更新日:2023年02月21日

【ダサい?何が凄い!?】オメガの2023年新作スピードマスター スーパーレーシング 329.30.44.51.01.003

2023年オメガ新作スピードマスター スーパーレーシングRef.329.30.44.51.01.003の概要

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ユーザーファーストな価格帯で、技術革新を追求するオメガ(OMEGA)より、2023年1発目の新作からかっ飛ばした、とんでもない新作「スピードマスター スーパーレーシング 329.30.44.51.01.003」がリリースされました!!オメガ最新の“スピマス”に搭載された「スピレート™システム」は、独自の技術構造をしており、日差0~+2秒の精度を実現。2013年発売の「シーマスター アクアテラ 15,000 ガウス」のイエローカラーをモチーフに、ブラック×イエローの警戒色とハニカム構造(ハチの巣)の文字盤で、“攻めに攻めた新作”を発表したのです!

他のキャリバーにも、段階的導入をされていくと伝えられているスピレート™システム。髪の毛よりも細いわずか2.5mg以下のサイズに、大きな“機械式時計の未来”が秘められている、謎のパーツひげゼンマイ。今回は、「スピレート™システムと新しい耐磁性ひげゼンマイ」の凄さ、オメガ新工房&ニヴァロックス・ファー社の開発力の高さ、有名ブランドの「独自ひげゼンマイと精度」、シーマスター アクアテラ 15,000ガウスと新作の比較、スピードマスター注目モデルのリセールバリューもご紹介!ミツバチの巣のように、隙間なくスピードマスター スーパーレーシング 329.30.44.51.01.003 の見どころをご説明致します。

「スピードマスター スーパーレーシングの何が凄いのでしょうか?」興味のある方は必見です!!

スピードマスター スーパーレーシングはひげゼンマイの剛性を改良したスピレート™システムが最大のセールスポイント

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業界でも話題沸騰中のスピードマスター スーパーレーシング 329.30.44.51.01.003。機械式時計の精度は「日差(※1日に生じる進みと遅れ)-10~+20秒」のズレは正常値とされる中、“常識破り”の「日差0~+2秒の精度」を公言しています。かつて、1936年に精度試験(※キュー天文台)で「100点中97.8点の世界記録」を達成したオメガの歴史と実力は伊達じゃありません。新作の要点をまとめてみました。

≪スピードマスター スーパーレーシング Ref.329.30.44.51.01.003のポイント≫
  • 機械式腕時計の精度革命!?スピレート™システムと特殊ひげゼンマイ
  • スピレート™システム搭載の新ムーブメントCal.9920
  • レジェンドモデル「1965 メカニカルダイバーズ」をアップグレード
  • ハニカム構造のブラック×イエローデザイン
  • 妥当?高い!150万円という価格

スーパーレーシングの名の通り、シグナルイエローとレーシングブラックを大胆にデザインした尖った存在感の新作ですね。

スピレート™システムとは、新しいシリコン製ひげゼンマイのヤング率変化を減らし、日差±0.1秒の緩急調整を可能とした

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新作の“目玉”スピレートシステム。日差±0.1秒の微調整を可能としており、0~+2秒の高精度は圧巻の一言に尽きます。発表されたばかりで、詳細はブラックボックスに包まれているので、可能な限り“事実ベース”でその凄さに迫りたいと思います。

2023年発表当初で判明している事実の中でスピレートシステムのカギを握っていると思しきポイントは以下の通り。

  • 精度を高めるために、新たな耐磁性ひげゼンマイを開発し搭載した
  • 新しいひげゼンマイ(特許出願中)のお陰で、日差±0.1秒相当の細かな速度調整が可能
  • 独自の調整機能は、ひげゼンマイの「剛性」を調整する仕組み

元々、1999年のコーアクシャル脱進機、2013年の15,000ガウス耐磁性能付きの同機能を発表しているオメガ。ウォッチグループの技術力を結集させたオメガの自社製ムーブメントは、「精度・安定性・信頼性」の三本柱が揃った優れものです。

今回、日差0~+2秒の精度認定を達成するために、オメガはテンプ自体を作り替えたと言われています。まずはスピレートシステムのカギを握る「新しい耐磁性ひげゼンマイ」について、掘り下げてご説明致します!!

