更新日:2026年06月17日
デビュー数年でNYタイムズの紙面に載り、年一回の新作発表を全世界のウォッチマニアが渇望する、超入手困難なインディペンデントブランド「NAOYA HIDA & Co.」。
ユニークな販売方法も話題で、「所持している時計のリストを提出+購入希望理由を記載した小論文に合格」出来た方のみが購入を許される独特な方針に、世界中から人気が殺到!購入チャンスは年に一度、製造本数は数十本以下、の激レアモデルは投機対象としても年々価値を高め続けています。
“日本時計界の重鎮”飛田直哉氏はそんな状況下に異を唱えるように、“本当に美しい腕時計づくり”を徹底。1930~60年代のヴィンテージ腕時計、古き良き懐中時計が持つ美しさを現代へ蘇らせ、目の肥えたウォッチコレクターを唸らせます。
知る人ぞ知る独立系ウォッチメーカーのNAOYA HIDA & Co.が、ゼニス(Zenith)の秘蔵っ子である、キャリバー135搭載「G.F.J.」ダブルネームモデルを手掛けたのですから、正直驚きました。ハイビート自動巻きクロノグラフ 「エル・プリメロ」の開発で、世界的ムーブメントメーカーとして名声を高めたゼニスですが、5振動のロービートムーブメント キャリバー135でも235ものクロノメトリー賞を獲得しており、低振動ジャンルでも目を離せない存在になりそうな気配です。
本記事では、NAOYA HIDA & Co.ブランドと、ゼニスが誇る名機キャリバー135-Oがフュージョンした「G.F.J. Double Signed with NAOYA HIDA & Co.」40.1865-2.0135/01.C220が織り成す“圧巻の芸術性”を余すところなくお伝え致します。
≪G.F.J. Double Signed with NAOYA HIDA & Co.の見どころ≫
本モデルは“時計界のいぶし銀”とも呼ばれるゼニスと、海外の時計フリークも認めるNAOYA HIDA & Co.が掛け合わさったウルトラニッチな異色のコラボのため、まずはNAOYA HIDA & Co.というブランドの理解度を深めることが先決でしょう。G.F.J. Double Signed with NAOYA HIDA & Co.モデルの価値を少しでも正確にお伝えするために、ゼニスのコラボ先であるNAOYA HIDA & Co.の特色・独自性を解説してまいります。
卓越した時計職人の手作業と最先端の精密微細加工を駆使し、「誰も見たことのない作品」を生み出すNAOYA HIDA & Co.。機械式時計黄金期の1930~60年代の時計をデザインのモチーフにしつつ、復刻モデルとは一線を画す“現代のヴィンテージウォッチ”には、飛田直哉氏の時計哲学が惜しみなく盛り込まれています。ブランドの特徴を深掘りする前に、ウォッチコンセプター飛田直哉氏のバックグラウンドを簡潔にご紹介致します。
≪飛田直哉氏の略歴≫
まるで“日本版リシャール・ミル”とでも言うべき異色の経歴を持つ飛田直哉氏ですが、「物作りへの熱い思い」「売れる商品への絶対的嗅覚」などが一貫していますね。
1994年にスイス時計の輸入商社「日本シイベルヘグナー(現DKSHジャパン)」へ転職し、ブレゲの限定ウォッチ企画に携わった際には、“頼めばできる”という手応えと、条件的縛りが原因の“理想の限界”を悟ったそうです。大手ブランドに属する限り、ブランドポリシーやコストの問題が足枷となってしまい、最後には“夢を極限まで追求した時計”を妥協せざるを得ないですからね。その頃には、独立ブランドの立ち上げへ向けて本格的な準備を始めたとのことです。
日本のヴィンテージウォッチ分野に造詣が深いアルベルト・マリア・ベルゴ氏、Naoya Hida & Co.のアトリエを訪ねる様子を日本語(!)で丁寧に解説。
2012年頃には若き時計師二人と夢を共有し、理想の腕時計作りへ邁進。ヴィンテージウォッチでは有り得ない“夢の時計”を具現化していきます。
など量産ブランドの逆を行く超ニッチな時計づくりを探求。試行錯誤を繰り返した末に、初のオリジナルウォッチ「NH TYPE 1B」を2019年3月にリリースするのです。
飛田直哉氏はコストや効率を度外視した“他に出来ないこと”に意味を見出しており、消費者に飽きられないように「少量生産&コレクション拡充」の独自路線を追求。毎週金曜日に開催される工房見学会には、海外の時計通の予約で埋まる盛況ぶりだそうです。
続いて、NAOYA HIDA & Co.のブランドポリシーについて概要をご説明致します。
NAOYA HIDA & Co.を率いる飛田直哉氏は、時計に対する「理解と愛情」がある方にのみ売りたいと考えており、NHウォッチをどんな人が所有しているのか、に重きを置いています。転売目的お断り、“超富裕層向け”のハイパーラグジュアリー戦略。「日本一の時計通」と称される飛田氏の卓越した知識、業界でも一目置かれる鑑識眼、があるから同ブランドは飛躍できたのでしょう。
NAOYA HIDA & Co.は現在、総勢7人の少数精鋭体制で、職人の思いが詰まった「本当にニッチな時計」を愛好家へ届けたいと考えているそうです。職人の育成方法も独特で、技術よりも人間としての情熱を持っているかを重視しており、お眼鏡に適う人材は、夜間の時計学校に通わせる(※学費も負担)、その間の給与も支給する、など至れり尽くせりの態勢で、本当に情熱のあるメンバーを求めているのも特徴です。
加工が困難と言われる904Lステンレススチールを、最先端の超高精度微細加工機を用い、“アートの領域”へと仕上げるのはパートナーである「碌々産業」によるもの。生粋の時計マニアの方は、碌々産業主催の時計師トークセッション(浅岡肇×飛田直哉)をご覧になると、学び多き時間が過ごせますよ!
