更新日:2024年04月19日
12月14日(日本時間15日)に行われた大谷翔平選手のロサンゼルス・ドジャーズの入団会見、朝の8時頃から生中継され、ご覧になった日本のファンも多いことでしょう。さっそくネットでは愛犬の名前が”デコピン(あちらではディコイ)”だと判明したことと、大谷翔平が着用していた腕時計が大きな話題になりました。
会見にはブルーのスーツにブルーのネクタイと、”ドジャーブルー”を意識したスタイルで登場した大谷選手。爽やかでカッコいいですね!!(ちなみにこちらのスーツ、シャツ、ネクタイはBOSSのオーダーメイド”BOSS MADE TO MEASURE”のものだそう)スーツスタイルに合わせて、革ベルトの腕時計をチョイスしたのでしょうか。革ベルトの時計を着用している大谷選手、新鮮な印象がありました。話始める前にユニフォームを手渡されて羽織っていましたが、スーツ姿が本当にサマになる方ですね!
SNSや海外メディアでは当初、「グランドセイコーのSBGR261ではないか?」との意見が多かったようですが、いやいや、SBGM221だ、SBGJ217だ、と様々な意見が飛び出しちょっとした論争を巻き起こしました。というわけで、それぞれの意見を検証しつつ、ピアゾ編集部でも大谷選手が着用していたグランドセイコーのモデルはどれなのか?探ってみたいと思います。
会見の際、大谷選手の腕元を見て遠目に判別できたのは、リューズガードなどもないシンプルな形状の丸形ケースで、文字盤もホワイト系、ケースはゴールドではなく恐らくステンレススチール、茶色のベルト、3時位置にデイト表示あり、といった程度。グランドセイコーに少し詳しい方であれば「エレガンスコレクション」というところまではすぐ特定できたでしょう。
そういった情報から、ネットでは大谷選手が着用しているのは「グランドセイコーのSBGR261」という意見が多数出ました。
グランドセイコー エレガンスコレクション メカニカル自動巻3Days SBGR261 定価:572,000 円(税込)
「グランドセイコー エレガンスコレクション SBGR261」は39.5mmのSS製ケースに約3日間のパワーリザーブを誇る「メカニカル 自動巻キャリバー9S65」を搭載したシンプルデザインが魅力的なモデルです。
しかし大谷着用時計を見る限り、針が4本あり、さらに6時位置のテキストが2~3行ほどあるように見えます。SBGR261には「AUTOMATIC」の1行しかありませんので、違うかな、という結論に至ります。
次にファッション誌「GQ」などのメディアで「大谷選手はグランドセイコーSBGM221を着用していた」と報道されました。
そのほかXに投稿されている方もチラホラ。
Shohei Ohtani wore a Grand Seiko SBGM221 GMT for his Dodgers introductory press conference.
— Joe Pompliano (@JoePompliano) December 16, 2023
The watch was made in Japan, and you can buy it for less than $5,000. Great choice. pic.twitter.com/O2myvUaPQE
7億ドル(約1015億円)もの契約をした大谷が意外なほどに控えめな時計を着用したことがよほど珍しく思われたのか、GQでは「SBGM221は5,000ドル以下。日本で育ち、日本で野球のキャリアをスタートさせた大谷にとって、この選択は彼の伝統に対する誇りを反映しているようだ。」と伝えています。
GQが伝えた「グランドセイコーSBGM221」がこちら。
グランドセイコー エレガンスコレクション メカニカル自動巻 3Days GMT SBGM221 定価:605,000 円(税込)
「グランドセイコー エレガンスコレクション SBGM221」は39.5mmのSS製ケースに約3日間のパワーリザーブを誇る「メカニカル 自動巻GMT キャリバー9S66」を搭載しています。SBGR261と大きく異なるのは、第二時間帯を知ることが出来る4本目のGMT針(本作では青い針)を備えていることです。
ただ筆者や他のピアゾスタッフもこの報道を目にした際、それは違うのでは、と思ったのです。というのも、大谷着用の時計の写真を見る限り、SBGM221に見られる、内周の24時間表示がないようにしか見えなかったからです。
となると可能性としてあるのは・・・そうホディンキーさんや他の時計店さん、ブロガーの方などが指摘した次の時計かな、というところに至ります。
時計専門メディアであるホディンキーさんは、「文字盤の6時位置に3行ほどのテキストがあり、その真ん中が長い」点と、さらに「長いバーインデックス、いずれも二重になっていない」点を挙げ、「SBGJ217」と推定しています。
グランドセイコー エレガンスコレクション メカニカルハイビート36000 GMT SBGJ217 参考定価:770,000円(税込)
「グランドセイコー エレガンスコレクション メカニカルハイビート36000 GMT SBGJ217 」は、39.5mmのSS製ケースに「メカニカルハイビート36000 GMT キャリバー9S86」を搭載したマスターショップ限定モデルです。青いGMT針が良いアクセントとなっています。2017年発売モデルで、現在公式サイトには掲載されていません。
SBGM221に搭載されている「キャリバー9S66」と「キャリバー9S86」の大きな違いは「振動数」で、前者が一般的な28,800振動/時(8振動/秒)、後者がいわゆる「ハイビート」と呼ばれる36,000振動/時(10振動/秒)です。
振動数が多い方が、外乱に強く携帯時に安定した精度を出すことができます。価格もハイビートムーブメント搭載モデルの方が高くなります。
「SBGJ217」には、ダイヤル外周の分刻み目盛りに加え、10振動モデルならではの1/5秒目盛が刻まれています。また、6時位置の表示は2段目に”HI-BEAT 36000”となっており、HODINKEEさんの言う「真ん中が長い」に一致しますね。
さらに大谷着用時計の写真を見ると、長いバーインデックスの間になにか点のようなものがあることが確認できます。これが、「SBGJ217」にある1~23までのGMT目盛の数字ではないかと推測されます。
スプリングドライブGMT搭載モデルで革ベルトに交換?などなど、他にも色々と可能性を探りましたが、現時点で得られる情報を元に判断する限りでは、大谷選手着用モデルはこちらの「SBGJ217」の可能性が一番高いと思われます。
「SBGJ217」が発売されたのは2017年。大谷選手のファンならピンと来るところでしょうか、そう、大谷選手がロサンゼルス・エンゼルスに入団し、メジャーリーグデビューしたまさにその年です。大谷翔平選手はロサンゼルス・エンゼルス入団会見時には「セイコー アストロン 大谷翔平 限定モデル SBXB119」を着用していましたが、こちらもその頃からお持ちだったのでしょうか。
日本とアメリカの時刻を同時に知ることが出来るGMTモデル、しかも”高精度”を誇る時計。世界を股にかけて活躍する大谷選手にぴったりですよね。2017年発売モデルを着用したのは「初心を忘れない」という隠れたメッセージかな、なんていうのは深読みし過ぎでしょうか。
実際はスーツスタイルに合わせた革ベルトモデルの中から、ドジャーブルーを意識したファッションに合わせて、ホワイト文字盤に青針が映えるこの時計をチョイスした、というところかな、と推測されます。もしくは待望の新たなグランドセイコー大谷モデル?!・・・なんて想像も楽しいですけどね!
