更新日:2023年08月17日
グランドセイコーオーナーのみが参加できるクローズドなイベント、GS9クラブ サロン(GS9 Club Salon)。グランドセイコーの世界観を体験できる人気イベントとして例年開催されていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2018年以来リアルイベントの開催は見送られていました。しかしついに2022年8月、人数制限を設けた時間予約制にて開催され、ピアゾスタッフも1オーナーとして参加してきました!
2022年新作や注目のコンスタントフォース・トゥールビヨンの展示、匠のご紹介、新キャリバーの組立実演などグランドセイコーフリークには見逃せない内容ばかりの特別なエキシビジョン「GS9 Club Salon 2022 ―feel THE NATURE OF TIME―」の様子から、参加記念に頂いたノベルティ(ピンズ、お菓子など)まで詳しくご紹介します。
「GS9 Club」はグランドセイコーへの愛着と絆を深めてもらうことを目的とした、入会金・年会費無料のオーナーズクラブで、2022年で創立7年目を迎えています。入会資格、特典は以下の通りです。
2022年1月11日以降にグランドセイコー正規販売店でグランドセイコーをご購入いただいたお客様、または2015年3月以降にグランドセイコーブティック、グランドセイコーサロン、グランドセイコーマスターショップでグランドセイコーをご購入されたお客様。(2022年8月現在)
新規登録はこちらから。
「GS9 Club」では、会員専用サイトにて注目の新作や、カルチャーやライフスタイルに関するものまで、他では読むことのできない様々な情報をグランドセイコーらしい視点で提供。また、会員のみが参加できるファクトリーツアーやオンラインイベント、オリジナルグッズが当たるプレゼント企画なども随時開催。「MY PAGE」に愛用の時計を登録すると、メンテナンスの履歴、マニュアル、購入ショップなどの情報を確認可能。
今年の「GS9クラブ サロン 2022(GS9 Club Salon 2022)」は新型コロナウイルス感染拡大防止対策を徹底した上で、以下の通り開催されました。
■イベント名:「GS9 Club Salon 2022 ―feel THE NATURE OF TIME―」
■会期:2022年8月6日(土)11:00開場 / 19:30閉場
2022年8月7日(日)11:00開場 / 18:30閉場
■場所:室町三井ホール&カンファレンス(COREDO室町テラス3階)
ではさっそく「GS9クラブ サロン 2022」の展示内容を見て行きましょう!
COREDO室町テラス3階に到着するとまずは受付です。検温・消毒を済ませ、QRコードを提示すると、案内のしおりが手渡されます。
会場内はA~Hのブロックに分かれており、順路に従って進みます。ブロックごとにご紹介しましょう。
会場に足を踏み入れるとすぐに目に入るのが、セイコーウォッチ株式会社 代表取締役社長 内藤昭男氏の挨拶とイメージムービーです。
今年のテーマは「feel THE NATURE OF TIME」、ということで、Aエリアではブランドフィロソフィーである「THE NATURE O F TIME」を代表して、「白樺ダイヤル」のメカニカルモデル SLGH005とスプリングドライブモデル SLGA009が展示されていました。
「SLGH005」は2021年度ジュネーブ時計グランプリ(GPHG)「メンズウォッチ」部門賞受賞モデルです。
板材から型押し、型抜き、めっき+塗装、トップ塗装、粗磨き、仕上げ磨き、といった白樺ダイヤル製造工程の紹介も。
白樺モデルのパネルも展示されています。
グランドセイコーは2022年3月30日~4月5日までスイスで開催された「Watches and Wonders Geneva 2022」に初出展しました。 Bエリアでは会場さながらの臨場感で、映像やパネルなども駆使しつつ2022年の新作が紹介されていました。
まずは7月に発売されたグランドセイコー2022年新作「エボリューション9 コレクション スプリングドライブ GMT SBGE283、SBGE285(朝霧)」です。
実機を見るのは初めてでしたが、どちらもブライトチタン製で、24時間表示が刻まれたフラットなメタルベゼルがスポーツモデルながらすっきりとした印象を与えますね。SBGE285「朝霧」の型打ち模様が美しいです。
お次のショーケースは「エボリューション9 コレクション スプリングドライブ クロノグラフGMT SBGC249、SBGC251」です。こちらもブライトチタン製ケースを採用しています。
宇宙の瞬きを表現したというブルーカラーの「SBGC249」は、グランドセイコークロノグラフ15周年を記念し、特別調整精度ムーブメント キャリバー9R96を搭載した、世界限定 700 本(うち国内300 本)限定の特別なモデルです。(SBGC251はキャリバー9R86を搭載。)
エボリューション9 コレクション(Evolution 9 Collection)の「デザイン文法」についての紹介パネルです。
また奥に進むと、世界初のグランドセイコー Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン SLGT003を紹介する動画が流れ、貴重な実機が展示されています。
