オメガより2022年新作として6000m防水を実現した「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」を発表されました。ケース素材に新開発のO-MEGAスティールまたはチタンを採用した7つの新モデルが投入され、価格は143万円～、近日発売予定です。

オメガを象徴するモデルと言えばまず真っ先に挙がるのは「スピードマスター」でしょう。言わずと知れた宇宙を旅した“ムーンウォッチ”で宇宙を制したオメガが、今度は深海をも制覇する、トンデモない腕時計を発表しました！「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」は、6000mという驚異的な防水性能を実現した、究極のダイバーズウォッチです。

1,000mや2,000m防水の腕時計、と言ったらロレックスのシードウェラー、IWC アクアタイマー オートマチック2000、ブライトリング スーパーオーシャン44、ボールウォッチ エンジニア ハイドロカーボン DeepQUEST、などが思い浮かびますが、2008年に発表されたロレックス ディープシーの防水性能ですら水深3,900m（12,800フィート)、6,000mという数字がどれほど凄いのかお分かりいただけると思います。ルックスはちょっと（かなり？）似ている気もしますね。

「ロレックス　ディープシー」

筆者が知る限り、本作が登場するまで、最高の防水性能を有していたのは、特殊時計の製作で知られるドイツのジン(Sinn）のモデルUXだったかと思います。ジン独自のハイドロ･テクニックで時計ケースに特殊なオイルを封入することにより、驚異の5,000m防水を実現していました。価格も418,000円（税込）と超絶ハイスペック時計とは思えない設定なところがまた好印象な時計です。（ぼそっ）

「ジン　モデルUX」

本題に戻りましょう。実は「オメガ シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」にはプロトタイプ（試作機）が存在しています。
2019年4月から5月にかけて実施された、「ファイブ・ディープス探査」（ヴィクター・ヴェスコヴォによるマリアナ海溝最深部への探索）において、オメガの「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ プロフェッショナル」は潜水艇のロボットアームに固定され、見事10,935mの潜水の世界記録を実現しました。

「オメガ シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ プロフェッショナル」

こちらのプロトタイプは、マリアナ海溝の水深に相当する水圧を想定し、さらに25%の安全マージンを設け1500気圧、水深15,000mという防水性能が保証されています。
それを支えるのが、グレード5チタンからすべて機械成形されたケース、時計を保護する革新的な 「マンタ ラグ」、潜水艇の覗き窓にインスピレーションを得て、耐荷重性に優れる円錐形のデザインを採用したサファイアクリスタルのフェイスといった技術です。

この技術を転用したのが今回の新作「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」なのです。

プロトタイプのケース厚は28mm以下、と実用には全く不向きな設計でしたが、新作「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」では、防水性能はそれでも十分と思われる6000mと設定し、厚みは18.12mmとほぼロレックスのディープシーと同等、なんとか許容範囲内のサイズに収められました。
それを実現したのが、①新しいサファイアクリスタル製風防の形状、②サファイアクリスタルに対するガスケットの位置、③円錐形のリュウズ、④円錐形のケースバック、という4つの新技術で、いずれも特許出願中だとか。

厚みこそ存在感があるものの、正面から見た時のシンプルなルックスには驚かされます。オメガのプラネットオーシャン 600では10時位置にヘリウムエスケープバルブがありましたが、本作ではそれも存在しません。ケースの気密性が高いためヘリウムガスが入りづらいのはもちろん、万が一入ったとしてもその加圧すら問題にならない強力なケース設計、ということでしょう。

新作「ウルトラディープ」コレクションに7つの新モデルが用意されましたが、その中でも中心的存在となるのは、ケース素材にサンドブラスト仕上げのグレード 5チタンを採用した「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ Ref.215.92.46.21.01.001です。

仕上げのセラミックベゼルとリキッドメタル™のダイビングスケール、プロトタイプを引き継ぎ、「マンタ ラグ」が採用されています。グレード5チタンのループとバックル、漁網を100%リサイクルして作られた、シアンカラーとブラックのストライプのポリアミド製のNATOストラップがついています。

ダイアルはブラックのセラマイズドチタン製で、シアンカラーの数字と、中央にブルーグラデーションの秒針が配置されています。

グレード5チタンのケースバックには、オメガを象徴する中央のシーホースと共に、ソナーパターンがレーザーエングレービングで刻印されています。「Diver’s watch 6000 m for saturation diving」の文字が見て取れますが、”saturation diving”とは「飽和潜水」という意味で、この時計が飽和潜水時計であることが示されています。

「ウルトラディープ」コレクションに登場した6つの新作モデルは、新しいO-MEGA スティールを使用しています。O-MEGAスティールはニッケルを取り除き、窒素とマンガンを加えた非強磁性の新しい高性能ステンレススティール合金です。従来のスティールに比べてホワイトの色合いがより明るく、強度や硬度も40～50％高くなります。耐食性にも優れ、美しい外観を長持ちさせることができます。

ダイビングスケールの付いたセラミックベゼルと、圧力への強度を最大限に高めた面取りのドーム型サファイアクリスタルを備えています。チタンモデルにはなかったリュウズガードが取り付けられている点にも注目です。

ダイアルカラーは、ホワイトとグラデーション（グレーからブラック、またはブルーからブラック）の３パターンが用意されています。ダイアルには光沢仕上げが施され、18Kホワイトゴールドの針とインデックスが配置されています。いずれのモデルも、チタンモデルと同様に、裏蓋にはレーザーエングレービングでソナーパターンと文字が刻印されています。

それぞれ、ラバーストラップかO-MEGAスティールのブレスレットから選択可能で、ラバーストラップはテクニカルダイビングスーツと同じ表面構造を採用し、O-MEGAスティールのバックルを備えています。メタルブレスレットは、オメガが特許を取得した、伸縮可能でダイビングの際にサイズ調整がしやすいラック＆プッシャー クラスプを備え、厚手のウェットスーツの上から着用するのに最適です。

※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。詳細はオメガ公式サイトへ。

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