更新日:2024年04月12日
グランドセイコーより、スプリングドライブの最新ムーブメント「キャリバー9RA2」を搭載した初のレギュラーモデル「グランドセイコー エボリューション9 スプリングドライブ 5 Days SLGA009」を2月11日(金)より発売します。昨年こちらのSLGA007のリーク記事でもちらっと言及していましたが、SLGA007についてSLGA009もやはり発売されましたね!
SLGH005と同じ「白樺ダイヤル」を採用したところが意外な印象。ていうかパッと見同じじゃん!と思われた方も多いことでしょう。
「グランドセイコー SLGA009」横 40mm 縦 47.6mm 厚さ 11.8mm、SS製ケース、スプリングドライブ Cal. 9RA2 搭載。希望小売価格 1,045,000円(税込)。2022年02月11日 発売予定。
本記事では「グランドセイコー SLGA009」の仕様・価格・特徴のほか、「エボリューション9」についてやSLGH005との違いなど詳しくご紹介します!
今回ご紹介する 【2022年新作】グランドセイコー SLGA009 エボリューション9 スプリングドライブ 5 Daysは40mm径のステンレススチール製ケースに、パワーリザーブ5日間を誇る最新スプリングドライブムーブメント キャリバー9RA2を搭載しています。
本作は「エボリューション9」というコレクションとして発表されています。聞きなれない「エボリューション9」とは、グランドセイコーが新たに定義した「エボリューション9スタイル」というデザイン文法を適用したコレクションの呼称です。グランドセイコーの公式サイトから引用しましょう。
「グランドセイコーのデザインを規定する「セイコースタイル」。そのデザイン文法を発展させ、腕時計としての使いやすさや美しさをさらに追求した独自のデザイン文法「エボリューション9スタイル」が2020年に誕生しました。これは、1960年の誕生以降、絶え間なく進化を続けてきたグランドセイコーが、その根底にある美学と品格を深化させるべく編み出した、新たなデザイン文法です。」
2020年に誕生60周年を迎えたグランドセイコーは、この新たなデザイン文法を適用したシリーズを最初「Series 9(シリーズ9)」と呼び、今後展開していく、とリリースしていましたが、「2020年に登場したこのデザインシリーズは、本作の登場を機に、グランドセイコーの次代を牽引する「エボリューション9 コレクション」として新たな一歩を踏み出します。(---グランドセイコー公式サイトより)」と説明されている通り、なぜか呼び方を変えたようですね。ちょっと捻りが足りませんでしたかね。
そもそも「セイコースタイル」とは、「燦然と輝くウオッチ」を目指し、日本独特の美意識を体現すべく、1967年に発表した「44GS」にて確立された独自のデザイン文法です。詳細はこちらのブログ(「グランドセイコー ヘリテージコレクション メカニカルハイビートGMT 44GS 55周年記念限定モデル SBGJ255」)にて解説しておりますのでご覧ください。
さて、新たに定義された「エボリューション9スタイル」について詳細はグランドセイコー公式サイトが詳しいですけども、核となる3つのデザイン方針は以下の通りです。
エボリューション9スタイルは、この3つのデザイン方針をもとに”9つのデザイン要素”を独自に定義しています。
エボリューション9スタイルは、従来のセイコースタイルが定めるルールを受け継ぎつつ、「ケース径の1/2以上の幅を持つブレスレット」「低重心なケース」「しっかりした厚さをもたせたブレスレット」と言った要素を加えることによって、光が流れるような張りのあるカーブフォルムを基調としつつ、稜線が際立つ本来の造形を生み出しているのです。
「エボリューション9 コレクション」は、グランドセイコーが現在展開するマスターピース、ヘリテージ、スポーツ、エレガンスの4コレクションに加わり、ラインアップを展開していく、とのこと。2022年1月現在、「エボリューション9 コレクション」にラインナップされているのはSLGA009、SLGA007、SLGA008、SLGH007、SLGH005の5本です。
SLGA009、SLGA007、SLGA008、SLGH007、SLGH005
新作「グランドセイコー SLGA009」の文字盤は、独特の縦筋が入ったような型打ち模様が特徴的です。
グランドセイコーのスプリングドライブが作られている、信州 時の匠工房の近くには、日本でも有数の白樺の美林があります。スプリングドライブの流れるような針の動きに呼応するかのような白樺林の静けさを、丁寧に作り込んだ型打ちのダイヤルで表現しています。
冒頭でもお伝えしましたが、この「白樺ダイヤル」、すでにメカニカルハイビートムーブメント「キャリバー9SA5」を搭載したレギュラーモデル SLGH005 で採用されていますね。(SLGH005 では「岩手県雫石町のグランドセイコースタジオ 雫石の近くには、日本でも有数の白樺の美林があります。」なんて説明されていたんですが。)
SLGH005は2021年度ジュネーブ時計グランプリ(Grand Prix d‘Horlogerie de Genève)で「メンズウオッチ」部門賞(Men’s Watch Prize)にも輝いていますし、ムーブメント違いのバリエーション増やしておこうということなんでしょうか。そのうちクォーツも出るのかな・・・。間違いなく美しいデザインですし、スプリングドライブという選択肢が増えた、ということはコアなファンにとっては朗報かもしれません。
新作「グランドセイコー SLGA009」には、長持続、高精度、薄型の次世代スプリングドライブムーブメントCal.9RA2が搭載されています。
