更新日:2026年06月21日
百貨店限定のグランドセイコーは、毎回発表のたびに大きな話題を呼びます。2026年10月8日、大丸の各店舗(札幌・東京・京都・心斎橋・神戸)で発売されるのが、ヘリテージコレクションの大丸限定モデル「SBGA523」です。今回は公式情報をベースに、本作の魅力を深掘りしていきます。
本作のテーマは、大丸のシンボルマークである「孔雀の羽根」。大丸の象徴である孔雀の羽根を、飛躍と発展の思いを込めた右上がりのパターンで鮮やかにダイヤルへ描き出しています。ダイヤルカラーは、大丸のキーカラーを基調としながら、孔雀の透き通った羽根を思わせる鮮やかなライトブルーで表現されました。
ケースには、グランドセイコーの礎を築いた「44GS」のデザイン文法を現代的に解釈したヘリテージコレクションのフォーマットを採用。直線と平面を主体にしたケースに、匠の高度なザラツ研磨によって歪みのない鏡面に仕上げられた多面体が、あらゆる方向から光を取り込みます。
| モデル名 | グランドセイコー ヘリテージコレクション 大丸限定モデル |
|---|---|
| 型番(Ref.) | SBGA523 |
| ケース素材 | ステンレススチール |
| ケースサイズ | 縦46.2mm × 横40.0mm × 厚さ12.5mm |
| ムーブメント | Cal.9R65(スプリングドライブ) |
| 駆動方式 | 自動巻き(手巻き付き) |
| パワーリザーブ | 最大巻上時 約72時間 |
| 防水性 | 10気圧(日常生活用強化防水) |
| 精度 | 平均月差±15秒(日差±1秒相当) |
| 限定本数 | 200本 |
| 取扱店舗 | 心斎橋店、京都店、神戸店、東京店、札幌店 |
| 発売時期 | 2026年10月8日(木)予定 |
| 日本定価(税込) | ¥825,000 |
大丸限定のグランドセイコーは、実は今回が初めてではありません。前作は、大丸創業300周年を記念して、2017年に限定200本のアニバーサリーモデル(SBGA365)として発売されました。こちらもCal.9R65を搭載したモデルで、つややかな深みのあるグリーンダイヤルに、孔雀をイメージした放射状のパターンが与えられ、8時位置のパワーリザーブインジケーターには孔雀が羽を大きく広げたときの様子をイメージした模様があしらわれた一本でした。
グランドセイコー スプリングドライブ 大丸創業300周年 SBGA365
対して今作SBGA523は、右上がりのストライプパターンをシンボルである孔雀の羽根としてコンセプチュアルに表し、ダイヤルカラーも大丸のキーカラーをベースに孔雀の透き通った羽根のような鮮やかさをイメージしたものになっています。同じ「孔雀」をテーマとしながらも、グリーンの具象的な羽根模様だった前作に対し、今作はライトブルーを用いた抽象的・コンセプチュアルな表現へと大きく舵を切った格好です。
ここで筆者個人としては少し気になる点もあります。グランドセイコーで「孔雀」というと、コレクター人気の高い"Peacock Green"ことSBGJ227のグリーンや、US限定のSBGJ261が見せる深く濃いブルーのイメージが強いのが正直なところ。そのため、孔雀モチーフでライトブルーという選択には、一瞬「あれ?」という違和感も覚えました。とはいえ、グランドセイコーにとってブルーは定番中の定番カラー。あえて王道のブルーをそのまま使うのではなく、孔雀の羽根が見せる透明感のある「ライトブルー」という独自の色域に振ったことは、既存モデルとの差別化という観点では理にかなった選択とも言えそうです。
グリーンカラーが鮮やかで美しい大丸創業300周年記念限定モデル SBGA365をくまなく実機レビューします。
2017年に海外限定で発売されたグランドセイコーモデル「メカニカルハイビート36000 GMT リミテッド エディション SBGJ227 "ピーコック"」をご紹介します。
鮮やかなブルーのピーコックのUSリミテッドエディションをご紹介します。
SBGA523最大の見どころは、なんといっても飛躍と発展の思いを込めたという右上がりのストライプパターンのダイヤルです。この専用ダイヤルが見せる表情は、前作の大丸限定モデルとも、既存のヘリテージコレクションのどのバリエーションとも異なるものです。