約2時間に及ぶ対談は公式YouTubeチャンネルへ⇒https://www.youtube.com/@ROKU-ROKUSMARTTECHNOLOGY
飛田直哉氏は2025年の「THE NIKKEI MAGAZINE」ゼニス創業160周年特別特集に、第三回のゲストとして招かれており、G.F.J.とキャリバー135への思いを語っています。
飛田直哉氏は当初、ゼニスに対して「クロノグラフに強いムーブメント屋」という印象を抱いていましたが、スイスの時計業界関係者からその卓越した品質を耳にするにつれ、次第に同社への評価を高めていったといいます。さらに、名機「キャリバー135」を絶賛するドイツの時計専門書との出会いを通じて、ゼニスの奥深い歴史に強く魅了されたとのこと。
インタビューでは160周年記念の新作「G.F.J.」にも触れ、「ゼニスには時計愛好家の心理を熟知した“時計オタク”とも呼べる技術者たちが揃っている」と絶賛し、同ブランドへの厚い信頼を語っていました。
一部の時計通に絶賛されるNAOYA HIDA & Co.は知名度こそまだ低いものの実力は折り紙付き。腕時計全盛期の作品をベースにしつつ、世界最高レベルの最先端微細加工技術と熟練職人の丹念な手作業で「夢が詰まった時計」を次々と作り出しています。
固定観念にとらわれないマイクロブランドならではの魅力が、飛田直哉氏の研ぎ澄まされた審美眼によって、極限までブラッシュアップされています。後ほど、NH TYPE1&NH TYPE2シリーズを軽くご紹介しますのでお楽しみに!
ハイビートクロノグラフムーブメントの名機エル・プリメロと並び、“時を超えた傑作”と賞賛される伝説のロービート キャリバー135。本作40.1865-2.0135/01.C220の理解度を深めるために、1950~60年代のゼニスの歴史について簡単にご説明します。
キャリバー135は1949~62年にかけて製造された手巻きムーブメントで、精度コンクールで235もの賞を受賞。ムーブメントの精度を高める場合、振動数を上げるハイビートがセオリーの中、キャリバー135は毎時1万8000振動(※毎秒5振動)のロービートを貫き、ヌーシャテル天文台のコンクールで5年連続1位(※1950-1954年)を獲得する快挙を成し遂げます。
キャリバー135搭載モデルは、時計の外観美にも優れており、洗練された見た目&細部へ施された美しい仕上げで、当時の時計愛好家のハートを鷲掴みにします。キャリバー135の美学は、飛田直哉氏の時計哲学に通ずるところが多く、コラボに発展するのは自然な流れかもしれませんね。
キャリバー135は市販用(135)と天文台コンクールのクロノメーター試験のために作られたOバージョン(キャリバー135-O)の2種類が存在し、当時の135-Oモデルは懐中時計や腕時計に載せたことはなく、木製のボックスにしか搭載されたことがないとのこと。135-Oモデルは70年越しの悲願を達成、創業者の名を冠したG.F.J.(ジョルジュ・ファーブル=ジャコ)へと生まれ変わったのです。木製ボックスオンリーで製造されていた“いにしえの名機”が、NAOYA HIDA & Co.とダブルネームモデルでコラボするとは、時計通ならずとも稀少性やロマンに胸が熱くなりますね!!
