更新日:2022年09月17日
「エルプリメロの時計が欲しい!」
それを搭載した時計を探す、という高級腕時計愛好家さえ生み出してしまった伝説のムーブメント、エル・プリメロ(El Primero)。近年は、“ムーブメントで時計を探す人”が増え始めている傾向はあるものの、ここまで具体的に名指しでその存在を求められるキャリバーは、エルプリメロ以外には存在しないでしょう。
今回は、エルプリメロのカッコ良さと魅力。「伝説のキャリバー」まで上り詰めたエルプリメロの逸話とドラマをどこよりもわかりやすくご紹介します。合わせて、「ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.16520」を筆頭に、エルプリメロ搭載の自社製&他社製人気モデル。エルプリメロにまつわるウソ?ホント!についても徹底解説致します!!
ゼニスの歴史を語る際に、必ず話題に登場する絶対的存在の「エルプリメロ」。1969年に世界初の自動巻きクロノグラフとして鮮烈なデビューを飾り、現代にまでゼニスの基幹モデルとして大活躍。2019年で50周年を迎え、ますますその魅力と存在価値を増している状況です。
エルプリメロは、エスペラント語で「ナンバーワン、第一の」という意味を持ち、その由来通り、ナンバーワンの人気と業界でも高い評価を誇るムーブメントとして認められています。半世紀も第一線で働き続ける(※休眠期間の説明は後ほど)エルプリメロは、ゼニスにとって嬉しすぎる誤算だったかもしれません。1969年に設計したエルプリメロが、今でも進化と改良を続け、現役機として君臨しているのですから。
まず、ネット上でも見かけるエルプリメロのイメージや評判をまとめてみました。
調べてみると、多少マイナスイメージなキーワードもありますが、概ねインターネット上の評判も上々です。ロレックスや御三家のオーデマ・ピゲやヴァシュロン・コンスタンタンでさえ、悪評が目立ちやすい中、異例中の異例……かもしれません!それだけ、エルプリメロというムーブメントの実力と凄さを裏付けしていると言えます。
「エルプリメロってどんなもの?」と聞かれた際に、読者の皆様はどんなことをイメージするでしょうか?腕時計にある程度の知識がある方なら、
「36000振動、世界初のハイビート」
「ロレックスのデイトナに搭載」
「トップクラスのクロノグラフ」
など、エルプリメロにまつわるエピソードを何かしら答えられるかと思います。ここにエルプリメロというムーブメントの面白さが詰まっています。それこそ星の数ほどもある機械式ムーブメントの中で、「特徴や長所をすぐに答えられる」ムーブメントはなかなか存在しません。
オメガーのコーアクシャルムーブメント「Cal.8500」やタグ・ホイヤーの「ホイヤー01」「ホイヤー02」も、最高クラスのムーブメントに間違いありませんが、時計愛好家なら一度は、「エルプリメロ搭載の高級腕時計が一本は欲しい!」と思うことでしょう。つまり、それだけ「エルプリメロは特別な存在」なのです。
結論を先に述べますが、エルプリメロは評判通りの「伝説のキャリバー」「クロノグラフの絶対王者」という言葉が最適な「ムーブメント(キャリバー)の最高峰」です。逸話やドラマを読めば、誰もが納得できることでしょう!!
エルプリメロを愛してしまった方なら、「エルプリメロという名前そのもの」にさえ、愛情や特別な愛着感が芽生えていることでしょう。エルプリメロというキャリバー(時計)は、なぜここまで時計愛好家達を魅了するのでしょうか?その答えの一つはエルプリメロの歴史や数々の逸話にあります。誕生から復活のドラマをご紹介しましょう。
1865年に天才時計技師のジョルジュ・ファーブル=ジャコ氏によって創立されたゼニス。創立当初から、マニュファクチュール工場を建設しており、古くから優れた高精度のムーブメントを生み出しています。
エルプリメロが誕生した1960年代後半は、世界初の自動巻きクロノグラフキャリバーの開発に、有名メーカーが躍起になっていた時代です。代表的なのが、「プロジェクト99」を成功させたホイヤー・レオニダス共同開発(ブライトリング、ビューレン-ハミルトン、デュボア・デプラ)グループと日本のセイコー社です。ホイヤー・セイコー・ゼニスの三つ巴の戦いは、エルプリメロにとって、切っても切れない深い結びつきへとなっていくのです。
1969年3月3日に「クロノマティック キャリバー11」を発表したホイヤー。1969年5月に「Cal.6139」を日本市場で発売したセイコー社……しかし、当時「プロジェクト99」で約50万スイスフランの開発費を注ぎ込んだホイヤー社を震撼させたのが、1969年1月10日にエルプリメロを発表(※発売は秋)したゼニスです。
エルプリメロを主役で見た場合、ライバルのホイヤー視点も面白いので、「プロジェクト99」の詳細を知りたい方は関連記事もどうぞ!ホイヤー社はタッチの差の勝利(もしくは敗北かもしれません)ですから!?