いや~、やっと会えましたね・・・(感動)。SLGT003はなかなか目にすることも難しい時計です。世界に20本しかないんですから!凄い存在感です。しばしその場を離れることができませんでした。
グランドセイコー2022年新作については以下ののブログでも詳しくご紹介しています。
グランドセイコー(GRAND SEIKO)は2022年3月30日~4月5日にスイス・ジュネーブにて開催される”Watches and Wonders 2022”にて新作を発表
Cエリアでは、GS9 Club会員専用のウェブサイトの独自コンテンツを特別に展示しています。
BエリアからCエリアに至る壁際にはグランドセイコーの獅子が枠から飛び出し、まるで飛び跳ねているようなイラストも。ちょっとした遊び心を感じさせる演出ですね。時計裏の獅子よりもこのGS9 Clubロゴの獅子はデフォルメされていて、とても可愛らしいですよね。
さて、GS9 Clubのウェブサイトでは毎月「Art of GS」と題して注目の新作が紹介されています。Cエリアではそれらの写真と時計が並んで示されていました。
グランドセイコーの世界をアートに昇華した「Art of GS」。2022年のテーマは「日本の質感」ということで、「SBGJ255×組紐」「SBGA443×織部焼」「SBGW283×青竹」など、日本の美意識が息づく工芸や風景とグランドセイコーのアートなコラボレーションが楽しめます。詳しい記事をお読みになりたい方は、GS9 Clubに入会してくださいね。
また、GS9 Clubメンバーに誕生月に案内される、写真家・三好和義氏の美しい日本の風景写真も展示。それぞれ壁紙ダウンロード用のQRコードも用意されていました。
さらにGS9 Club会員専用のウェブサイトのコンテンツの一部も紹介されていました。
細野晴臣さんの音楽連載や小堺一機さんの映画連載、漫画家・ヤマザキマリさんの歴史上の人物に関するエッセイ「歴史の中のブレない男・女たち」などが掲載されている”CULTURE”コーナー、武者小路千家第15代家元後嗣千 宗屋 さんによる「新説 十二ヶ月の和菓子」、コラムニストの中村孝則さんが紹介する「グランドセイコーを身に着けて訪れたい日本のトップレストラン」などが掲載されている”LIFE STYLE”コーナーなど、GS9 Club会員専用のウェブサイトでしか読むことのできない良質なコンテンツが満載です。
Dエリアでは、グランドセイコーのものづくりに携わる多くの匠たちが、パネルで紹介されています。匠と一口に言っても、腕時計のデザインから、ムーブメントや外装の設計・開発担当者、調速機の調整や針取り付け、インデックス植え、仕上げ、石留め、外装研磨など担当が細分化された組立まで、多岐に渡ります。
パネルの質問項目は4つ。
例えばウォッチデザイン開発チームのデザインディレクター・石原氏は開発初期から10年近く関わっている「Kodo」をセレクト。開発中の様々な光景が脳裏に過るのはもちろん、「未来に遺る、美しい時計に仕上がった」と自負しているとか。
また、20数年時計のデザインを手掛けている児島氏は自身がデザインした「SBGW289(桜隠し)」や「SBGX289」などのミドルサイズのモデルを挙げています。会場にご本人がいらっしゃったので、44GSを36.5mmに収めるようにした工夫などのお話を伺うことができました。
Eエリアでは「信州 時の匠工房」に所属する小松 郁清氏によるスプリングドライブ キャリバー9RA2の組み立て実演が披露されていました。(※当初は9SA5の組み立て実演も予定されていたようですが、諸事情により中止されたとのこと)
小松氏は「現代の名工」にも選定され、2019年には黄綬褒章も受賞した、まさに匠の中の匠。極小の部品を正確に組み立てていく様子が背後の大きな画面に映し出されるのですが、本当に緻密な作業で感嘆しました。
ちなみに小松氏もパネルで紹介されていまして、「今一番欲しいグランドセイコー」には「SBGP001」と、意外にシンプルな1本を選んでいらっしゃいました。「ヘリテージコレクション」の9Fクォーツ(9F85)モデルである「SBGP001」(税込374,000 円)を選んだ理由として、「裏蓋を開けるのは電池交換の時のみ、一般の人は見ることもないのにムーブメントは整然としていてとても美しい」とコメントされているのがさすが「通」だな、と唸らされますね。
ムーブメントのパーツも展示。
グランドセイコースタジオ 雫石の模型。
Fエリアではグランドセイコーの”燦然と輝く時計”としてエボリューション9コレクションなど豊富なラインナップを展示。ちなみに今回は販売を行われておらず、残念ながらサロン限定モデルなども用意されませんでした。
スタンダードな定番モデルや二十四節気をテーマにしたSBGA443、SBGH271、SBGH273、SBGA445、SBGD201やSBGD202といったマスターピースまで、幅広いラインナップはグランドセイコーの強みですね。
特にマスターピースコレクションの「9Rスプリングドライブ 8 Days SBGD202」は18Kピンクゴールド製のケースに漆黒のダイヤルの奥から無数の粒子状の煌めきが放たれる「スターダストダイヤル」が映えます。
その満天の星空のような美しさには時を忘れて見入ってしまいます・・・。(時計なのに!)
