更新日:2024年06月07日
1986年に発売され、当時の若者達を熱狂させた「タグ・ホイヤー フォーミュラ1 シリーズ1」が、より鮮やかにカラフルに蘇りました。現在ニューヨークでもっとも勢いのあるブランド「KITH(キス)」とコラボ復刻するのですから、マニア垂涎の“40年ぶりの復活劇”でしょう。
ブランド初の「タグ・ホイヤー」の名を冠した「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、エレクトリックな色使いと現代にも通じるモダンなデザインで人気を博し、ヴィンテージウォッチ収集家達の“思い出の一本”としても有名です。KITHの創設者であるロニー・ファイグ氏は、初代「フォーミュラ1」を購入した時計コレクターとして知られ、今回の復刻コラボ全10種類は随所に愛やこだわりを感じさせます。
当記事では全10モデルの基本情報を中心に、中古二次市場の相場やネット上の人気や評判もご紹介します。「タグホイヤー×KITHのコラボウォッチ=約20万円」の価格設定は、高いか安いか?様々な側面から、検証していきましょう。
カレラやモナコ、フォーミュラ1など、モータースポーツに深い関わりを持つタグ・ホイヤー。『手の届くラグジュアリー』をコンセプトに掲げ、手頃な値段で本格的な高級スポーツウォッチを楽しめるのがブランドの魅力です。
2014年当時のCEOであるジャン=クロード・ビバー氏が定めた『(タグホイヤーの時計は)小売価格の2倍以上の付加価値があるべき』という哲学は、ブランドを象徴するキャッチコピーの一つとしても有名です。小気味よい“魔法の言葉”ですよね。
そんな哲学を持つタグ・ホイヤーが、『顧客には支払った物以上の価値を与えたい』というコンセプトを掲げるKITHとコラボするのは自然な流れかもしれません。両ブランド共、ユニークかつ革新的なアプローチを得意とし、常に最先端のトレンドアイテムを提供し続けることで、若者達のハートをガッチリ掴んでいるところがよく似ていますからね。
コラボ相手のKITHは、アメリカの『コンプレックス』誌では「Supreme(シュプリーム)に次ぐブランド」として紹介されており、話題のオリジナル商品(トップスやデニム)は即完売になるほど、熾烈な争奪戦が繰り広げられるそうです。
余談ですが、Supremeと言えば『Supreme 2018年秋冬コレクション』で、タグ・ホイヤーとのコラボストップウォッチが以前に発売されています。一方、KITHは2021年に「GM-6900」のカスタムモデルである「Kith for G-SHOCK GM-6900 Rainbow」を54,450円(税込)のお手頃価格で手掛けています。
満を持して邂逅を果たしたタグホイヤー×KITHコラボウォッチ、そのアバンギャルドな強みをまとめてみました。
≪タグホイヤー×KITHコラボウォッチのセールスポイント≫
現代的アップデートが施された中で、最大のウリは、タグ・ホイヤー初の「Kith」と「Heuer」を組み合わせた「Kith Heuer」ロゴを採用している点でしょう。6時位置にはKITHのモットー「Just Us」も印字されており、初代フォーミュラ1の「プラスチック製クリスタル⇒サファイアガラス」「プラスチック⇒ラバーストラップ」にチューンナップされています。
その他にも、初代フォーミュラ1と全く同じ金型を使用し、オリジナルモデルへのリスペクトが込められているのも本作の特徴です。多大な労力を費やしてサプライヤーを見つけ出したそうですよ。
その情熱はデザイン面にも惜しみなく注ぎ込まれており、ファンお馴染みのスリーポインテッドスターの形をした通称“ベンツ針”や12時位置のシールドロゴ&ベゼルにある三角形マークなど、初代フォーミュラ1を決定づけるデザインコードは忠実に再現されています!
ネット上では早くも、ロゴにちなんだ“キスホイヤー”というあだ名でも、ちらほら呼ばれつつあります。なかなかの語感の良さですね。
⇒「SNSの評判や口コミ、海外の評価」へ。
それでは全10モでルのキスホイヤーを本数が少ない順(※250本5種→350本2種→825本2種→1350本限定1種)にご紹介していきます。
全10ラインナップのうち、Kithショップ限定モデルは計7種類。「ラバーストラップ250本限定5種+SSブレスレット350本限定2種」という組み合わせで販売されます。
各ショップにちなんだカラーリングとなっており、250本と本数の少ないラバー仕様モデルは、東京はレッド、ハワイはトロピカル(※グリーン×イエロー×レッド)、ニューヨークはマットブラックなど、ポップで多種多彩なラインナップです。派手過ぎないビビッドカラーが、活力に満ち溢れていますね!
