更新日:2022年09月05日
グランドセイコーから2022年新作として、タイでのみ販売される限定モデル「グランドセイコーエレガンスコレクションタイ限定 SBGH303 & SBGY021 & SBGY025」が発表されました。それぞれ雰囲気が異なる3つのモデルについて詳しくご紹介します。
※本文中の価格表記は2022年9月時点での為替相場を元に計算したものです。
鏡面仕上げのステンレススティール製ケースが落ち着いた印象を与える「Koke-iro SBGH303」はケース径サイズ40mm、厚さ 12.9 mm、縦47mmです。ムーブメントには、安定した精度を誇るハイビートキャリバー9S85を搭載。日本の四季の美しさをダイヤルに投影したグランドセイコー2022年新作「Koke-iro SBGH303」は、タイでのみ100本限定販売で、価格は259,900バーツ(日本円で約986,000円)です。
2022年のトレンドカラーであるグリーン(イエローにも見えますが・・・)のダイヤルが印象的な、グランドセイコー2022年新作「Koke-iro SBGH303」。岩手県雫石町にある「グランドセイコースタジオ 雫⽯」で生産された SBGH303は、豊かな森の中で絨毯のように広がる苔に朝日が降り注いだ様子をイメージしたダイヤルです。
グランドセイコーはこれまでにも、グリーンダイヤルのモデルをいくつか発表してきました。 ヘリテージコレクションのSBGH271(立夏・薫風)は、緑豊かな季節の爽やかな風をイメージした若干モスグリーンがかった緑色のダイヤル、 プレミアムラインであるエボリューション9のSLGH011(白樺)は青々と茂る白樺林をイメージした深緑色のダイヤルなどが、代表的なグリーンダイヤルとして挙げられます。
しかし、今回タイでのみ販売されるグランドセイコー2022年新作「Koke-iro SBGH303」は、グランドセイコーのグリーンダイヤルの中でもかなり珍しいカラーリングだといえるでしょう。黄緑色に近い鮮やかなグリーンは見ているだけでも元気になれるビタミンカラーで、ゴールドの秒針とのコントラストが美しいモデルです。
グランドセイコー2022年新作「Koke-iro SBGH303」のグリーンダイヤルには浮世絵版画の技法である「雲母摺(きらずり)」が用いられており、エレガントな雰囲気に仕上げられています。同じテクスチャのダイヤルに、「グランドセイコー US限定モデル ジャパンシーズンズコレクション SBGH295(霜降)」がありますが、上品かつ温かみのある光沢が特徴の「雲母摺(きらずり)」 が施されたダイヤルは、「Kirazuri Dial」と呼ばれ、海外のコレクターたちの間で人気です。
タイでのグランドセイコー人気にさらに火を付けるであろう、グランドセイコー2022年新作「Koke-iro SBGH303」。じつはタイでは曜日ごとに色が決まっており、その色のアイテムを身に着けると良いことが起こると信じられているのだとか。また、自分が生まれた曜日の色を「ラッキーカラー」にしている人も多いそうです。
タイでは水曜日が緑色の日と定められていますから、グランドセイコー2022年新作タイ限定モデルとして発表された「Koke-iro SBGH303」は、水曜日のラッキーアイテムにぴったりなのではないでしょうか。グランドセイコー2022年新作「Koke-iro SBGH303」は、傑作モデルとして知られている「62GS」をベースにしています。1967年に誕生した62GSは、グランドセイコー初の自動巻き機械式ムーブメントを搭載したタイムピースです。
自動巻きの時計は、腕の動きに合わせてゼンマイが自動的に巻き上げられるため、継続的に使用していればりゅうずを巻く必要がありません。そのため、62GSではりゅうずが4時位置に設置されています。しかし、タイ限定モデルの「Koke-iro SBGH303」は62GSのケースを踏襲しながらも、3時位置にりゅうずを設置した、より実用性を追求した現代的なデザインとなっています。
ステンレススティール製ケースは、熟練した技術を持つ職人たちの手によって「ザラツ研磨」が施され、歪みの無いシャープな造形に仕上げられています。「Koke-iro SBGH303」 のダイヤルを守るのは傷に強いサファイアクリスタルの風防で、100m防水仕様です。また、100本限定販売モデルであることを示すように、ケースの裏蓋には「Limited Edition 1 of 100」と刻印されています。
ムーブメントにはメカニカルハイビート36000・キャリバー9S85を搭載。一般的なムーブメントは1秒間に6回振動、もしくは1秒間に8回振動するものが多い中、グランドセイコー2022年新作「Koke-iro SBGH303」は毎秒10振動を実現し、静止状態で平均日差-3/+5秒と安定した精度を維持しています。
グランドセイコーではかつては、脱進機を構成する部品の一つであるがんぎ車の歯数を増やすことで、10振動という高振動を実現していました。しかし、機械式時計の心臓部であるテンプの動きにムラが出るなど難点があったようです。そのため、キャリバー9S85はがんぎ車の形状が見直されるだけではなく、がんぎ車の前にがんぎ中間車を噛ませる構造に改良されました。
