6263 ROLEX COSMOGRAPH DAYTONAとは?
1950年代にサブマリーナ、GMTマスター、エクスプローラーなど数々のスポーツモデルをヒットさせてきたロレックスが、
1963年に投入したのがクロノグラフ搭載の「コスモグラフデイトナ(Rolex Cosmograph Daytona)」でした。
1960年代、ほとんどのスポーツロレックスはねじ込み式リューズとケースバックを装備したオイスターケース化を果たし、高い防水性を備えていましたが、クロノグラフであるデイトナにはプッシュッボタンが不可欠であり、第2世代までは非防水に近いレベルでした。
今回ご紹介する
Ref.6263は、ねじ込み式(スクリューダウン)プッシュボタンを採用して50m防水を達成した、第3世代のデイトナです。
その証として、ダイヤルのROLEXロゴの下には「OYSTER」の文字がプリントされています。
それではロレックスデイトナ6263について詳しく見ていきましょう。
Ref.6263とRef.6265その違いはずばりベゼルの素材。
Ref.6263→プラスチックべゼル、
Ref.6265→メタルベゼル
です。
初代デイトナ6239と6241や、2世代目デイトナ6262と6264の関係性と同じですね。
その他、ケースサイズ、ムーブメントや防水性、プッシュボタンなどの仕様はRef.6263とRef.6265で共通となっています。
プラベゼルはちょっとした衝撃で壊れてしまうこともあり、
耐久性・使い勝手の良さではどう考えても6265(メタルベゼル)のほうが優秀でしょう。
しかしその脆さゆえ、そしてまた現行には存在しない、という理由で、
プラベゼルの方がコレクター人気がある=高値で取引されているのが現状です。
Ref.6263デイトナも、Ref.6265と同じようにダイヤルデザインが変化してきたことが確認されており、
その違いは主に
デイトナロゴに見られます。
6263製造初期にはダイヤル上のどこにも
DAYTONAの表記がありません。
ただ、第2世代6262&6264と比較すると、オイスター化したことで12時位置の表記が
ROLEX
OYSTER
COSMOGRAPH
と3段になり、端正な印象を与えています。
6時位置の12時間積算計インダイヤルの上部に赤い文字で
”DAYTONA”とロゴがプリントされています。
”ビッグロゴ”、”ビッグレッド”と呼ばれ、需要が高いモデルです。
文字盤色はシルバーよりブラックのほうが人気があります。
赤い
”DAYTONA”ロゴ表記が②ビッグロゴの時期より小さく、「スモールデイトナ」などと呼ばれています。
↓↓見比べてみましょう↓↓
写真上)②ビッグロゴ:両端の文字(DとA)が6時位置インダイヤルの12の両側の目盛りを大きくはみ出ていますが、
写真下)③スモールロゴ:両端の文字(DとA)がちょうどその目盛りの間に収まるギリギリぐらいの大きさとなっています。
ちなみにこちらの「スモールロゴ」は、日本ロレックスでのオーバーホール時に交換された仕様で、
ルミノバ夜光になると「T SWISS T」の「T」(←トリチウム夜光を表す)がないバージョンとなります。
ロレックスデイトナRef.6263とRef.6265には6時位置のインダイヤルの下には
夜光の素材トリチウムと製造国 スイスを示す記載、『T SIWSS T』がありますが、
そのいわゆる『Tマーク』の左右に謎の記号
『σ』 (ギリシャ文字の小文字の「シグマ」)がある個体が存在します。
『σ』にはどんな意味があるのでしょうか?!