Cal.9RA2は、オフセットマジックレバーの採用により従来の9R65より0.8mmも薄く、さらに平均月差±10秒の高精度を実現したCal.9RA5と同等のスペックのままに、パワーリザーブインジケーターを裏側に配し、針の取付位置を下げたことによりケースの薄型化に成功するとともに、凝った意匠の文字盤デザインを邪魔しない設計となっています。省スペースを図った大きさの異なる香箱を2つ並べて配置した「デュアルサイズバレル」によって、従来の72時間をはるかに超える120時間のパワーリザーブを実現したことは、実用性の面においてもかなり魅力的な進化でしょう。
先行するヘリテージコレクション セイコー創業140周年記念限定モデル 「年輪」SLGA008や、ヘリテージコレクション セイコー創業140周年記念限定モデル 「水面」SLGA007などに搭載されていますが、これらはいずれも限定品でした。今回の新作SLGA009は、Cal. 9RA2が搭載された初の”レギュラーモデル”となります。
新作「グランドセイコー SLGA009」にはケースと同じステンレススチール製のブレスレットが付属しますが、よりエレガントでクラシックな雰囲気を求めるなら、別売りのレザーストラップに付け替えるとよいでしょう。
色 | 型番 | 定価(税込) |
---|---|---|
紺 | RG01W22NY | 46,200 円 |
こげ茶 | RG01W22BN | 46,200 円 |
黒 | RG01W22BK | 46,200 円 |
※オプションストラップ用中留(ステンレススチール)R0101AC-BK00 44,000 円(税込)
白樺林をモチーフとしたダイヤルを備えた先輩(?)モデル「SLGH005」と本作SLGA009の違いについて考察してみましょう。SLGH005は、メカニカルハイビートムーブメント「キャリバー9SA5」を搭載したレギュラーモデルとして2021年に発表されました。
美しいダイヤルデザインはもちろん、毎時36,000振動のハイビートでありながら、最大巻上時には約80時間駆動を達成する革新的なムーブメントを搭載し、世界中の時計愛好家から高い評価を得ています。
今回の新作「SLGA009」と「SLGH005」の見た目は、ほとんど同じ仕上がりと言っていいでしょう。エボリューション9スタイルによるケースやインデックスのデザイン、青の秒針、デイト表示の位置に至るまで、違いを見つけるのが困難なほどです。ダイヤル上の分かりやすい違いは6時位置にあるムーブメントに関わる表示です。
SLGH005は”HI-BEAT 36000 80HOURS”、SLGA009は”SPRING DRIVE 5 DAYS”と表記されています。
さらによく見ると、デイト表示窓の外側の印の有無の違いに気付くでしょう。
いずれも裏蓋はサファイヤクリスタルですので、ムーブメントがばっちり見えます。
SLGH005 裏蓋
SLGA009 裏蓋
こうやって比べてしまうと、SLGH005のCal.9SA5に軍配が上がるかな、と感じてしまいます。季節の変化に富んだ雫石川の流れをイメージした、繊細なストライプ模様が特徴の「雫石川仕上げ」を施されているんですね。まぁ好みですし、裏蓋なんて人に見せることもなかなかないですが。
実はSLGH005とSLGA009は1,045,000 円(税込)と価格も同じです。まぁこれだけアイコニックな文字盤なのに外観が似ていて片方があまりに安かったりすると、持ってる方はなんとなく微妙な気持ちになりますよね。購入の際には、同じ値段で、自動巻きかスプリングドライブか、パワーリザーブの違いなどで自分のニーズに合う方を選べばよいでしょう。
SLGA009の予定価格は1,045,000 円(税込)で、2022年2月発売予定です。レギュラーモデルということで稀少性はあまり高くありませんが、前項で触れた2021年3月発売の「SLGH005」が中古腕時計販売市場で2022年1月現在、95~100万円前後で販売されている状況を鑑みれば、著しく相場が下がることもなさそうです。但し、現行モデルで正規店でも購入可能な上、中古腕時計市場での在庫も増えてきていますので、プレミアが付くというタイプの腕時計ではないでしょう。
「グランドセイコー エボリューション9 スプリングドライブ 5 Days SLGA009」について、同じ「白樺」モデルSLGH005と比較しつつご紹介して参りましたが、いかがでしたでしょうか。画像上ではダイヤルの違いなどもあまり感じられませんが、実物を見てみたら印象が違うかもしれませんね。気になる方はグランドセイコーの店舗で確認してからのご購入をお勧めします。
モデル | エボリューション9 スプリングドライブ 5 Days「白樺」
Evolution 9 Collection Spring Drive 5 Days White Birch |
---|---|
型番(Ref.) | SLGA009 (9RA2-0AB0) |
ケースサイズ | 横 40mm 縦 47.6mm 厚さ 11.8mm |
ケース素材 | ステンレス 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス |
ムーブメント | スプリングドライブ Cal. 9RA2 |
精度 | 平均月差±10秒(日差±0.5秒相当) |
駆動期間 | 最大巻上時約120時間(約5日間)持続 |
防水性 | 日常生活用強化防水(10気圧) |
その他仕様 |
|
取扱店舗 | グランドセイコーブティックフラッグシップ、グランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびグランドセイコーマスターショップ |
発売日 | 2022年02月11日 発売予定 |
価格 | ¥1,045,000(税込) |
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