更新日:2023年09月15日

【2023年度版最新】なぜ人気?ジャガー・ルクルトのレベルソ大特集

近頃、人気上昇中のジャガー・ルクルトのレベルソはなぜ人気なのか?

“真のマニュファクチュール”との呼び声も高いジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)。“世界三大腕時計ブランドと同等(もしくは次ぐ)”と業界では称されるほど、実力派の時計メーカーとして知られています。事実、名だたる名門ブランド(※パテック・フィリップやオーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンやカルティエなど)に、機械式ムーブメントやパーツを供給。公式ページでも、「ウォッチメーカーの中のウォッチメーカー」を自認しており、他社ライバルからも絶大な信頼を寄せられてきた歴史を誇ります。

また、時計愛好家達からの信望も厚く 、歴史的背景やエピソードを知れば知るほど、「ジャガー・ルクルトは名門中の名門だ!」と同ブランドを高く評価する傾向も見受けられます。個性的な高級腕時計を手掛けてきた実力は、まさに本物!1833年創業当時から、430以上の特許登録と1300種類以上のキャリバーを発表。「ミリオノメーター」や「ジャイロトゥールビヨン(※多軸トゥールビヨン、形状が美しい)」を発明するなど、ウォッチメイキング力は業界でも屈指の存在。クリエイティブな意欲作を次々とリリースできる実力は、類稀なマニュファクチュール力に裏打ちされた代物なのでしょう。

本ブログでフォーカスする「レベルソ」は“角型ウォッチの代名詞”として、時計史に名を轟かせるジャガー・ルクルトを代表する看板モデル。近年は販売価格の高騰に比例するように、人気も急上昇中!!レベルソ・クラシック・ミディアム・スモールセコンド(Ref.Q2438522)を例に出すと、2020年5月まで688,600円だった定価が、2023年6月の改定で遂に150万円の大台(※1,504,800円)を突破……怒涛の値上げの嵐が、腕時計ファンの私達に吹き荒れています。

「定価改定の波が続く腕時計業界……今、売り時&買い時の腕時計ブランドはどこなのでしょうか!?」
ジャガー・ルクルトは要注目ブランドの一つです。(一部商品は)2倍近い価格上昇にも関わらず、近頃は「レベルソがどうしても欲しい!」という意見が数多く寄せられており、業界内でも更に評価を高めつつある状況です。レベルソという長方形の時計は、なぜそこまで一部の時計ファンを魅了してしまうのでしょうか?

ジャガー・ルクルトの代表モデル「レベルソ」の概要

眩いまでの存在感を見せる、角型ウォッチ「レベルソ」。“生きた伝説”とも呼べる、不朽の名作を生み出せたことが、ジャガー・ルクルト最大の強みかもしれません。

イギリス上流階級の定番スポーツ「ポロ」の試合に耐えられる腕時計として誕生したレベルソ。アールデコ様式で彩られたシンプルな直線美、反転式ケースというユニークさは、誕生後90年経過した今でも、斬新かつ独創的です。

実用的なメタルのケースバックは、当初文字盤とガラス(※アクリルガラスの登場は1940年代以降)を守る役割から、モノグラムやパーソナルメッセージなど、アーティスティックなキャンパスへと変化。熟練クラフトマン達の手が込んだエングレービングやエナメル装飾などもあしらわれるようになります。

また、裏面が別の文字盤になっている「デュオ(※もしくはデュエット)」やスケルトン加工のモデルなど多数存在し、多種多彩なコレクションの充実ぶりも人気の要因の一つでしょう!

レベルソの口コミや感想について

ジャガー・ルクルトの看板機種、レベルソに対するイメージや評判をネット上で調べてみました。

≪レベルソのイメージや口コミ≫

「レベルソ着けている人はオシャレなイメージがある。憧れ」
「表と裏で違った顔を持つのがいい」
「4年前までは半額だったのに・・・」
「10%前後の値上げが年4ペースで発生。前なら余裕でデュオ買えたのに」
「同価格帯ならロレックスやオメガを買う」
「30代でレベルソはハードルが高い」
「色気のある大人にドレッシーなレベルソは似合う。若い20代にはモナコの方が合いそう」
「年齢のたび、似合っていく気がする」
「(自分と)服装には似合わないのがショック!」
「レベルソの似合う男になりたい!」
「レベルソとオイパペで迷っています。どっちを選んでも後悔はなさそう」
「クラシックでシンプルなのに存在感があるとこがいい」

デザイン面や購入後の感想で見れば、“ほぼ満点”に近い肯定的なコメントが目立ちます。購買意欲を刺激するパワーワードもちらほら。

一方「レベルソ、似合わない」といったネガティブワードに関しては、カジュアルな服装やオーナーの体格との相性が原因で、ラウンド型ウォッチより、レベルソが似合いにくく(普段使いしづらく)なっている可能性も。

レベルソの出自は、貴族達が愛する“紳士のスポーツ”ポロに所縁のある、ラグジュアリーなスポーツウォッチ。それなりに綺麗めなファッションの方が合わせやすいのは必定です。

【レベルソの注目関連キーワード】

「レベルソ 値上げしすぎ」
「レベルソ 似合う人、似合わない人」
「レベルソ デュオ、トリビュート」
「レベルソ 後悔」

ざっくばらんに言えば、値段面のマイナス面。個性的なレクタンギュラー(※長方形)のデザインが、(一部ユーザーに)災いしてしまう恐れもあるのが注意事項でしょうか。とは言え、トータルで見れば、「買ってよかった!」「宝くじが当たったら欲しい」と前向きなコメントが多く目立つのも、ロングセラーを誇るレベルソの底力なような気もします。

ジャガー・ルクルトの代表モデル「レベルソ」の歴史&人気の理由とは?

