更新日:2023年03月03日
グランドセイコー ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 雪解け SLGH013の実機レビューをお届けします!
グランドセイコーSLGH013は、横40.0mm、エバーブリリアントスチール製ケースに手巻き付き自動巻き Cal.9SA5を搭載しています。密かに話題の「雪解け」、ピアゾに到着!早速実機レビュースタートです!
ダイヤルは、公式で「シルバーに近い淡いブルー」「LightBlue」と表記されています。正面から見るとシルバーカラーなのですが…?早速、角度を変えてディティールを見ていきましょう!
インデックスはシンプルなバータイプ。12時位置が2倍の太さになっています。この新しいテクスチャーは、「岩手山の春の雪解け」を表現しています。風情あってとっても素敵ですね。
僅かに立ち上がったガラス。ベゼルは少しだけ丸みを帯び、斜面を描いてから一度角度を変えて、ケースに対し垂直に落ちていきます。
44GSケースという事で、ラグ先のカッティングまでがシンメトリーで大変美しいです。
ストレートタイプ、ガードなしのリューズ。
9時サイドから見たところ。ケース素材はエバーブリリアントスチールです。
搭載ムーブメントは「9SA5」。全く新しい、次世代のGSを担う自動巻きムーブメントです。36,000/時のハイビート、パワーリザーブ80時間、かつ薄型という、ムーブメントの良い所を凝縮したような優れに優れたスペック。それぞれ利点があればデメリットも生れてしまうわけで、グランドセイコーはこれらの軋轢をどのように解消していったのでしょうか。
まずはハイビート。テンプが36,000振動を達成することで、姿勢差や外乱時でも精度を落とすことなく正確な時刻を刻むことが出来るというメリットがあります。一方で、パーツの消耗が早かったり、潤滑油がすぐ切れてしまうという、主にユーザーにかかるメンテナンス面がデメリットでした。
ここはGSお得意、9S系ムーブ全てに用いられているMEMS(メムス)が解消。メムスとは、半導体製造に使われ、ミクロン単位で部品を作ることのできる技術。ガンギ車やアンクルの形状を再設計し、特にガンギ車に至ってはつま先に油だまりを作ることで、油切れや油跳ねを解消。パーツそのものの耐久性を上げるというロジックですね。
次にパワーリザーブと厚み。ゼンマイを並列させたりしてトルクを大きくすることで稼働時間を長くしますが、デメリットとしてパーツが大きくなりムーブメントが大きくなってしまう事、そしてハイビートはトルクは大きいものの脱進機効率が悪くなってしまうためパワーリザーブを伸ばすのは至難の技。
この点は「デュアルインパルス脱進機」という全く新しい脱進機の開発によって解消させます。アンクルの形状を変えてんぷの運動を調整させることで、トルクロスを解消させてより効率の良い動力伝達を行えるようになりました。新しい脱進機とは、オメガのコーアクシャル機構が目新しいですが、開発に膨大な時間と経費がかかるため、滅多に行われることがないと言います。
また、輪列を水平構造にすることで、ムーブメントの厚みを解消します(その代わりムーブ径は大きいです)。
気の遠くなるような所業をやってのけたグランドセイコーの9SA5は、時計業界を震撼させました。こんなに素晴らしいムーブ、やはり量産は難しいのでしょうね。ちなみにブリッジなども本当に美しいので、是非写真を拡大してご覧頂けたらと思います!
三連ブレス、三つ折れ式バックル。ブレス中央のコマは両サイドが細く鏡面仕上げになっていて、ちらっと輝く様がニクイやつです。
本日は、昨年秋に新登場したレギュラーモデルをご紹介しました。「雪解け」ともお呼びしたら(あまりの神々しさに思わず敬語)いいのでしょうかね、レギュラーモデルというのも嬉しいポイントです!ですがサロン・ブティック限定なので、マスターショップでも見られない、なかなかのハイエンドモデルでもあります。
ダイヤルの型押しは本当に美しく、思わず見入ってしまうほどでした。また角度によって淡いブルーに変わるカラーも大変魅力的。こういった仕様はSBGW289桜隠しなどにもありましたね。
「雪解け」というテーマも新鮮でした。グランドセイコーはこれまでにも「雪白」を筆頭に、「信州の雪」「シュカブラ(雪紋)」「雪化床(2023年3月発売!)」など、様々な雪を表現してきましたが、「雪解け」は気候が温かくなる冬のエンドロール。そして春へのプロローグでもありますよね。新しいキャリバー9SA5搭載という要素も相まって、常に革新を求めて進んでいくグランドセイコーの、強固な意思のようなものも感じました。44GSケースも眩しいほどに輝いています。
こんなウォッチを着けていたら、背筋が伸びて心も引き締まるのではないでしょうか。周囲に更なる信頼を与えることができそうです。白樺や雪白ほどキャッチーではない(今現在は)ですが、「GS欲しいんだけど定番は外したモデルを選びたいな」という方にも、自信を持ってオススメしたい一本です。
レギュラーモデルということで、現在は安定した資産価値を保っています。現在は使用価値の方が高い印象です。そして定価改正によりなかなかのご褒美プライスになっています。今夏のボーナスの使い道は、SLGH013にキマリ!?姉妹サイトクエリでは販売していますので、気になった方は是非、チェックしてみて下さいね!
モデル | ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 雪解け Heritage Collection 9S Mechanical HiBeat 36000 Melting Snow |
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型番(REF.) | SLGH013(9SA5-00F0) |
ケースサイズ | エバーブリリアントスチール |
ムーブメント | 手巻き付き自動巻き Cal.9SA5 |
パワーリザーブ | 最大巻上時約80時間持続 |
防水 | 10気圧 日常生活強化防水 |
その他 | 2022年秋発売、レギュラーモデル(サロン、ブティック、フラグシップブティック限定) |
定価(税込) | 1,210,000円 |
※掲載内容は2023年03月調査時点のものです。最新情報は公式サイト等をご確認ください。