1月10日(ジュネーブのプレス発表)に、後のナンバーワンムーブメント、エルプリメロのプロトタイプを発表したゼニス。当時としては画期的とも言える、常識破りの3万6000振動/時(毎秒10振動/5Hz)のハイビート。約50時間のパワーリザーブを直径約30㎜×厚さ6.5mmの薄さに「一体型」(※クロノマティック キャリバー11はベースムーブメント+クロノグラフモジュールの2階建て構造)で閉じ込めているのです。高級機に搭載するムーブメントの完成度で見れば、ぶっちぎりのスペック、圧巻のクオリティーです。
ライバルムーブメントだったクロノマティック キャリバー11・Cal.6139共に、現在は生産されていない一方、エルプリメロだけが基本設計を変えることなく、50年以上経過した現代でも現役機として活躍している事実が、エルプリメロの実力を証明する一番の事例でしょう。
「1969年論争」とも呼べる激動の「世界初の自動巻きクロノグラフムーブメント」開発競争。ホイヤー共同開発チーム・セイコー・ゼニス……三者三様、それぞれが世界初の実績と事実があるので、どれもが正しい「世界初の自動巻きクロノグラフ」なのは間違いありません。
簡単に要点を整理してみましょう。
ゼニス……エルプリメロ(プロトタイプ)を1月10日に世界初の発表をするも、発売は秋と出遅れる。1962年に開発がスタートし、1965年に発表(※ブランド創立100周年の事業)する予定だったとも言われています。
ホイヤー共同開発チーム……「クロノマティック キャリバー11」を1968年には完成させていたが、4月のバーゼルでの発表を予定していたため、急遽3月に発表する。
セイコー……「キャリバー6139」搭載の「61 ファイブスポーツ スピードタイマー」を5月21日に、世界で初めて発売。12月25日に世界初のクォーツ腕時計「アストロン」を発表。
留意すべきポイントとして、エルプリメロは設計から発表まで7年をかけた高品質&高級の一体型キャリバーです。対抗馬の「クロノマティック キャリバー11」は、生産性&開発のしやすさに優れたキャリバー。セイコーの「キャリバー6139」は、コストパフォーマンスに尖った低価格キャリバーです。高級腕時計に相応しい「品質・性能・価値」で判断した場合、異論なくエルプリメロが一番でしょう!
どのブランドが世界初かはさておき、ゼニスを「名門マニュファクチュールブランド」として、その地位と名声を支えることになるエルプリメロが、一番の勝者かもしれません……50年経過した今でも、エルプリメロは伝説的存在なのですから。
後に、「高級腕時計ナンバーワンキャリバー」の地位を獲得するエルプリメロですが、セイコーからはもう一つの「切り札」が隠されていました。死角からの一撃に匹敵する世界初のクォーツ腕時計「アストロン」の発表です。「59Aプロジェクト」を成功させてしまった1969年12月25日、エルプリメロの悲劇へのカウントダウンが始まります。
日本が誇るグランドセイコーも紆余曲折のドラマがあって、より“1969年”が面白くなるので、興味のある方は「59Aプロジェクト」の詳細もどうぞ!
世界初の「一体型自動巻きクロノグラフムーブメント」の開発&発売に成功したゼニス。しかし、その偉業を時代がかき消すように、世界中に「クォーツショック」の脅威が襲い掛かります。
「クォーツショック」を引き起こした、あのセイコーでさえ、GSメカニカルの分野は活動休止まで追い込まれてしまいます。特に、機械式腕時計の製造に力を入れていたスイス時計業界へのダメージは深刻でした……オイルショックも重なってしまい、スイスフラン&人件費も高騰。IWCの倒産危機やブランパンの休眠状態は有名なケースです。
ゼニスも経営難に陥ってしまい、1971年にアメリカ・シカゴの「ゼニスラジオコーポレーション」に買収されてしまいます。更にこの親会社の意向により、伝統と格式のある機械式時計製造の廃止が決定されてしまいます。
エルプリメロ、機械式時計の老舗ゼニスの大ピンチに一人の傑物が立ち上がります。技術者のシャルル・ベルモ(Charles Vermot)氏です。ベルモ氏はシカゴの親会社へ手紙を送り、未来を予見するかのような名言を残します。
『私は進歩には反対しないが、世の中の様子を見ていていつも過去に戻っていきます。
自動巻き機械式クロノグラフに背を向けるのは間違っている。
私はいつかオシャレな世界になった時、この会社の利益になることを信じています』
(※ゼニス公式HPのシャルル・ベルモ動画より。)
エルプリメロの歴史を知っている方やエルプリメロを愛している方なら、誰もが心を打たれる内容ですね……読んでいてジーンときます。
しかし、親会社からの“返答という名の命令”は、あまりにも残酷な「工具・機械・部品の廃棄または売却処分」が通達されます……1975年には、機械式時計の製造は全面終了してしまい、エルプリメロを含む全てのムーブメントも処分されるのです。
それでもベルモ氏は諦めず、天命に近い人生をかけた決断を下します。「伝説の屋根裏部屋」とも賞賛される工房内の見つかりにくい場所に、なんと!数ヶ月間会社の命令にも従わず、エルプリメロの製造に必要な機材(合計重さ1トンの金型を解体して隠す徹底ぶり!)と150の部品をコツコツと隠し始めるのです。
しかも、元通りに組み立てられるように、製造工程を事細かにファイリング(重要な部品には全てラベルも貼っています!)し、厳重に保管する「大切なおまけ」付きでした。
その後、ベルモ氏が人生をかけて守り続けた宝物は、ゼニス社自体を救う救世主へと変貌を遂げます。1982年、ロレックスが「エルプリメロを搭載したい!」と言い出すのです。エルプリメロの秘密を守り続けるベルモ氏からすれば、渡りに船な申し出ですね!ゼニスは約700万スイスフラン相当の契約に成功。その立役者となったのが、エルプリメロであり、その命を守り続けたベルモ氏です。
ベルモ氏は約10年守り続けたエルプリメロの設計図や機材、部品や資料をゼニスへ返却。1984年には、エルプリメロの製作が再開されます。エルプリメロが10年近い眠りから目覚めた年は、「クォーツ時計の反逆者がクロノグラフの英雄&ゼニスの救世主」となった記念すべき年です。
『またみんなで幸せを見つけることができ、道具を使い再出発する可能性があるなら、私は嬉しい。(中略)あの頃は幸せでした、幸せでした』
(※ゼニス公式HPのシャルル・ベルモ動画より抜粋)
動画で実際に見ると、ベルモ氏の表情も合わさり、ますますエルプリメロが好きになってしまいますね!腕時計好きなら一度は見ておくべき、感動的な動画です!脱線しますが、ハリウッドで是非、エルプリメロのエピソードを映画化して欲しいですね!!
