更新日:2023年06月02日
スイスの高級時計ブランド「パテック・フィリップ」が主催するイベント『パテックフィリップ・ウォッチアート・グランド・エキシビション』。ブランドの歴史や世界観が一般の人々にも伝わるよう、2012年より各地で開催されてきました。その第6回目が、2023年6月、日本(東京)にて行われます。
この記事ではイベントの開催概要や展示内容、イベント内で発表される限定モデル(リミテッドエディション)についてなど、幅広い情報をまとめました。
第6回目となる同イベントは、コロナ禍により延期を余儀なくされていましたが、2023年6月に東京で開催することが決定しました。具体的な概要は以下の通りです。
日時 | 2023年6月10日(土)~6月25日(日) 10:00~20:00(最終入場は19時まで)※25日(日)は10:00~17:00(最終入場は16時まで) |
---|---|
開催場所 | 東京・新宿住友ビル三角広場 |
入場料 | 無料 |
発券開始時期 | 2023年3月予定 |
公式サイト | https://www.patek.com/watchart2023 |
開催地の最寄り駅である新宿は日本で最も利用客の多い駅であり、開催都市を象徴する地域といえます。会場である新宿住友ビル三角広場は2020年にリニューアルされた大ホールで、自然光の入るガラス張りの天井が特徴的です。柱が設置されていないため、広々とした空間を味わうことができます。
こちらには2022年12月25日までの期間限定で、高さ8mの巨大なクリスマスツリーが展示されていました。ツリーには、パテック・フィリップのシンボルであるカラトラバのエンブレムをはじめ、時計の歯車モチーフのオブジェやダイヤ型の装飾が施されています。そのほか、20分ごとにライティングが行われたり、付近のスクリーンで本社社長ティエリー・スターン氏のメッセージムービーが流されたりなど、イベントに向けて会場を盛り上げる工夫がなされていました。
同イベントは入場無料および一般公開が原則です。これには、パテック・フィリップの技術や歴史、専門知識をより多くの人に理解してほしいという願いが込められていると考えられます。
パテック フィリップ・ウォッチアート・グランド・エキシビションとは、ブランドの創作、遺産、哲学および広範な専門知識への理解を深めるためのイベントです。ジュネーブの伝統を引き継ぐブランドとして、様々な展示を通して時計製作への情熱を人々に伝えています。
東京会場では10のテーマに沿ってルーム(エリア)が分けられており、ローヌ通りにあるパテック・フィリップ本社やジュネーブの雰囲気、ブランドの世界観に浸ることができます。約500点のタイムピースやオブジェ、地域限定のリミテッドエディションなど、充実の展示内容です。
同イベントは2012年のドバイから始まり、2013年のミュンヘン、2015年のロンドン、2017年のニューヨーク、2019年のシンガポールと、徐々に規模が拡大しています。これまで5回の動員数は、計16万5000人です。イベントでは、ブランドの歴史を辿れる名作時計の展示や歴史を感じられる画像・フィルムの鑑賞、現行コレクションの展示、装飾技術の実演、ムーブメントの解説など、様々な側面からパテック・フィリップの真髄を伝えてきました。
過去のWatch Art Grand Exhibition のダイジェスト動画もパテック・フィリップの公式YouTubeにアップされていますのでご紹介しましょう。
華やかな会場、VRを使った展示、一生お目にかかることもなさそうだった稀少で貴重なタイムピースの数々・・・!無料とは思えないクオリティが窺い知れます。東京の展示会も期待大ですね!
