更新日:2022年11月21日

なぜ人気爆発しない!?買えるラグスポ、ピアジェのポロS大特集

ポロSは在庫ありの状況が続いており、相場が横ばい状態が続く

「自分らしい、個性的なラグスポが欲しい」
そんな方には、“ドレスウォッチ&極薄ムーブメントづくりのエキスパート集団”ピアジェの「ポロS」は有力な選択肢の一つです。ラグスポブームの影響もあり、ピアジェのポロSは、男女問わず近年需要を伸ばしています。旧シリーズ「ポロ」を進化させた「ポロS」を2016年にリリースさせたピアジェ。ピアジェカラーの美しい文字盤、極薄の極上自社製ムーブメント、ジュエリーで培った美しいケース、比較的手を伸ばしやすい値段……人気が爆発してもおかしくない総合力を持ちながら、中古市場での価格推移は緩やかな上昇傾向とはいえ、定価改定に伴う程度のもので、さほど目立った動きが見られません。

今回は個性派ブランド、ピアジェが手掛けるポロSの魅力を硬軟織り交ぜて、正直に思いのまま……時計関係者の立場&一時計ファンとして思う存分、語ります!ピアジェ&ポロSの歴史や逸話、似ているどころか、パクリとまで呼ばれるノーチラス/アクアノートとの比較。時計通でも意外と知らないポロとポロSの違い。ポロSの狙い目モデルと価格推移をご紹介。

ピアジェのポロは、なぜラグスポ分野で人気が伸び悩んでいるのでしょうか!?ピリ辛トーク満載で、“その謎”を解き明かします。

ポロSはハイジュエリーブランドのピアジェがリリースしたラグスポモデルである

時計に詳しい方ならば、「ピアジェは薄型時計のスペシャリスト」だとご存じでしょう。しかし、ピアジェが時計から始まり、マニュファクチュールを貫いたブランドだ、という事実は、業界でも知らない人が多いかもしれません。それだけ、ピアジェは「ハイジュエリーブランド」だという印象が強いブランドです。

現在も「ピアジェ=ハイジュエラー&薄型」のイメージは強く、定番ドレスウォッチ「アルティプラノ」がその代表例です。往年の「ダンサー」シリーズは、女性を中心に人気です。薄さわずか2mmの「アルティプラノ アルティメート・コンセプト」は、GPHG2020で大賞の「金の針賞」を受賞。“薄型&宝飾時計づくり”は、ピアジェのお家芸とでも言うべきもので、確かな技術力を持っています。“我が道を往く”ように、マイペースに“薄型ムーブメント&宝飾時計”を極め続けてきたのが、ピアジェなのです。

そんなピアジェが、1979年に発表したのが、「ポロ」コレクション。厳しさと優雅さを兼ね備え、「王族のスポーツ」とも呼ばれるポロ競技が由来です。ノーチラスやロイヤルオークはSS素材をウリにするのに対し、ポロシリーズは当時“金無垢オンリー”をあえて武器としていたことを特記致します。

そんなマイペースさも魅力なピアジェですが、もしかしたら2016年のポロS発表で、一部の熱狂的なピアジェファンを落胆させてしまったかもしれません。かつて“金無垢オンリー”で独自性を貫いていたポロが、2016年大衆向けに発売されたポロSではSS製になり、しかもあまりにもノーチラスやアクアノートに似ている始末……「ピアジェは最高峰クラスのブランド」「ポロSもいい時計」なのは誰しも認めるところでしょうが、どことなくモヤモヤとした気持ちを感じているファンも少なからずいることでしょう。

そこで、「ポロの良かったところ、良くなってほしかったところ」「ポロSの良くなった部分、今後良くなってほしい点」を中心に。わずか7年で製造中止となってしまった“幻のポロS前身モデル”ピアジェ初のSSモデル、「アップストリーム」も交えてご説明致します!!

