更新日:2023年03月03日

グランドセイコー ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 雪解け SLGH013

グランドセイコー ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 雪解け SLGH013の実機レビューをお届けします!

【実機レビュー】グランドセイコー ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 雪解け SLGH013

グランドセイコーSLGH013は、横40.0mm、エバーブリリアントスチール製ケースに手巻き付き自動巻き Cal.9SA5を搭載しています。密かに話題の「雪解け」、ピアゾに到着!早速実機レビュースタートです!

グランドセイコー SLGH013 実機レビュー

グランドセイコー SLGH013 文字盤

ダイヤルは、公式で「シルバーに近い淡いブルー」「LightBlue」と表記されています。正面から見るとシルバーカラーなのですが…?早速、角度を変えてディティールを見ていきましょう!

グランドセイコー SLGH013 文字盤

インデックスはシンプルなバータイプ。12時位置が2倍の太さになっています。この新しいテクスチャーは、「岩手山の春の雪解け」を表現しています。風情あってとっても素敵ですね。

グランドセイコーの時計工房について小話

グランドセイコーの時計を作る工房は主に2つ、岩手県雫石の「グランドセイコースタジオ雫石(盛岡セイコー工業雫石高級時計工房内)」と、長野県塩尻「信州 時の匠工房(セイコーエプソン塩尻事業所内)」。前者では機械式時計、後者では9Fクォーツとスプリングドライブを作っています。

ですので、ダイヤルパターン・搭載ムーブメントは、製造した時計工房を基としているなのです(もちろん、二十四節気など例外もあります)。代表作である「岩手山パターン」は機械式モデルで雫石作、「雪白」はスプリングドライブモデルで信州 時の匠工房作、というわけですね。以前ピアゾブログでご紹介しました「白樺比較(→)」も、製造した時計工房の違いから、同じ「白樺」がモチーフでも異なるダイヤルになっていました。

こんな楽しみ方もあるよ、という事でご紹介しましたが、ダイヤルを見ただけで搭載ムーブや工房の違いが分かるようになったら…貴殿も立派なGSギーク!

グランドセイコー SLGH013 文字盤

僅かに立ち上がったガラス。ベゼルは少しだけ丸みを帯び、斜面を描いてから一度角度を変えて、ケースに対し垂直に落ちていきます。

グランドセイコー SLGH013 ラグ

44GSケースという事で、ラグ先のカッティングまでがシンメトリーで大変美しいです。

グランドセイコー SLGH013 ケースサイド、リューズ

ストレートタイプ、ガードなしのリューズ。

グランドセイコー SLGH013 ケースサイド

9時サイドから見たところ。ケース素材はエバーブリリアントスチールです。

エバーブリリアントスチールとは

世界最高レベルの耐食性を備えたステンレススチール素材。一般的な高級時計に使用されているステンレススチールと比べて1.7倍以上の耐食性と、輝き方が白っぽいのが特徴となります。従来、海洋構造物や化学・食品系プラントなどの塩化物含有環境(海水や工業的に塩化物イオンと接する環境)にさらされる設備など過酷な環境用に使われてきた素材で、腕時計のような装身具に求められる要求品質を満たすことは困難でした。しかしグランドセイコーが従来の製造工程を一から見直し、ケースとブレスレット双方への実用化に成功しました。

グランドセイコー SLGH013 裏蓋

搭載ムーブメントは「9SA5」。全く新しい、次世代のGSを担う自動巻きムーブメントです。36,000/時のハイビート、パワーリザーブ80時間、かつ薄型という、ムーブメントの良い所を凝縮したような優れに優れたスペック。それぞれ利点があればデメリットも生れてしまうわけで、グランドセイコーはこれらの軋轢をどのように解消していったのでしょうか。

まずはハイビート。テンプが36,000振動を達成することで、姿勢差や外乱時でも精度を落とすことなく正確な時刻を刻むことが出来るというメリットがあります。一方で、パーツの消耗が早かったり、潤滑油がすぐ切れてしまうという、主にユーザーにかかるメンテナンス面がデメリットでした。

