更新日:2021年12月06日
グランドセイコー2021年新作情報です!来年2022年は、グランドセイコーのデザイン文法“セイコースタイル”を確立した1967年発売の「44GS」55周年記念に当たります。その周年モデル第一弾として、メカニカルハイビートGMT限定モデルを12月10日(金)よりオンラインにて先行発売開始します。
新作「グランドセイコー SBGJ255」は、横 40mm× 厚さ 14mmのブライトチタン製ケースに、GMT機能を有する「メカニカル自動巻キャリバー 9S86」を搭載。希望小売価格は 946,000円(税込)、グランドセイコーブティックオンラインにて2021年12月10日より先行発売。店頭での発売は1月中旬を予定しています。
1967年 44GS
1967年発売の「44GS」。「44GS」は、「よんよんじーえす」または「よんよんぐらんどせいこー」と読みます。キャリバー4420を搭載していたので、こう呼ばれていたとか。その「44GS」で確立され、今も脈々と受け継がれるグランドセイコーのデザイン文法”セイコースタイル”とは一体どんなものなのでしょうか?プレスリリースより一部引用します。
“セイコースタイル”とは、精度の最高峰を目指して誕生したグランドセイコーに、高級腕時計として世界に誇れる外観を与えるべく考案された、燦然と輝く腕時計を生み出すデザイン文法であり、1967年に発表した「44GS」にて確立されました。その根底にあるのは日本の美意識です。日本人は絶えず「光」に心を配り、光と陰の間に無数の光のグラデーションを感じ取ります。それゆえ、和の様式である「屏風」や「障子」などは直線と平面を主体に極めてシンプルに構成されていながら、時と場合に応じて光と陰が織り成す無数の表情を生み出します。
”セイコースタイル”と言われる1967年(昭和42年)発売の「44GS」は、「燦然と輝くウオッチ」を目指し、光と陰に無数のグラデーションを感じ取る日本独特の美意識に着目して、以下の3つのデザイン方針を規定してデザインされました。
そしてこの3つのデザイン方針をもとに「44GS」で実現させたのが下記の9つのデザイン要素です。
-----グランドセイコー公式サイトより引用
目的を達成するための最適解として、実に細かくデザインの構成要素が取り決められていることが分かります。視認性を高めるため、12時と6時の縦のラインを強調する2倍幅の12時インデックスや、多面カットのインデックス・針、フラットダイヤルを採用しています。ザラツ研磨によって実現する歪みのない平面はエッジをシャープに際立たせつつ、ケースサイドとベゼル外周の接線ラインの描く曲線がほどよく鋭い印象を中和しています。
このデザインを具現化するのは、現代のグランドセイコーに無くてはならない、平滑で美しい面に磨き上げる「ザラツ研磨」をはじめとする高度な匠の技術であり、“セイコースタイル”は類い稀な職人技に支えられた独自のデザイン文法です。“セイコースタイル”はグランドセイコーデザインの揺るがない軸であり、飽きることのない普遍的な美しさの基礎となっています。2014年に発表された「44GS」デザインに、メカニカルハイビートGMTキャリバーを搭載した限定モデル SBGJ005 が、ジュネーブグランプリ(GPHG)で「Prix de la Petite Aiguille(小さな針賞)」を受賞したことにより、広く世界に認知される事となりました。
今回発表された新作 SBGJ255にもこのデザイン文法”セイコースタイル”が踏襲されています。早速詳細を見ていきましょう!
今回ご紹介する 【2021年新作】グランドセイコー SBGJ255 ヘリテージコレクション メカニカルハイビートGMT 44GS 55周年記念限定モデルは、「燦然と輝く時計」を現代解釈し、ケースとブレスレット素材として軽くて傷のつきにくいブライトチタンを採用しています。
白と青で全体的に爽やかな印象のSBGJ255。色分けベゼルがないので、一見してGMTモデルとは気づけないぐらいすっきりしていますね!