ピアゾの腕時計豆知識 
<ポロの「S」ってどんな意味?>

皆さま、ポロSの「S」の由来をご存じでしょうか?人気のラグスポなので、パッと「ステンレス」「スティール」を真っ先に頭に浮かべる方もいらっしゃると思いますが、公式プレスの情報を参照すると、ポロの「S」は主に「シグネチャー」という意味と、「自分らしさ=スタイル」の意味も込められているとのこと。(※他にも、スポーツという説も。)

沢山の「S」が込められたポロS。ラグスポ選びにポロSを候補に入れて悩んでいる方は、「ポロS=SS、自分らしさ、スポーツ」など、「S」の意味を念頭に置きながら、本記事を読み進めください。

ポロSはブレスレットの実用性やステンレス素材に難がある

まずは、ポロのネット上のイメージや評判をまとめてみました。賛否両論ありますが、全体的な印象では辛口な意見が目立つかもしれません。

【ポロSの悪い評判とイメージ】
  • パクリ、似てる
  • ブレスレットがイマイチ
  • 同価格帯ならロレアートやアルパインイーグルの方がいい
【ポロSの良い評判とイメージ】
  • ピアジェブルーの文字盤が綺麗
  • 男女問わずオールマイティーなデザイン
  • 高価格帯が多いピアジェウォッチの中ではお手頃価格
【ポロSの注目関連キーワード】
  • ラバーベルト、スケルトン、クロノグラフ
  • ヤフオク、インスタ
  • ノーチラス
  • リセール、買取

インターネット上では、デザイン面や値段に関連した項目が気になっている方が多いようです。「ポロ リセール」「ポロ 買取」など、手放す選択肢を考慮したキーワードも心なしか他のラグスポより多く見受けられるような…?ネット上の評判や口コミもご紹介致します。

SNSの投稿に寄せられたコメントを抜粋します。

「一流ジュエリーブランドらしい、値段に見合った控え目な高級感がいい」
「水平ギョーシェ模様の文字盤が、角度で表情が変わって美しい」
「ブレスレットの完成度がイマイチ」
「マニュファクチュールだから、耐久性も大丈夫と信じたい」

……ネット上の評判は賛否両論、様々な状況ですね。他にも、「ブレスの装着感が良ければ間違いなくヒットした」というコメントもあり、ジュエリーブランドとしてネックかもしれない、使用感・耐久性を気にしている方も見受けられます。では、ポロの魅力を深掘りするために、まずはピアジェ&ポロの歴史とエピソードを簡単にご紹介します。

ピアジェの歴史と伝統概要。ゴールドの素材にこだわったポロとステンレス素材のポロSの違い、SSモデルのアップストリームについて

“自由”や“自分らしさ”を重んじる点において、ピアジェの右に出るブランドはないかもしれません。それくらい、風変わりで奇抜なエピソードをを挙げれば枚挙に暇がありません。「薄さ」と「ムーブメント」をどこまでも追求し続ける“オタク的なプロフェッショナリズム”(誉め言葉です)は、ピアジェならではの凄さです。まずは、ピアジェの略歴をご紹介致します!

《ピアジェの歴史》
1874年 創設者ジョルジュ=エドワール・ピアジェが、スイスのラ・コート・オ・フェ(※標高1000メートルのジュラ山脈の小さな村)で、一族の農場内にアトリエを設立。高精度のムーブメントと部品の制作づくりに没頭する
1943年 ジョルジュ=エドワールの息子ティモテ・ピアジェが、「ピアジェ」を商標登録。3代目のジェラルド・ピアジェとヴァランタン・ピアジェが、2年後にマニュファクチュールを故郷に新設する
1957年 厚さわずか2㎜の極薄手巻きキャリバー「9P」を発表。3年後、世界で最も薄い(約2.3mm)自動巻きムーブメント「12P」を発表。薄型ウォッチのパイオニアの地位を確立する
1979年 金無垢の「ポロ」コレクションを発表
1988年 リシュモングループ傘下に
1998年 「アルティプラノ」コレクションを発表
2010年 キャリバー「1200P」を搭載したアルティプラノが、わずか2.35mm&5.25mmの「世界で最も薄い自動巻きムーブメント&世界最薄自動巻き時計」のダブル世界記録を樹立
2016年 ポロをポロSにアップグレード