ラテン語で「反転、回転」の意味を持つレベルソ(Reverso)。名前の通り、文字盤をスライドさせ180度裏返しできる独特な機能が持ち味です。誕生のいきさつは、1930年頃にセザール・ド・トレー(※スイス人実業家)が、ポロの試合中に「文字盤の風防ガラスを守る方法はどうすればいいか?」と解決策を講じたことから始まります。当時の常識を覆す、180度反転ケースの発想は、友人であったジャック=ダビッド・ルクルト(※創業一族の3代目)。アルフレッド・ショヴォー(※フランス人技師、特許出願者)と共に、「支軸スライド式完全反転可能時計」の構想を実現。特許取得9か月後に、レベルソが発売されます。

ジャガー・ルクルト社は、1937年に社名を「ジャガー・ルクルト」に変更している(※ジャガー社とルクルト社の合併は1917年)ので、“激動の1930年代”と言ったところでしょうか。新作紹介記事 ではアールデコや黄金比に比重を置いて、別の切り口で「ジャガー・ルクルトの1930年代」について触れているので、興味のある方は合わせてどうぞ!

ここで「レベルソの記念すべきモデル」を略歴年表形式で幾つかチョイスしてみましょう。

≪レベルソの歴史と記念碑的モデル≫
1931年・・・初代レベルソ誕生。同年発売のレディースモデルは、ペンダントやハンドバッグクリップとなるオプション付き
1985年・・・第二世代レベルソを開発。現行モデル「レベルソ・クラシック」のルーツ。パーツ数が23個から55個へ。反転ケースの設計を見直し、操作性も向上!
1994年・・・表裏で二つの時間帯を表示した「レベルソ・デュオ」を発売。(表ダイヤルには現地時間、裏ダイヤルにはホームタイムが表示)
2011年・・・レベルソ・トリビュート(※グランド・レベルソ・ウルトラスリム・トリビュート・トゥ・1931)を発売。現行モデル レベルソ・トリビュートのファーストモデル
2016年・・・レベルソ・クラシックを発売。

1970年代にはクォーツショックが原因で生産終了の憂き目に遭いますが、1975年に公式復活を遂げています。それからの活躍ぶりは、読者様も知っての通りでしょう!

特筆すべきは、やはり初代レベルソの1931年オリジナルモデルの偉大さでしょうか!革新的な反転式ケース、黄金比で形成されたレクタンギュラー型。当時では珍しい、ブラック文字盤やバーガンディーレッド、チョコレートブラウンなどのカラーバリエーションダイヤルの豊富さ……などなど、多大なオリジナリティー性を“レベルソのDNA”として、後世に残しています。

パテック・フィリップのノーチラス、オーデマ・ピゲのロイヤルオーク。ロレックスのデイトナ、オメガのスピードマスター。名だたる有名ブランドは、枚挙にいとまがないほど、看板機種に“強い個性とDNA”を確立しています。ジャガー・ルクルトのレベルソも例外ではなく、他社超人気モデルと比較しても遜色ない個性&エピソード性で人気を博し、近頃のブレイクに繋がったのかもしれません。

1985年にレベルソ第二世代を手掛けた際には、当時最先端のCNC技術を使用。ブランド初の機械加工された反転ケースを自社生産できたのも、“大きな成功の要因”として見逃せません!既に得意としていた「注※角型ムーブメント」づくりに加え、より万全なマニュファクチュール体制を1980~90年代に敷けたのは、ブランドとしては大きな強みでしょう!

※レベルソ発売当初は丸型ムーブメントだったが、すぐに角型ムーブメントへ切り替えている。現在でも一部のブランドは、角形時計の中に丸形ムーブメントを搭載しているので、ジャガー・ルクルトのマニュファクチュール力の高さが推し量れる。

また、1994年誕生の「レベルソ・デュオ」も、時計史のマイルストーンとなる、偉大なる発明の一つです。ケース裏面に“もう一つの顔”を搭載することで、「1本の時計で2つの文字盤」が楽しめるように進化!ケース裏面は装飾として活用する以外にも、機能面でも大活躍するようになるのです。ジャガー・ルクルトならではのマニュファクチュール技術がフルに活かされたレベルソ・デュオ。そのイマジナティブな機能性は、時代背景の変化と共に評価を高め、近年ではレベルソの中でも特に注目を集めつつあります。

結論をまとめると、レベルソというコレクションは、クォーツショックを乗り越えた1980~90年代頃から、デザイン面&機能面の双方向で多種多様さを極め、ドレス系では珍しい角型ウォッチで独自の地位を築くことに成功。約90年かけて、大事に育んだ“多種多彩なレベルソ”というDNAは、ダイバーシティー(※多様性を尊重する)社会で評価を急速に高めつつある状況なのかもしれません!?

ピアゾの腕時計豆知識 
<結構難しい!?レベルソ用語解説>

関連記事 でもご説明しましたが、理解し難い単語が多いのもレベルソの特徴。少し難解な「レベルソ用語」を楽しく、勉強してみましょう。覚えておいて損はないですよ!

  • モノフェイス・・・文字盤が片面表示のみ。デュオやデュエットより若干薄い。初代レベルソに忠実なスタイルなのが強み
  • デュオ&デュエット・・・文字盤を両面表示できるモデル。男性用の両面文字盤がデュオ、女性用の両面表示がデュエット。古い機種には、「デュエットデュオ」「デュオデュオ」などもある
  • スモールセコンド・・・センター以外に配置された秒針を意味する時計用語。意外なことに、見慣れた3針モデル(※センターセコンド式)よりも歴史が古い!6時位置への配置が一般的。パテック・フィリップやヴァシュロン・コンスタンタン、ブレゲやA.ランゲ&ゾーネなどの超一流ブランドも得意としている
  • ムーン・・・ムーンフェイズの略称。月の満ち欠けの情緒とデュオ機能は相性バッチリ◎

「トリビュート」「クラシック」「ワン」は、記事の後半部分で「レベルソの選び方」と共に、少しでもわかりやすく指南致します。お楽しみに!