それでは、クリーム色の「キス マイアミ(WA126D.BT0008)」から、感想を交えてご紹介して参ります。
*注*当記事では、大文字の「KITH」、小文字の「Kith」表記が混在しておりますが、公式情報に基づき、「ブランド名=大文字のKITH」「ショップ名・商品名=小文字のKith Tokyo、タグ・ホイヤー フォーミュラ1 | Kith」で表記を統一しております。
ビーチのサンドカラーをモチーフにしたキス マイアミ(WA126D.BT0008)。ピンク文字盤とベージュに近いクリーム色のコンビネーションが、フェミニンな雰囲気を醸し出しています。
「キス トリーツ(KITH TREATS)」を彷彿とさせる、アイスクリームカラーが可愛らしいですね。
モデル | フォーミュラ1 | キス マイアミ
Formula 1 | Kith Miami |
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型番(Ref.) | WA126D.BT0008 |
ケースサイズ | 直径35mm、厚さ9.45mm |
ケース | ベージュ アーナイト |
ムーブメント | クォーツ |
防水性能 | 200m防水 |
生産本数 | 世界250本限定 (Kith Tokyoで販売) |
価格(税込) | 192,500 円(税込) |
※掲載内容は2024年06月調査時点のものです。
KITHの本拠地・ニューヨークからインスピレーションを得たキス ニューヨーク(WA126A.BT0005)。シックなオールブラックカラーを基調としつつ、ベゼルやインナーサークルに色彩豊かなグラデーションカラーを取り入れています。
「KITH The Palette」を連想させる、KITHらしい絶妙な色合いが見事ですね。クラシックスタイルでありながら、ちょいちょい攻めたデザインをしているところが、タグ・ホイヤー×KITHコラボっぽくてセンスの高さを窺わせます。
モデル | フォーミュラ1 | キス ニューヨーク
Formula 1 | Kith New York |
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型番(Ref.) | WA126A.BT0005 |
ケースサイズ | 直径35mm、厚さ9.45mm |
ケース | ステンレススティール(ブラックPVD加工) |
ムーブメント | クォーツ |
防水性能 | 200m防水 |
生産本数 | 世界250本限定 (Kith Tokyoで販売) |
価格(税込) | 192,500 円(税込) |
※掲載内容は2024年06月調査時点のものです。
日本の国旗をイメージした赤×白のキス トーキョー(WA126B.BT0006)。真っ白なダイヤルを包み込む情熱溢れるレッドカラー&ブラックベゼルの組み合わせで、レーシングスピリット溢れるデザインが持ち味でしょう。
日本人F1レーサー・片山右京が現役時代に愛用したアイルトン・セナモデル(CG1123-0)のような、視認性に優れた真っ白い文字盤がカッコいいですね!