特筆すべきは、光の加減でダイヤルに施されたストライプパターンがはっきりと現れる瞬間もあれば、サンレイ装飾のほうが強く浮かび上がる瞬間もあり、ひとつのダイヤルでありながら異なる表情を見せる点。それはまるで孔雀の羽が閉じているときと開いているときで、印象が大きく変わる様子にも近く、見る角度によって全く違う顔を見せる、きわめてユニークな仕上がりとなっています。
ケースは、ブランドのデザイン規範「グランドセイコースタイル」を確立した1967年の44GSを現代的に解釈したもの。海外でも人気の高いスプリングドライブ「Cal.9R65」を搭載しており、いわばグランドセイコーというブランドのアイデンティティが詰まった組み合わせと言えます。正確で見やすく、美しく、長く使える腕時計というグランドセイコーの本質を最も素直に表現するヘリテージコレクションの中でも、本作は特に王道を行く一本です。
Cal.9R65搭載。中央に獅子のロゴ。
ケースサイズは横40.0mm×縦46.2mmと、ほどよい存在感を放ちながらも主張しすぎないバランスの良いサイズ感。ぜんまいを動力源としながら、ICと水晶振動子によって揺るぎない高精度を実現するスプリングドライブならではの「スイープ運針」が、移ろいゆく時の本質を美しく体現します。ダイヤルの表情の変化と相まって、時間の流れをより印象的に感じさせてくれる一本です。
税込825,000円という価格設定も大きな魅力です。グランドセイコーの限定モデルは100万円を超えてくると一気にハードルが上がる印象がありますが、本作は80万円台に収まっており、初めての一本としても、コレクションへの追加としても手を伸ばしやすい価格帯と言えるでしょう。
参考までに、本作とベースを同じくする通常ラインのヘリテージコレクション「SBGA375」(同じくCal.9R65搭載)の価格は737,000円(税込)。大丸限定の専用ダイヤルや希少性というプレミアムを考慮すれば、SBGA523の825,000円という価格は十分に納得感のある設定と言えそうです。スプリングドライブ搭載、44GSデザイン、専用ダイヤルという内容を考えれば、コストパフォーマンスは非常に高い一本です。
限定本数は200本。百貨店限定モデルとしては比較的多めの本数ではありますが、過去にプレミア化した実績のあるモデルを振り返ると、決して安心はできません。例えば銀座限定のSBGH297は260本限定、横浜高島屋限定のSBGE303に至っては50本限定で、いずれも発売後すぐに市場で評価を高めました。今回のSBGA523も、デザイン・スペック・価格のバランスが極めて優れているだけに、同様の即完売、そしてその後のプレミア化が十分に予想されます。気になる方は、早めの予約・問い合わせをおすすめします。
SBGA523は、大丸の象徴である孔雀をモチーフにしながら、前作SBGA365とは全く異なるアプローチでそのテーマを表現した意欲作です。光の角度によって表情を変える専用ダイヤル、ブランドのアイデンティティとも言える44GS×スプリングドライブの組み合わせ、そして80万円台という手の届きやすい価格設定。どれを取っても完成度が高く、200本という限定数を考えれば争奪戦は必至でしょう。大丸各店での発売を、ぜひ早めにチェックしてみてください。
| 項目 | SBGA523(本作) | SBGA375(参考:通常ライン) |
|---|---|---|
| 発売年 | 2026年 | 2018年 |
| ケース素材 | ステンレススチール | ステンレススチール |
| ケースサイズ | 横 40.0mm 縦 46.2mm 厚さ 12.5mm | 横 40.0mm 縦 46.2mm 厚さ 12.5mm |
| ムーブメント | Cal.9R65(スプリングドライブ) | Cal.9R65(スプリングドライブ) |
| パワーリザーブ | 約72時間 | 約72時間 |
| 限定本数 | 200本(大丸限定) | 通常ライン |
| 日本定価(税込) | ¥825,000 | ¥737,000 |
参考:本記事は大丸心斎橋店公式サイトの情報をもとに作成しました。
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