略歴を見ても、薄型ムーブメントづくりはお手のものと言ったところ。洗練されたシンプルなデザインと芸術的な薄さを誇るアルティプラノは、“至高のドレスウォッチ”の表現が相応しい美しさです!他にも、パテック・フィリップやヴァシュロン・コンスタンタン、ロレックスやオメガに、ムーブメント供給会社として名をはせた逸話もありますが、また別の機会に。

ピアジェの歴史を語る上で、欠かせないエピソードをもう一つ。創業者のジョルジュ=エドワール・ピアジェは、『常に必要以上に良いものをつくる』を掲げ、3代目ヴァランタン・ピアジェは、『今までになされてこなかったことをしなさい』というモットーをメゾンに根付かせました。

また、4代目イヴ・ピアジェが信頼を置いたパートナー、ジャン=ベルナール・フォロ氏によると、「ピアジェ家は、何よりもクライアントを第一に考え、次に技術や職人を大事にし、家族よりも重んじていた」「クライアントの依頼があれば、クリスマスイブでもピアジェ氏は依頼の品を届け、家族との行事は後回しにしていた」という伝聞も、ピアジェの“気高き精神”を理解するために重要な逸話です。ピアジェの遊び心溢れる芸術性や自由な精神は、創業者達自身が誰よりも時計への情熱を燃やし、独創的な創作意欲を絶やさなかったお陰なのでしょう!

その結果、ピアジェの大胆不敵なスタイルは、ジャクリーン・ケネディやエリザベス・テイラー、ソフィア・ローレンなど、多くのセレブリティー達も魅了。リシュモングループ傘下に入った後も、変わらぬスタイルで私達時計ファンを楽しませてくれているのです。

ピアゾの腕時計豆知識 
<ピアジェソサエティ>

1960年代中頃から、4代目イヴ・ピアジェはセレブリティー達との結び付きを深めるイベントを開催。「ピアジェソサエティ」と呼ばれる華やかな場は、参加できるだけでも“名誉”な特別性の高い交流の場だったと伝えられています。サルバドール・ダリやジャクリーン・ケネディ、アンディ・ウォーホルやケーリー・グランド、エリザベス・テイラー……などの錚々たるハリウッド俳優や一流アーティスト達は、ポロ競技の観戦やガラパーティー(※特別な催し物)に、ピアジェのカフウォッチやジュエリーウォッチを身に着けていたと言われています。

【金無垢のポロというオリジナリティー 1979年~】

ピアジェソサエティでも特別なイベントだったスポーツのポロ。セレブ達の社交の場に敬意を表し、ピアジェはブランド史上初めて、時計に名をつけることにします。1979年誕生の「ピアジェ ポロ」です。1970年代後半は、パテック・フィリップのノーチラス、オーデマ・ピゲのロイヤルオークという“ラグスポの二大巨頭”がゆっくりと台頭を始めた時期です。初代ポロはケース一体型ブレスレットでスポーティー要素を取り入れながら、「ゴールドだけで製造」することにこだわりました。

一説によると、ポロコレクションのヒットを受け、アメリカ市場からの注文があった際に、当初「ポロをスティールとゴールドの年間4万本の注文したい」という申し出に、ピアジェは断固拒否。「WGとYG、もしくはコンビゴールドなら」と返答したと言われています。それだけ、スティール製のポロ製造を頑なに拒んでいたのでしょう。ピアジェらしい、“自分らしさ”を重んじるエピソードですね。それでいて、1976年発表のポロは、自社製の超薄型「7Pクォーツ」ムーブメント(※当時最薄の3.1mm)を搭載。“クォーツショック”を柔軟なスタンスで、生き延びているのも興味深いですよね!