ピアゾの腕時計豆知識 
<ひげゼンマイの「剛性」とは?>

ヤング率や曲げ剛性とも呼ばれる素材の特性。輪ゴムのような伸びやすく柔らかい素材は「ヤング率が小さい」。コンクリートのように固く変形しにくい素材は「ヤング率が大きい」。 機械式腕時計でヤング率が重要なパーツは。ズバリ、ひげゼンマイです。温度の変化によって素材の伸び縮みが起きてしまい、ヤング率が変化してしまう弱点を持ちます。
温度変化に弱いひげゼンマイの場合、気温が1℃変化するたびに、1日あたり約10~11秒のズレが生じてしまうという研究論文もあるほどです。

新作スーパーレーシングのひげゼンマイは、オメガ開発部門の副社長であるグレゴリー・キスリング氏によると「10年前から計画を始めて、DRIE (ディープ リアクティブ イオン エッチング) プロセスのお陰で、ひげゼンマイの適切な形状に成功した」という話もあり、開発過程の詳細な公式発表はまだありませんが。シリコン素材の「反応性イオンエッチング技術」に秘密がありそうです。スピレート™の語源が、シリコンスパイラル(Spiral)とレート(Rate)を組み合わせた造語なので、所有者の生活リズム(姿勢差&温度変化誤差)にマッチした、“ひげゼンマイの硬さのクセを一定に固定(※シリコンスパイラルのレートを一定に)”する仕組みなのだと推察できます。

従来のフリースプラングテンプの10倍の効率とも言われるスピレート™システム。精度の“理想値”をどこまでキープできるのか。要注目ですね!

オメガの凄さの一つは、スウォッチグループ傘下のニヴァロックス・ファー社が製造する最高峰のひげゼンマイを使用できる点

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世界最大級の時計製造グループ「スウォッチ」の中核を担うオメガ。人類初の月面着陸を支えた「スピードマスター ムーンウォッチ」や映画「007」のジェームズ・ボンドも愛用した「シーマスター」など、伝説的モデルを数多く排出しています。

オメガのDNAを読み解くと、“革新的なムーブメント開発”要素は欠かせません。当初「ルイ・ブラン&フィルズ社」だった後のオメガは、1894年に“オメガ”キャリバーを製作し、社名を変更。約100年後にも、コーアクシャル脱進機を開発し、“高精度&高性能”の地位を不動のものにしています。新作にも関連したオメガの強みをまとめると、以下の2つが重要です。

  1. スウォッチグループのサポート体制(※今作で言えば、ニヴァロックス・ファー社のひげゼンマイ開発の功績が大きい)
  2. 先駆者的オメガの発明力
【ピアゾの腕時計用語辞典】ひげゼンマイ

正確な時を刻む「テンプ(※振り子装置)」の動作を左右均等に調整するパーツ。ひげゼンマイにわずかな重さの偏りが起きると、精度に狂いが生じてしまう繊細な螺旋状の部品。

機械式腕時計のズレの原因に当たる「姿勢差・寒暖差・使用状況」の影響を受けやすいのが、ひげゼンマイというパーツなのです。理想論を言えば、「温度・磁気・衝撃・湿気」の影響を受けない(にくい)ひげゼンマイなら、精度の“理想値”をキープすることが可能です。

各有名ブランドが、しのぎを削るように“理想のひげゼンマイ”の開発競争を続ける中、願ってもない環境下にあるのが、オメガというブランドです。スイス時計業界のひげゼンマイ供給率90%の独占シェアを握っているニヴァロックス・ファー社はスウォッチグループ傘下にあり、その代表例です。社名にもある「ニヴァロックス(Nivarox)」は、ひげゼンマイの素材(※コバルト・ニッケル・クロミウムなどを加えたステンレス合金の一種)で、「温度変化」の弱点を解決した実績があります。

そして2002年には、時計の最大の弱点とも言える「磁気帯び」の特効薬として「シリコン製ひげゼンマイ」の特許を提出。シリコン製ひげゼンマイ「Si14」は、シーマスターやデ・ヴィルなどの人気モデルに搭載された後に、2013年の15,000ガウス耐磁性能付きコーアクシャル脱進機の発表へとグレードアップしていきます。“偉大な発明”だけにとどまらず、大量生産出来るまで工業力を高め続けてきたオメガ。ニヴァロックス・ファー社の恩恵は、計り知れません。

一部の高額モデルにのみ、メーカーの開発力をアピールするような“革新的な技術の粋”を注ぎ込んだ新作モデルは多数あれど、オメガのように、一般モデルにまで生産力を高めて、新しい“発明品”をリリースできる腕時計ブランドはそう多くありません。他の有名ブランドがコーアクシャル脱進機の採用を断念したのに対し、オメガが“コーアクシャル脱進機=発明”を量産化した歴史は特筆すべき点です。