キス ハワイのベゼル12時位置の「▼」マークが、赤×白で日本国旗風のカラーになっていて、こちらのキス トーキョーはそうなっていないのも面白いですね。
モデル | フォーミュラ1 | キス トーキョー
Formula 1 | Kith Tokyo |
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型番(Ref.) | WA126B.BT0006 |
ケースサイズ | 直径35mm、厚さ9.45mm |
ケース | レッド アーナイト |
ムーブメント | クォーツ |
防水性能 | 200m防水 |
生産本数 | 世界250本限定 (Kith Tokyoで販売) |
価格(税込) | 192,500 円(税込) |
※掲載内容は2024年06月調査時点のものです。
トロピカルなカラーリングのキス ハワイ(WA126E.BT0009)。赤色・黄・緑・青の塗り分けは、片山右京選手のF1マシン「ラルースLC92」のように、美しいレーシングカラーで注目を集めそうです。ベゼル12時位置の「▼」が、白×赤の日本国旗カラーになっていますね。
独創的なカラフルさは、往年のF1ファンも納得のアバンギャルド具合でしょう。40年の時を経てもなお斬新なデザインは、傾奇者のように絢爛豪華です。
モデル | フォーミュラ1 | キス ハワイ
Formula 1 | Kith Hawaii |
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型番(Ref.) | WA126E.BT0009 |
ケースサイズ | 直径35mm、厚さ9.45mm |
ケース | イエロー アーナイト |
ムーブメント | クォーツ |
防水性能 | 200m防水 |
生産本数 | 世界250本限定 (Kith Tokyoで販売) |
価格(税込) | 192,500 円(税込) |
※掲載内容は2024年06月調査時点のものです。
地元の有名なランドマーク「CNタワー」にちなんだカラーウェイのキス トロント(WA126C.BT0007)。黄×黒のカラーリングですので、“アレンパ”の掛け声で首位争いを続ける某・人気プロ野球球団を連想させるのもウリでしょうか。
ブランパンスウォッチのREF.SO35P100よりは、猛虎魂が弱めなデザインです。
モデル | フォーミュラ1 | キス トロント
Formula 1 | Kith Toronto |
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型番(Ref.) | WA126C.BT0007 |
ケースサイズ | 直径35mm、厚さ9.45mm |
ケース | ブラック アーナイト |
ムーブメント | クォーツ |
防水性能 | 200m防水 |
生産本数 | 世界250本限定 (Kith Tokyoで販売) |
価格(税込) | 192,500 円(税込) |
※掲載内容は2024年06月調査時点のものです。
350本限定バージョンはSS(ステンレススティール)製ブレスレット仕様、グリーンベゼルの「KITH PARIS」とブルーベゼルの「KITH LOS ANGELES」の2モデルです。
ベゼルの右上(※▼・5・10・15の数字)を赤色で目立たせており、初代フォーミュラ1のブルー(370.508)&グリーン(372.508)を彷彿とさせます。オリジナルモデルに忠実なルックスに、美しかったあの日々も蘇りそうですね。オリジナルモデルへの愛と尊敬が溢れていて、好感が持てます。
店内の緑の壁をヒントにしたグリーンベゼルのキス パリ(WA121N.BA0023)。初代フォーミュラ1のグリーン(※372.508や372.513)を想起させる、エッグシェルカラー風文字盤が何とも爽やかな顔立ちです。
インデックスが立体感のあるボタンのような形で、その点もオリジナルモデルに忠実だったりします。80~90年代のイケイケなデザインは、刺さる人には刺さりそう!?
モデル | フォーミュラ1 | キス パリ
Formula 1 | Kith Paris |
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型番(Ref.) | WA121N.BA0023 |
ケースサイズ | 直径35mm、厚さ9.45mm |
ケース | ステンレススティール |
ムーブメント | クォーツ |
防水性能 | 200m防水 |
生産本数 | 世界350本限定 (Kith Tokyoで販売) |
価格(税込) | 192,500 円(税込) |
※掲載内容は2024年06月調査時点のものです。
白文字盤とブルーベゼルが清々しいキス ロサンゼルス(WA121P.BA0023)。こちらも初代フォーミュラ1のブルー(※370.508や370.513)をイメージさせるデザインが、ヴィンテージ感たっぷりでハイセンスです。
割とあっさりした外観をしているので、文字盤6時位置の「Just Us」、ベゼル12時位置の「Kith and Kin」の刻印が、(他モデルよりも)輝いて見えますね!
モデル | フォーミュラ1 |キス ロサンゼルス
Formula 1 | Kith Los Angeles |
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型番(Ref.) | WA121P.BA0023 |
ケースサイズ | 直径35mm、厚さ9.45mm |
ケース | ステンレススティール |
ムーブメント | クォーツ |
防水性能 | 200m防水 |
生産本数 | 世界350本限定 (Kith Tokyoで販売) |
価格(税込) | 192,500 円(税込) |
※掲載内容は2024年06月調査時点のものです。
ブラックPVDケースに、抜けるようなブルーorグリーンで染め上げたタグ・ホイヤー限定販売の2モデル。色数が多いKith限定7モデルよりも、スタイリッシュな装いにまとまっているのが魅力でしょう。
個人的には、タグ・ホイヤーバージョンの方が、スポーツウォッチ要素強めでカッコよく感じたのですが、皆さまはどのカラーリングがお好きですか?
ブラックの文字盤&ケースに、グリーンのベゼル&ラバーストラップを組み合わせたタグ・ホイヤー グリーン(WA121L.BT0014)。派手さとシックさのバランスがちょうどいいですね。
レーシングに着想を得た、特徴的なノッチ入り回転ベゼルも濃いめのグリーンカラーと馴染んでいますね。シンプルにカッコいいです!