2019年のシンガポールのテーマカラーは赤
イベントでは地域ごとにテーマカラーが設定されており、2017年のニューヨークは青、2019年のシンガポールは赤だったそうです。2023年の東京については、プレスリリースの画像背景が紫であることから、テーマカラーは紫ではないかと予想されます。
「紫」と言えば、東西を問わず古代より「高貴な色」とされてきた色です。日本ではかつて聖徳太子が冠の色分けで地位定めた「冠位十二階」の中で、最上位とされたのも「紫」でした。パテック・フィリップは時計界のまさに最上位に君臨する皇帝。 シンガポールのリミテッドエディションを見たところ、テーマカラーは地域限定モデルにあしらわれることもあるようですので、高貴な紫色をつかった限定モデルも登場しそうですね。
同エキシビションは、テーマごとに区切られた「ルーム」で構成されています。ここでは一部ルームの概要を紹介します。
現行コレクション・ルームは、ジュネーブのローヌ街にあるパテック・フィリップサロンを再現したエリアです。ここでは展示会のために特別に作られたショーケースが並び、中には現行のタイムピースが多数展示されています。
ナポレオン・ルームは、ジュネーブサロンの5階にある同ルームを再現したエリアです。壁の大スクリーンには、実際のサロンの窓から見えるレマン湖の風景が映し出されています。また、このルームでは地域限定のリミテッドエディションが展示されています。
ミュージアム・ルームは、ジュネーブのパテックフィリップ・ミュージアムをモデルにしたエリアです。「オールド・コレクション」のコーナーでは、16~19世紀初頭の懐かしいタイムピースが展示されています。「パテックフィリップ・コレクション」のコーナーでは、パテック・フィリップが発表した最初の永久カレンダーなど、歴史的なタイムピースに焦点を合わせています。「歴史的オーナー」のエリアでは、ロンドンの万国博覧会でヴィクトリア女王に贈呈されたといわれるペンダント・ウォッチなど、著名なオーナー(所有者)をもつタイムピースが展示されています。
希少なハンドクラフト・ルームは、ブランドの傑出した装飾技術を伝えるエリアです。パテック・フィリップの職人たちは、手彫金、七宝細密画、木象嵌、クロワゾネ七宝など、優れた技術を継承しています。ここでは希少なハンドクラフト・タイムピースを鑑賞することができ、シンガポールではドーム・テーブル・クロックやエナメル細密画のカラトラバなどが展示されていました。
ウォッチメーカー・ルームでは、ブランドのマスター・ウォッチメーカーたちが観客に向けて、機械式時計の内部構造を見せてくれます。
ムーブメント・ルームは、その名の通り時計のムーブメントに焦点を当てたエリアです。基本的なキャリバーから、グランド・コンプリケーションのような複雑な時計に搭載されるキャリバーまで、様々な種類が展示されています。分解・組み立ての実演も行っており、時計の精密さや奥深さを強く感じられることでしょう。
各イベントでは、エキシビションを記念した地域限定モデルが数点発表されています。基本的に開催国のユーザーしか購入することができないため、希少価値がとても高いです。東京ではどのような限定モデルが発表されるのか予想するためにも、過去のリミテッドエディションを振り返ってみましょう。
ここでは2012年のドバイを除き、過去4大会のリミテッドエディションを紹介します。
2023年の新作(東京リミテッドエディション)予想は、「ワールドタイム・ミニッツリピーター Ref. 5531」です。縁取りの中にエナメルを流し込む「クロワゾネ技法」を用い、シンガポール大会と同様に市街地の地図を描くか、もしくは日本の象徴的な風景を描くか・・?
文字盤に地図を描いた時計と言えば、
グランドセイコーからダイヤルに創業地・銀座の地図を描いた限定モデル「SBGH297」が発表されましたが、今回のイベントでは東京駅の夜景や、開催地新宿のネオン街なども予想されますね。
そのほか、過去のリミテッドエディションを見る限り、ワールドタイム クロノグラフ 5930Gやアクアノート、希少なハンドクラフトシリーズの新作なども考えられます。過去の「希少なハンドクラフトシリーズ」を見てみると、その国を象徴する花や生物など、自然を描いたものが多数存在します。日本は海外の方から見れば”フォトジェニックな風景”、優雅な花鳥風月に溢れていますから、日本をイメージさせる梅や桜、鶯や鶴といったはもちろん、富士山のような象徴的な自然が描かれるかもしれませんね。冒頭のプレスリリース画像に佇むあの鳥はやはりウグイスでしょうか・・・?イベントの紹介動画には和傘や鶴、折り紙なども登場します。花鳥風月と言えば、花札とか参考にしているかも・・?
また、今まではあまり出ていませんでしたが、ノーチラスなどのコレクションから出される可能性もあるでしょう。日本限定「紫色」ダイヤルのノーチラスやワールドタイム、もはや願望ですが、あり得そうに思えませんか?!
パテックフィリップ・ウォッチアート・グランド・エキシビションは、ジュネーブの世界観やブランドの歴史、技術力、そして時計の魅力を存分に感じられる最高のイベントです。国内開催および入場無料ですので、この機会にぜひパテック・フィリップの世界を覗いてみてください。
時計買取のピアゾでは、豊富な知識を持つスタッフがトップバイヤーと交渉を行い、時計の買取を行います。できるだけ高額での買取を目指していますので、リミテッドエディションをはじめとする稀少な時計や、高級ブランドモデルをお持ちの方も、ぜひ一度ご相談ください。