このσ(シグマ)マークは ダイヤルのインデックス等に
ゴールドやプラチナなどの貴金属が使用されている事を表している、と言われています。
文字盤を製造していたメーカーの違い、とも言われています。
なお『σ』 が存在するのは前項で説明した「デイトナロゴ無し」または「ビッグデイトナ」ダイヤルで、
その後文字盤が交換された「スモールデイトナ」には存在しません。
『σ』 があるということは、交換されていないオリジナルダイヤルである可能性が非常に高いため、相場が高くなる傾向があります。
実際海外でも”Rolex Daytona
‘Sigma’ dial chronograph” などと明記され、一つの付加価値とも言えます。
最近では2017年10月ニューヨークで行われたフィリップス・オークションに出品された6265”シグマダイヤル”は、
インデックスと針がホワイトゴールド製で、$97,500で落札されています。
ちなみに同じこの『σ(シグマ)』マークは、同時代のデイトジャストのほか、
パテック・フィリップのノーチラスやエリプス、IWCのインヂュニア、ヴァシュロン・コンスタンタン222などでも確認されてます。
クロノグラフであるデイトナのベゼルには、平均時速を算出できるタキメーターが刻まれていますが、
メタルベゼルのRef.6265と、プラベゼルのRef.6263で共通する特徴として、
オリジナルから交換用まで4種類に分別されています。
(※写真左からMk1、Mk2、Mk3、Mk4)
最初期ということで最も相場が高いのがMk1。
時速を表す数字や目盛りがベゼルの内側ギリギリまで隙間なく刻まれているのが特徴。
数字や目盛りがベゼルの若干センター寄りになり、
よくよく見るとMk1のようにベゼル内側ギリギリまでは刻まれていません。
Mk1とMk2の相場には現状では大きな差は見られません。
ベゼルに刻まれた
「5」の数字の縦線が若干長めになっています。
破損や傷があり、メーカーにて交換された交換用ベゼルがこちらのMk4。
最も分かりやすい特徴は、
「UNITS PER HOUR」の
「S」が丸みを帯びた滑らかな書体に変更されている点。
オリジナルではないため、ほかの3つと比較すると相場は落ちてきます。
クロノグラフの操作を行うプッシュボタンは、2代目(6262、6264)から3代目(6263、6265)へ世代交代するにあたり、
ねじ込み式が採用されオイスター化が図られました。
そのためこの6263&6265のプッシュボタンにはグリップ部分に「溝」があるのが特徴です。
そしてその「溝」の状態によって、前述のベゼルと同様、4種類に分類されています。
古いものほど相場が高く、プッシュボタン単体でも販売サイト、オークション等で取引されています。
如何せん古いもので、画像が6265と6263を合わせたものとなっておりますがご容赦ください。
最初期パーツであるMk0。
グリップ部分の溝がまだ浅いことが分かります。
クロノグラフの操作を行うプッシュボタンは、メーカー的には消耗品という認識ですので、
長期の使用後のOHなどでは交換が行われている場合が多く、
0型(Mk0)オリジナルプッシャーのは非常に希少な存在で、相場が高くなっています。
こちらもMk0に次いでレア度が高いMk1。
Mk0よりも溝が深くなり、指がかかりやすくなっています。
Mk1に次ぐレア度のMk2。
グリップがくっきりとした山型になっており、オリジナルのプッシュボタンとしては最終型と考えられています。
オーバーホールや修理の際の交換用として用意されたMk3。
現在流通しているほとんどの3代目デイトナはこちらを装備していますが、オリジナルと比較すると相場は落ちます。
グリップ部分はMk2とほとんど同じですが、円柱部にぐるっと溝があるため、見分けやすいですね。
ロレックスコレクターを夢中にさせ、世界中で過熱気味とも言える、
「デイトナ ポールニューマン」の人気。
「エキゾチックダイヤル」という異名を持つ、アールデコ調のフォントが特徴的で、
世界中の時計販売サイトや有名オークションで数千万円~数億円という驚愕の高値で取引されています。
時計1本で都心のマンション、いや一軒家?!が買えちゃいます。恐ろしいまでの人気です。
取引価格が高騰しているポール・ニューマンは数千万円超えですので、
なんとかもう少し手の届くレベルで、かつレア度が分かりやすいデイトナ。
この条件にぴったりなのモデルは
「デイトナ・ソロ」ではないでしょうか?
文字盤上に
”ROLEX”ロゴだけしか印字されていない、レアなダイヤルが
「ソロ(SOLO)」の意味するところ。
数年前、6263のプロトタイプとも言われるRef.6240の”ソロ”や、初代デイトナの”ソロ”('Solo Rolex')がオークションに登場し、
以来認知度を徐々に高めつつあります。
6263の”ソロ”は2016年11月フィリップス(Phillips)オークションにて
675,000香港ドル(約980万円)で落札されています。
ううーん、ポールニューマンと比べればそりゃ、、、ってぐらいですね。
6240の”SOLO”は現在海外サイトなどでもたまに販売されているのですが、
どれも"Price On Request"。
一体いくらで売ってくれるのでしょうね!?
これまで説明して参りましたように、
Ref.6263のレア度を見分けるチェックポイントは大きくわけて3つです。
- デイトナロゴの有無・サイズ
- ベゼルの文字デザイン
- プッシュボタンの溝の形状
もし6263を買取査定に出すなら、少なくとも上記のような「査定に差がつくポイント」を押さえておくことは非常に重要です。
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