レベルソの最大の魅力は、プライベートとビジネスの切り替えが可能なケース回転機能に尽きる

レベルソというモデルの一番の魅力は、その名の通り「文字盤を180度回転できる」ユニークな機能性に尽きます。レベルソを反転させた時に紡ぎ出される「カチッ」と鳴る金属音……スライドする時の滑らかな操作感。まるで、“あるべきところに戻る”ようなナチュラルなクリック感。いずれも、レベルソのオーナーのみが堪能できる醍醐味です。

また、「モノフェイスにはモノフェイス(※片面)の良さ」「デュオにはデュオ(※両面)の良さ」があるのも、レベルソコレクションの良いところ。デュオであれば、「表面は普段使い(※シンプルな3針タイプ)用、裏面はカジュアル(※スケルトン加工のクロノグラフ等)用」など、“1本の時計で2本分の文字盤”を楽しむことができます。

片面のモノフェイスでも、メタル面にイニシャルやメッセージなどのカスタマイズ(※エングレービング)を施せば、自分だけの高級ブレスレットへチューンナップ可能!仕事終わりに文字盤をひっくり返し、あえて“時間を見ない楽しみ”を満喫するのも面白い楽しみ方ですよ!その解放感は、一度やったら病みつきになってしまうかも?

ピアゾの腕時計豆知識 
<買取目線で見た!刻印サービスと資産価値>

あくまで買取視点に立ったアドバイスですが、ジャガー・ルクルトのレベルソを将来、手放す予定がおありの方は、エングレービング(※刻印)サービスは避けておいた方が無難です。もし、買取の際に刻印があった場合、リセールバリューが下がってしまうので、ご注意ください。

ちなみに、干支や世界のモニュメントなど、芸術性が高いエングレービングも同様で、バイヤー次第では大幅なマイナス評価にならない(※見た人の主観が強く影響する)としても、プラス評価になることはあまりありません。

 ジャガー・ルクルト公式サイト「レベルソにエングレービングを入れる」

ジャガー・ルクルトが開発したムーブメント「Cal.920」は、ノーチラスやロイヤルオークなどの有名ラグスポにも搭載された超一級品

腕時計愛好家達の間でも一目置かれる存在のジャガー・ルクルト。 2023年現在、430以上の発明特許を取得し、1300種類のキャリバーを製造してきた「技術力の高さ」は、博識な時計通達も唸らせる“量と質”のバリエーションを誇ります。

雲上ブランドのパテック・フィリップ(※PP)やオーデマ・ピゲ(※AP)、ヴァシュロン・コンスタンタン(※VC)にもムーブメントを供給した実績を誇るジャガールクルト。ジャガー・ルクルトの凄さを説明するには、1967年誕生「Cal.920」の存在が欠かせません!
1976年誕生の初代ノーチラス(Ref.3700/1)や初代ロイヤルオーク(※Ref.5402ST搭載のAP自社製Cal.2121は、Cal.2120の派生機)にも搭載されたほど、超一級品のキャリバーとして、一部の時計通達に知られた名機なのです。

ジャガー・ルクルトを代表するムーブメントCal.920は、“PP=28-255C、AP=2120、VC=1120”とキャリバーナンバーを変更し、三大名門ブランドのドレスウォッチに強い影響を残します。
※PPやAP、VCの専用機として活躍したCal.920は、21世紀始め以降APへ製造を移管。APの公式ページでも、Cal.2120のアーカイブスが記録されています。

Cal.2120の公式ページは ⇒こちら

Cal.920の最大の特長は、わずか約2.45mmという驚愕の薄さ!のちに誕生した自動巻きムーブメントの「ETA2892(※1975年発表)」は約3.65mm、ロレックスの「Cal.3135(※1988年発表)」は約5.37mmです。

驚くことに、Cal.920は自社の時計に採用することはなく、VCのCal.1120/1121ムーブメント(※派生型を入れれば、1970年代~現在まで)やAPのCal.2120/2121(※派生型含めれば、1970年代~2021年末まで)など、息の長い活躍を見せます。近年のラグスポブームを追い風に、“三大雲上ブランドも認めた技術屋”として、ジャガー・ルクルトは近頃急速に人気を高めているのではないでしょうか。

ピアゾの腕時計豆知識 
<三大ラグスポとジャガー・ルクルト製Cal.920の関係性>

三大雲上ブランドのラグスポ(※以下、三大ラグスポと呼称)とCal.920の関係をまとめてみました。改めて見てみると凄い影響力を残していますよね。

≪三大ラグスポとCal.920の系譜≫
初代ノーチラス・・・3700/1は28-255ムーブメントを搭載(※第二世代ノーチラス3800からは、自社製335SC自動巻きムーブメント)
初代ロイヤルオーク・・・5402は派生機の2121ムーブメントを搭載。ロイヤルオーク15002も2121ムーブメントを使用
222(※オーヴァーシーズの前身)・・・Cal.1120を搭載。2022年のヒストリーク222でも、Cal.1121が採用される

ジャガー・ルクルトが、一部時計ファンに高く評価されるのも納得の実績です。Cal.920が自社の時計には使用されなかったというエピソードもシブいですが、Cal.920を載せたジャガー・ルクルトウォッチもいちファンとして見てみたかった気もします。

補足説明すると、VCのオーヴァーシーズRef.47040(※Ref.4500Vのひと世代前)には、ジャガー・ルクルト社製の「Cal.889」をベースにした「Cal.1126SC」「Cal.1226SC」が採用されています。考えようによっては、“三大ラグスポの心臓をジャガー・ルクルトが担って”いたんですよね……本当に凄い!