関連して、開発責任者でもあるグレゴリー・キスリング氏の要約したコメントもご紹介致します。

「オメガのような一定の生産本数を保持するメーカーにとって、一番の課題は『工業化』です」 オメガの革新的な発展は、グループ企業のムーブメント専門会社(ETA社や旧レマニア、旧フレデリックピゲ)、ムーブメントパーツ会社(ニヴァロックス・ファー社)の超強力サポート体制を抜きに語ることはできませんね。
ピアゾの腕時計豆知識 
<ニヴァロックス・ファー社のひげゼンマイ供給制限>

髪の毛よりも細い3mm程度の大きさのひげゼンマイ。わずか2.5mgの小さな渦巻きパーツの完成度次第で、機械式腕時計の精度を大きく変えてしまう、言わば“心臓の脈”を司る部品です。衝撃的なニュースですが、シェアの90%以上を占めるニヴァロックス・ファー社は、「段階的に供給引き下げ」も発表しています。ニヴァロックス・ファー社の製品は、高い精度は勿論、耐磁性能にも優れたひげゼンマイを大量生産しており、同社の出し渋りが続いた場合、供給先の企業は“ムーブメント製造そのものを縮小しなければならない状況”に追い込まれてしまいます。由々しき事態ですね。
ライバル企業達は生き残りをかけて、「自社製か、他社との協力体制か」時計の精度と完成度を落とさないための模索が続いています。

海外ブランドならパテック・フィリップやロレックスや、A.ランゲ&ゾーネ。国産ブランドならセイコーやシチズンが自社製ひげゼンマイを開発し、メカニカルウォッチの精度を向上させている

引用元: www.rolex.com

ではその他の高級腕時計ブランドはどうしているのでしょうか?自社製ひげゼンマイを製造しているブランドをご紹介します。

≪各社の自社製ひげゼンマイ≫
  • パテック・フィリップ・・・スピロマックスひげゼンマイ
  • ロレックス・・・パラクロム製ヒゲゼンマイ
  • ゼニス・・・オシレーター(※デファイ インベンターに搭載。テンワ・ひげゼンマイ・緩急針を一体化)
  • A.ランゲ&ゾーネ・・・1930年にベリリウム添加合金の特許を取得し自社製の歴史が長い
  • セイコー・・・衝撃性能&耐磁性能に優れた「SPRON610」

他にも、シチズンやH.モーザー、ショパール(※フィリップカーブひげゼンマイの理想的な曲線を製作できる職人は世界で数名とごくわずか)やモンブラン(※時計職人が手作業で製造)もひげゼンマイで見れば、“一日の長”があるメーカーではないでしょうか!?
パテック・フィリップはシリコン素材をベースにしたスピロマックスひげゼンマイを用い、動的精度&姿勢差誤差を高めて(※パワーリザーブの短さが弱点)います。

ロレックスはブルーパラクロムひげゼンマイを独自開発。耐磁性能や衝撃性能以外にも温度変化に強いのが特徴です。

“我が道を行く”奇想天外な発想で、時計の心臓部にアプローチしているのがゼニス。約30個の部品(脱進機とテンプ、ひげゼンマイ」)を一枚のシリコンプレート製オシレーターとして開発。複雑怪奇なパーツ群の“単純化”に成功しています。

スイス製以外の筆頭と言えば、“メイドインジャーマニー”のA.ランゲ&ゾーネでしょう。0.001ミリ狂うだけで歩度が30分狂うひげゼンマイの製作を寸法公差0.0005ミリという、驚くべき精密性を武器にしています。国産ブランドのセイコーやシチズンも自社製ひげゼンマイを使用し、“マニュファクチュール力”の高さを見せていますね。

吹けば飛ぶような小さな小さなひげゼンマイ。そのわずかなパーツを巡って、各メーカーが生き残りをかけて、あの手この手で改良・改善を推し進めている腕時計業界。日常生活で気にもかけないパーツの一つですが、精度に密接な関係のある大切な部品なのです!興味のある方は、自身のこだわりを見つけて、“時計&メーカー選びの一手”にするのも面白いかもしれません。

コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー9920の概要

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驚異的な精度を誇るスピレート™システム搭載のオメガ「コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー9920」。スイス連邦計量・認定局(METAS)のテストに合格したマスタークロノメーター認定、コーアクシャル脱進機搭載。毎時28,800振動のハイビートと16,000ガウス(※JIS規格で2種耐磁時計相当)の耐磁性能。更に、日差±0.1秒の微調整を可能、と性能面で“至れり尽くせり”な代物です。ここでオメガの技術発展の歴史を深掘りしてみましょう。