エルプリメロの製作が始まった1984年頃は、時計業界全体が機械式時計の復興に動き始めた時期です。他社でも同様に、機械式時計の製作技術が失われていたこともあり、エルプリメロの復活は待ち臨んだものでした。
前述のロレックスのデイトナ「Ref.16520」やライバル社、タグ・ホイヤーのモンツァ キャリバー36「CR5110.FC6175」にも搭載されているほどです。世界初の自動巻きクロノグラフを競い合ったタグ・ホイヤーにも、最大の難敵だったはずのエルプリメロが載っているのですから、ビックリな事実ですよね!?
苦難を乗り越えたゼニスは、2000年にLVMHグループの一員となり、機械式時計ブランドの基盤を盤石のものにします。2004年のエルプリメロ搭載のトゥールビヨン機構、「デファイラボ」のチャレンジなど、ゼニスらしい機械式時計への真摯な取り組みは、数々のピンチとチャンスでも変わることなく、ひたむきに続いています。
そして、ゼニスの物語の主役とも言える存在が、エルプリメロです。腕時計自体の価値が高まりアンティークウォッチとして成熟するケースは珍しくありませんが、ムーブメントそのものが50年以上経過した現在も伝説的なステータスを保持するケースは極めて稀です。
事実は小説より奇なり、とは言いますが、クォーツショックの悲劇でさえ、まるで映画のワンシーンのように、エルプリメロの価値を高めているようで面白いですね!「名は体を表す」の言葉通り、ゼニス(スペイン語で天空の頂点)のエルプリメロ(ナンバーワンの意味)は、誰もが認める一番星として、高級腕時計の頂点で、これからも一層輝き続けることでしょう。
抜群の知名度を誇るエルプリメロ。成功の要因の一つとして、「ネーミングセンスの素晴らしさ」が挙げられます。ETA「7750」やブライトリングの「Cal.01」、ロレックスの「Cal.4130」やオメガの「Cal.861」、レマニアの「Cal.321」。エルプリメロに肉薄する名作ムーブメントは多数存在しますが、そのほとんどは数字やアルファベットの羅列です。
一方、エルプリメロは“数字やアルファベットではない固有の名前”が付いています。人間も名前が性格形成へ影響を与えていると長年研究されていますが、エルプリメロもまるで生き物のように、魅力と価値が年々育っているのだから不思議です!
エルプリメロはドラマティックな歴史にもめげずに、その名の通り、高級ムーブメントのナンバーワンになって、ゼニスの代名詞となっています。物語の主役の名前が、エルプリメロと秀逸だったから、人は強く惹かれるのかもしれません。
きら星のように輝く多数の高級腕時計の歴史において、資産価値の面で高騰を続け、まばゆい光を放つデイトナ「Ref.16520」のエピソードは、エルプリメロを語る上で外せないでしょう!
三大発明とも呼ばれるオイスターケース(防水時計)やパーペチュアル(自動巻き機構)、デイトジャスト(日付窓)などの世界初を成し遂げたロレックス。世界屈指の技術力を誇るロレックスでも、自動巻きクロノグラフの実用化は難しく、1980年代当時はデイトナの売り上げも芳しくなかったのもあり、首脳陣はデイトナの軌道修正に頭を悩めていました。
白羽の矢が立ったのが、今回の物語の主人公エルプリメロです。1988年のロレックス デイトナ「Ref.16520」をリリースする際に、自社製ムーブメントではなく、他社のエルプリメロを選んだのです。ロレックスは、「石橋を叩いて渡る」お手本のような企業です。常に、完璧な品質と実用性を購入者に提供する信念からブレず、ゼニス同様マニュファクチュールブランドとして名を馳せていました。ロレックスが当時、「他社製ムーブメント」という唯一を許した “例外”(※クロノグラフ以外のムーブメントは自社製)は、エルプリメロだけなのです。
デイトナに搭載された「Cal.4030」は、エルプリメロ「Cal.400」をベースに、独自の改良を加えたのも人気の秘訣でしょう。耐久性を向上させるために、あえて毎時28,800振動にビート数を抑え、フリースプラングの採用やテンプの大型化などのチューンナップによって、耐久性や実用性の向上を図りました。Cal.400と Cal.4030の違いについては、記事後半でご紹介するのでお楽しみに!