モデル | フォーミュラ1 | キス
Formula 1 | Kith |
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型番(Ref.) | WA121L.BT0014 |
ケースサイズ | 直径35mm、厚さ9.45mm |
ケース | ステンレススティール(ブラックPVD加工) |
ムーブメント | クォーツ |
防水性能 | 200m防水 |
生産本数 | 世界825本限定(一部のタグ・ホイヤー ブティックで販売) |
価格(税込) | 192,500 円(税込) |
※掲載内容は2024年06月調査時点のものです。
サンドブラスト仕上げのブラック PVDスチールケースに鮮やかなブルーのArnite® (アーナイト) 製ベゼルが目を引くタグ・ホイヤー ブルー(WA121J.BT0012)。初代フォーミュラ1のブルーやグリーンのテイストを現代的にアップグレードしています。
洗練されたクールな外観と派手過ぎないブルーの色加減は、絶妙な色彩感覚ですね。
モデル | フォーミュラ1 | キス
Formula 1 | Kith |
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型番(Ref.) | WA121J.BT0012 |
ケースサイズ | 直径35mm、厚さ9.45mm |
ケース | ステンレススティール(ブラックPVD加工) |
ムーブメント | クォーツ |
防水性能 | 200m防水 |
生産本数 | 世界825本限定(一部のタグ・ホイヤー ブティックで販売) |
価格(税込) | 192,500 円(税込) |
※掲載内容は2024年06月調査時点のものです。
おそらく一番人気であろう、エッグシェルカラー文字盤の1350本限定モデル、WA121F.BA0023。KITH創設者ロニー・ファイグ氏のファーストウォッチをヒントに、オリジナルのカラースキームを再解釈しています。
独特な艶を持つエッグシェルカラー文字盤は、約40年の時を超えた現代でも卓越したデザインセンスを誇ります。一番初代フォーミュラ1っぽい雰囲気をしているので、このエッグシェル(WA121F.BA0023)を主軸に据えつつ、ご自身の好きな色のモデルと比較検討するとよいでしょう。どれを買うか迷っている方はご参考にしてみてください。
モデル | フォーミュラ1 | キス エッグシェル
Formula 1 | Kith Egg Shell |
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型番(Ref.) | WA121F.BA0023 |
ケースサイズ | 直径35mm、厚さ9.45mm |
ケース | ステンレススティール |
ムーブメント | クォーツ |
防水性能 | 200m防水 |
生産本数 | 世界1,350本限定(Kith Tokyo、一部のタグ・ホイヤー ブティックで販売) |
価格(税込) | 192,500 円(税込) |
※掲載内容は2024年06月調査時点のものです。
高級腕時計らしからぬ (?)、ポップでカラフルなデザインのスポーツウォッチ、フォーミュラ1 キスホイヤー。様々な面でグレードアップして完全復刻されましたが、果たして買いか否か?
人気・相場・比較情報を元に、多角的に考察していきましょう。
国内SNSに寄せられた口コミと感想をまとめてみました。値段に関するネガティブな意見がちょっと多めですかね。
デザインへの感想は全体的に文句なしでしたが、約20万円の価格設定に対しては否定的な見解が目立ちました。確かに、1980~90年代のフォーミュラ1の価格帯を知っていると、(当時と物価が違うとは言え)値段設定への違和感が拭いきれないのかもしれません・・・
「プラスチック製の時計なら値段は100ドル未満でないと」
「1995年製のフォーミュラ1を愛用しているが、まさか復刻されるとは」
「付加機能のないクォーツ時計で1500ドルは非常識だ」
海外の意見も国内SNSと近しいコメントが多めです。オメガ×スウォッチの大ヒットコラボ企画「ムーンスウォッチ」に関連した感想も多数寄せられていました 。厳密にはプラスチックではないのですが、ポップなカラーリングがややもするとチープな印象を与えてしまうのでしょうね。
(国内外問わず)目の肥えた時計愛好家達には、Supremeとのコラボストップウォッチ、G-SHOCKコラボの時よりも、本作の企画自体があまりピンと来ていない、響いていないようにも見えたのが、少し引っ掛かるところではあります。