ここはGSお得意、9S系ムーブ全てに用いられているMEMS(メムス)が解消。メムスとは、半導体製造に使われ、ミクロン単位で部品を作ることのできる技術。ガンギ車やアンクルの形状を再設計し、特にガンギ車に至ってはつま先に油だまりを作ることで、油切れや油跳ねを解消。パーツそのものの耐久性を上げるというロジックですね。

次にパワーリザーブと厚み。ゼンマイを並列させたりしてトルクを大きくすることで稼働時間を長くしますが、デメリットとしてパーツが大きくなりムーブメントが大きくなってしまう事、そしてハイビートはトルクは大きいものの脱進機効率が悪くなってしまうためパワーリザーブを伸ばすのは至難の技。

この点は「デュアルインパルス脱進機」という全く新しい脱進機の開発によって解消させます。アンクルの形状を変えてんぷの運動を調整させることで、トルクロスを解消させてより効率の良い動力伝達を行えるようになりました。新しい脱進機とは、オメガのコーアクシャル機構が目新しいですが、開発に膨大な時間と経費がかかるため、滅多に行われることがないと言います。
また、輪列を水平構造にすることで、ムーブメントの厚みを解消します(その代わりムーブ径は大きいです)。

気の遠くなるような所業をやってのけたグランドセイコーの9SA5は、時計業界を震撼させました。こんなに素晴らしいムーブ、やはり量産は難しいのでしょうね。ちなみにブリッジなども本当に美しいので、是非写真を拡大してご覧頂けたらと思います!

グランドセイコー SLGH013 バックル

三連ブレス、三つ折れ式バックル。ブレス中央のコマは両サイドが細く鏡面仕上げになっていて、ちらっと輝く様がニクイやつです。

グランドセイコー ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 雪解け SLGH013 評価

本日は、昨年秋に新登場したレギュラーモデルをご紹介しました。「雪解け」ともお呼びしたら(あまりの神々しさに思わず敬語)いいのでしょうかね、レギュラーモデルというのも嬉しいポイントです!ですがサロン・ブティック限定なので、マスターショップでも見られない、なかなかのハイエンドモデルでもあります。

ダイヤルの型押しは本当に美しく、思わず見入ってしまうほどでした。また角度によって淡いブルーに変わるカラーも大変魅力的。こういった仕様はSBGW289桜隠しなどにもありましたね。
「雪解け」というテーマも新鮮でした。グランドセイコーはこれまでにも「雪白」を筆頭に、「信州の雪」「シュカブラ(雪紋)」「雪化床(2023年3月発売!)」など、様々な雪を表現してきましたが、「雪解け」は気候が温かくなる冬のエンドロール。そして春へのプロローグでもありますよね。新しいキャリバー9SA5搭載という要素も相まって、常に革新を求めて進んでいくグランドセイコーの、強固な意思のようなものも感じました。44GSケースも眩しいほどに輝いています。

こんなウォッチを着けていたら、背筋が伸びて心も引き締まるのではないでしょうか。周囲に更なる信頼を与えることができそうです。白樺や雪白ほどキャッチーではない(今現在は)ですが、「GS欲しいんだけど定番は外したモデルを選びたいな」という方にも、自信を持ってオススメしたい一本です。

レギュラーモデルということで、現在は安定した資産価値を保っています。現在は使用価値の方が高い印象です。そして定価改正によりなかなかのご褒美プライスになっています。今夏のボーナスの使い道は、SLGH013にキマリ!?姉妹サイトクエリでは販売していますので、気になった方は是非、チェックしてみて下さいね!

グランドセイコー SLGH013の仕様・価格について

グランドセイコー SLGH013 仕様・価格
グランドセイコー SLGH013 仕様・価格
モデル ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 雪解け
Heritage Collection 9S Mechanical HiBeat 36000 Melting Snow
型番(REF.) SLGH013(9SA5-00F0)
ケースサイズ エバーブリリアントスチール
ムーブメント 手巻き付き自動巻き Cal.9SA5
パワーリザーブ 最大巻上時約80時間持続
防水 10気圧 日常生活強化防水
その他 2022年秋発売、レギュラーモデル(サロン、ブティック、フラグシップブティック限定)
定価(税込) 1,210,000円

※掲載内容は2023年03月調査時点のものです。最新情報は公式サイト等をご確認ください。

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