更新日:2022年10月27日
グランドセイコー スポーツコレクション スプリングドライブ クロノグラフ15周年記念限定モデル SBGC247の実機レビューをお届けします!
グランドセイコー スポーツコレクション スプリングドライブ クロノグラフ15周年記念限定モデル SBGC247は、43.5mmのステンレススチール製ケースにスプリングドライブ Cal.9R96を搭載しています。買い逃した方、中古でもお探しの方、必見!早速実機をレビューしていきましょう~!
ダイヤルはシルバーホワイトカラー。「シュカブラ」パターンを敷いています。シュカブラとは、深く積もった雪を風が削り取ることで生まれる模様のこと。同社の時計工房がある信州の厳冬に見られる情景で、日本では「雪紋(せつもん)」などとも呼びます。グランドセイコーのダイヤルで最も有名なのが「雪白(スノーフレーク)」ですが、このシュカブラの方がよりくっきりとした稜線で燦然と輝き、荒々しさすら感じられます。どちらがお好みでしょうか?
インデックスは金塊型の長方形タイプ。ロゴは11時位置に来ています。クロノグラフ秒針・スモールセコンド針・30分積算計の針がブルースティール針で、大変鮮やか。三つのクロノグラフダイヤルにパワーリザーブ表示がありながら、絶妙なバランスで配置。加えてセコンドマーカーを立ち上がったダイヤルリングに配したことで、すっきりとした顔立ちに。視認性を損ないません。
ベゼルは鏡面仕上げ。少し球面を持たせることで立体的な輝きを放ちます。幅が細く、ダイヤルのデザインが最大限に活かされています。ケースはステンレススチール製。GSのSSケースは、本当に美しく磨かれていますよね。ザラツ研磨の技術の高さを窺い知ることが出来ます。
ラグはケースと一体になって、滑らかな曲線を描いています。
リューズ、プッシャーボタンともボリューム感ある仕上がりです。この形状はGSクロノグラフ搭載の他のモデルにもある仕様で、競技用のストップウォッチからインスパイアされたもの。母体であったセイコーが日本人と共に歩んできた長い歴史の中で、公式時計に任命された歴史と誇りを色濃く感じられます。
ケース厚は16mm越えとかなり大振りです。スプリングドライブのクロノグラフムーブメントがここに格納されています。
搭載ムーブメントは「9R96」。スプリングドライブのクロノグラフムーブメントです。既に「9R86」という同じくスプリングドライブクロノグラフキャリバーが存在するのですが、そちらの上位互換。9R86の精度が±15秒であるところを、9R96は特別な水晶振動子を搭載することによって±10秒にまで追い込んだという、特別なムーブメントです。特別の証に、回転錘に18金製の獅子のエンブレムが鎮座します。限定モデルに多いですね。クロノグラフ機構があの流れるようなスイープ運針で動く様子は、見惚れる美しさです。分母700の限定シリアルが刻印されます。
スプリングドライブ Cal.9R86
独自の技術によってクロノグラフ機構にスイープ運針をもたらした、世界最高峰とも過言ではない高性能ハイブリット・クロノグラフムーブメント。正確な測定を行うために、制御方法にはセイコー独自の「垂直クラッチ機構」が用いられています。クロノグラフ車を制御する皿バネが垂直方向にブレーキを掛けることで、従来の歯車形式クラッチ機構だと生じてしまうクロノグラフの針飛びを無くしたメカニズムです。何とこの垂直クラッチを搭載した最初の「Cal.6139」ムーブメント(1969年開発)、非公式ではありますが宇宙初・自動巻きクロノグラフキャリバーなのです。
ワンプッシュ三つ折れ式のバックル。GSロゴが鎮座します。コマは中央列のサイドが鏡面仕上げで、華やかさをプラス。
クロノグラフというと、ロレックスの「コスモグラフ デイトナ」やオメガの「スピードマスター」などスイスメゾンのウォッチを思い浮かべる方が多いのでは?機械式時計の歴史の長さ、またそのバックボーンから受ける知名度、確かにポピュラーなのはスイスメゾンかもしれませんが、日本が誇るグランドセイコーも、技術遺産という点で決して負けてはおりません。クォーツウォッチを開発したのも、そしてクォーツと機械式との長所を両立させた傑作「スプリングドライブ」を開発したのも、われらが日本のセイコー(グランドセイコー)。正確であり、視認性良く、使いやすい。そして飽くまで時計の本質からぶれない実直な姿勢が、国産時計トップに君臨し続けられる所以でしょう。元ある良品から学び、真似て、更なる良品を作り上げる。こういった点は正に日本人だからこそ成し遂げられた部分かも知れませんね。
このSBGC247、何とも精悍な顔立ちでスマートな印象を受けました。そして競技用ストップウォッチを模したケースデザインに、日本の情景を落とし込んだシュカブラダイヤルのタフさが相まって、武士が切り込む直前のような静謐さ、緊張感の中に潜む美しさを感じました。これと時を同じくしてローンチした、SBGE275の青白ベゼルも大変な人気を博しましたね。
SBGE275が限定1500本(国内500本)に対し、こちらのSBGC247が限定700本(国内300本)とぐっと少なくなっています。複雑機構ゆえに生産数に限りがあるのでしょうか、どちらもあっという間に完売してしまったのですが、やはりこのSBGC247の方が換金率が高め。中古でも良いので…という需要も多いです。ただし、先述の通りクロノグラフ機構が滑らかに動く様は目を見張る美しさ。是非所有して、操作してお楽しみ頂きたくも思います。このシュカブラ、今後も人気が上昇しそうな予感…!
モデル | スポーツコレクション スプリングドライブ クロノグラフ15周年記念限定モデル Sportscollection Chronograph 15th Anniversary Limited Edition |
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型番(REF.) | SBGC247(9R96-0AP0) |
ケースサイズ | 43.5mm |
ムーブメント | スプリングドライブ Cal.9R96 |
パワーリザーブ | 最大巻上時約72時間稼働 |
防水 | 10気圧防水 |
その他 | 2022年2月18日発売 シースルーバック仕様、限定シリアル刻印 |
定価(税込) | 1,276,000円(税込) |
※掲載内容は2022年10月調査時点のものです。最新情報は公式サイト等をご確認ください。