1985年の新作発表もびっくり仰天な催し物を開催。ニューヨークの5番街の半分を通行止めにし、4人の騎兵が建物から馬に乗って行進を始める「ポロ」にピッタリなイベントをジャーナリスト達に披露したのです!大胆不敵、豪放磊落な振る舞いは、さぞカッコ良く見えたでしょう。

その後も、ノーチラスやロイヤルオークとひと味違う個性で、独自の“ラグスポ魂”を発揮し続けたポロコレクション。しかし、ラグスポ分野は当初から、ロイヤルオークやノーチラスは勿論、ヴァシュロンコンスタンタンのオーヴァーシーズなど、“激戦区のマーケット市場”でした。もしかしたら、2001年ごろからポロコレクションは迷走を始めていたのかもしれません。

【新たなる“自分らしさ”を求め迷走するポロ、幻の前身モデル「アップストリーム」 2001年~】

ラグスポ分野で、後手に回りつつあったピアジェは、“知る人ぞ知る”ピアジェ初のステンレスモデル「アップストリーム」を2001年にリリース。「ステンレスの時計は決してつくらない」という哲学を曲げてまで、「SSのアップストリーム、金無垢のポロ」という棲み分けを狙いますが、わずか7年で製造停止。「薄型時計&宝飾時計のスペシャリスト」としての地位は確立したものの、スポーツモデルに関しては、二の足を踏む状況が続きます。

状況を好転させるべく、チタンモデルの「ピアジェ ポロ45 フライバック クロノグラフ(Ref.G0A34001)」を発表するなど、新たなる挑戦を続けます。まるで、より“自分らしさ”を追求するように、デイト表示の位置を変更するなど、良く言えば“改良”を模索し続けます。しかし、時を経てラグスポ分野で高い評価を受けたのは、「SSの完成されたデザイン」の“哲学”を貫き続けたノーチラスやロイヤルオーク達でした。歴史に“たられば”を求めてもキリはないですが、ポロコレクションには“ラグスポの哲学”が欠けていたのかもしれません。そして、2016年。ノーチラスやロイヤルオークに背を向けるように、金無垢オンリーにこだわっていた「ポロ」は、新しく「ポロS」として生まれ変わりました。一転してノーチラスによく似たルックス。ついに金無垢だったボディーは、ステンレス素材へと変化したのです。

“自分らしさ”とは何か、考えさせられる歴史の「ねじれ現象」ですよね……「ポロ」と「ポロS」は違うモデルだったとしても、「ポロSで、ポロ自体がノーチラスの類似モデルになってしまった」のは、少し残念な気持ちです。海外の時計評論家やSNS、口コミで酷評や辛口批評が出てしまうのは、同じ時計ファンとして理解できます。

『常に必要以上に良いものをつくる』
『今までになされてこなかったことをしなさい』

いち時計ファンとして、創業者達のイズムが宿った“新生ポロS”を一日千秋の思いで待ち望んでいます!!

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<音楽家/俳優のMIYAVI(ピアジェ、アンバサダー)が言い表した“ラグジュアリー感”>

少し古いネタですが、2016年のポロS発表の際に、ピアジェのアンバサダー、日本代表に選ばれたMIYAVIさんのコメントを抜粋します。

『ピアジェのような老舗ブランドが、あえて新分野を開拓する姿勢に共感します。そのチャレンジ精神そのものが“ラグジュアリー”といえるんじゃないかな』
『人生にも同じことがいえる。挑戦することで自分の人生をどう色づけていくか。ゲームチェンジできる境遇にいることこそが贅沢だな、と実感しています』

酷いファンなら「ポロSはゲームセット寸前」と悪いジョークをかましているかもしれませんが、MIYAVIさんの発言の通り、大胆不敵・大胆奇抜なピアジェなら、ゲームチェンジに匹敵する逆転満塁ホームランの「新生ポロS」をいつかかましてくれるはず。ムーブメント薄さ1mm弱のラグスポを突如発表、なんていうことが荒唐無稽な話でないことをピアジェファンなら知っているでしょう。

ポロSの良さと特徴まとめ

ポロSの歴史的背景を理解し直した上で、改めて特徴や魅力をご説明します。何と言っても、まずはこの二つでしょう!