キャリバー9S85のように振動数の多いムーブメントは、歯車を回転させるために大きな力が必要です。グランドセイコーでは、耐久性や耐磁性を持つ新しい素材「スプロン530」を開発し、大きなトルクを確保できる動力ぜんまいを完成させました。これにより、最大巻上時約55時間持続が可能です。
グランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Nami SBGY021」はステンレススティール製ケースで、ケース径38.5 mm、厚さ10.2 mm、縦43.7mmです。ムーブメントには、手巻スプリングドライブキャリバー9R31を搭載。タイでのみ100本限定販売され、345,900バーツ(日本円で約1,316,000円)です。
エレガンスコレクションであるグランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Nami SBGY021」のダイヤルは、「信州 時の匠工房」から近い長野県・諏訪湖の夕暮れ時の湖面を表現しています。同じ諏訪湖をイメージしたダイヤルといえばほかにも、アイスブルーカラーのダイヤルが美しい「御神渡り(おみわたり) SBGY007」があります。
ケースサイズやムーブメントなど基本スペックはまったく同じ両モデルですが、タイ限定モデル「Nami SBGY021」は控えめなシャンパンゴールドの渋い色味と、視認性が高いブルーのインデックスが特徴です。
ダイヤルのみに注目するなら、鳥取砂丘の風紋をイメージした「グランドセイコー “中井脩”コラボ スプリングドライブ 鳥取砂丘1955 25本限定 SBGA013」に似ているといえるでしょう。
こちらのモデルは落ち着いたサンドベージュのダイヤルですが、日本古来の模様の一種「青海波文様(せいがいはもんよう)」に似た模様は、グランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Nami SBGY021」のダイヤル上にも見受けられます。 無限に広がる波の模様を模した青海波文様は、永遠に続く幸せへの願いが込められた縁起の良い模様です。
この青海波紋様が施されたダイヤルには、 SBGA013やタイ限定モデル「Nami SBGY021」以外にも、「第25回 三越ワールドウォッチフェア」のために作られた数量限定25本の「日本橋三越本店限定モデルSBGE291」や2018年発表の「グランドセイコー スプリングドライブ 日本橋三越本店限定モデルSBGA389」などが挙げられます。
ただし、同じ波の模様でもダイヤルカラーで大きく印象が異なり、三越限定モデルはブラックダイヤルのスポーティーな印象です。一方、グランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Nami SBGY021」のダイヤルは、上品でクラシカルな印象を与えます。
ステンレススティール製ケースは衝撃に強く、耐傷性および耐蝕性に非常に優れています。グランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Nami SBGY021」はケース径38.5 mm、厚さ 10.2 mm、縦 43.7mmと、「Koke-iro SBGH303」に比べるとケースサイズは小さめで、薄型なためジャケットの袖口に引っ掛かることもありません。
ケース裏蓋内側には、100本限定モデルであることを示す「Limited Edition 1 of 100」のメッセージが刻印されています。薄型ならではの着け心地の良さと程よいサイズは、控えめなダイヤルカラーと相まって、このモデルをドレスウォッチたらしめているといえるでしょう。また、風防にサファイアクリスタル、ストラップにブラウンクロコダイルストラップを採用することで、アンティークな雰囲気が一層引き立てられています。
グランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Nami SBGY021」に搭載されているムーブメントは、信州 時の匠工房で作られた手巻スプリングドライブキャリバー9R31です。グランドセイコーが独自に開発したスプリングドライブは、動力源を機械式時計と同じぜんまい、針の動きを制御するための調速機構をクォーツ時計と同じICや水晶振動子などにしています。
そのため、スプリングドライブを搭載しているモデルは、通常自動巻の機械式時計とクォーツ時計のハイブリッドなタイムピースですが、タイ限定モデル「Nami SBGY021」はスプリングドライブには珍しい手巻キャリバーです。
動力源のぜんまいを収める香箱の中には、薄くて長い2本の動力ぜんまいが並列に重ねられています。このデュアル・スプリング・バレルと呼ばれる機構により、手巻でも最大約72時間のパワーリザーブが実現しました。また、シースルーバックになっている裏蓋からは、マットな質感が特徴のヘアライン仕上げが施された美しいムーブメントを眺めることができます。
グランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Hikari SBGY025」のケース素材は、高級腕時計に多いステンレススティール製ケースです。ケースサイズはケース径38.5 mm、厚さ10.2 mm、縦43.7mmとなっており、手巻スプリングドライブキャリバー9R31をムーブメントとして搭載。価格は、345,900バーツ(日本円で約1,316,000円)です。
エレガンスコレクションである、グランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Hikari SBGY025」。別名「Golden Light(黄金の光)」と呼ばれているように、夕闇が訪れる前の諏訪湖の水面に、雲の切れ間から覗くその日最後の輝きを放つ太陽の光が反射した様子を再現したダイヤルとなっています。
タイ限定モデル「Hikari SBGY025」 のダイヤルパターンは、「岩手山パターン」の一種のようです。岩手山パターンとは、岩手県にあるグランドセイコーの雫石高級時計工房から望む、岩手山の山肌を表現した模様のこと。 この岩手山パターンは、「グランドセイコーヘリテージコレクションのSBGJ201」や同じくヘリテージコレクションのSBGJ203、グランドセイコー メカニカルハイビート36000 マスターショップ限定 SBGH205などに採用されています。
しかし、グランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Hikari SBGY025」のダイヤルパターンは岩手山パターンの一種のようでありながらも、ほかの岩手山パターンとは趣が異なり、まるでゴッホの絵のタッチのように大胆で粗めな躍動感伝わる型押しデザインとなっています。
ところで、グランドセイコーの型押しダイヤルといえば、「グランドセイコー スプリングドライブ SBGA211」に代表される雪白(スノーフレーク)ダイヤルや、エボリューション9 コレクションを代表するメカニカルハイビート 36000”白樺” SLGH005に代表される「白樺ダイヤル」を思い浮かべる人もいらっしゃるのではないでしょうか。とくに白樺林の力強さを表現したSLGH005のダイヤルは、グランドセイコーが誇るダイヤル製造技術の集大成ともいえるデザインで、白樺ダイヤルとして国内外で人気となっています。
もちろん、両モデルともグランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Hikari SBGY025」のダイヤルパターンとはデザインは違いますが、いずれのモデルもグランドセイコーが丹精を込めて作り上げた型押しダイヤルだといえるでしょう。
また、同時期に発売されるタイ限定モデルの「Nami SBGY021」も諏訪湖の夕方の風景を表現したダイヤルですが、「Hikari SBGY025」のダイヤルのほうがより明るい色味のゴールドカラーです。グランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Hikari SBGY025」はダイヤルパターンの効果なのか、名前の通り、キラキラと華やかに輝いて見えます。
ゴールドカラーといえば、タイの英雄として国民から敬愛された国王・ラーマ9世治世時代のタイ王室のイメージカラー。ちなみに、月曜日生まれのラーマ9世のラッキーカラーは黄色となっています。前国王が崩御されてから6年経過しましたが、タイ国民のために尽くしたラーマ9世の人気はいまなお健在といいますから、ゴールドカラーのグランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Hikari SBGY025」もその人気にあやかれるかもしれませんね。グランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Hikari SBGY025」の基本スペックは、「Nami SBGY021」とまったく同じです。ステンレススティール製ケースの裏蓋には「Limited Edition 1 of 100」と刻まれており、 100本限定販売されたうちの1本であることを示しています。サファイアクリスタルの風防に、ブラッククロコダイルストラップは、「Hikari SBGY025」の美しいダイヤルを際立たせているのではないでしょうか。
基本的に腕時計のケースサイズは40mmが標準とされているため、ケース径38.5mmの「Hikari SBGY025」は、グランドセイコーのメンズサイズの腕時計の中でも若干小さめとなっています。ケース径39mmのモデルはシンプルかつドレッシーなタイプが多く、今回のタイ限定モデル「Hikari SBGY025」も、カジュアルというよりはフォーマル向けの時計だと考えられます。ただし、腕時計と手首の大きさのバランスによって見え方も変わりますから、手首に合ったサイズかどうかを実際に着けて確かめる必要があるでしょう。
搭載ムーブメントは手巻スプリングドライブキャリバー9R31で、同じく手巻スプリングのキャリバー9R02と同じコンセプトで開発されたムーブメントです。しかし、デュアル・スプリング・バレルとトルクリターンシステムを組み込んだキャリバー9R02とは異なり、キャリバー9R31にはデュアル・スプリング・バレル機構のみが採用されています。