ダイヤルは2002年発売のGMTモデル開発時に検討された仕様を再解釈。グランドセイコー王道のホワイトカラーに、ルミブライトを塗布したブルースチール製のGMT針や、ブルーのGSロゴが映えますね~。セイコースタイルらしいフラットなホワイト文字盤に、立体的な多面カットのインデックスを配置することで、同系色ながら陰影があることによって視認性も確保されています。
このモデルの一番目立つポイントは実はローターだったりします。GPHG受賞モデル SBGJ005に搭載していた陽極酸化処理を施した金色のチタン製回転錘を特別に採用したんですね。なんだか表の大人しめな印象とのギャップが凄いです。陽極酸化処理とは、 金属を電解処理することで、人工的に酸化被膜を生成させる表面処理で、光の屈折により色彩が生まれ、被膜の厚さによって様々な色彩を作り出すことができます。
時計の裏側って人に見せることもそうないですし、ほんとに自己満足の世界だったりしますけど、これがいい!って選ぶ方もいるんでしょうか。ちなみにこれまでもグランドセイコーは陽極酸化処理を施した鮮やかなカラーリングの回転錘を採用したモデルを出していますので幾つかご紹介しましょう。
「グランドセイコー60周年記念限定モデル ヘリテージコレクション SBGR321」は2020年にブランド誕生60周年を記念した9S65搭載の自動巻きメカニカルモデルです。この鮮やかなブルーは岩手県の八幡平から覗く、”岩手山”の朝焼けをイメージしたそう。
「グランドセイコー メカニカルハイビート36000 GMT SBGJ021」は、セイコー創業135周年を記念して登場しました。美しい多色のグラデーション仕上げ闇を切り拓いて暁の光が昇っていく様を表現したそうです。「朝焼けに染まる岩手山」を表現する深い赤のダイヤルといい、なんだか強烈なインパクトのある時計ですね。グランドセイコーでは珍しい印象です。
今回の新作SBGJ255とスペックが近いモデルはグランドセイコーブティック限定モデルの「グランドセイコー ヘリテージコレクション メカニカルハイビートGMT SBGJ235」でしょう。
ケースサイズは同じ、搭載ムーブメントも同じ9S86。まず大きな違いはダイヤルカラー。SBGJ255のダイヤルは雫石高級時計工房から望む、雄大な岩手山の山肌を表現した「岩手山パターン」を採用したブルーカラーで、SBGJ235のホワイトダイヤルとかなり趣が異なります。
ケース素材はSBGJ235がステンレススティールで、新作SBGJ255はブライトチタン。チタン製のほうが価格は上がります。定価を比較してみると、SBGJ235は737,000 円(税込)で、新作SBGJ255は946,000 円(税込)。20万円近い差があります。これはローターの陽極酸化処理の有無も影響しているのでしょう。それにしても、ちょっとお高めかな・・・。
モデル | ヘリテージコレクション メカニカルハイビートGMT 44GS 55周年記念限定モデル
Heritage Collection Mechanical Hi-Beat 36000 GMT 44GS 55th Anniversary Limited Edition |
---|---|
型番(Ref.) | SBGJ255 (9S86-00R0) |
ケースサイズ | 横 40mm 縦 46.2mm 厚さ 14mm |
ケース素材 | ブライトチタン 裏ぶた:ブライトチタンとサファイアガラス |
ムーブメント | メカニカル 自動巻(手巻つき)キャリバー 9S86 |
精度 | 静的精度:平均日差+5秒~-3秒 |
駆動期間 | 最大巻上時約55時間持続 |
防水性 | 日常生活用強化防水(10気圧) |
その他仕様 |
|
生産本数 | 数量限定1200本(うち国内500本) |
発売日 | 2021年12月10日 発売予定/グランドセイコーブティックオンライン先行発売/店頭発売は1月中旬予定 |
価格 | ¥946,000(税込) |
2021年もあとわずか、というところで2022年の「44GS」55周年記念モデルが出ました。きっと来年もこの「44GS」系の記念モデルはいくつか出るんでしょう。「第一弾」ってわざわざ仰ってますし。またあのド派手なグラデーションのローターが見たい気もします。
グランドセイコー ヘリテージコレクション メカニカルハイビートGMT 44GS 55周年記念限定モデル SBGJ255はオンライン先行発売で、店頭に並ぶのは1月ということですが、既にグランドセイコーブティック銀座、心斎橋にて展示されているようです。ご興味のある方は立ち寄ってみるといいですね。グランドセイコーは大概「実物のほうがいい」です!