ロレックスのエルプリメロ搭載モデルは、ゼニスがLVMHグループとなる2000年まで継続します。あのロレックスが、約13年間も採用し続けてきた事実こそ、エルプリメロの完成度の高さを物語っていると結論付けられます。
スポーティーなベゼルと魅惑的な横三つ目……ゼニス・ロレックスどちらも美的デザインを巧みに、完成されたルックス表現しています。「ブランドの基盤&イメージ戦略」作りに、一役も二役も買った象徴的デザインでしょう!
目を瞑り、デイトナやエルプリメロ(A386)をイメージした際に、あの横3つ目のサブダイヤルがパッと思い浮かぶのは、後世の視点で見ても偉業として讃えられる実績です!!!
デイトナとエルプリメロを語る際、オリジナル「A386」のトリコロールカラー、デイトナRef.16520のパンダダイヤルなどの特徴的なルックスの素晴らしさを思い浮かべる方も多いでしょう。
2021年に放送開始50周年を迎えた国民的人気アニメのルパン三世。part1の第一話から頼れる相棒、次元大介の手首にはエルプリメロ搭載のクロノマスターTHE 1969「Ref.A384」が光り輝いていました。
そして、ご存じの方も多いように、50年の時を経てルパン三世三部作+αが、スペシャルエディションとして発売されています。ゼニス エル・プリメロ A384 リバイバル LUPIN THE THIRD EDITION 「03.L384.400/27.C815」ゼニス クロノマスター リバイバル ルパン三世-セカンドエディション 「03.L384.400/07.M384」ゼニス クロノマスター リバイバル ルパン三世 50th Anniversary Edition 「95.L384-2.400/27.M384」ゼニス クロノマスター リバイバル ルパン三世 - ファイナルエディション 「95.L384.400/50.M384 」の詳細は、関連記事をご覧ください。
付属品も豪華なのが魅力です。大きな冊子には、ゼニスの成り立ちやアニメ化までのストーリー、エルプリメロが作中に登場したシーンなども記載されており、ファンなら納得のボリュームとコンテンツバランスです!
早撃ちの名手&一撃必中の射撃で仲間達を救う次元大介。ハイビート&高性能クロノグラフ搭載のエルプリメロが、“渋くて粋な男”の次元大介に、実によく似合いますね!
作中で「ENIT」のブランド腕時計(※zenithの「Z」と「H」を黒塗り)を着用している次元大介。ちなみに、ロレックスのサブマリーナやオメガのスピードマスター マークIIIなども愛用しています。あれだけ、大泥棒として大成功しているのですから、お金の問題は心配ないでしょうし……羨ましい素敵な趣味ですね!!
幻の「ENIT」バージョン(限定1本)も2020年11月のフィリップス オークションに出品されています。律儀にブランド名を(Z)ENIT(H)に変更、AutomaticをAutomnticにする遊び心もウケて、189,000スイスフランで落札されています。モンキー・パンチ先生も納得のクオリティーのユニークウォッチですね!?
ルパン三世part1の第一話、約10分40秒頃に次元大介の「ENIT」腕時計を確認できるので、気になるエルプリメロ&ルパンファンは要チェックです!
