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時計界の名門中の名門ブランド、ブレゲのアビエーションウォッチ（航空時計／パイロットウォッチ） 、TYPE XX（タイプ・トゥエンティ）。

1950年代、フランス航空試験所が海軍航空部隊（＝アエロナバル）のパイロットのために制定した仕様に従いブレゲが製作した「タイプXX」。

最初期の生産数は５００本と少なかったということで、今となっては貴重なコレクターズ・アイテムとなっていますが、絶対数が少ない意外な理由が他にもあるようです。

アブラアン-ルイ・ブレゲの直系7代目でブランドマネージャーを務めるエマニュエル・ブレゲ氏が明かしたところによると、退役の際、軍の規則ではブレゲの時計を返却することになっていましたが、回収された時計の状態が悪く、修復が難しい場合は破壊されてしまったというのです。
ただ、フランス人は規則を守る人ばかりではなく、運よく救われた時計もあったというわけです。

ではTYPE XXの変遷をみてみましょう。

第1世代モデルは1950年代に製造され、フランス海軍航空隊（アエロナバル）に採用されました。このモデルは、クロノグラフの積算計を装備する3インダイアル・タイプであり、数字が刻印された回転ベゼルを備える、手巻き式の腕時計でした。

その後、1970年代に第2世代が登場します。
こちらはボリューム感の増したスティールケースと黒のベークライト製ベゼルなどを持つ近代的なモデルでした。

そして1994年には生産数を限定した復刻版が第3世代として発表され、自動巻きムーブメントへと変更されました。
翌1995年には文字盤が現在のアエロナバルのものへと変更された量産版「タイプXX アエロナバル」が登場し、瞬く間に人気モデルとなりました。フライバック機能やケースサイドのコインエッジ（フルート装飾）、そして自動巻きムーブメントへと変更されたのです。

1998年には、第4世代の「タイプXXトランスアトランティック」が発表されました。
アエロナバルと同じく自動巻きですが、デイト表示の追加、文字盤やケースの仕上げの変更、ゴールド製アワーマーカーやクロノグラフ針などの特徴を持ち、アエロナバルよりもラグジュアリーな仕様となっています。

2004年に誕生した第5世代の「タイプXXI（トゥエンティワン）」。
3時位置にデイ＆ナイト表示を備え、センターのクロノグラフ針と60分積算計の分針が同時にフライバックする機能を搭載しています。
また、ケース径が39mmから42mmに拡大され、文字盤にはブラックロジウムが採用されよりシックな仕上がりとなっています。

そして2010年、第6世代の「タイプXXII（トゥエンティトゥ）」が登場しました。
ケース径はさらに44.0mmにサイズアップされ、ムーブメントにはシリコン部品を採用した7万2000振動/時の高振動脱進機を装備しています。
この超ハイビート化によって、クロノグラフ針は30秒で1回転し、より精密な計時が可能となりました。また、従来どおりの日付表示に加え、第二時間帯表示（ＧＭＴ機能）も装備し、まさに最強のクロノグラフと呼ぶに相応しい仕様になっています。