発売から約1ヶ月、二次流通市場にはちらほらと出品されている状況です。パッと見では、緑や赤の取引が多めですね。
期待値をこめたボリュームゾーンは40万円目安ですが、早くも定価とあまり変わらない20~25万円での落札も目立ち始めています。リセールバリュー的には、ここからが踏ん張りどころですので、もうひと伸びすることを願いましょう。
ピアゾ編集部としては、転売・投資目的での購入はあまりお勧めしません。クォーツ時計ですし、(ブランド的にも)あまり跳ねるコレクションではないため、皮算用は禁物です。本当にこの時計のデザインが気に入った方、KITHの熱心なコレクター以外は、軽はずみに手を出さないのがベターでしょうね。
魅力的なコラボ企画のキスホイヤーですが、約20万円の値段設定は購入のネックとなりそうです。コラボ相手のKITHがストリートブランドですし、そのファッションアイテムと考えると……アンダー10万円当たりが消費者目線としてはありがたいところではあります。
加えて、高級ブランドのコラボ時計、カラフル&ポップ、という要素は、どうしてもムーンスウォッチを思い起こさせてしまいます。
海外口コミでも比較対象として見かけたムーンスウォッチと、簡単に特徴を比較してみました。
ムーンスウォッチの二番煎じっぽいノリ(※カラフルさがウリのコラボウォッチ)は、「価格と完成度」がいかに釣り合っているか次第で、最終評価が大きく異なりそうです。
初代ムーンスウォッチが3~4万円弱、(マンネリが続き)相対的に高く感じたムーンスウォッチムーンシャインゴールドが45000円前後、自動巻きモデルとなったブランパンスウォッチ でも約6万円。スヌーピーコラボウォッチ(※¥46,200、非限定モデル)を2本購入してもまだ10万円のお釣りが来る、という価格設定は、値段だけで考えるとかなり高めです。
20万円の予算は、スウォッチコラボシリーズを満遍なく1本ずつ買うのと、ほぼ同額ですからね。
しかし、その価格は素材の変更・進化にもよるので、実際に手に取ってみると“月とすっぽん”の差が生じている可能性もあります。
キスホイヤーは初代フォーミュラ1のプラスチック製ストラップを、より堅牢なラバーストラップへ改善。加工にも優れた高性能プラスチック素材「アーナイト®」を使用し、サファイアガラスも採用しているため、素材の面でもかなりのこだわりを感じさせます。
ムーンスウォッチはケース素材がBioceramic、軽量な分、オモチャっぽいチープさが残る以外にも、バイオ由来素材のガラスやマジックテープ式の「Velcro©ストラップ(※不織製ポリエステル、ナイロンぽい素材)」など、値段相応の質感です。
レンダリング画像では大きな差があるように見えなくても、実際に手に取れば「高級腕時計」としての完成度は比べるまでもない、のかもしれません。クオリティーに関しては、20万円の価格に相応しいものか否か、実機レビューでいつの日か、詳細をお届けしたいですね。
キスホイヤーについて結論をまとめると、ムーンスウォッチと違い、既存のフォーミュラ1コレクション(※25~30万円前後が中心)から“逃げずに”リリースしているのは、「(もう一声欲しかったものの)十分面白い」と言ったところでしょう。
クラシックデザインの復刻コラボモデルが既存のコレクション扱いで、現行モデルより5万円~10万円近く安い、という事実は、相対的に見るとお買い得感が満載ですからね。
限定本数も少ない分、きっちり売り切れてもいますし、企画としてはこれで良かったのかもしれません。
物価高やコスト高が重なる状況下で、かつての伝説的モデルが“この出来でこの値段”というのは、
タグ・ホイヤーが唱える『手の届くラグジュアリー』からブレておらず好印象です。
KITHの哲学でもある『顧客には支払った物以上の価値を与えたい』の趣旨にも沿っていますし、腕時計愛好家の方達が今後キスホイヤーに対してどのような評価を下していくのか……ピアゾ編集部としても、そのご意見・ご感想が楽しみなところです。
若者に人気なストリートブランド「KITH」とコラボし、手の届くラグジュアリーからブレずに、アバンギャルドなスポーツウォッチをしっかり作り上げたキスホイヤー。かつて80~90年代に販売されていた、レトロポップなフォーミュラ1に比べると、随分お値段が手の届きにくいものになってしまいましたが、それでも色褪せぬカッコ良さでしたね。
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