  • ピアジェの原点、薄型ムーブメント
  • 伝家の宝刀のラグジュアリー、ジュエリーの技

世界的にも名高い「薄型&宝飾技術」は圧巻です!ラグスポ業界は全体的に、「シンプルな3針モデル+王道のSSモデル」が人気傾向なのですが、ことピアジェポロに限っては、もしかしたら……“高級路線”の方が、お勧めに値するモデルかもしれません。それだけ、美薄なスケルトン&ジュエリーセッティングを施したモデルは、“絵にも描けない美しさ”を誇ります。

ピアジェは薄型ムーブメントの自社製造技術が凄い

名作揃いのラグスポ業界……ノーチラスやロイヤルオークと渡り合うためには、“安い”や“カッコいい”だけでは不十分です。ポロSの武器は何と言っても、“伝家の宝刀”ピアジェ自慢の薄型ムーブメントでしょう!1980年代~2000年代にアップデートを繰り返したポロシリーズ。2016年にポロSへアップグレードした際にも、薄型ムーブメントだからできる美麗の極薄デザインは、装着性とエレガントなラグジュアリーテイストに優れています。特に、ポロスケルトンシリーズは、ポロSが9.4mmなのに対し6.5mmと、より“美しさと薄さ”をピアジェらしく追求している点が面白いストロングポイントでしょう!

ピアジェの良いところは、シンプルな3針モデル以外にクロノグラフでも薄型ムーブメントで勝負しているのは魅力です。現行モデルなら、200万円前後で自家製ムーブメント搭載の薄型クロノグラフを購入できるので、興味のある方には割安な買い物かもしれません……ただ、薄型やラグスポにこだわらなければ、ゼニスのクロノマスターシリーズやタグ・ホイヤーのカレラなど、リーズナブルなクロノグラフ分野も“激戦区”なため、大枚をはたく動機としては“パンチが弱い”かもしれません。

ピアジェは歴史的にもゴールドとジュエリーウォッチの製造が得意である

ジュネーブに金細工とジェムセッティングに特化したアトリエを構えているピアジェ。全工程を自社で賄える強みを持っています。2022年9月発売の「ピアジェ ポロ デイト ウォッチ(Ref.G0A47010)」は、18Kピンクゴールドと味わい深いグリーンダイヤル&ギョーシェ模様がエレガントな新作です。詳細は後述しますが、現状ポロの中古市場は、定番のお手頃価格なSSモデルよりもラグジュアリー要素の強い“高級路線”のポロが高く評価される傾向があります。

ピアジェはスケルトンムーブメントに、初めて宝石をセットしたメーカーでもあるので、『常に必要以上に良いものをつくる』のモットーを随所に息づかせた、スケルトンモデルや18KゴールドケースのポロSも素晴らしい選択肢です。事実、2021年2月に発表された4つのポロS新作発表は、ゴールド&ジュエリーのスケルトンモデルでしたし。
※G0A46009は18Kピンクゴールド&ブルースケルトン、G0A46010は18Kホワイトゴールド&ブルースケルトン。G0A46007&G0A46006には、ダイヤモンドをセッティング。
ダイヤモンドをセッティングした薄型ムーブメントは、「圧倒される美しさ」以外言葉が浮かばないほど、ピアジェの“技術の粋”が凝縮されています。