レクタンギュラーケースを黄金比で纏め、アールデコ様式でデザインを完成させたことで、レベルソは普遍的な美を完成させている

初代レベルソから現在まで続く不変のデザインコードも美しさの秘訣。黄金比とアールデコをかけ合わせた“直線美”は、シンプルながらも高級感があり、レベルソのレクタンギュラーケースと絶妙にマッチ!実用的でモダンなアールデコデザインが無駄のない稜線を描き出し、世界共通で“もっとも美しいと感じる比率”黄金比により、独特な長方形ケースは悪目立ちしなくなり、ジェンダーレスな魅力を獲得。男女を問わず、時代を超えてレベルソは愛されてきたのでしょう!

意図してか偶然かはさておき、「Watches and Wonders Geneva 2023(ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ)」のジャガー・ルクルトは、“黄金比&オールレベルソ祭”というテーマ。この項目を詳しく知りたい方は、別記事で。

余談ですが、ジャガー・ルクルトブースは、あちこちに魔法の数字「1:1.618」が潜んでいました。古代ギリシャを想起させる水のスクリーンも本当に綺麗でしたよ!

ジャガー・ルクルトのレベルソは、カルティエのタンクやサントスと並ぶ角型時計の王様

「レクタンギュラーの超王道」という、業界でも珍しい立ち位置のレベルソ。角型腕時計というジャンルは、ざっくり全体の5%弱にも満たないのでは、というぐらいニッチな分野です。「腕時計は生涯に一本のみ購入!」というスタイルの方からすると、スタンダードなラウンド型(※一般的な丸いケース)ウォッチの方が有力候補でしょう……しかし、二本目、三本目の複数所持者になると話が変わってきます。

レベルソは時計史全体で見ても、“レクタンギュラーウォッチの最高峰”。「カルティエのタンクとどっちにしよう」と悩む方も多く見受けられ、複数所持者にとって、「二本目以降にどうしても欲しい角型ウォッチ」の代表格として、レベルソは“絶対王者”に近い地位を築き上げてきたのです。

記事後半でも、「レベルソVSタンク」を比較しているので、購入予定者の方はご参考にしてみてください。

初代から、「歴史的に見てもカラー&サイズの種類が多い」というのも、レベルソの強みの一つです。近年は日本も“多様性の時代”へ突入し、様々な価値観や考え方を尊重する風土が出来つつあります。レベルソは誕生当初から“個性的なデザイン&多種多彩なカラーリング”をウリにしてきたため、近頃は特に時流に乗っているようにも感じます。

ただし逆にその種類の多さから「レベルソは選ぶのが難しい。どれを選べばいいかわからない」ということにも。後ほど、現行モデルの「レベルソの種類と選び方」のコツをお伝えするので、購入予定者の方はお役立てくだされば幸いです。

レベルソと映画業界。宮崎駿の逸話について

多種多様な職業のお洒落好き達からも愛用されてきたレベルソ。

“日本アニメ界の巨匠”宮崎駿さんも愛用者の一人です。「ルパン三世 カリオストロの城」でアニメ映画監督デビュー後は、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「魔女の宅急便」など、日本映画界を大発展させる名作達を次々と発表!1997年発表の「もののけ姫」は、国内歴代興行収入第1位を記録……2001年には、「千と千尋の神隠し」で、その記録を塗り替えるなど、誰もが認める“アニメ映画界のレジェンド”です。

ちなみに、「アーヤと魔女」のロングインタビューでも、宮﨑駿さんの腕元にレベルソ(※ビッグ・レベルソRef.Q2702421と推察)がピカピカと光り輝いています。柔和な笑顔と丁寧に使い込んだレベルソを見ていると、こちらも優しい気持ちになれますね!スタジオジブリ最新作の「君たちはどう生きるか」を観に行く際には、お持ちの方はレベルソも忘れずに……「40秒で支度しな」「3分間待ってやる」とレベルソを着けるのを楽しめたら、立派なジブリフリーク!?

人気漫画「ファブル」の主人公、佐藤明はレベルソを愛用。映画「ザ・ファブル」主演の岡田准一も日本アカデミー賞を獲得し、レベルソを贈られた

2023年にアニメ化でも話題の「ファブル」。漫画では、レベルソをひっくり返すシーンがガッツリ描かれています。“表の顔”は普通の生活を過ごす一般人(?)、“裏の顔”は伝説の殺し屋という設定に、レベルソはピッタリ過ぎるギミックですよね。漫画でもモノフェイスのレベルソ(※レベルソ・スモールセコンドのどれかと推察)をくるっとひっくり返して、伝説的強さを見せつけていました。プロの暗殺者二人相手でも、6秒あれば余裕なのがカッコいい……のですが、レベルソが壊れないか心配です!?

「ザ・ファブル」は、岡田准一さん主演で第二作まで実写映画化済み!主人公の佐藤明がイケメン過ぎる気もしますが、迫力あるアクション(※ほとんどスタントなしという噂も)でも話題です。ちなみに岡田准一さんは、2015年に「永遠の0」と「蜩ノ記」で、第38回日本アカデミー賞主演&助演男優賞をダブル受賞……副賞でレベルソを二本贈呈されているとも言われています。

他にも、上海国際映画祭とのパートナーシップ、カンヌ国際映画祭へのエキシビションも務めるジャガー・ルクルト。これからも映画界の発展の傍らには、レベルソという“名脇役”が欠かせないアイテムとなっていくでしょう。

現行モデル(※2023年8月現在)レベルソ48モデルの特徴や選び方について

色とりどり、バラエティーに富んだコレクションが魅力なレベルソ。しかし、熱心なコレクターでない限り、一見して「どのレベルソなのか?」はわからないほど、ラインナップが充実しているのは長所でも短所でもあります。ディスコンモデルも入れて把握するのは極めて難しいため、現行モデルを中心に解説致します!まずは、簡潔に特徴を。(※2023年7月末調べ)

 ジャガー・ルクルト公式サイト

≪レベルソ現行モデル3タイプの特徴≫
  • クラシック ・・・第二世代レベルソがモチーフ。インデックスは12のアラビア数字&バトン針が特徴。文字盤にギョシェ装飾が入っているのが伝統!ベーシックなコレクション
  • トリビュート・・・1931年初代レベルソのDNAが色濃い。アプライドバーインデックス&ドーフィン針が持ち味。バーガンディー、ブルー、グリーン、ブラックなど。カラフルな文字盤から選びたい方はトリビュートで決まり
  • ワン・・・ジャガー・ルクルト85周年記念(※2016年)のレディース用レベルソ。1930年代のレディース向けレベルソ同様、細長いケースが特徴。ポップなアラビア数字&上下のブリリアントカットダイヤモンドが優美

3種類の特徴を簡単にまとめてみました。レベルソ選びに迷ったら、上記項目を参考にしてみてください!