予備知識も十分な頃合いですし、G.F.J. Double Signed with NAOYA HIDA & Co. 40.1865-2.0135/01.C220の見どころをまとめてみました。
≪40.1865-2.0135/01.C220の見どころ≫
「時計好きが最後にたどり着くブランド」と称されるゼニスと、マイクロブランドならではのこだわりが満載のNAOYA HIDA & Co.の「個性」が、絶妙なバランスで程よく融和していますね。40.1865-2.0135/01.C220は、「NAOYA HIDA & Co.×ダブルネーム×135-Oモデル」と激レア要素をふんだんに掛け合わせており、好事家にはたまらない極上のドレスウォッチでしょう。
生産本数が10本と少ないマイクロニッチ(超特化型)向けのコラボモデル。NAOYA HIDA & Co.自体が全シリーズ通して生産本数があまりにも少ないため、国内外ともに二次流通市場が極端に少ない状況が続いていており、市場にどう受け止められるかは未知数です。コラボ先の飛田直哉氏は、時計を大切に扱う“本物の時計好き”に提供したい、と考えていますし、この時計を心から愛する方に一本でも多く届くと良いですね。いち時計ファンの率直な願いですが、一生添い遂げるつもりで本作を慈しんで欲しいものです。入手出来た方が本当に羨ましい。
ダイヤル→ケースデザイン→ムーブメント→ブレスレットの順に、そのこだわりを解析していきます。
ダイヤルのルックスはNH TYPE2Cシリーズに近いものがあり、文字盤とインデックスサークルの別体化が程よいアクセントとなっていますね。本作はソリッドシルバー素材をベースとしていますが、写真映りでは磁器ダイヤルのように透き通っているようにも見えますし、静謐な美しさが強調されているのもセンスが光ります。
プレス記事にてゼニスCEOのブノワ・ド・クレーク氏が、控えめで精緻なデザインをG.F.J.にもたらしてくれた、とNAOYA HIDA & Co.とのコラボ効果を絶賛していましたが、その表現は適切です。既存のG.F.J.コレクションとはひと味違う、繊細なニュアンスが40.1865-2.0135/01.C220のダイヤルにもたらされている印象です。
12時位置のダブルネーム周辺のロゴ配置も素晴らしく、ゼニスからはシンボルマークの「★」が取り払われ、NAOYA HIDA & Co.は「TOKYO」の文字が省かれています。お互いが一歩引くように、パートナーを尊重する謙虚な姿勢が美しく、“引き算の美学”が凝縮されていますね。
12時位置に刻印された「ZENITH」「NAOYA HIDA & Co.」のダブルシグネチャー含め、全ての表示は最短技術の微細加工機で彫り込まれており、数ミクロンレベルの超高精度加工を実現。「3・9・12」のアラビアインデックスは熟練の彫金師・加納圭介氏が精魂込めた手作業を施し、“もっとも入手困難なマイクロブランド”の呼び名に恥じない、圧巻の完成度を随所に発揮しています。
筆者個人の感想ですが、ゼニスという大手ウォッチブランドが、エル・プリメロ以外のムーブメントでユニークな独立起業系と異色のコラボを実現した点に感動を覚えました。
ダブルネームといえば、ロレックス×ティファニーやロレックス×カルティエ、パテック・フィリップ ノーチラス “ティファニーブルー”などが思い浮かびますね。ロレックスはコラボモデルが意外と多く、コメックス(潜水作業専門業者)、ドミノピザやコカ・コーラも有名です。ゼニス×NAOYA HIDA & Co.コラボをきっかけに、有名ブランドと実力派時計ブランドの魅力的なタイアップが増えることで、業界が活気づくといいですね。
40.1865-2.0135/01.C220と関連性のあるモデルを見比べていきましょう。
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せっかくのNAOYA HIDA & Co.とのコラボ作ですし、まずはNH TYPE1の2026年新作NH TYPE1Eから。第五世代に当たるNH TYPE1Eは、洋銀製ダイヤルに手彫り仕上げのブレゲアラビアインデックスをミックスしたクラシカルなデザインが見事です。従来の37mmよりもわずかに小さい36mmケースを採用、立体感のあるドーム型サファイアクリスタルを搭載するなど、“控えめな存在感”がたまりませんね。
神戸の老舗時計店カミネさんが120周年で「TYPE 1」限定モデルを発売しますので、興味の湧いた方はこちらにも注目です。
公式リンクはこちらへ⇒https://www.kamine.co.jp/120th-anniversary
デザイン的にも本作に通ずるところの多い、NH TYPE2シリーズ2026年新作NH TYPE2C-2。ポーセリン製(磁器)ダイヤルを初採用しており、陶器のような静けさ&無機質にならない土の温もり、を文字盤から漂わせています。シンプルなデザインコードと差し色の青針のコンビネーションは、至妙の技の域に達しています。