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<ゴールドを愛したピアジェとサルバドール・ダリ>

ピアジェほどゴールドを愛し、ゴールドの加工を得意としているメーカーは歴史で見ても少ないでしょう……1960年代~1970年代のカフウォッチやジュエリーウォッチで、トレンドの最先端をひた走っていたのは、間違いなくピアジェです。
ピアジェに負けず劣らず、幻想的な芸術や奇想天外なエピソードを持つサルバドール・ダリとも親密な関係だったと伝えられています。1966年に自分の金貨「ダリ金貨」を製造したサルバドール・ダリは、翌年にダリ金貨の独占使用契約をピアジェと締結。ダリとのコラボで、極薄ムーブメントを使用した独創的なデザインウォッチも制作しています。ピアジェとダリの仲は、水魚の交わりを超えた「断金の交わり(意味:二人が結束すれば金属をも断ち切る)」だったでしょうね!!

ポロSに色濃く反映されたピアジェならではの利点を他にも探ってみましょう。

  • 人気の青文字盤はメゾンカラーの「ピアジェブルー」
  • 遊び心溢れるデザインやスケルトンも
  • ジェンダーレスな36mmケースが得意

“元祖ラグスポ”のロイヤルオークの青文字盤同様、ポロSの「ピアジェブルー」は、口コミでも美しいと評判です。角度次第で、青色の深みが変わる文字盤は非の打ち所がない美しさでしょう。また、オーナメンタルストーンのウォッチメイキングに代表される遊び心溢れるデザインセンスは、ポロSにもきっちりと受け継がれています。ピアジェはジェンダーレスな36mmケースも得意としているので、ラグスポにユニセックスなエッセンスを求める方にはいいですね。

「ジェンダーレス」を重んじる現代社会では、誰しも“自分らしさ”と「マジョリティ(多数派)」や「マイノリティ(少数派)」について、思い悩みがちです。中性的なデザイン&36mmケースのポロSなら、男女を問わず“自分らしい美しさ”を腕元に表現するのにも、ひと役買うかもしれません。バランスの取れたプロポーションのラグスポ現行モデルを最安140万円台(2022年10月現在)から購入できるのは、魅力的な選択肢ではあります。

ポロSのデメリットまとめ

高級感と美しさのバランスが良いポロS。しかし、ネット上の評判は芳しくない意見も多く、“雲上ラグスポ”のロイヤルオークやノーチラス、“買えるラグスポ”として世界的に人気なロレアートやアルパインイーグルに、中古市場評価・価格推移含め、水をあけられています。その原因は、主に4つの弱点が影響しているのかもしれません。

  • 認知度が低い
  • 細部に作り込みの甘さが目立つ
  • パクリの意見を否定できないほど、ノーチラス、アクアノートに似てる
  • 自慢の激薄ムーブメント含めウリが少ない

ここからは忖度無し、正直にデメリットも述べさせて頂きます!!

ピアジェはもともと富裕層をターゲットとしてきた“ハイブランド”で、時計と言えば金無垢ドレスウォッチばかり、その商品はおいそれと手の出せるものではありませんでした。そのブランドの“格”が仇となり、ロレックスやオメガなどの実用時計ブランドと比較すると一般的な知名度は低いと言わざるを得ません。
またハリー・ウィンストンにも言えることですが、「ハイジュエリーブランド」という印象があまりに強すぎて、「マニュファクチュールの時計ブランド」としてのピアジェの側面を知る人は時計好きの一部、と言ったところでしょう。
「誰もが知っている有名ブランドの、一見して“それ”と分かる時計」を身に着けたい人にとってはピアジェのポロよりもパテック・フィリップのノーチラスかオーデマ・ピゲのロイヤルオークのほうが遥かに魅力的でしょう。

