更新日:2022年01月06日
2022年1月に商品と修理代金の価格改定を行ったロレックス(ROLEX)。値上がりの幅はおおむねステンレスモデルが10%以上の値上げ、金無垢・コンビ(ロレゾール)モデルが約2%~3%値上げ、プラチナモデルはほぼ据え置きとなりました。
一例を挙げますと、注目の集まるデイトナ116500LNは、今回の価格改定で定価が1,457,500 円から1,609,300円へと約10%値上げ。値上げ直後の2022年1月6日現在、中古・並行市場でのデイトナ116500LN 白文字盤の実勢販売価格相場も特に白文字盤では460万円~500万円前後と前週よりさらに上がってきています。
本記事では、ロレックス主要モデルの新旧定価の比較(差額・値上げ率等)や、値上げの理由・背景などについて詳しくご紹介します。最新の定価表は以下をご覧ください。
ここ数年の間に、ロレックスは何度か価格改定という名の「値上げ」を実施しています。消費税が10%に引き上げられた2019年10月1日に平均1%程度、その数か月後の2020年1月にモデルによってばらつきがありましたが2~5%、そして1年半ほど経った2021年8月1日、全モデルの商品代金と修理代金を対象に5%値上げとなりました。
そして半年も経たないうちに今回2022年1月のさらなるロレックスの値上げです。冒頭でも触れた通り、ステンレスモデルが10%以上の値上げ、金無垢・コンビ(ロレゾール)モデルが約2%~3%値上げ、プラチナモデルはほぼ据え置きとなりました(※一部パヴェダイヤモデルは値上げ)。
例外もあり、ヨットマスターⅡはSSモデルを含め価格変更されませんでした。また、まれに値下げされたモデルも。オイスター パーペチュアル 34 ref.124200やシェル&ダイヤモンドモデルのデイトジャスト 41 ref.126334NG、ref.126333NG、ref.126331NGなどです。このあたりは積極的に売りたいモデルなのか、ディスコン予定なのか・・・?
ちなみに今回の価格改定については2021年12月からロレックス正規店の一部の店頭では「2022年1月1日より、商品および修理価格の改定を行います」と告知されていました。「値上げ幅」はおおっぴらには公表されていませんでしたが、問い合わせすれば教えてもらえた人もいたようです。駆け込み需要もあったのでしょう、正規店のショーケースは本当にいつにも増して寂しい感じでした。
ロレックス人気モデルの、旧定価(2021年8月改定時)と、今回の新定価で比較してみましょう。
モデル/型番 | 旧定価(円) | 新定価(円) | 価格差(円) |
---|---|---|---|
デイトナ 116500LN |
1,457,500 | 1,609,300 | 151,800 (+10.4%) |
サブマリーナー 124060 |
897,600 | 990,000 | 92,400 (+10.3%) |
サブマリーナー デイト 126610LN |
1,013,100 | 1,118,700 | 105,600 (+10.4%) |
サブマリーナー デイト 126610LV |
1,060,400 | 1,177,000 | 116,600 (+11.0%) |
シードゥエラー 126600 |
1,293,600 | 1,433,300 | 139,700 (+10.8%) |
GMTマスターII 126710BLNR |
1,049,400 | 1,166,000 | 116,600 (+11.1%) |
GMTマスターII 126710BLNR(ジュビリー) |
1,072,500 | 1,189,100 | 116,600 (+10.9%) |
GMTマスターII 126710BLRO |
1,049,400 | 1,166,000 | 116,600 (+11.1%) |
GMTマスターII 126710BLRO(ジュビリー) |
1,072,500 | 1,189,100 | 116,600 (+10.9%) |
エクスプローラーI 124270 |
711,700 | 793,100 | 81,400 (+11.4%) |
エクスプローラーI 124273 |
1,201,200 | 1,236,400 | 35,200 (+2.9%) |
エクスプローラーII 226570 |
944,900 | 1,049,400 | 104,500 (+11.1%) |
ミルガウス 116400GV |
920,700 | 1,014,200 | 93,500 (+10.2%) |
ヨットマスターⅡ 116680 |
2,074,600 | 2,074,600 | - (+0.0%) |
人気が集中しているSSモデルのスポロレは軒並み10~11%前後の値上げとなり、ロレゾールモデルでは2~3%前後の値上げにとどまりました。
ロレックスがこの短期間でさらなる値上げに踏み切った要因はいくつか考えられます。
ロレックスの国内定価は海外と比較すると割安感があり、今回の値上げで海外の定価と足並みを揃えようという狙いが見えます。
世界的なインフレの影響で円安も進み、物価は上昇するばかりですし、金価格はこの5年でグラムあたり約2500円ほども上昇しています。
過去5年間の金価格推移
特に新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した2020年3月以降、金価格の上昇傾向が顕著となっています。調整は入っていますが、しばらくこの傾向は続くでしょう。
今年の8月にロレックス定価が一律値上げされた後にロレックス正規店の店頭を覗いてみると、7月よりは幾ばくか在庫が増えたような状況でしたので、前向きに捉えれば2022年1月の価格改定後にはまた少し在庫が増える可能性はありますね。「ほとんどのモデルは並行店や中古品よりも正規店定価の方が安い」、という状況は、ロレックスが定価を値上げしたところでそう簡単には変わるものではないでしょう。
複数の店舗を回って商品を探す「デイトナマラソン」なるものが世の中で話題となるように、人気のスポーツモデルなどは正規店にほぼ在庫がない、という状態が続いており、並行店や中古市場でのロレックスの高騰ぶりは衰えを知りません。ロレックスの定価が上がる、という情報が入ってから、駆け込み需要などを反映してか、実勢相場も上昇傾向にあります。
例えば今回定価が改定されてロレックスのデイトナ116500LNは 1,609,300円となりましたが、2021年12月末時点での実勢相場は420~470万円前後と、とんでもないプレミア状態です。
【2019年12月~2021年12月】ロレックスデイトナ116500LN 販売価格推移
さらにここ3カ月ほどに注目すると、価格改定された2022年1月になりさらに価格が上昇していることが分かります。2022年1月6日現在、116500LN 白文字盤の実勢相場は460~500万円前後と高騰し、それに応じて買取相場も440万円以上に上がってきています。
ついにSSデイトナが500万円超えとは、驚きですね。
ここまでの高額で販売されているのは、シール付き(どうやって入手するのか謎ですね)だったり、保証書の日付が最新のものだったりする状態のよいものが多いかと思いきや、案外そうでもなかったり、まさにバブル状態です。
【2021年10月~2022年1月】ロレックスデイトナ116500LN 販売価格推移
これほどまでの定価と実勢相場の乖離を思えば、「多少上がったってやっぱり正規店で買いたい」、と考えるのが普通です。価格改定後も多くの現行スポーツモデルを中心としたロレックスの人気モデルは正規店での購入が「最安価格」であることに変わりはなく、正規店で購入しようという意欲のある方にとって「定価の値上げ」はあまり大きな意味を持たないと言えるでしょう。
実勢相場の上昇傾向は半年もすればいったん落ち着くのではないかと思われますが、ロレックスの相場は定価のみならず、為替や供給状況など様々な要因に左右されますので、最新情報にご注意くださいね!