パワーリザーブ約72時間(約3日)を実現した、グランドセイコー2022年新作タイ限定モデル「Hikari SBGY025」は、シースルーバックになった裏蓋から美しいムーブメントを鑑賞できるのが特徴です。裏にあるパワーリザーブ表示を見ながらりゅうずを巻けば、グランドセイコーの時計師たちが、一切の妥協なしで作り上げたムーブメントを堪能できるでしょう。
グランドセイコー2022年新作タイ限定モデルであるSBGH303とSBGY021、SBGY025はタイにあるグランドセイコーブティックやグランド セイコーオンラインブティック 以外にも、グランドセイコーを取り扱っている正規代理店で購入できます。
タイのグランドセイコーブティックや正規代理店はバンコクに集中しており、ラチャプラソン地区にある商業施設・ゲイソンビレッジに店舗として入っているほか、MRTパホンヨーテン駅の近くにあるセントラルプラザ・ラップラオ、バンコク東部に位置するセントラルプラザ・バンナー等のショッピングセンター内にあります。
販売時期に関しては、2022年発売予定で購入予約受付中です。詳しくは、タイのグランドセイコー公式サイト(Grand Seiko Thailand Official Website)をご覧ください。グランドセイコータイ限定モデル SBGH303 & SBGY021 & SBGY025の評判は上々のようです。Instagramのコメント欄には、好意的なコメントが多数見受けられました。少々意外だったのは、3つのモデルの中でも一番控えめな印象の「Nami SBGY021」に注目が集まった点です。実際の販売数を調べないことには明言できませんが、パッと目立つ派手なタイプよりもエレガントなタイプの時計がタイでは人気なのかもしれません。
魅力的なダイヤルで世界中の時計愛好家やコレクターを虜にしているグランドセイコー。2022年新作タイ限定モデルの SBGH303 & SBGY021 & SBGY025も、ほかの新作や限定モデルに負けないほど素敵なタイムピースです。タイ限定なのが残念ですが、この限定モデル発売をきっかけとして、さらにグランドセイコーファンが増えることを願いたいですね!
モデル | エレガンスコレクション タイ限定 ”Koke-iro”
Elegance Collection THAILAND EXCLUSIVE |
---|---|
型番(Ref.) | SBGH303 |
ケースサイズ | 横 40mm 縦 47mm 厚さ 12.9mm |
ケース素材 | ステンレス 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス |
ムーブメント | メカニカル 自動巻(手巻つき) キャリバー 9S85 |
精度 | 平均日差+5秒~-3秒 |
駆動期間 | 最大巻上時約55時間持続 |
防水性 | 日常生活用強化防水(10気圧) |
生産本数 | タイ限定 100本 |
取扱店舗 | タイ国内のグランドセイコーブティックおよび正規代理店 |
発売日 | 2022年発売予定 |
価格 | 259,900バーツ |
モデル | エレガンスコレクション タイ限定 ”Nami”
Elegance Collection THAILAND EXCLUSIVE |
---|---|
型番(Ref.) | SBGY021 |
ケースサイズ | 横 38.5mm 縦 43.7mm 厚さ 10.2mm |
ケース素材 | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス |
ムーブメント | 手巻スプリングドライブ キャリバー9R31 |
精度 | 平均月差±15秒(日差±1秒相当) |
駆動期間 | 最大巻上時約72時間(約3日間)持続 |
防水性 | 日常生活用強化防水(30m防水) |
ストラップ | ブラウンクロコダイルベルト |
生産本数 | タイ限定100本 |
取扱店舗 | タイ国内のグランドセイコーブティックおよび正規代理店 |
発売日 | 2022年発売予定 |
価格 | 345,900バーツ |
モデル | エレガンスコレクション タイ限定 ”Hikari”
Elegance Collection THAILAND EXCLUSIVE |
---|---|
型番(Ref.) | SBGY025 |
ケースサイズ | 横 38.5mm 縦 43.7mm 厚さ 10.2mm |
ケース素材 | ステンレススチール 裏ぶた:ステンレスとサファイアガラス |
ムーブメント | 手巻スプリングドライブ キャリバー9R31 |
精度 | 平均月差±15秒(日差±1秒相当) |
駆動期間 | 最大巻上時約72時間(約3日間)持続 |
防水性 | 日常生活用強化防水(30m防水) |
ストラップ | ブラッククロコダイル ベルト |
生産本数 | タイ限定100本 |
取扱店舗 | タイ国内のグランドセイコーブティックおよび正規代理店 |
発売日 | 2022年発売予定 |
価格 | 345,900バーツ |
※販売開始時期・価格は予告なく変更される場合があります。