とはいえ、2年ほど前にシャネルやカルティエなどでキャリアを積んだベンジャミン・コマール氏がピアジェのCEOに就任後、韓国人歌手・俳優のジュノ(2PM)をアンバサダーに起用し、ポロのキャンペーンを展開するなど、マーケティングや広告戦略に変化が見られます。ピアジェは今まさに転換期を迎えようとしているのかもしれません。ここで認知度が一気に上がれば、ポロが一躍人気のラグスポに変貌する可能性も?…となると、中古市場で定価以下で買える今はチャンスかもしれませんね。

ピアジェのポロのケースやブレスレットについては、辛口な意見があるのも事実です。

  • 有名ブランドのラグスポは、一芸に秀でたステンレス素材にこだわっているが、ピアジェは特筆すべきステンレス素材ではない
  • ブレスレットの完成度が低い

など、実用性を重視する方にとって、“美麗な薄型ラグスポ”という武器の裏で、他のラグスポよりも見劣りする部分があるのも事実です。ただこれも個人の受け止め方によるので、関連記事のアルパインイーグルやロレアート、オーヴァーシーズなどの名作達と比較して、「100万円を超える価格帯のラグスポ、ポロS」が、“安いのか?高いのか?”自分なりの答えを出すヒントになれば幸いです。

個人的には、口コミでたまに見かけるピアジェファンの方の「100万円超でピアジェを買うならアルティプラノ」に、賛同しています。

口コミや評判の通り、ポロSはノーチラスやアクアノートによく似ている

二流ブランドなら気にも留めない事項ですが、一流ブランドのピアジェですからね…ファンでなくても、気になるところです。とある、時計販売店の方が、ボソッと漏らした「遠目で見ると、ノーチラスにしか見えない」という感想は、誰もがよぎる本音だと思います。

『常に必要以上に良いものをつくる』
『今までになされてこなかったことをしなさい』

創業者のイズムが、“皮肉”に聞こえてしまう、ガッツリ似せたデザイン。あんなにも、独創性や大胆さをストロングポイントにしていた“準雲上ブランドに匹敵するピアジェ”が、“手頃に小さくまとまった”類似ラグスポを発表しているから、何とも言えない気持ちを覚えるのかもしれません。

<ポロSとアクアノート/ノーチラスの似ているところ>
・ノーチラスの代名詞、水平エンボス模様とポロSの水平ギョーシェ模様が似ている
・3針の雰囲気やカラーリングがアクアノートに似ている
・バーインデックスや外周がアクアノート/ノーチラス似

ポロSの「S」には、“自分らしさ”という意味も込められているはずなのに、オリジナリティーが薄れてしまっている点は改善の余地がありそうですね。
元々、スポーツのポロは、『キング・オブ・スポーツ』という異名もある王族や富裕層のためのスポーツです。安直にノーチラスに似せて、要所のクオリティーを下げて無難にまとめた……ではなく、「名は体を表す」をファンとして、期待しています!

結論を述べると、“可もなく不可もなし”なのがポロSかもしれません。同価格帯のロレアートなら、「中古市場で価格高騰の実績あり&初代モデルがクォーツという逸話」があり、アルパインイーグルの場合、「弱点がほぼない作り込みの高さ&親子三世代の絆」という大きな“ウリ”も存在します。

それに対し、ポロSは自慢の激薄ケースが9.4mm(※ロイヤルオーク15500ST.OO.1220ST.01の10.5mm)と、詳細に比較すると突出した良さがない弱点を内包しています。ポロスケルトンは6.5mmと確かに薄いのですが……生産終了でモンスター価格となったノーチラス 5711/1A-010が、ケース厚8.3mmなので、こちらも大きな武器とはなり得ないかもしれません。

機能性と価格のバランスがいい時計なのは間違いないのですが、他と比べるとウリが弱い、と感じる方もいるでしょう。

ポロSの今後について

ポロSの注目モデルをご紹介する前に、ポロSの今後あり得る流れについてまとめました。

≪ポロSの動向予測≫

  1. 持ち前の薄型&宝飾技術を活かし、“高級路線”で勝負
  2. 短所が改善された定番ポロSが今後発売される
  3. ラグスポブームが終焉し、ポロSの後継機が誕生する