レベルソ・クラシックの特徴と選び方

≪レベルソ・クラシックの選び方コツ≫

  • 「縦34.2x横21mm~縦47x横28.3mm」とサイズ展開がもっとも豊富。男女問わず人気
  • クォーツ4種類、自動巻き2種類。スモールセコンドの有無も選べる
  • 青バトン針が多数!個性派なら金バトン針で
  • 表面文字盤は「シルバーグレーのみ」
  • 現行モデル最安値は、クォーツ製「レベルソ・クラシック モノフェイスRef.Q2618540」の1,042,800円。手巻き機械式最安値は「レベルソ・クラシック モノフェイスRef.Q2608440」の1,174,800円

 ⇒クラシックの公式ページ

総評すると、“シンプルかつ奥深い”傾向のレベルソ・クラシック。「モノフェイスorデュオ(デュエット)」「スモールセコンドなしorあり」「手巻きor自動巻きorクォーツ」「正統派青バトン針orこだわりの金バトン針」などなど多種多彩な合計23モデル。デザインや機能性、ちょっとしたこだわりで、自分好みのレベルソを探してみてください!

レベルソ・トリビュートの特徴と選び方

≪レベルソ・トリビュートの選び方コツ≫

  • サイズ展開は「縦45.5x横27.4mm~縦49.4x横29.9mm」と若干狭め。手巻き機械式のみ
  • 初代レベルソのカラーストーリーを継続する多彩なカラーリング
  • デュオ・トゥールビヨンを筆頭に複雑機構も魅力。現行モデルのクロノグラフも。
  • 最安値は「レベルソ・トリビュート スモールセコンド」の1,540,000円

 ⇒レベルソ・トリビュートの公式ページ

合計13モデルと若干少なめですが、パンチの効いたバリエーションで人気のレベルソ・トリビュート。バーガンディーレッドやディープブルー文字盤など、鮮やかでアダルトな色遣いも魅力の一つ。
初代レベルソの意匠を再現しているモデルが多く、「腕時計を選ぶ際は、オリジナルデザイン重視」というこだわり志向の方にも、良い選択肢でしょう。

また、2023年の新作はトリビュートから多めにリリース(※スモールセコンド&クロノグラフ、デュオ・トゥールビヨン)されており、流行の最先端なレベルソが欲しい方にもお勧めです。レベルソ・トリビュート・クロノグラフは、「WWG2023展示会でナンバーワンウォッチ」との呼び声も高い1本。

レベルソ・ワンの特徴と選び方

≪レベルソ・ワンの選び方コツ≫

  • サイズは「縦40(40.1)x横20mm」のみ
  • ゴージャスなデュエット・ムーンやデュエット・ジュエリーもレディースならでは
  • 最安値は、クォーツ製「レベルソ・ワン モノフェイスRef.Q3288420」の1,139,600円。手巻き式最安値は「レベルソ・ワン デュエットRef.Q3348420」の1,997,600円

 ⇒レベルソ・ワンの公式ページ

レベルソの中でも女性向けに特化したコレクションのレベルソ・ワンはフェミニンでエレガントな顔立ちが魅力。ほっそりとした華奢なレクタンギュラーケースと、手書きを思わせるポップなアラビア数字の組み合わせが実にキュートです!

1931年の誕生当初から、“女性に向けて作られた時計”コンセプト。ブレスレットとしても重宝するレベルソ・ワン モノフェイス、華やかなパーティーの場にも向く、二つの表情を持つレベルソ・ワン デュエット(もしくはデュエット・ムーン)を主軸に、あとはご自身の好み・ご予算で。

国内中古市場に視野を広げれば、クォーツは約25万円~、手巻き式でも約40万円~50万円を目安に、“美品と出逢いやすい”のも追い風となっています。

レベルソは全体的に定価が高いので、中古から購入するのも有効である

価格改定の連続で定価の値上げも凄まじいレベルソ。どうしても欲しい方は、新品にこだわらず中古を探してみてはいかがでしょうか? 現時点(※2023年8月調べ)での大雑把な最低価格をリサーチしてみました。

≪国内中古市場レベルソお買い得価格目安≫

  • レディースモデルクォーツ・・・レベルソ・レディ(260.8.08)約25万円~
  • レディースモデル手巻き・・・レベルソ・レディ(Q2608120)約40万円~
  • メンズモデルクォーツ・・・レベルソ・クラシック(250.8.08)約50万円~
  • メンズモデル手巻き・・・ビッグレベルソ(270.8.62)約60万円~

時期やタイミングによって多少の誤差は生じますので、参考値としてお役立てください。
現行モデルと比較すると、クォーツ・手巻き機械式問わず、半額 以下の(※レディースクォーツだと1/3~1/4目安より安い)値段で購入できるのは、消費者としてはありがたいですよね!