Gエリアではグランドセイコーの時計修理専門の工房「グランドセイコーサービススタジオ」による、コンプリートサービスや、特に「ライトポリッシュ」と有償の「外装リペアポリッシュサービス」について詳しく紹介されていました。
「ライトポリッシュ」は外装の表面についた傷などを軽く研磨することで光沢を出す作業で、グランドセイコーの「コンプリートサービス」(オーバーホール)に含まれています。
一方、「外装リペアポリッシュサービス」は深い傷が入った場所に、ケースと同じ素材を溶接して埋め戻し、再度ザラツ研磨とバフがけを行う「レーザーレストア」という手法で傷を直すため、ライトポリッシュ(研磨)では直しきれなかった打痕傷を修復することが可能となりました。
「外装リペアポリッシュサービス」は従来の「コンプリートサービス」に有料で追加するメニューとはなりますが、ケース痩せすることなく、造形美を残したままケースを美しくほぼ新品同様の状態に再生できる、というのは永く愛用したい大事な時計には有難いサービスですね。
展示が終わりには、タブレット端末でプレゼントの抽選を行うコーナーが設けられていました。当選商品には特製時計ケースや風呂敷、アロマオイル&ストーン、南部鉄器のペーパーウェイトなどのオリジナル商品が用意されていました。当たった方おめでとうございます。
筆者は惜しくも外れでしたが、参加賞として、小さいながらしっかりと「グランドセイコー」感のある「特製ピンバッジ」を頂きました(←実は一番欲しかったものだったりして)。ランダムに入っていて、どれが当たるかは開けてのお楽しみです。
どうやらヤ〇オクやらメ〇カリで〇千円だか〇万円だかで高額転売されているようですが・・・うーん、隠れた人気商品なのでしょうか。いわゆるノベルティ、非売品は価値が未知数ではありますが、これはまんま「時計デザイン」だけにファンは欲しくなってしまうんでしょうね。ほかにはグランドセイコーの歴史やムーブメント、デザインなどについてまとめた冊子も頂きました。
こちらの広々としたラウンジではソフトドリンクとオリジナルマカロンが用意されていました!チームラボによるDIW(デジタルインフォメーションウォール)のあり、大型パネルでブランドの歴史と現代テクノロジーの融合をくつろぎながら体感できるスペースとなっていました。
お土産にどうぞ、とのことでGS9 Clubの可愛いライオンさんがプリントされたマカロンを頂いて帰りました。
グランドセイコーのGS9 Club会員限定イベント「GS9 Club Salon 2022」についてレポートして参りましたがお楽しみ頂けましたでしょうか。
グランドセイコーを持つ喜びを最大限に感じられるオーナーズクラブ「GS9 Club」。入会資格のある皆様はぜひ登録してくださいね!
来年以降のイベントでは、また「GS9 Club Salon限定モデル」の登場も期待したいところ・・・。
ところでグランドセイコーのクローズドなイベント、と言えばもう一つ「特選会」というファミリーセールのようなものがあります。百貨店などの得意客のみを対象とした「完全招待制」で開催され、特選会のみで販売されるグランドセイコーの特別数量限定モデルが登場することもしばしば。気になる方は下記ブログをチェックしてみてくださいね!