③にはなって欲しくないですよね…。より薄型化したスケルトンモデルや36mmモデルの追加、インターチェンジャブルストラップの導入など、進化を続けるポロのこと、②の路線が妥当だと思いますが、他の有名ブランドのラグスポが一歩も二歩も先を進んでいる状況に近いので、思い切って①がピアジェには向いているような気がします。スケルトンにダイヤモンドを散りばめたポロSは、本当に「薄くて綺麗」ですからね!いっそのこと「④全く新たな完全無欠のスポーツモデルの登場」を期待したいところです。

ポロSは定番の3針ステンレススティールモデルよりも18Kを使用したジュエリーウォッチの方が人気が高い

ポロSの価格推移はモデルによってマチマチなのが面白い傾向です。全体的に、スケルトンや正統派のSSモデルは横ばい、もしくは短期的には下落傾向のものもありますが、長期的に見ると定価の改定などの影響もあり、緩やかに上昇しています。一方G0A43010など、一部の金無垢高級路線モデルは金価格の上昇の影響もあるのか、上昇傾向を見せています。

《買取視点で見たポロの気になるモデル》

  • G0A41002(SS、青)
  • G0A41003(SS、グレー)
  • G0A43001(SS、青、革ベルト)
  • G0A44001(SS、緑、2019年モデル限定500本)
  • G0A41006(SS、クロノ)
  • G0A47014(SS、ラバーベルト)

ロイヤルオークやノーチラスは入手困難、アルパインイーグルやロレアート、オーヴァーシーズも手が届きにくくなっている状況を考えれば……ブランドイメージの良いピアジェのポロSを中古市場で、「ラグスポのエントリーモデル」という位置付けで購入する手は、悪くありません。着けていて恥ずかしくないブランドという立ち位置は、今後の中古市場でもプラスの判断材料となるでしょう。

視点を変えて、ピアジェの他のモデルで考えた場合は……現行モデルの定番ならアルティプラノ。ドレスウォッチやジュエリーウォッチがやはり強いので、流通量の多い往年の名モデル「ダンサー」や「ライムライト」も狙い目なのを最後に付け加えておきます。

  • ラグスポ業界は有名ブランドがこぞって有力モデルを発表した群雄割拠状態
  • 若干ポロSはその波に乗り遅れている
  • 中古市場で横ばい傾向気味のポロSは、「ラグスポのエントリーモデル」にはアリな選択肢

ラグスポは“ラグジュアリー”と“スポーツ”の絶妙なバランスが求められます。一見すると合格点のポロSですが、ピアジェというブランドの特徴でもある「ラグジュアリーは申し分ないが、実用性・耐久性に秀でたスポーツモデルが弱い」側面が、今後の課題でしょう。同価格帯を探せば、実用性も優れたラグスポは他にもありますからね。

若干の短所もあるポロSですが、ピアジェが好きなら、“応援”も兼ねてポロSを安いうちに購入して、自分らしさをアピールするのもよい思います。創業以来続くピアジェの方針『常に必要以上に良いものをつくる』なので、いずれ「新生ポロS」でやってくれるはず?!そうなった場合、右往左往したこの頃の「ポロS」が遠い未来に、プレミア化する可能性もゼロではないでしょうが、 リセールバリューや他人の評価を気にし過ぎず、「現行モデルのピアジェポロSなら、“一生愛してもあまり損がない、毎日眺められる宝くじ”」ぐらいの気持ちでいられる余裕のある方に向いている時計、と言えるでしょう。

ピアゾ編集部としては、資産価値がどうなるかわからないまま、メンテナンスやオーバーホールの時期を迎えないために……「新しい自分」と出会うために、ピアゾの最大9社一括査定を利用して、 その時の最高額で手放すのもおすすめの方法の1つであることはご提案しておきますね。

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