様々な歴史とドラマ性を持つエルプリメロ。話題性だけでなく、高品質・高性能とスペック面も優れているからこそ、世界中の時計愛好家を魅了してやまないのでしょう。世界初のハイビート自動クロノグラフムーブメントを半世紀以上もかけて丁寧に改良し続けた、最高峰の名機と呼ばれる所以は、4つのポイントが挙げられます。
時計好きからも選ばれ、愛され続けるエルプリメロ。順を追って、性能と魅力をご説明します。
エルプリメロのアイデンティティーとも言える36,000振動/時(10振動)のハイビート仕様。更に、0.1秒単位のクロノグラフ計測&日付表示&約50時間のパワーリザーブは、1969年時点ではオーバースペックとも言える高性能・高精度です。
そもそも、36,000振動のハイビートクロノグラフは、歴史的に見てもモデル数自体が少ないため貴重です。エルプリメロは、50年以上も先駆者として、ハイビートクロノグラフをけん引してきただけでなく、現在もクロノグラフの第一線に立ち続けられる……腕時計業界のレジェンドプレーヤーなのです。適切な例えかはわかりませんが、メジャーリーグで数々の世界記録を達成したメジャーリーガーのイチロー選手や大谷翔平選手が、50年経ってもまだスタメンに名を連ねていたら……想像するだけでワクワクしませんか!?そんな腕時計界のレジェンドが、エルプリメロなのです。
クォーツ式と比べた際の機械式時計の弱点である「精度の悪さ」に、真っ向勝負を挑む圧巻の36,000振動は、現在のハイビートを武器にしている時計でも28,800振動/時(8振動)が主流を占めている状況だからこそ、その輝きと価値が増しているように思えます。
エルプリメロの凄いところは、高振動の弱点である「パーツ摩耗やオイル切れの早さ」を特殊な潤滑油を採用することで、耐久性の問題もクリアしている点です。その結果、ハイビート特有の歯車が摩耗しやすい問題も克服しており、時計評論家も納得する「実用性の高さと信頼性」を獲得しているのです。
エルプリメロは時計部分とクロノグラフ部分が一体型構造となっており、他のクロノグラフムーブメントと比べても、際立った美しさを誇ります。ひと言で言えば、「キャリバーそのものが美しい」のです。
専門的な話になるので、かいつまんで説明しますが、エルプリメロは「キャリングアーム方式&一体型コラムホイール構造」という、動きも見た目も美しい伝統的なクロノグラフです。キャリングアーム方式のクロノグラフは、比較的高価なモデルが多い中、一体型コラムホイール&キャリングアームを新品定価で100万円前後、中古市場で30万円~50万円台から良品を購入できるのは、知る人ぞ知るセールスポイントです。
エルプリメロの製作には、平均9ヶ月の年月を必要とし、300人の熟練の時計職人達が、18種類もの金属を加工、2500あまりの生産工程を経て完成させています。
1865年創業当時から現在まで、スイスのル・ロックルの地で、ゼニスは開発から製造までの一貫生産ラインを基盤としたマニュファクチュールを貫き続けています。開発したムーブメントは600以上、特許数300個と2333の受賞記録を樹立しています。
『輝かしい伝統、そして大胆に発想するメゾンの精神を掲げ、我々はゼニスの未来だけではなく、スイスの時計産業の未来を作り出しているのです』
ジュリアン・トルナール氏(ゼニスCEO)
そして、誕生から半世紀を経た今もゼニスの高級腕時計の中心的存在として君臨し続ける、絶対王者がエルプリメロなのです。エルプリメロの更なる進化は、トルナール氏が述べるように、スイスの時計産業の未来自体も明るく照らすことでしょう!
ケースサイズ&厚みのバランスが取れた42mm。細身の男性にもマッチする38mmのケースサイズ…どちらも甲乙つけがたい、存在感のあるデザインバランスの良さもエルプリメロ搭載モデルの魅力です。
購入者の好みや体型も影響するので一概には言えませんが、簡単な特徴をご紹介します!
「伝統」も「革新」もゼニスの重要なコンセプトなので、購入する際はインスピレーションや主観を主体にして選ぶのがいいかもしれません。それだけ、どちらも傑出したクオリティーです!!さらに最近では、41mmや44mmなどのバリエーションも豊富になってきているので、自分の手首にジャストフィットするサイズ&モデルを選びやすくなってきているのもいいですね!
「生ける伝説」となりつつあるエルプリメロ。改良と進化はとどまることを知らず、2017年には1/100秒単位の計測を可能にした「エルプリメロ21」を生み出しています。しかも!パーツ数を減らしてスペックを向上させているのです!!
『これこそが成長です。時計業界では、パーツの数が増えるとクオリティがあがったと考えがちですが、本当にクオリティが高いのはシンプルなものなのです』
ブランパンの復活、ウブロの「ビッグバン」やタグ・ホイヤーの大変革でも敏腕を振るったジャン・クロード・ビバー氏(※2017年当時はゼニスのCEO)のインタビューコメントです。冒頭の『これこそが成長』という言葉が本質を突いていて、心を打たれますね。
他にも、『エル・プリメロの新しいモデルは、ブランドの新時代を切り拓いていくでしょう』ともビバー氏は語っており、予言が現実になる日が今から待ち遠しいですね!!
更に進化した「エルプリメロ 3600」の凄さについては、また別の機会でご紹介致します!
日本テレビ系列水曜ドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」で、“イケモジャ”っぷりを披露した三浦翔平さん。
三浦翔平さんは、このドラマでエル プリメロ クロノマスター オープンを着けていたのをご存知でしょうか!?
ちなみに、テレビ朝日系列の金曜ナイトドラマ『あのときキスしておけば』でも、三浦翔平さんはゼニス クロノマスター 1969(※Ref.03.2040.4061/52.C700と思われます)を愛用。共演の松坂桃李さんが、ゼニス デファイ クラシック(※Ref.95.9000.670/78.R782と思われます)を着用しており、ゼニスファンならニヤリとしたくなるニクイ組み合わせですね!
他にも、海外大物俳優のショーン・コネリーさんや人気俳優の竹中直人さん、お茶の間の人気者みのもんたさんもエルプリメロを愛用しています。
完全無欠のキャリバーに思えるエルプリメロ。「エルプリメロ 弱点」という言葉が検索ワードランキング上位に入るように、幾つかの弱点も存在します。エルプリメロのデメリットや弱点のウソorホントについて、詳しく解説致します。
彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず…の言葉通り、優れたキャリバーのエルプリメロの弱点を知ることは、能力と価値を最大限に引き出すことにも繋がります。エルプリメロの短所にも迫ってみましょう!