オメガのムーブメント革新の略歴と逸話

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ゼニスのエルプリメロ、セイコーのスプリングドライブ。粒ぞろいの名作キャリバー達にとっても、オメガの「コーアクシャルムーブメント」は驚異的なライバルでしょう。一般的な機械式腕時計は、油切れが原因のパーツ摩耗に伴う3年~5年のオーバーホールの必要性があるのに対し、コーアクシャルムーブメントは倍の8年~10年という実用性を誇ります。更に、衝撃や気温、湿気の環境テストにおいてもより厳しい基準をクリアしており、業界最高峰の耐磁性能は圧巻の一言!他の有名ムーブメントと比較しても、実用面・機能性で見れば、ほぼ完成形とも言える総合力の高さを誇ります。
それでは、オメガのムーブメント進化過程を簡単にご説明致します。

≪オメガ・ムーブメントの歴史と代表モデル≫

1970~90年代:“孤高の天才時計技師”ジョージ・ダニエルズ博士がコーアクシャル脱進機を1974年に発明。複雑な構造だったため量産化が難しく、パテック・フィリップやロレックスも製品化をるのではないでしょうか。断ったという説もあります。“スイス時計産業の救世主”ニコラス・G・ハイエック(※他界するまでスウォッチグループの会長兼代表取締役)氏が、1993年にジョージ・ダニエルズ博士から技術を買い取り、本格的に開発が始まります。
当初はオメガとブランパンにコーアクシャル機構を搭載する予定でしたが、ブランパンのムーブメントは薄かったため搭載を断念。オメガのみ、実現化を目指します。

1999~2002年:“オメガの代名詞”コーアクシャル脱進機が完成。通常は1枚のガンギ車を2枚に同軸配置し、特殊形状の3つ爪アンクルを採用。各パーツへの摩耗を減らすことに成功します。1999年、限定モデル「デ・ビル コーアクシャル」をリリース。YG・RG・WG素材やスケルトンモデルも発表する力の入れようでした。2002年に、「シーマスター・アクアテラ」に搭載され、一気にメジャーな存在へ。

2007~2008年:30年ぶりにオメガ社製ムーブメント「Cal.8500」をリリース。翌2008年には、シリコン製「Si 14」ひげゼンマイも完成。人間の髪の毛の3分の1の細さながら、高耐磁性能・耐衝撃性能を併せ持ちます。

2013年: 世界初の完全耐磁ムーブメント「Cal.8508」を開発。シーマスター アクアテラ Ref.231.10.42.21.01.002(※搭載キャリバーは8500系と同スペックのCal.8900)は、15,000ガウスの耐磁性能を実現します。

2015年:スイス連邦計量・認定局(METAS)と新たな規格「マスタークロノメーター」を設立。10日間にわたる厳しい8つのテストをクリアした世界初の「マスター クロノメーター」認定モデル「グローブマスター(※Cal.8900)」を発表。2023年以降、レギュラーモデル全てをマスタークロノメーター認定機へと推し進めています。

そして今年、スピレート™システム搭載Cal.9920を発表。最高レベルの精度・性能を追い求めるオメガの技術発展は続きます。

時計選びの一つの基準値として有名な「精度」という概念。ロレックスやグランドセイコー(GS)やオメガの機械式腕時計は、実用性に優れた“精度の良い”メーカーとしても有名ですが。口コミを調べると、「精度 悪い」の悪評もちらほらと見かける(※ロレックスは少なめ)のも事実。前述の通り、機械式腕時計は「姿勢差・寒暖差・使用状況」の影響を受けると、どうしてもズレは生じてしまいます。

メーカー公表の数値は「静的精度(※時計を動かさない状態の精度)」を参考にした、精度の“理想値”に近い数値であり、「動的精度(※実際に使用して、衝撃や姿勢差、温度差が生じる状態の精度)」とは、また別物と捉えるのが肝要です。仮に、本当に“精度の良い”時計を定義するならば、静的精度と動的精度の開きが少ない機械式腕時計が、ユーザーにとっての“精度の良い”時計と言えるのではないでしょうか。

  • 姿勢差をほぼ受けない
  • パワーリザーブ(※ゼンマイの巻きとほどけ)差を受けない
  • 温度差や衝撃、磁気の影響を受けない

そんな“理想のムーブメント”を目指して、どのメーカーも技術革新に力を入れている状況です。この項目では、“精度の良い”時計選びの指針として、スピードマスター スーパーレーシングと同じ「SSの自動巻きクロノグラフ」に絞り、ライバルブランドの精度参考値&価格をご紹介致します。

≪SSの自動巻きクロノグラフ有名ブランド、キャリバー精度≫

オメガ・・・Cal.9920。METASのマスタークロノメーター認定。スピードマスター スーパーレーシング(※定価1,562,000円)に搭載。公式発表精度は日差0~+2秒。

ロレックス・・・Cal.4130。ロレックス独自の“Superlative Chronometer(高精度クロノメーター)”認定。有名モデルはデイトナ 116500LN(※参考定価1,757,800円)など。精度基準値は平均日差が−2~+2秒相当。