2016年、セイコーのメンズウオッチの新たなイメージキャラクターとして、当時北海道日本ハムファイターズに所属していた大谷選手が起用されました。
セイコー アストロン SBXB041を着用した大谷翔平選手
2017年には最初の「セイコー アストロン 大谷翔平モデル SBXB119」が発売され、その後毎年のように大谷翔平モデルが発売されることになります。
2017年12月にエンゼルスに入団することが発表された大谷選手。そしてその翌月、2018年1月に、セイコーウオッチは大谷選手と「サプライヤー契約」を結ぶことを発表しました。ちなみにこの時契約締結を記念して、セイコーが大谷選手に贈呈した時計は、「セイコー アストロン SBXB123」「グランドセイコー SBGA211」「セイコー プレザージュ SARX051」「セイコー プロスペックス SBDC053」と公表されています。
左から「セイコー アストロン SBXB123」「グランドセイコー SBGA211」「セイコー プレザージュ SARX051」「セイコー プロスペックス SBDC053」
いずれも今回の時計には該当しなさそうですが、セイコー曰く「大谷選手のライフスタイルやイメージに合ったセイコーの時計をご提供する」とのことですので、公表されずとも様々な時計が提供されているのでしょう。
大谷選手が2021年シーズンのMLBア・リーグ™MVPを受賞した際には、「グランドセイコー エボリューション9 コレクション SLGH005 ”白樺”」が贈呈されています。
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こちらは大谷選手がWBCで共に闘ったヌートバー選手に贈った時計としても話題となりましたね。
2023年はセイコー プロスペックス初の大谷選手限定モデル 「SBDC191」が 1700本限定で発売されましたが、そろそろグランドセイコーから大谷翔平モデルが出るのを期待したいですね~~!
使い勝手も抜群に良さそうな大谷翔平(おおたに しょうへい)選手の数量限定モデル、「セイコー プロスペックス 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン 大谷翔平 2023限定モデル SBDC191」 を8月11日(金)より発売!
エンゼルス時代から大谷選手の専属通訳を務めていた水原一平氏。今回のドジャース入団会見でも司会者から「翔平の最高の相棒であり、親友でもある水原一平通訳です」と紹介され、大谷の意図を汲んだ通訳を披露していましたね。
どうやら水谷氏もグランドセイコーの腕時計を着用していた模様。
24までの数字が刻まれたGMT機能をもつベゼル、ブラックの文字盤、赤いGMT針と6時位置の”GMT”表記、3時位置の日付表示などの特徴から恐らく「SBGM227」と推定されます。
「SBGM027」もよく似た特徴を持つモデルですが、まだ12時位置に”SEIKO”表記があった時代のものなので違いますね。
グランドセイコー メカニカル自動巻 3Days GMT SBGM227
「グランドセイコー メカニカル自動巻 3Days GMT SBGM227」は、 39.4 mmのステンレススチール製ケースに、「メカニカル 自動巻GMT キャリバー9S66」を搭載し、メタリックなベゼルと黒文字盤に映える赤いGMT針が特徴的な腕時計です。
今回はドジャース入団会見で大谷翔平選手が着用していた腕時計についてお伝えいたしました。来季は打者として大活躍が期待される大谷翔平選手。どの球団と契約するのか注目が集まる中、大谷選手本人のインスタグラムにどーんとドジャースのロゴと共にメッセージが投稿されたのはなかなかのインパクトでした。2024年のセイコー大谷翔平モデルはやっぱり”ドジャーブルー”がテーマになるのではないでしょうか。というか、そうじゃないとなんだか納得いかないですよね。
パキっとしたドジャーブルーはいかにもアストロンやプロスペックスにはしっくりきそうな色ではありますが、筆者としてはとにかくグランドセイコーからも大谷翔平モデルが出ないかな、と淡い期待を抱いています。ただ「セイコー」と”別ブランド”としてのブランディングを展開しているグランドセイコーですから、色々と難しい大人の事情もあるのかもしれません。なんにせよ、楽しみに待ちましょう!