莫大な研究再開発コストを費やした末に、偉大なロービートムーブメント キャリバー135を復活させたG.F.J.。ゼニス本社のレンガ製外壁をイメージした装飾がダイヤルやムーブメントに施されており、ゼニスの歴史とロマンが詰まっているのもこの時計の魅力でしょう。
W&WG2025発表作のG.F.J.コレクションはいずれもバーインデックスでしたが、新作40.1865-2.0135/01.C220は手彫りのアラビアインデックスを採用。お互いのデザインの良さを尊重するように、ひとつのダイヤルに両ブランドの主張が調和しています。
デザインの素晴らしさ、影響力(騒動?)の大きさでいえば、パテック・フィリップ×ティファニーのノーチラス 5711/1A-018は色々と衝撃的なモデルでした。優良顧客の反発を招く“抱き合わせ商法”も横行していた、という噂でパテック・フィリップの哲学“慎重な顧客選定”に反する騒動へ発展していましたが、不朽の名作なのは間違いありません。
余談ですが、今年はティファニーからエル・プリメロ搭載の「ティファニー タイマー」も発売されています。さまざまなコラボ派生パターンが誕生するのは業界にとって喜ばしいことですね。
40.1865-2.0135/01.C220のサイズはケース径39mm×厚さ10.5mm、プラチナ製ケースを採用。青文字盤の40.1865.0135/51.C200とほぼ同スペックです。
G.F.J.コレクションはいずれも売り切れ。どのモデルも非の打ち所がない美しさですが、シルバーダイヤルの本作はクセが少なく、清楚な輝きをコレクション内でも放っていますね。段状のベゼル、曲線的なラグで新時代のエレガンスを体現するG.F.J.ですが、40.1865-2.0135/01.C220のように控えめなデザインコードもよく似合います。
裏蓋からは手巻きムーブメント キャリバー135の美しい装飾、高精度でありながらゆったりと動く大きなテンプを鑑賞可能です。ムーブメントオタクの方には、人生の到達点にも等しい“愉悦の時間”を過ごせること請け合いです……しつこいかもしれませんが、入手できる方が本当に羨ましい!!!
40.1865-2.0135/01.C220はこだわり尽くした3本のストラップが付属、それぞれ異なる“革”の表情を楽しめます。1本目は伝統技術のなめし革に幾層の漆を塗り重ねた姫路黒桟革、2本目は京都レザーの職人が丹精込めて製作した天然皮革、3本目は広島県福山のカイハラが製作した「カイハラデニム」を使用。G.F.J. Double Signed with NAOYA HIDA & Co.コラボモデルと見事に調和していますね。どのストラップにもよく似合いますが、お気に入りのデニムを履いて、カイハラデニム製ストラップの40.1865-2.0135/01.C220を丁寧にメンテナンスすると“最高のオフ時間”を過ごせそうですね。
稀代の目利きである飛田直哉氏の独自解釈を加え、G.F.J.の新たな一面を披露した40.1865-2.0135/01.C220。NAOYA HIDA & Co.の精緻で味わい深いデザイン、キャリバー135が持つ“1950年代の空気感”、随所に光る職人の技などが絶妙なさじ加減で融合していました。
プレス記事には、Double Signedの1作目として飛田直哉氏を選んだ、と明記されていますし第二弾・第三弾ではどんなダブルネームモデルが生み出されるのか、想像するだけで心が躍りますね。
情熱と探求心を原動力に、夢のようなダブルネームモデルを実現させたG.F.J. Double Signed with NAOYA HIDA & Co.。両ブランドの理想の腕時計を目指す“頂点への挑戦”は、まだまだ終わりません。
| モデル | G.F.J. DOUBLE SIGNED WITH NAOYA HIDA & Co. キャリバー135-O |
|---|---|
| 型番(Ref.) | 40.1865-2.0135/01.C220 |
| ケース素材 | プラチナ |
| ケースサイズ | ケース径 39 mm |
| ムーブメント | キャリバー135 機械式手巻(COSC、振動数18'000、パワーリザーブ 約72時間、中央に時針と分針、6時位置にスモールセコンド) |
| 文字盤 | ソリッドシルバー文字盤、ブルースチールスモールセコンド針 |
| 防水 | 5気圧防水 |
| ストラップ | 姫路黒桟革ストラップ、京都製国産牛革ストラップ、ノンストレッチの日本製カイハラデニムストラップ、「G.F.J.」の刻印入りプラチナピンバックル付属 |
| 希望小売価格 | 11,891,000円(税込) |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。
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