タグ・ホイヤー・・・ホイヤー02。C.O.S.C.認定。「カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション(※定価830,500円)」など。精度基準値は平均日差-4~+6秒相当。

ゼニス・・・エル・プリメロ 3600。クロノマスタースポーツ(※SSモデルの03.3100.3600/69.M3100は、定価1,276,000円)など。詳細な精度は不明、口コミ調査だと平均日差2~3秒程度という噂もあり。

具体的な数字を載せているメーカーは少ないので、参考値としてご参照ください。コスパとのバランスで選ぶなら、タグ・ホイヤー。性能と資産価値、名実ともに頭一つ抜けているロレックス、伝説的ムーブメントのエル・プリメロ&ゼニス。こうやって比較すると、有名ブランドのクロノグラフはどれも魅力的に思えてしまいます。スピレート™システム搭載のスピードマスター スーパーレーシングが、どこまで“理想値”をキープできるか、今から楽しみですね!

≪その他、注目のキャリバーと精度≫
グランドセイコー・・・キャリバー 9R86。自動巻スプリングドライブクロノグラフGMT。現行モデルはSBGC251(※1,452,000円)など。平均月差±15秒(日差±1秒相当)
シチズン・・・エコ・ドライブCaliber 0100。電池交換不要の光発電。AQ6100-56A(※定価770,000円)など。年差±1秒。
ゼニス・・・オシレーター。デファイ インベンター(※参考定価2,244,000円)公式発表精度は日差±0.3秒。

精度だけを追い求めるなら、他にも“魅惑的な選択肢”が用意されているのが、高級腕時計業界。グランドセイコーは去年の7月にも、SBGP017(※440,000円)で、年差±5秒相当の限定クォーツ特別精度モデルを発表していますし。購入予定者の方は、「どういう目的で、どう使用していきたいのか?」再度、自問自答を繰り返した上で、価格と照らし合わせて結論を出していくのが良さそうですね。

ハチの巣柄の黒文字盤と黄色の警告色カラーは、ミツバチのように「可愛い」「気持ち悪い」と賛否両論

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オメガの優れた技術は、新作スーパーレーシングのデザイン面にも反映されています。シーマスター アクアテラ 15,000ガウスを踏襲した、ブラック×イエローの警戒色に加え、今作はサンドイッチ上のハニカム模様を文字盤に表現。海外のコメントでも見かける、“ミツバチ”の呼び名はピッタリなディテールでしょう!

特に、超一流ブランドが好んで文字盤に使用するグラン・フー・エナメルで高温焼成されたイエローのタキメータースケールは、“オメガの大量生産技術力”の凄さを思い知らされます!“ラグスポ”の「ロレアート 42mm エタニティ エディション」でも、グラン・フー・エナメルの芸術性と難しさをご説明しましたが、高度な専門技術と手間やコストがかさむ、グラン・フー・エナメルを「限定モデルなどの一点ものではなく、レギュラーモデルのスピードマスターで大量生産」できる“技術力の高さ”は、オメガの最大のウリなのかもしれません。ひと言でまとめれば、オメガはオートメーション力をフルに活かし、“お値段以上の技術力”を一本の腕時計に注ぎ込んでいるのが魅力なのです。

オメガの大量生産とイノベーションを支えるオメガの新工房。その“真の価値”に迫ってみましょう!

オメガは生産効率の追求を続け、実用性に優れた機械式腕時計を量産している

引用元: www.omegawatches.jp

1882年からスイスのビエンヌを本拠地に、時計製造を続けるオメガ。2017年には、オメガの核とも言える“イノベーションと品質の両立”を高めるために、本拠地の一角に5階建ての新工房がオープンしています。オメガ新工房は、レイナルド・アッシェリマン(オメガCEO)氏が、「新工房ができたことで、全ての製造工程・テスト工程を同じ屋根の下で一本化でき、生産性がこれまでにないほど上がった」と豪語するように、オメガ新工房の“真の価値”は、生産効率の向上にあります。

人間の代わりに、縦横無尽に3階分のフロアを行き来するロボットデヴァイスは、SF映画の空想を現実にしたように、3万個以上の箱をバーコード追跡し、適切な箇所に運搬をしていきます。“機械化”されたからこそなし得た「全自動在庫収納システム」は、どの部品も2分以内の運搬を可能としており、1時間で約1400の作業を進め。1週間で約3000個の時計製造に成功。オメガは生産量を数年で6倍にまで引き上げる方針を打ち立てているのですから、驚愕せざるを得ません。