ピアゾの腕時計豆知識 
<知っていたらレベルソ通!?レベルソ生産終了となった名作編>

少し玄人向けに生産終了モデルも含めたレベルソをご紹介。振り返ると、色々な名作がありましたね。

  • ビッグレベルソ・・・1992年登場の大きめなレベルソ。一部では“傑作”の声もあり、国内中古市場でもお求め安いのがメリット。それより大きいサイズは「グランドレベルソ」
  • レベルソ・レディ・・・ひと昔前の小ぶりなレディースモデル。中古品が多数出品されているので、探しやすい
  • グランスポール ・・・1998年誕生のレベルソ史上初の自動巻きモデル。レベルソの中でも変わり種なデザイン
  • スクアドラ ・・・レクタンギュラーケースではなく、正方形に近いスクエアケースがウリ!
  • コルドネ ・・・フランス語で“細い紐”という意味。1936年の女性向けモデルからインスパイアされている

知る人ぞ知るエピソード性や雲上ブランドも認める技術力なども影響し、“根強いリセールバリュー”を誇ってきたジャガー・ルクルト。数年前までは、シンプルなモデルなら定価40万円~70万円台で購入できた、良心的な価格設定もレベルソの魅力の一つでした。

しかし近年、状況は変わりつつあります。2022年に三回(1月・6月・9月)、2023年に二回(1月・6月)の値上げを断行。10%弱程度の値上げを繰り返した結果、雪だるま式に定価も上昇!!一部モデルでは、二倍程度まで価格が上昇してしまい、「レベルソ 値上げしすぎ」とサジェスト表示される事態に。

また、価格に比例するように人気も急上昇中。軒並み、販売価格推移も右肩上がり傾向を記録しています。値段・人気・資産価値……混沌とした状況に突入し、不明瞭な視界が続くレベルソ選びのコンパス代わりとして、当項目が役立てばと思います!
2023年8月時点で、ピアゾ編集部独自の調査を元に動向の気になるモデルを選別しております。

レベルソ・クラシック・スモール モノフェイスRef.Q2608440のグラフと傾向

まずは現行モデルの「レベルソ・クラシック・スモール モノフェイス(Q2608440)」から見てみましょう。現定価1,174,800円に対し、販売価格は約75万円~80万円。一昨年の同時期が約60万円目安だったので、じわりじわりとリセールバリューも上げている状況でしょうか。

レベルソの資産価値を見極める一つのポイントとして、類似モデルの「モノフェイスVSデュオ」がどうなっているのか?相関関係は理解しておくといいと思います。

レベルソ・トリビュート デュオ・スモールセコンドRef.Q3988482のグラフと傾向

続いて、「レベルソ・トリビュート デュオ・スモールセコンド(Q3988482)」です。現定価は1,944,800円ですが、販売価格は約150万円~170万円とグイグイ来ている気配です。去年の夏くらいからグラフもスパーク気味で、平均価格100万円弱だった値段が、どこまで上がるのか(下がるのか?)予測しづらいの面も。

デュオについての好材料は、“表と裏で違うダイヤル”という個性。市場でもプラスとしては働きやすい“強み”です。

レベルソ・クラシック スモールセコンドRef.Q3858522のグラフと傾向

「レベルソ・クラシック スモールセコンド(Q3858522)」のグラフの伸びも凄まじいものを感じさせますね。現定価の1,540,000円に食らいつくような価格上昇を見せ、販売価格は110万円前後。2年前は60万円前後だったので、約2倍の上昇率は驚異的。

悲しいのは定価の上昇…2022年9月の価格改定前は985,600 円だった価格(※2020年5月までは688,600円)が、現在は1,540,000円。世知辛いですね。

レベルソ・トリビュート・スモールセコンドRef.Q3978480のグラフと傾向

こちらは生産終了モデルの「レベルソ・トリビュート・スモールセコンド(Q3978480)」です。参考定価972,000円でしたが、去年末頃から販売価格は100万円オーバーに到達!現在も130万円前後まで浮上の気配を見せ、こうなると換金率もかなりの数値が期待できますね。

スモールセコンドありのモデルの方がリセールバリューで少し有利な状況。現状、定価上昇も影響したレベルソ全体の底上げが起きている“レベルソ特需気味”なムード。

レベルソ・クラシック・ラージ・スモールセコンドRef.Q3858520のグラフと傾向

現行の「Q3858522」とほぼ同スペックで参考定価1,161,600円の「レベルソ・クラシック・ラージ・スモールセコンド(Q3858520)」も去年春頃から、定価超えの上がり調子を続けています。7月付近に突如記録した200万円前後の価格は明らかにフロックですが、現在の販売価格は100~130万円前後と好調です。

他にも、グラフは省略しますが、「レベルソ・クラシック・ミディアム・スリム(Q2518540)」や「レベルソ・クラシック・スモール・デュエット(Q2668432)」なども、順調に右肩上がりに価格を刻んでいます。現行モデルでは「レベルソ・クラシック・ラージ・デュオ・スモールセコンド(Q3848422)」の伸びも気になりますね。

総括すると、定価の上昇に引きずられる(釣られる?)ように、軒並みレベルソ全体が順調な上げ調子の価格推移をキープしています。「クラシック」「トリビュート」「デュオ」など、手堅い人気モデル(と機能)が、市場にはウケている印象です。

ディスコン&現行モデル問わず、他にも“気になるチャート”を見せるモデルが多数存在するレベルソ。購入予定者の方(そうでない方も!)は、ぜひチェックしてみてくださいね。

カルティエのタンクとジャガー・ルクルトのレベルソをブランドの格も含めて徹底比較

丸型時計に比べ、ラインナップが極めて少ない角型時計。“角型時計の二大巨頭”と言えば、ジャガー・ルクルトのレベルソと、カルティエのタンク(あるいはサントスも)でしょうか。どちらも名の知れた名作モデルなので甲乙つけがたいですが、 「カルティエのタンクVSジャガー・ルクルトのレベルソ」を徹底比較してみました。(※直接比較項目は現行モデルのみ)