ネットや口コミでもよく見かける「エルプリメロは故障しやすい」という評判。酷い評判だと、「ゼニスは毎年壊れる。ブレスが壊れたり針飛びしやすい。だから、買うのをやめた方がいい!」と店員に別のメーカーを勧められてしまうケースまで耳にします。ちょっと言いすぎな気がする、酷評に近いその噂は果たして本当でしょうか?
重要な結論を先に述べますが、エルプリメロは「壊れやすい」のではなく、「壊しやすい」時計なのです。
<エルプリメロを壊してしまう原因>
①:間違った操作方法で壊してしまう
②:正しい知識を持っていない時計技師がメンテナンスを行ってしまい、注油間違いの赤錆び・ヒゲorバネを壊してしまっている
などがエルプリメロを故障させてしまう、よくある要因です。
①の購入者の知識不足が原因で、エルプリメロを知らないうちに壊してしまうケースは、「エルプリメロ故障」のあるある!なので、ご注意ください。一般的な腕時計は「1段目がデイト調整、2段目が時間調整」なのに対し、エルプリメロは「1段目が時間調整、2段目がデイト調整」と操作の順番が逆になっています。腕時計に詳しい方でも、いつもの癖で誤った操作をしてしまう恐れもあります。「エルプリメロの正しい操作方法」は要注意なポイントです!
エルプリメロを初めて購入した方は、事前知識のあるなしは別として、操作方法をしっかり確認するのが大切です。他にも、巻き上げ不足&巻き上げ過ぎが原因のトラブル、磁気帯びやメンテナンス不足で、知らないうちに壊してしまっている可能性もあるので、一概にエルプリメロばかりを責められないのも現実です。
②も厄介な問題です。せっかく、メンテナンスやオーバーホールを修理店に頼んだのに、勉強不足が原因で時計技師に壊されてしまったケースです。メーカー発表の指示書では、組み立て方や注油箇所や方法がわかりづらく、注油方法や組み立て方法を間違えて(※注油自体をしない修理屋さんもいます)しまい、大事なパーツを赤錆び・破損させてしまう、「エルプリメロの修理」あるある!も存在します。
ゼニスはハイビートでも壊れにくいように、潤滑油のいらないシリコン製素材を採用し、堅牢性や耐久性を向上させています。口コミでは、「エルプリメロ 壊れやすい」というキーワードは目立ちやすいですが、耐久性や機能面は十分優秀ですので、長く愛用するためには、間違った知識やに惑わされず、正しい操作方法で扱うことが肝心です。
強いて、エルプリメロの弱点を述べるとするなら、オーバーホール(メンテナンス)の問題でしょう。ゼニス含めたLVMHグループの傾向として、並行輸入品をオーバーホール・時計修理した場合、「並行差別」と呼ばれるメンテナンス費用の違いが生じることが多いのです。
また、運よくお目当てのエルプリメロ搭載モデルを見つけられたものの、オーバーホールなどのメンテナンス問題を失念してしまい、前述の知識・経験不足な修理店に当たってしまった結果……エルプリメロが壊れてしまう恐れもあります。「エルプリメロ 後悔」の検索結果で見かけるようなケースでしょう。
特に中古品は、肝心かなめのエルプリメロ自体が長年整備されていない可能性も高く、ムーブメントが本来のスペックを発揮するためには、知識と経験が豊富な熟練時計技師の手助けが必須です。
エルプリメロCal.400をベースに、ロレックスが独自に改良を加えたCal.4030。エルプリメロ愛好家やデイトナのファンも気になる比較や違いをしてみましょう!
上記のようなチューンナップを施し、第4世代のデイトナ Ref.16520が誕生し、1988年から2000年までの約12年間製造されていました。テンプの大型化など、パーツの変更含め約50%近くロレックス仕様に変更していると言われています。精度を10振動から8振動にまで落としても、耐久性の向上を図った点。テンプ部分を大幅改良(②と③など)することで、更なる実用性の追求をしているのが、ロレックスらしい配慮とこだわりを感じられていいですね!
両者がどれだけ似ているかは置いておいて、事実をベースに一つの結論を述べますが
・エルプリメロはデイトナに搭載された結果、現在の「デイトナフィーバー」で人気に拍車がかかり、エルプリメロ伝説に箔が付いた。
・デイトナもエルプリメロを搭載したことで、デイトナ16520は「ロレックス市場最後の他社ムーブメント」という謳い文句が、デイトナ人気を後押しした。
ロレックス(デイトナ)、ゼニス(エルプリメロ)両者の関係で見れば、「エルプリメロとデイトナの絆」が、双方にとってwin-winの関係を築けた結果になり、何よりの状況でしょう!結果で見て、どちらもファンからすれば垂涎ものの、伝説の腕時計ですからね!!
エルプリメロは、最近のムーブメントと比べると設計が古いという特徴を持っています。前述の間違った操作方法の補足になりますが、自動巻きクロノグラフムーブメントのエルプリメロを愛でたいがために、過度な手巻きをしてしまい、ゼンマイを変形させてしまう修理トラブルも存在します。
エルプリメロは格式高い古典的なムーブメントなので、労わるように…エルプリメロの癖を理解し、丁重に接することが重要です!