ピアゾの腕時計豆知識 
<オメガの新工房は日本人建築家の坂茂氏が建築>

オメガの新工房は、「ニコラス・G・ハイエックセンター(※東京・銀座)」を設計した日本人建築家の坂茂氏が建築を担当しています。時計の生産施設にとって、チリや埃が大敵な中、スイス産の植物“トウヒ”にこだわり、材料として使用。職人達にとって快適な生産環境を目指しています。
また、エコフレンドリーな環境保護の観点から設計されており、雨水や太陽光発電による再生エネルギーをフル活用した、クリーンな施設なのも特徴です。

マスタークロノメーター認定を行うMETASとオメガの新工房について

引用元: www.omegawatches.jp

オメガ新工房のワンフロアを、METASと共同開発した「マスタークロノメーター」のテストエリアに割いているのも“強み”です。数千本の時計達は、同時に厳しい基準をテストされ、全てが基準を満たしているかアトランダムにチェックされているのです。

≪METASの審査基準≫
  • 15000ガウス以上の耐磁性テスト(ムーブメントが正常に機能するか、平均日差+5~7秒&姿勢差+12~16秒を超えないか)
  • モデルごとのパワーリザーブ残量差(※100%と33%)の精度誤差
  • ケースデザインに適した防水性のテスト(※水中の圧力テスト)など

とりわけ審査の基準が厳しいのは、耐磁テストでしょう。異なる姿勢で15000ガウス以上の磁場環境に30秒間さらされたムーブメントは、「時計」として組み立てられた後に精度を測定。検査後は磁気を取り除き、再び精度をチェックする徹底ぶり(※帯磁状態と消磁状態の誤差を確認)です!

マスタークロノメーターのテストエリアが自由な出入りを制限された区画というのも、見逃せないポイント。METASはオメガの新工房内にあるものの、認定結果の信頼性を高めるために、独立した機関として存在しているのです。

結論をまとめると、
①時計づくりに必須な最先端パーツをスウォッチグループから供給可能
②注油やネジ留めを含むムーブメントづくりのオートメーション化
③第三者機関のMETASの証明により、自社製品の品質や信頼性を獲得
などなど、“グループ力”を活かした時計製作の一貫生産体制は、業界トップと称しても過言ではないオメガ。スピレート™システムを筆頭に、これからも多くの“大発明”を成し遂げていくでしょう!

ピアゾの腕時計豆知識 
<チューダーの「ブラックベイ セラミック」もマスター クロノメーター認定モデル>

2021年には、チューダーの「ブラックベイ セラミック」がマスター クロノメーター認定モデルとしてリリースされ、オメガ以外で初の認定取得に成功した時計として、話題をさらいました。ブラックベイ セラミックは、15,000ガウスの耐磁性能を備えたマニュファクチュール キャリバーを搭載。値段も644,600円とリーズナブルで、オメガとしては、強力な“黒い影”が、すぐそばまで迫ってしまっている状況と言ったところでしょうか!?オメガがこのまま技術力と生産力で逃げ切るのか、それともロレックスの新工場設立に伴う生産数の増加が起き、生産力でも追い抜いてしまうのか?ロレックスやチューダーの動向も気になりますね!

スピードマスター スーパーレーシング新作とシーマスター アクアテラ 15,000ガウスの比較

引用元: www.omegawatches.jp

黄色と黒色のワーニングカラーを組み合わせたのも特徴的なスピードマスター スーパーレーシング。ミツバチのような秒針がチャーミングなシーマスター アクアテラ 15,000ガウス(231.10.42.21.01.002)のカラーリングをオマージュしています。マイルストーン的存在のシーマスター アクアテラ 15,000ガウスと新作スピードマスター スーパーレーシングの共通点や違いを簡潔にご説明します。

<スピードマスター スーパーレーシング新作とシーマスター アクアテラ 15,000ガウスの共通点と相違点>

〇ブラック文字盤とイエローの組み合わせ。ステンレススティール素材
〇15,000ガウス以上の超耐磁性能
▼前作はアワーマーカーやベゼル、3針がシルバーカラーだったが、新作はタキメーターベゼルや針をブラック&イエローへ変更
▼ストライプ柄ブラック文字盤をハニカム模様のサンドイッチダイヤルに
▼3時位置のデイト窓を6時位置へ変更(※シーマスター アクアテラ 15,000ガウス10周年を祝うスピードマスターのロゴと同じ特殊フォントで書かれた“10”の数字付き)
▼前作は参考定価759,000円、新作は1,562,000円と約2倍に