<カルティエのタンク メリットとデメリット>
  • ◎ロレックスに対抗し得る生産力の高さ(※カルティエは約60万本程度、ジャガー・ルクルトは約9.5万本と推察)
  • ◎ロレックスに次ぐ売上高3位以内の常連(※2022年度モルガン・スタンレー発表スイス時計売上ランキング参照)※カルティエが2年連続の2位(※27億5,000万スイスフラン)に対し、ジャガー・ルクルトは14位
  • ◎リシュモングループの大黒柱的存在である(かつては“カルティエグループ”とも揶揄された)
  • ◎第一次世界大戦中(※初代タンクは1917年)に発表された角型時計の“本家”的存在
    ※カルティエの凄いところは、“元祖中の元祖、角型時計”サントスを1904年発表!「世界初のメンズ時計」という肩書きも。
  • ◎タンクは自動巻きもあり
  • ◎クォーツは半額以下の値段(※最安値はWSTA0042の429,000円)で購入可能!※しかも、同価格でソーラービート™ ムーブメントのWSTA0060もリリースされている
  • ◎自動巻き最安値はWSTA0053の715,000円~
  • 〇タンクは縦長のレクタンギュラーや正方形に近い角型など、幅広いバリエーションが魅力
  • △通称“モテ時計”とも呼ばれる、お洒落過ぎるイメージが強いのが弱点かも(?)

ジュエラーと軽んじるなかれ。カルティエは超一流のウォッチメーカーとして業界でも知られています。「ムーブメント製造ならジャガー・ルクルトの方が上!」という考え方が主流だと思いますが、カルティエも「1904MC、1847MC」を自社開発し、リシュモングループ共有ムーブメントとして、ヴァシュロン・コンスタンタンやピアジェ、パネライなどがカスタマイズして採用しています。

ちなみに、ジャガー ・ルクルトがレベルソ祭りだった一方、カルティエもタンク&サントスで、“角型の良さだけでなく格式の高さ”も猛アピール!その美しさと品格の素晴らしさは、現地レポと共にお楽しみください!

お次はジャガー・ルクルトの誇るレベルソのストロングポイントを抜粋してみました。

<ジャガー・ルクルトのレベルソ メリットとデメリット>
  • ◎カルティエは“品の良さ”が際立つが、レベルソは“シブさ”に秀でている
  • ◎伝家の宝刀「180度回転式ケース」機能は、さながら仮面ライダーの変身ベルトの如く、ガラッと印象やモードを切り替えられる
  • 〇1907年3月21日にカルティエはジャガー・ルクルトと15年の契約を締結。ムーブメントなどの発明品を独占的にカルティエへ提供している
  • △良くも悪くも“黄金比”で創られているため、顔立ちが似通っている

⇒結論:価格面や普段使いのしやすさ(※初期コスパの差、自動巻きがない、タンクにはソーラーウォッチがある)では見劣りするが、ケース回転式という“一撃必殺”の色褪せない武器はオンリーワン!
ブランドの格、コスパなどの総合力で見ればタンクにやや軍配が上がるかも?

総評すると、オーナー様の“大人の色気の質”の差次第で、どっちが上かの結論が変わりそうな気もします。筆者の主観も混じった一つの見解ですが、「(似合ってなくても)オシャレなタンク」と「(似合うと抜群に)カッコいいレベルソ」の“イメージ観の違い”が、“角形時計の二大巨頭”と称される理由なような気がします。別の言い方をすると、「垢抜けたお洒落さ=タンク(&サントス)、硬派なシブさ=レベルソ」と、カッコ良さのベクトルが違うような気もするのです。

愛用している芸能人を例に出すと、イメージ観が多少伝わるかもしれません。「ジャガー・ルクルト=水谷豊さん、木梨憲武さん、天海祐希さん、ニコラスケイジさん」に対し、「カルティエ=渡辺謙さん、タモリさん、米倉涼子さん、杏さん、ジェシカ・アルバさん」と、似合う有名人のイメージ像が違うのも、時計選びの面白いところ!渡辺謙&杏さん達は、親子でカルティエをチョイスしているくらいです。

結局のところ「ご自身のイメージに適した角形時計を選ぶのがいい」とピアゾ編集部は第一に考えています。腕時計好きのご友人、意中の相手に「どっちが似合いそう?」と聞くも良し。
角型時計全体に視野を広げれば、タグ・ホイヤーのモナコ、ブルガリのアショーマなど、重厚なストーリー、濃厚なドラマがあるのも高級腕時計の世界。 “理想の角形時計”を探してみても面白いですよ!

ピアゾの腕時計豆知識 
<有名ブランドの角型ウォッチ>

角型ウォッチの一例をチョイスしてみました。レベルソの対抗馬を探し出してみてくださいね!

  • パテック・フィリップ・・・ゴンドーロ
  • ヴァシュロン・コンスタンタン・・・ヒストリークの一部
  • タグ・ホイヤー・・・モナコ
  • ブルガリ・・・アショーマ
  • フランク・ミュラー・・・ロングアイランド
  • ジラール・ペルゴ・・・ヴィンテージ1945
  • ロンジン・・・ドルチェヴィータ
  • ベル&ロス・・・BR03-92

もし、ピンときたブランドやモデル名があった方は、姉妹サイト「ブランド時計販売のクエリ」も目を通して見てください。運よく、狙い目な新着時計が入荷しているかもしれませんよ!?

最後にピアゾ編集部が選んだ、今が旬の現行モデル5選をご紹介致します。思い切って、「デュオ」に尖らせてノミネート!

Ref.Q2458422の特徴

「縦42.9x横25.5mm」のミディアムサイズ。表面がシルバーグレー&裏面はクルー・ド・パリ装飾のブラック文字盤、青バトン針の正攻法な組み合わせが魅力。表裏のデザイン面の違い以外にも、異なる2つのタイムゾーン表示可能な機能性の高さも兼ね備えています。

ファリアーノ・コレクションのカーフストラップと組み合わせれば、タイムレスな高貴さを腕元に纏うことができるでしょう!