事前に数々のデメリットを把握しておけば、存在価値・ステータス性・高品質・高性能……エルプリメロは時代を超えた伝説のキャリバーなのも再認識できるでしょう!
名機エルプリメロを搭載した本家ゼニスのコレクションから、ピアゾ厳選の有名モデルをご紹介します。中心となるのは、1994年登場のクロノマスターシリーズでしょう!派生機も多い特徴を持つエルプリメロですが、クロノマスターはCal.400系が多く、1969年から続くエルプリメロの系譜をたっぷり楽しめます。
また、クロノマスターは、トリコロールカラーやパンダダイヤルなど、デザイン面でも優れているため、売上ランキングのトップ10に名を連ねるゼニスの定番シリーズとして人気です。クロノマスタースポーツ、クロノマスターオリジナルを中心に、定番モデル・特別モデル・要注目モデルをゼニススターの五角形にちなんで、5モデルに絞ってご紹介致します!!
2021年に新しく仲間入りしたクロノマスター スポーツ。一部のSNSでは、「デイトナに似ている?いや、似ていない!」など、バズってしまうほど話題を集めました。更に、時計界のアカデミー賞「GPHG」で、クロノグラフ賞も受賞しており、名実ともに、「ゼニスの新・看板モデル」と言っても言ではないでしょう!
パーツ数を減らしながら、パワーリザーブ約60時間にパワーアップした「Cal.3600」搭載のRef.03.3100.3600/69.M3100。伝説のモデル「A386」をインスパイアしたアダルトな雰囲気の色彩は、大人の男にも響くスポーツウォッチとして大人気です。レギュラーモデルなのに、品薄状態が相次いでいる程です!
2022年新作のブティック限定モデル「Ref.03.3103.3600/69.M3100」も、3色カラーのベゼルが印象的な名作なので、人気に火が付きそうです。
いち早くクロノマスタースポーツの人気に着目し、限定オリジナルモデル「ヨシダスペシャルエディション」を手掛ける時計店のYOSHIDA(ヨシダ)。中古市場でも売り切れ続出の50本限定モデル、Ref.03.3102.3600/02.M3100は、デイトナ顔とゼニスのロゴの組み合わせで、コアなファンも骨抜きにしています。
2022年の新作、アイスブルーカラーの「Ref.03.3105.3600/52.M3100」を筆頭に、デイトナのアイスブルー「Ref.116506」に寄せてきていますし……前作の実績を考えても、今後人気が出そうですね!
歴史的なヴィンテージモデルの再現を得意とし、伝説の名作「A386」や「A384」のトリビュートモデルを数多く発表し続けるゼニス。2019年のA386リバイバルも3種類のゴールドモデルで人気を博しましたが、38mmが最も似合う1969年のオリジナルA386に忠実なRef.03.3200.3600/21.M3200は、伝説の生き写しに近い完成度を誇ります。
男性にも女性にもちょうどいい、38mmのケースサイズとオールドクラシックなルックスは、近年のユニセックスなデザインがウケやすい時流にもマッチしています。
古くから、レインボーウォッチを数多く生み出したゼニス。2022年新作のデファイ 21 クロマ「Ref.49.9010.9004/01.R947」やオンリーウォッチで48万スイスフランで落札された「デファイ 21 フェリペ・パントン」など、世界的流行色のレインボーカラーに定評があります。
かつて、ゼニスは1990年代に「レインボー」というシリーズを手掛けており、フライバック機能を搭載したレインボーフライバック(※フランス空軍の協力のもと製作)を1997年のバーゼルフェアで発表。「渋い」イメージが先行していたゼニスのイメージを払拭する個性的なカラーリングは、多くの時計雑誌でも賞賛されました。
2014年登場のストラトス フライバック レインボー「Ref.03.2061.405/21.M2060」は、復刻モデルとして、最近中古市場を賑わせている傾向があるので、要注目モデルとしてご紹介致します!!
「LVMHウォッチウィーク 2022」で、多数のデファイシリーズの新作を発表したゼニス。『私たちのチームは皆、この「デファイ スカイライン」の仕上がりを心から誇りに思っています』とジュリアン・トルナーレ氏(ゼニスCEO)が豪語するように、クロノマスターの盤石な地位を脅かすかもしれない、細部へのこだわりを随所に見せるデファイの新定番です!
1990年代~2000年代に他社のブランディングにも一役買ったエルプリメロ。多くのモデルが生産終了後も、高い人気をキープしており、資産価値のあるモデルとして根強く大活躍しています。
エルプリメロファン&時計愛好家なら必見、ゼニス以外の「有名ブランド+エルプリメロ搭載モデル」も合わせてご紹介します!!
エルプリメロ搭載モデルで一番有名な、デイトナ5桁リファレンスのRef.16520。いまだに、出逢いを求めて「デイトナマラソン」が繰り広げられています。資産価値&感動&話題性&苦労に見合う見返り…メリット面は枚挙にいとまがありませんからね!