スーパーレーシングの名に恥じぬ、「レーシングスタイル要素をこれでもか!」とトッピングしていますね。2つ目クロノグラフやアロー型アワーマーカー、セラミック製ベゼルやタキメータースケールのいたるところに、イエロー×ブラックを散りばめています。付属のリサイクルナイロン製NATOストラップもブラック&イエローのストライプなので、“攻めに攻めたディテール”は、好みがわかれるかもしません。
どのメーカーも価格改定を断行しており、オメガも今年2月1日からほぼ全モデルで約7%が値上げ。100万円越えのモデルもちらほらと増えてきましたね。

まずは国内SNSの投稿に寄せられたコメントも合わせてご紹介します。

「44ミリオーバーのケースサイズと値段が気になる」
「オメガの技術革新は凄い!」
「耐磁と精度への限りない情熱」
「その時代時代の“究極”をオメガは出しているから、少し古いモデルも魅力的に感じる」

コメント数も多いので、キラリと光る口コミも多いですね!全体的に、“スピマス スーパーレーシング カッコいい”の声が目立ちつつ、値段&ケースサイズが原因で、購入を尻込みしている傾向でしょう。4番目のコメントは、ピアゾ編集部としても同意見です。オメガは常に“コスパの良い最先端モデル”を発表してきたので、ちょっと前のモデルが懐かしくも思えてきますよね。

合わせて、興味深い海外の和訳要約コメントもどうぞ!まずは、ウォッチファインダーさんの「Omega Smashes Rolex Again!(オメガが再びロレックスを粉砕!)」動画から。

「素晴らしい技術進歩!しかし、オメガは自動巻きムーブメントを薄くして摩耗を減らしてほしい。今後数年間、ムーブメントは厚くなっていきそうです」
「デザインと色は好きですが、サイズが大きいのと値段が高いのが難点です」
「ロレックスの賞賛すべき点は『スリムさと抜群の品質』だ。オメガの品質は最高峰なので、スリムにする方法を見つけたら最高だ!」

全体的に、「カッコいい!好き」の賞賛のコメントが目立ちますが、シャープなものの見方をした否定的な見解も「いいね!」が集まっていますね。否定派は、ケースサイズ&ケース厚の“サイズ感”を気にしているようです。

続いて、イングリッシュウォッチさんのコメントをご紹介します!

「個人的にスピードマスターレーシングコレクションは過小評価されていると思う」
「人気のないシリーズに新しいムーブメントを導入するのは理にかなっているやり方」
「とても正確で美しい時計だが。大きい」

“まさに!”と思える感想ですね!他にも、面白い見解が多数あるので、興味のある方は詳しく調べてみてくださいね!

新作スピードマスター スーパーレーシングのリセールバリューがどうなるか。スピードマスターレーシングや警戒色(ブラック&イエロー)カラーのクロノグラフの相場を調べてみました!一つの目安として、ご参照ください。

≪オメガのスピードマスターレーシング類似モデルの相場動向≫
  • 326.32.40.50.06.001(黒文字盤ブラック&イエロー、3つ目クロノグラフ)・・・参考定価517,000円 (税込)、相場(※中古・新品未使用込み)目安約40~60万円前後
  • 326.30.40.50.04.001(白文字盤、ブラック&イエロー、3つ目クロノグラフ)・・・参考定価517,000円 (税込)、相場目安約40~50万円前後
  • 329.33.44.51.04.001(白文字盤、ホワイト&ブラック2つ目クロノグラフ)・・・定価1,243,000円 (税込)、相場目安約70~100万円前後

人気ブランドのオメガ、かつ比較的新しいモデルが多いため、“悪くはない”相場といったところでしょうか。続いて、スピードマスターレーシングシリーズの中では比較的安定した人気をキープしている「シューマッハ」モデルの相場も合わせてご紹介致します。

≪スピードマスターレーシング(シューマッハ)の相場動向≫
  • 3507.51.00(黒文字盤に3つ目のシルバーダイヤル、逆パンダ)・・・参考定価546,000円 (税込)、相場目安約70~90万円前後
  • 3518.50.00(黒文字盤にチェッカーフラッグモチーフ)・・・参考定価175,000円 (税込)、相場目安約50~80万円前後
  • 3510.61.00(鮮やかなレッドダイヤルにイエロー針)・・・参考定価292,200円 (税込)、相場目安約40~50万円前後

いずれも高騰気味ですね。後ほど、スピードマスター新旧定番モデルの相場も交えた「オメガの今後について」もご説明しますのでお楽しみに!
上記の相場の傾向を加味した推測ベースで新作の329.30.44.51.01.003についてお伝えできるのは、「ブラック&イエローの攻めたディテールは、プラスに働くかマイナスに働くか読めない」「150万円の高価格帯が懸念事項として作用する恐れもあり」といった程度。参考定価が安い旧型モデルの方が、相場では強めな傾向があるので、最先端&最高峰のスピードマスター スーパーレーシングのリセールバリューは、しばらくの間“逆風”の状況が続いてしまうかもしれません。
姉妹サイトの時計販売QUERIでも、大人気クロノグラフ「シューマッハ」の販売をしているので、ビビっときた方はチェックしてみてくださいね!!