【口コミ/ピアゾ編集部の推薦コメント】
  • 「現行モデルで見比べると、デュオの中では比較的リーズナブル。デザイン性・機能性・レベルソっぽさ……三拍子揃っていると思います」
  • 「奇をてらわない正統派なレベルソ。ライトブラウンのレザーストラップがいい味出しています」
Ref.Q3848422

“同じに見えて、ちょっと(結構)違う”のがレベルソ。上記モデル(Q2458422)の兄弟機、Q3848422。機能性やデザイン性は上記同様ですが、こちらは「縦47x横28.3mm」のラージサイズ。サイズアップして若干面長になっても気取らないイケメンぶりは、まさしく黄金比が成せる業。

ご自身の体格や手首周りのサイズに、「ミディアムorラージ」どちらが似合うか、試着す見定め。

【口コミ/ピアゾ編集部の推薦コメント】
  • 「人生、一度は旅行に持っていきたいですよね!?夕陽を見ながら『カチッ』とひっくり返せたら。最高!!」
  • 「同じデザインでも微妙なサイズ感の違いが、似合う・似合わないに直結したりします。現行モデルのレベルソ選び(※デュオがいい方向け)に迷ったら、Q2458422かQ3848422で選べば、間違いは少ないかもです」
Ref.Q3842520の傾向

よりエレガントで本格的な高級腕時計をご選択したい方には、ピンクゴールド製のQ3842520はいかがでしょうか? 表面は(※6時位置スモールセコンドも)ピンクゴールドのバトン針なのに対し、裏面はシルバーグレーカラーのバトン針なのもゴージャス!昼と夜、光と影、表と裏……様々な“変化の醍醐味”が、ケースを裏返すたびにオーナーを楽しませてくれることでしょう。

【口コミ/ピアゾ編集部の推薦コメント】
  • 「“気品”がありますよね。華やかでありながら、どこか控えめ。大胆に見えて繊細……そんな“矛盾”も美しいです」
  • 「デザインコードは黄金比がデフォルトなので、ちょっとした違いに気付けると、よりレベルソが好きになってしまいますよね!?個人的には黒文字盤の下側(※スモセコの半円、TravelTIME表記)が、綺麗な三角形を創り出している気がします」
Ref.Q3988482の傾向

クラシックの強力な対抗馬、トリビュート。バーガンディーレッド、グリーン、チョコレートブラウン……どれも捨てがたい選択肢ですが、ラグスポの定番カラー「ブルー」は外せない要素の一つです。ジャガー・ルクルトのムーブメントを搭載していたノーチラスやロイヤルオークの人気色は断然、青文字盤。ラグスポブームの“陰の主役”的な意味合いもあるレベルソにも、青はもってこいのカラーリングです。1,540,000円という価格帯も、購買意欲を刺激されることでしょう。

【口コミ/ピアゾ編集部の推薦コメント】
  • 「裏返すとシルバーグレーなのが瀟洒。スモールセコンドの円の交わりも慎み深いなあ。雪だるまのようなシルエットは、寒々しく上品」
  • 「初代レベルソの意匠に忠実なトリビュート。ラグスポビギナー~腕時計通の方も高評価したくなる総合力の高さです」
Ref.Q3918420の傾向

ジャガー・ルクルトらしい複雑機構が魅力のQ3918420。グレイン仕上げの表面ダイヤル(シルバーグレー)、ディープブルーのサンレイ仕上げの裏面ダイヤルのコントラストが実に鮮やかです!ヴィンテージな雰囲気と厳かな装飾のエレガントさがたまりません。クラシックコレクションのベーシックカラー、シルバーグレーを表面。裏面が青文字盤という組み合わせも乙なところです。

【口コミ/ピアゾ編集部の推薦コメント】
  • 「搭載ムーブメント、キャリバー853の写真を見ただけでも感嘆の言葉が溢れます!腕元でオーケストラやオペラを眺めているように、“雄弁”に美しさを語り続けてくれると思います」
  • 「表面、裏面どちらも主役になれる美しさ!指揮者がタクトをふるうように、持ち主の方はTPOや気分次第で文字盤を様変わりさせられますよ!」

近頃、時計ファン達の間で赤マル急上昇中のレベルソ。“一本で二本分楽しめる”色とりどりな文字盤。ずっと見ていられるアールデコ様式と黄金比のデザインセンス。世界三大腕時計ブランドにムーブメントとパーツを供給したブランドヒストリー……などなど、“中身も見た目”も業界トップクラスのジャガー・ルクルト&レベルソ。

理解すればするほど、やっぱり凄い!そんな感嘆のため息を漏らしたくなる、“一生モノの腕時計”の有力候補ですよね。90年以上の時が経った今でも、世界中から愛されるのも納得。個性を尊重する現代になって、やっと実力に人気が追い付いてきたのかもしれませんね。

ただ昔からの時計好きのイメージだと、数年前までは40万円~70万円台の“コスパが良くて個性的&実力派”だった心象ですが、現在では現行モデルのエントリーラインでも、110~150万円……ファンでなくても、「高くなったなぁ」と一言漏らしたくなるものです。定価の上昇と共に資産価値も知名度も上がり、ブランドイメージも変化しつつあるのかもしれませんね。

買取の目線でも動向が気になるジャガー・ルクルトとレベルソ。ひと昔前までは、ジャガー・ルクルトは流行やトレンドの影響を受けづらいブランドとして知られていましたが、状況は刻一刻と変化していきます。

レベルソは似たようなデザインが多く、細かな違いに気づきにくい高級腕時計ブランドの一つです。そのため、時計専門の買い取り業者でないと正確な査定が難しく、またバイヤー間の価格差も出やすい傾向があります。ピアゾの9社一括査定なら、他社の納得いかない見積もりをひっくり返す、高価買取も狙えます。

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