1988年の発売からロングヒットを記録し続け、2000年の製造終了後も人気は衰えず、エルプリメロの名前を轟かせるのに一役買っています。
高級腕時計の新興勢力、ウブロ(1980年誕生)を急成長させた「ビッグバン」シリーズ。代表モデルのスピリットオブビッグバン搭載の「Cal.HUB4700」は、エルプリメロをベースにしており、通なウブロティスタ達も心酔させています。
限定100本の「Ref.641.JY.0190.RT」は、銅(Cu)と酸化アルミニウム(Al 2 O 3)を初めて融合させたイエローサファイアのインパクトもさることながら、シースルーバックからCal.HUB4700の美麗な動きも目が離せません。
1969年に火花を散らし合ったタグ・ホイヤーとゼニス。今では、同じLVMHグループの仲間となり、良きライバルと言ったところでしょう。エルプリメロ搭載の他社モデルをリーズナブルに購入したい方に、キャリバー36搭載(※エルプリメロCal.400ベース)のモンツァ(※イタリアのサーキットコースが由来)シリーズはいかがでしょうか?
Ref.CR5110.FC617は、タグ・ホイヤーの人気機種「カレラ」と「モナコ」の中間的なデザインが持ち味です。こちらもシースルーバックから、エルプリメロを覗けます!
現在では自社製ムーブメントを搭載するようになったパネライ。面白いトピックスとして、エルプリメロ搭載のルミノール クロノグラフは、裏ぶたをシースルーバック仕様にして、「エルプリメロを特別扱い」(※汎用ムーブメント搭載モデルの場合、シースルーにしていない)しています。
限定モデルではないのに、生産終了後も高い人気を保つRef.PAM00072。パネライのエルプリメロ搭載モデルは6つありますが、2000年~2003年製造のPAM00072は、一番人気です。チタン&ステンレススティールのブレスレットは、40mmのケースと一体感があって軽快な印象なのもいいですね!
ファッション界の重鎮、ブルガリ(BVLGARI)。高級腕時計の評価も高く、オシャレなビジネスマンに人気です。フラッグシップモデルの「ブルガリブルガリ」や「オクト」は、オーデマ・ピゲのロイヤルオーク、パテック・フィリップのノーチラスなどの名作を手掛けた天才デザイナー、ジェラルド・ジェンタ氏がデザインしています。
Ref.BB41BSPGDCHは、ピンクゴールドのベゼルに刻まれた「BVLGARI BVLGARI」のダブルロゴと、ブラックダイヤルのスッキリしたフォルムで、手首を優雅に演出します。エルプリメロをカスタマイズした「Cal.BVL328」を搭載しているため、ステータス性&ストーリー性も十分!!ステンレススティール製の「Ref.BB41SCH」もスーツによく合うクロノグラフモデルとして人気です。
その他、以下のエルプリメロ搭載モデルも人気です。
ロレックスにウブロ、タグ・ホイヤーにパネライ、ブルガリにルイ・ヴィトン……錚々たる顔ぶれが他社製のエルプリメロを搭載しているのですから、とんでもない事実ですよね!?
有名ファッションブランドのルイ・ヴィトン「タンブール クロノ LV277」を例に話を進めますが、パーツ数を表す「LV277」は、キャリバー名とモデル名にも冠されており、エルプリメロへのリスペクトを感じさせます。ファッションブランド好きの方なら同意してもらえると思いますが、オシャレ界の最先端を突き進むブルガリやルイ・ヴィトンが、人気機種の裏ぶたをわざわざシースルーバック仕様にして、エルプリメロを楽しめるように配慮しています……それだけ、エルプリメロは「オシャレでカッコいい」ムーブメントだったと認められていたのでしょう。
エルプリメロの逸話やエピソードを中心に、様々な角度で魅力や価値を分析した今回の記事はいかがだったでしょうか?クロノグラフの王者、伝説のクロノグラフなど、エルプリメロを褒め称える称号は多数ありますが、歴史・実績・性能・話題性……あらゆる面で、ドラマティックなエピソードと実績を残し続けているからこそ、エルプリメロは「生ける伝説」へとなり得たのでしょう。
そして何より、書けば書くほど、素晴らしい点ばかりが見つかるのが、エルプリメロの最大の素晴らしさなのかもしれません。生誕60年後も100年後も……未来永劫、ゼニスの一番星として、これからも光を強く放ち続けて欲しいですね!!
歴史的キャリバー、エルプリメロ搭載の名作モデル達。お客様からすれば、「エルプリメロ搭載なんだから高額買取になるだろう」とお思いでしょうが、バイヤー泣かせに近い「適切な買取が難しいブランドの一つ」なのが本音です。
関連記事でもお伝えしていますが、ゼニスの長い歴史が影響し、政治的理由で価格変動が何度も生じていたり、並行差別によって修理代金が高くなることがあったり、と、査定そのものが難しい傾向があります。
しかし、ピアゾの9社一括査定なら、ゼニスの買取に明るいノウハウのある買取店・バイヤーばかりなのでご安心ください。生産終了・現行モデル、市場にあまり出回っていないレアモデルでも、ご希望に近づける高価買取を目指します。