他にも、9時位置のスモールセコンド針がストライプ柄だったり、「Speedmaster」「Super Racing」の文字に、イエローのスーパールミノヴァ®(※アロー型インデックスも同様)を塗布するなど、オメガらしい遊び心が詰まった329.30.44.51.01.003。各ギミックが凝っていて飽きさせませんね!発売時期は未定、税込価格1,562,000円です。

329.30.44.51.01.003の仕様・価格
329.30.44.51.01.003の仕様とスペック

引用元: www.omegawatches.jp

モデル スピードマスター スーパーレーシングコーアクシャル マスター クロノメーター クロノグラフ 44.25MM
型番(Ref.) 329.30.44.51.01.003
ケース径 44.25mm/厚さ:14.9mm
ケース素材 ポリッシュ&ブラッシュ仕上げのステンレススティールケース
ブラックセラミック製ベゼル
シースルーケースバック
ムーブメント 自動巻き オメガ コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー 9920
機能 タイムゾーン機能、センター時・分・クロノグラフ秒針、スモールセコンド、12時間と60分の同軸積算計、15,000ガウスの耐磁性能、バトン型の時・分針にイエローのスーパールミノヴァを塗布(イエローに発光)
パワーリザーブ 60時間
防水性 5 気圧 (50 メートル / 167 フィート)
ストラップ ステンレススティール(コンフォートセッティング付き)
※替えストラップ:ブラックとイエローのストライプのリサイクルナイロン製NATO ストラップ
付属品 ブラックにイエローのステッチが施されたハニカム模様のスピードマスター ウォッチボックス ストラップ交換ツール付き
発売日 未定
価格 1,562,000(税込価格)
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。

少し視点を広げて、スピードマスター プロフェッショナル(ムーンウォッチ)の新旧定番モデルの相場もご紹介致します。その上で、オメガの今後について独自見解を述べます。

≪スピードマスター新旧定番モデルの相場動向≫

3570.50(第6世代)・・・参考定価453,600円 (税込)、相場目安約45~60万円前後
311.30.42.30.01.006(第7世代)・・・参考定価715,000円 (税込)、相場目安約70万円前後
310.30.42.50.01.001(第8世代)・・・参考定価935,000円 (税込)、相場目安約60~80万円前後

どこのメーカーも世界情勢が影響した為替や物価高などの理由で値上げが起きており、ファンならずとも、少し切なくなる価格上昇ですね。オメガの場合、技術革新のコスト分や機能性のアップグレードもプラスアルファされた“正当価格”なのですが、「相場は昔を懐かしむように、旧型が人気気味」な傾向が面白いですね!

最良の施設と最先端の設備を駆使し、最高峰&超精度のクロノグラフを完成させてきたオメガ。いつの時代も“究極”にこだわった結果、「あの頃はよかった」的なノスタルジーを感じさせる“ちょっと前のモデル”がクローズアップされているのでしょう。そう考えると、新作スーパーレーシングの150万円台の価格に関しては、「今の情勢を考えれば適正価格。昔のことを思い出すと高い」という結論が妥当かもしれません。

機能的な「アップ」を追求しているオメガの方針とは裏腹に、「ダウン(サイズ・プライス・スリム)」の要素を求めている時計ファンも大勢いるのも事実。オメガが既にそのことに気付いているとするなら。今作と対極の雰囲気で勝負した、アナログ要素満載な手巻きスピードマスターに逆戻りする可能性もあり得ます。「スピードマスターと言えば手巻きでしょ!」という昔からのファンも多いですからね。

機械式腕時計に“精度革命”を起こしたかもしれない、新作スピードマスター スーパーレーシング(329.30.44.51.01.003)。オメガの新作なだけあって、機能性や実用性は図抜けたものがありましたね。警告色の黒&黄色の組み合わせは、率直に“人を選ぶモデル”だと思うので、「スピードマスター スーパーレーシングはカッコいい!」「新作の329.30.44.51.01.003はダサいかも」正直なインスピレーションで決めるのが良さそうです。

いつだって“究極”をリリースしてきたオメガ。名作&良作の“クロノグラフ今昔物語”に思いを馳せつつ、「自分にとって最高のオメガはどれか!?」を値段とにらめっこしながら、自分の中のアンサーを出すと、また腕時計探しが楽しくなりますよ!

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