なし、60~80万予算ならチューダーやグランドセイコーとも比較検討が必要、との結論が妥当でしょうか。
セイコープロスペックスの威信をかけ、かつてない美しさと性能を完成させたSBDX067。その凄さは練達の域に達しつつあります。
モデル | プロスペックス マリンマスター プロフェッショナル セイコーダイバーズウオッチ 60周年記念 限定モデル
Prospex Marinemaster Professional Seiko Diver’s Watch 60th Anniversary Limited Edition |
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型番(Ref.) | SBDX067 |
ケース・ブレスレット | チタン(ダイヤシールド)・一部ステンレススチール |
ケースサイズ | 横:45.4mm 縦:50.4mm 厚さ:16.0mm |
ガラス | デュアルカーブサファイアガラス(内面無反射コーティング) |
中留 | ワンプッシュダイバーアジャスター方式 |
ムーブメント | メカニカル 自動巻(手巻つき) 8L45 |
精度 | 日差+10秒~-5秒 |
駆動期間 | 最大巻上時約72時間持続 |
防水性能 | 600m飽和潜水用防水 |
生産本数 | 世界限定:600本(うち国内:200本) セイコーフラッグシップサロン、セイコードリームスクエア、セイコーブティック、セイコーウオッチサロン |
発売日 | 7月11日(金)発売予定 |
価格 | 715,000 円(税込) |
※掲載内容は2025年04月調査時点のものです。
セイコーダイバーズウォッチの歴史的なマイルストーンを随所に反映し、誕生60周年ならではのアップグレードが施された6000本限定SBDC213&SBEJ027、600本限定SBDX067。機能の凄さを犠牲にすることなく、美観の向上に成功していましたね。
ハイエンドラインのSBDX067は若干の課題を残していましたが、ミドルクラスのSBDC213&SBEJ027の完成度は、文句のつけようがない素晴らしさでした。世界各国のプロダイバーから絶大な信頼を既に勝ち得ていますが、時計ファン達の評価も更に上方修正されていきそうです。
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